F REGENERATION 瑠璃

六田登の『F』の続編。父親と同じくレースの世界に進んだ前作の主人公・赤木軍馬の息子・赤木瑠璃の挑戦と、その後の軍馬の姿が描かれる。前作と同様にレースのリアルな描写は健在で、それに絡むさまざまな人間模様がストーリーの軸となっている。「週刊オートスポーツ」2002年6月から2006年3月にかけて連載された作品。

正式名称
F REGENERATION 瑠璃
ふりがな
えふ りじぇねれーしょん るり
作者
ジャンル
カーレース・ラリー
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
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あらすじ

第1巻

高速道路を猛スピードで走る1台のバイクの後部座席に座る赤木瑠璃は、解体業を営む父親・赤木軍馬には内緒で私設レース集団「ターヘルアナトミア」に所属し、夜な夜な公道レースに興じていた。ある日瑠璃は、「ターヘルアナトミア」のメンバーが、「赤いチーター」とあだ名される謎の車両のせいで、相次いで事故を起こしている事を知る。瑠璃は「赤いチーター」の正体が木元レイコという女性である事を突き止めるが、彼女は「ターヘルアナトミア」のリーダー加曽利純一郎の親友の妹だった。かつてサーキットで活躍するレーサーだった加曽利は、チームメイトだったレイコの兄をレースで死なせてしまった過去があった。レイコはその復讐のために「ターヘルアナトミア」のメンバーを狙っていたのである。その事実を知った加曽利は、瑠璃に対し、レイコを同乗させて全日本高速道路走破ラリーに参加するよう促す。一方、軍馬は、親友の大石タモツから瑠璃が自分に内緒で公道レースをしていた事を知らされ、瑠璃にレースを断念させるべくタモツと共に全日本高速道路走破ラリーに参加する。

第2巻

全日本高速道路走破ラリーに参戦し、木元レイコを助手席に乗せて走っていた赤木瑠璃は、2位につけて折り返し地点の九州に入った。そこで瑠璃はレイコに対し、今回のレースで優勝したあと、アメリカに渡って本格的にレーサーを目指す事を告げる。レイコもまた、瑠璃に惹かれている自分の気持ちを自覚し、瑠璃といっしょにアメリカへ行くと約束する。その翌日、レースに戻った瑠璃は、奇妙な覆面をつけたドライバーから挑戦を受ける。その正体は大石タモツがチューニングしたマシンに乗った父親・赤木軍馬だった。瑠璃は軍馬とは気づかずに父親とのバトルを制し、ついに全日本高速道路走破ラリーで優勝する。しかしその直後、レイコが車にはねられ植物状態となってしまう。失意の瑠璃に対し、全日本高速道路走破ラリーの主催者である加曽利純一郎は、アメリカに渡ってインディカーレースに参加する事を宣言。そして瑠璃にも、アメリカへ来るようにと誘うのだった。それから1年後、瑠璃はレイコを連れて渡米し、加曽利から紹介されたエド・スペンサーの経営するレーシングスクールの門を叩く。

第3巻

赤木瑠璃は、エド・スペンサーのレーシングスクールで、練習生のトニー・クリックや事務担当のウーヒティカ、世話係のジェニファーと出会う。植物状態となっている木元レイコの世話をジェニファーにまかせ、瑠璃はトニーと共にレースの練習に励むが、トニーは瑠璃の事を認めず、二人は衝突を繰り返す。そんなある日、瑠璃は、サーキット練習のためタンギーという老人のもとを訪れる。その途中でも瑠璃とトニーはトラブルを起こすが、瑠璃のテクニックを見たエドは、トニーとチームを組んでミジェットカーレースに出場するよう提案する。 ジェニファーに連れられたレイコが見守る中、瑠璃のデビューレースがスタート。その中でトニーは、かつての仲間であるポパイに目をつけられてしまう。実はトニーは、恋人のアニスと共にギャングだったポパイのもとから逃げ出していたのだった。トニーを見つけたポパイは、再びいっしょに仕事をしようと持ちかける。

