Hop Step Sing! ~VRアイドルストーリー~

Hop Step Sing! ~VRアイドルストーリー~

VRアイドルプロジェクト「Hop Step Sing!」のコミカライズ作品。歌が大好きだが人前で歌えない虹川仁衣菜、外に出ることができない箕輪みかさなど、それぞれの悩みを抱えながらも、活動の場をVRアイドルという道に見出した少女たちの道程を描く、芸能界サクセスストーリー。「コミックDAYS」で2019年7月から