第4巻

赤木瑠璃にとって、アメリカでの初めてのレースは惨敗に終わった。瑠璃は改めてコースを確認し、自身の未熟さを痛感する。しかし、瑠璃の才能を認めるエド・スペンサーは、瑠璃とトニー・クリックと共にレースチームとして、今後も全米のミジェットカーレースを転戦する決意を伝える。しかし、木元レイコを連れてアメリカ中を渡り歩くのは難しいと考えた瑠璃は、彼女を日本へ帰す事を考える。それを知ったジェニファーは瑠璃に下剤入りのスープを飲ませレイコと別れる事を思いとどまらせようとする。下剤が効いたままレースを走る瑠璃は、偶然にも理想的なドライビングフォームを実現し、トップでゴール。さらにジェニファーからレイコが動かない指で必死に「イヤ」と書いた事を聞かされ、そのまま空港までレイコを追いかける。レイコの気持ちを知った瑠璃は、もう二度とレイコを離さないと誓うのだった。そんな瑠璃の前に、父親の赤木軍馬が現れ、レーサーに復帰する事を宣言する。

第5巻

赤木瑠璃トニー・クリックの活躍で、エド・スペンサーのレーシングチームは各地で連勝を重ねていた。トニーはレースマガジンの記者ペギーに取材を受けるうち、彼女と親密な関係になっていく。しかしペギーの背後には、トニーを利用して賭けレースで儲けようと目論むポパイの姿があった。瑠璃はそんな事とは知らず、トニーともようやく打ち解け始めていたが、そんな中、転戦先で外出中に暴漢に襲われ足を骨折してしまう。これによりレースを欠場し、入院する事となった瑠璃の前に、日本で別れたままになっていた加曽利純一郎が現れる。しかし、加曽利は日本にいた頃の記憶をなくしており、瑠璃の事もよく覚えていないと語る。それでも、かつてレースで走る瑠璃の姿を見た加曽利は何かを感じ、瑠璃に会いに来たのだという。そして、瑠璃にレースの世界は合わないと諭し、日本へ帰るように促す。そんな加曽利に対し瑠璃は、今のままでは帰れないと答え、足が治ったら再びレースに出場すると答えるのだった。その頃、大石タモツ黒井和夫ら仲間たちとチームを結成した赤木軍馬は、インディカーレースへの参戦を表明。かつてのF1レーサー軍馬の復帰に、レース業界はにわかに色めき立つ。

第6巻

ミジェットカーレースで連勝を続ける赤木瑠璃トニー・クリックだったが、瑠璃はトニーの走りに違和感を覚えていた。そのトニーはポパイから賭けレースを持ちかけられ、不本意ながらそれに従っていたのである。同時にポパイはコネチカットに住むトニーの姉のエミリー・クリックに近づき、トニーをさらに意のままにあやつろうと企んでいた。ある日、瑠璃の足を折った男を見つけたトニーはその男を締め上げるが、そこで瑠璃の足を折ったのがポパイの指示である事を知らされる。トニーはポパイと話をつけるためシカゴへと向かうが、そこで彼の手に落ちた姉エミリーを目の当たりにする事となる。一方の瑠璃は、シカゴに行ったまま戻らないトニーを心配していた。そんな中、加曽利純一郎から、トニーの出場するレースには、必ず同じ席にペギーが座っている事を知らされ、ただならぬ不安を覚えるのだった。

第7巻

トニー・クリックは、ポパイに囚われたエミリー・クリックを見て逆上し、持っていた拳銃でポパイを銃撃してエミリーと共に逃げ出す。しかし、トニーが目を離したスキにエミリーは自殺してしまう。悲しみに暮れるトニーの前に、銃撃から生き延びたポパイが近づき、再びいっしょに仕事をしようと持ちかけるのだった。その後、チームに戻って来たトニーと久しぶりにレースに出る事になった赤木瑠璃は、その会場で父親の赤木軍馬と再会する。軍馬が見守る中、瑠璃はトニーと共にレースに臨むが、トニーはそのさなかフェンスに激突し帰らぬ人となってしまう。フェンスに激突する寸前、「グッバイ」というトニーの声を聞いたと主張する瑠璃は、エド・スペンサーのチームを離れて独自にトニーの死の真相を探り始める。そんな瑠璃に、「ジョージ・ワイエス」という男が接触し、自分のチームでレースを走らないかと持ちかける。瑠璃はそのオファーを受けるが、ジョージの正体はトニーを死に追いやったポパイ本人だった。

第8巻

「ジョージ・ワイエス」ことポパイのオファーを受け、監督のジョー・ベルの率いるチームに加わった赤木瑠璃は、ミジェットカーレースの上位レース・インフィニティプロシリーズに参加する。ジョージの誘いで彼の実家へ招待された瑠璃は、そこで彼の母親と出会い、さらにジョージがポパイである事を知るのだった。予選レースで好タイムをたたき出した瑠璃は、そこで一足先にインディカーレースに参戦した父親の赤木軍馬と再会。そこで軍馬から母親・赤木純子風祭という男と浮気をしている事を知らされた瑠璃は、軍馬と共に久しぶりに日本へと帰国する。そこで瑠璃は純子に木元レイコを紹介する。瑠璃のレースを観戦するうちにレイコは少しずつ回復しており、植物状態だった彼女はぎこちないながらも歩いたりする事ができるようになっていた。そんな瑠璃とレイコの姿を見た純子は、改めて男女の関係というものを考え始める。 アメリカに戻った瑠璃はチームに戻るが、そこで彼はスポッターとしてウッド・ベッカーという男を紹介される。ウッドの指示で走る事を強要された瑠璃は、手始めにライバルとなる女性レーサーのアン・メイザーを潰すように指示を受ける。

第9巻

「ジョージ・ワイエス」ことポパイの指示で赤木瑠璃スポッターとなったウッド・ベッカーは、レースで勝つためではなく、瑠璃を支配下に置くための指示を出す。瑠璃はそれを拒否するが、レース中の通信はウッドとしかする事ができず、情報不足により不利なレースを強いられる事となる。それでもなんとかゴールした瑠璃は、レース中に木元レイコがポパイの母親によって連れ去られ、姿を消した事を知る。これはポパイにとっても予想外であり、すぐに自身の部下に命じてレイコを捜索するように命じるが、ポパイの母親を見つける事はできなかった。レイコがいなくなった事でふさぎこむ瑠璃だったが、すでにインディカーレースに参戦を決めた赤木軍馬に叱咤され、再びレースで走る事を決意する。そんな瑠璃に対してポパイはウッドを通して新たな指示を出すが、瑠璃は逆にウッドを利用してレイコを取り戻そうと考える。

第10巻

木元レイコを取り戻すためレースを続けていた赤木瑠璃は、インフィニティプロシリーズ2戦目にしてトップでゴールする。その様子を見たポパイの母親は、レイコを連れてラスベガスへと向かう。そこを目撃した仲間のブルートから連絡を受け、ポパイはラスベガスで母親と再会する。ポパイの母親は、レイコを賭けてラスベガスのカジノで息子と対決し、もしも自分が勝てばレイコを自由にするよう迫るが、賭けはポパイの勝利に終わり、さらに無理がたたって彼女はポパイの目の前で息絶えてしまう。悲しみに暮れるポパイはレイコを瑠璃のもとへ帰すが、これからも自分のために走るようにと告げる。瑠璃はそれを拒むものの、ポパイの悲しみを目の当たりにしたレイコは瑠璃に走るように頼むのだった。そのやりとりを見ていたスポッターウッド・ベッカーは、ポパイから手を引くように瑠璃に忠告し、自身も瑠璃のもとを去っていく。こうして新たなスポッターを探す必要が生じた瑠璃は、エド・スペンサーのスクールで練習生をしているイヴァンに依頼をするのだった。

第11巻

自分とレースをして勝てば言う事を聞くと提案したイヴァンに対し、圧倒的な差を見せつけて勝利をおさめた赤木瑠璃は、彼を仲間に引き入れる事に成功。そしてポパイの了承も得て、イヴァンと共にインフィニティプロシリーズを戦っていく。そんな中、アン・メイザーは瑠璃に対し、ジョー・ブラックという男がレースに戻って来る事、そして彼には気をつける必要がある事を忠告する。その頃、加曽利純一郎は相棒のリーヴィーと共にポパイが主宰する闇カジノ「シカゴクラブ」へ潜入し、そこで瑠璃が賭けレースの対象となっている事を知る。そして、その事実を知りながら走り続ける瑠璃を見た加曽利は、自分も運命と向き合う事を決意する。 インフィニティプロシリーズの次戦で、瑠璃はジョーと走る事になったが、彼の走りは瑠璃が知るこれまでのどの相手とも異質なものだった。瑠璃は人外の速さを見せるジョーの走りに食らいついていくが、ついにクラッシュしマシンごと炎に包まれてしまう。

第12巻

ジョー・ブラックとのレースの末にクラッシュし炎上した赤木瑠璃は、かろうじて一命をとりとめるが、この事故がもとで、瑠璃のチームはインフィニティプロシリーズ最終戦を前にして解散に追い込まれてしまう。瑠璃を迎えに来た母親の赤木純子は、夫の赤木軍馬とも再会し、そこで純子は瑠璃が自分の手を離れていこうとしている事を悟る。全身に火傷を負いながらも走る事をあきらめない瑠璃は、加曽利純一郎が出した資金によってレースに復帰。さらに父親の軍馬も、インフィニティプロシリーズにエントリーする。こうして、瑠璃と軍馬、運命の親子対決が始まる。

登場人物・キャラクター

赤木 瑠璃 (あかぎ るり)

天性のドライビングテクニックを持つ少年。伝説のF1レーサー赤木軍馬の息子で、父親譲りの運転技術と共に繊細な感情を持ち合わせている。それでいて頭に血がのぼりやすく、自分が納得できない事に対しては、決して信念を曲げない。加曽利純一郎の率いる私設レース集団「ターヘルアナトミア」に所属していたが、のちに全日本高速道路走破ラリーに参加して優勝。 その後はアメリカに渡り、ミジェットカーレースで腕を磨きながらインディカーレース出場を目指す。

赤木 軍馬 (あかぎ ぐんま)

赤木瑠璃の父親。瑠璃が生まれる以前はF1など数々のレースで活躍したレーサーだったが、現在は引退し自動車解体業を営んでいる。瑠璃の母親であり、自身の妻である赤木純子が瑠璃を連れて自動車で自殺未遂をした過去がある事から、瑠璃を自動車から遠ざけており、赤木軍馬自身がレースをしていた事も隠していた。しかし、瑠璃が渡米しミジェットカーレースで活躍している事を知ると自身の本能を抑えられず、レーサーとして復帰する。 前作『F』の主人公。

木元 レイコ (きもと れいこ)

走り屋集団「ターヘルアナトミア」の行きつけの喫茶店で働く少女。「ターヘルアナトミア」のリーダーである加曽利純一郎の親友の妹で、加曽利のせいで兄が死んだと誤解し復讐を企てていたが、赤木瑠璃との出会いによってその認識を改めていく。瑠璃とも互いに惹かれあっていくが、事故に遭って植物状態となってしまう。その後は瑠璃と共に渡米し、瑠璃のそばでレースを観戦する事で少しずつ回復していく。

加曽利 純一郎 (かそり じゅんいちろう)

石油会社の御曹司。かつては実家をスポンサーにレーサーとして活動していたが、事故によって親友を死なせてしまい、レースの世界からは足を洗った。その後は走り屋集団「ターヘルアナトミア」を発足させてリーダーを務め、全日本高速道路走破ラリーなどさまざまなイベントを主催する。アメリカへ渡る赤木瑠璃にエド・スペンサーを紹介するが、その後、事件に巻き込まれて記憶喪失になってしまう。

エド・スペンサー (えどすぺんさー)

アリゾナでレーシングスクールを経営する男性。かつて自身もインディカーレースのレーサーだった過去を持ち、その経験を活かして一流のレーサーを育てたいと考えている。加曽利純一郎とも交流があり、彼の紹介で赤木瑠璃と知り合った。瑠璃の才能を見抜いてスクールで猛特訓したのち、彼を交えてレーシングチームを結成し、ミジェットカーレースに参戦する。

トニー・クリック (とにーくりっく)

エド・スペンサーのレーシングスクールに通うレーサー志望の青年。エドのレーシングチームに所属し、赤木瑠璃の同僚となるが、無愛想で人間嫌いなため、瑠璃とも当初は衝突が絶えなかった。やがて瑠璃の天才的なドライビングテクニックを見て、少しずつ打ち解けていくようになる。かつてポパイのもとでギャングとして数々の犯罪に手を染めていた時期があり、レーサーになろうと決意したのも、そんな生活に嫌気がさしたためである。

ウーヒティカ

エド・スペンサーのレーシングスクールで事務員として働く少年。ネイティブアメリカンの血を引いており、周辺の地理に詳しい事から、スクールの仕事の合間に観光客のガイドもしている。人当たりのいい性格で、衝突を繰り返すトニー・クリックと赤木瑠璃のあいだで仲を取り持つ事も多い。

ジェニファー

エド・スペンサーのレーシングスクールで掃除などさまざまな雑用をこなす女性。木元レイコを連れてレーシングスクールにやって来た赤木瑠璃を当初はいぶかしく思うが、瑠璃とレイコの事情を知ったあとは、進んでレイコの世話を買って出る。瑠璃の父親・赤木軍馬に美人だと褒められた時には豪勢な食事を用意するなど、少々おだてに乗りやすいところがある。

タンギー

サーキット場を経営する男性。老齢ながらレースについての知識が深く、エド・スペンサーにはレーシングスクールの練習用にサーキットやマシンを貸し出している。赤城瑠璃の走りを見て彼の持つレーサーとしての才能を見抜き、エドに彼を大切に育てるように進言する。

ポパイ

ギャングの男性。かつてトニー・クリックにさまざまな犯罪の片棒を担がせており、逃げ出した彼の行方を追っていた。レーサーとして有名になったトニーを見つけ、彼の恋人であるアニスを盾に、再び仲間になるように強要する。闇カジノ「シカゴクラブ」を主宰し、トニーや赤木瑠璃を利用して儲けようと目論んでいる。本名は「ジョージ・ワイエス」で、実家は小さなクリーニング店を営んでいる。

アニス

トニー・クリックの恋人の女性。普段はダンサーとして生計をたてているが、いつの日かトニーと共にすさんだ生活から抜け出す事を夢見ている。トニーに強い執着を持ち、トニーがペギーと関係を持った事を知った時には、麻薬に手を出し自殺を図った。

ペギー

ポパイの部下の女性。レースマガジンの取材記者と称してトニー・クリックに近づき、彼と親密な関係になっていく。ポパイの指示でトニーを籠絡し意のままにする事が目的だったが、記者としての仕事もそつなくこなす優秀な人物。トニーが出場するレースではつねに同じ席に座り、ポパイからトニーへの指示を中継していた。

リーヴィー

加曽利純一郎がアメリカで出会った男性。トレーラーハウスで暮らしており、アメリカで暴漢に襲われ重傷を負った加曽利を介抱した。恋愛の対象が男性という、いわゆるゲイ。精神的な性別は女性であると言って譲らず、加曽利とはよきパートナーとして、記憶をなくした彼を介抱しながら共同生活を送っている。

大石 タモツ (おおいし たもつ)

メカニックの男性で、赤木軍馬の親友。見合い48回目にして水谷かおりと出会い、ついに結婚を決意する。レーサー復帰を果たした軍馬と共にチームを組んでインディカーレースに参戦し、天才的なチューニング技術を駆使して軍馬の走りをサポートする。また、息子の赤木瑠璃とうまく向き合えない軍馬をさりげなくフォローするなど、公私にわたって軍馬を支える。

水谷 かおり (みずたに かおり)

大石タモツが48回目の見合いで出会った女性。水谷かおり自身も60回を超える見合いを繰り返しており、男性に対して臆病になっていたが、タモツと出会って以降は彼に惹かれていく。タモツが本当にやりたい事を抑えて自分と付き合っているのではないかと不安を感じていたが、彼の「レースをやりたい」という本心を見せてもらった事から、結婚を決意する。

赤木 純子 (あかぎ じゅんこ)

赤木瑠璃の母親で、赤木軍馬の妻。瑠璃には医者になってほしいという希望を抱いていたが、父親と同じレースの世界に進んだ事で複雑な気持ちを覚えている。さらに軍馬も再びレースの世界に戻った事から疎外感を感じ、大学の同窓生である風祭に心が揺れるものの、最終的には瑠璃や軍馬の希望を尊重する事を選ぶ。

風祭 (かざまつり)

赤木純子の大学の同窓生の男性。純子の夫・赤木軍馬がレーサーに復帰したため不在がちとなった赤木家に現れ、純子に惹かれていく。学生時代はボクシングをたしなんでおり、軍馬と純子をかけて殴りあった末に自身の気持ちを確信するが、同時に純子の軍馬への思いを知り、彼女との関係を進展させる事はなかった。

オールマン

かつて赤木軍馬と同じチームで共にF1を戦った男性。レーサー復帰を宣言した軍馬と再びチームを結成し、旧知の黒井和夫と共にインディカーレースに参戦する。豪快な見た目とは裏腹に繊細な性格の持ち主で、別れた妻に対して今なお未練があり、同じく離婚歴のある黒井と息の合ったところを見せる。

黒井 和夫 (くろい かずお)

かつて赤木軍馬と同じチームだった男性。まだ軍馬のキャリアが浅い頃からの付き合いで、ただのチームメイトというだけでなく家族のような関係となっている。レーサーへの復帰を宣言した軍馬と再びチームを結成し、オールマンと共にインディカーレースに参戦する。過去に離婚歴があり、その後も複数の女性と関係を持った事から、子供が15人いる。

ジョー・ベル (じょーべる)

インフィニティプロシリーズに出場する赤木瑠璃が、ポパイに紹介されたレーシングチームで監督を務める男性。当初は瑠璃の実績をまったく知らされていなかったため、彼の面倒を見る事を不満に思っていたが、テスト走行での走りを見て認識を改める。以降はチームぐるみで瑠璃に絶対の信頼を寄せるようになり、瑠璃からも頼りにされる存在となっていく。

タドリー

インフィニティプロシリーズに出場する赤木瑠璃が、ポパイに紹介されたレーシングチームでメカニックを務める男性。やや男色の傾向があるものの、メカニックとしての腕前は本物で、わずかなマシントラブルでもすぐに見つける事ができる。レースを瑠璃と共に戦っていくうちに、瑠璃とのあいだに強い信頼関係が芽生えていく。

イヴァン

エド・スペンサーのレーシングスクールに練習生として通う男性。日本人とフランス人のハーフで、片言ながら日本語もしゃべる事ができる。ただし、親の影響からか話す言葉は岡山弁のみ。立場上は赤木瑠璃の後輩にあたるが、瑠璃に対する敬意はなく、傲岸不遜な態度をとる。のちに瑠璃のスポッターとなり、瑠璃と共にインフィニティプロシリーズを戦っていく。

ウッド・ベッカー (うっどべっかー)

ポパイが赤木瑠璃に紹介したスポッターの男性。ポパイからの指示を受けて動く立場の人間であるからレースに勝つ事よりも賭けレースを盛り上げる事を瑠璃に強要する。当初は瑠璃を見くびった態度をとっていたが、何度か行動を共にするうちに少しずつ瑠璃に協力的な姿勢を見せるようになる。

アン・メイザー (あんめいざー)

レーサーの女性。インフィニティプロシリーズに出場した赤木瑠璃と出会い、瑠璃にとってはサーキットの内外を問わずよきライバルとなる。男勝りで細かい事にこだわらないさっぱりした性格のため、レース関係者をはじめギャラリーからの人気も高い。瑠璃を異性として意識し始めるが、木元レイコの存在を知り身を引く。

ジョー・ブラック (じょーぶらっく)

レーサーの男性。アン・メイザーと同じレーシングスクールの先輩にあたる。名前と同じ漆黒のマシンをあやつり、異次元の速さを誇る。インフィニティプロシリーズで赤木瑠璃と対戦し、瑠璃がクラッシュする原因を作った。基本的に表情をあまり変える事がなく、出会った人は総じて違和感を覚えるほどの不気味な人物。

エミリー・クリック (えみりーくりっく)

トニー・クリックの姉。幼い頃より父親の暴力から弟のトニーをかばって虐待を受け続けてきたため、男性恐怖症に陥っている。その心の隙をポパイに突かれて彼の虜となり、ポパイがトニーを従わせるための盾として利用される。

ブルート

ギャングの男性。ポパイの最も古い仲間であり、ポパイと共に闇カジノ「シカゴクラブ」を取り仕切る存在。ポパイとは長くビジネスを続けてきたため仕事仲間としては信頼しあう関係ではあるが、つねにポパイの地位と資産を狙っている。

オリーブ

ブルートの情婦。その立場からブルートの仕切る闇カジノ「シカゴクラブ」にも出入りしている。ポパイの仕切りで行われるトニー・クリックや赤木瑠璃の賭けレースにも、派手なクラッシュシーンを期待して熱狂的な視線を送る。

集団・組織

シカゴクラブ

ポパイが出資し、ブルートが仕切る闇カジノ。さまざまなギャンブルが日常的に行われており、中でもトニー・クリックを利用した賭けレースは「シカゴクラブ」の中でも高い人気がある。闇カジノではあるが会員制というわけでもなく、希望すれば誰でも参加できる。

ターヘルアナトミア

加曽利純一郎が主宰する走り屋集団。いわゆるローリング族や暴走族などとは異なり、純粋に「走り」の精度と技術を高めあう事を目的としている。走りの目的が一致すれば、自動車に限らず二輪車乗りであっても所属できる。定期的に全日本高速道路走破ラリーなどの走りのイベントを開催している。

イベント・出来事

全日本高速道路走破ラリー (ぜんにほんこうそくどうろそうはらりー)

加曽利純一郎が主催する公道レース。「ターヘルアナトミア」のメンバー間で定期的に行われているレースで、東京から出発し九州を折り返し地点として青森を目指すというもの。2日間にわたってこの区間の高速道路を走破し、ゴールに最も速くたどり着いた者が優勝というルール。全日本高速道路走破ラリーの優勝者には、加曽利から「夢をかなえる権利」が与えられる。

ミジェットカーレース

インディカーレースに出場する事を目指すレーサーの登竜門ともいえるレース。サーキットはアスファルトではなく砂や土の混ざったダートコースとなっている。また、マシンは標準では左にしか曲がらないステアリング設定になっており、まっすぐ走らせるためには相当なテクニックを必要とする。

インフィニティプロシリーズ

ミジェットカーレースの次のステップともいえるレース。このレースを超えると次はインディカーレースへ出場できるともいわれており、それだけに出場するレーサーやチームのレベルも高い。また、レース関係者からの注目度も高くなるため、多額の資金が動くレースでもある。

インディカーレース

アメリカ最高峰のレース。1996年からスタートした比較的歴史の浅いレースながら、モータースポーツの中では最もレベルの高いレースとされており、レーサーを目指す者たちにとっても大きな目標となっている。F1レーサーだった赤木軍馬はその実績からインディカーレースにもすぐに参戦できたが、下位レースから順にステップアップするのが通常となる。

その他キーワード

スポッター

レース中にレーサーに指示を出す人物。レース中のレーサーは基本的に後ろを確認する事ができないため、主に背後の状況などを知らせる事が役割となる。また、レース全体の状況を把握し正確な情報を伝える必要がある事から、レースの事を熟知し、レーサーとも深い信頼関係がある事が望ましい。

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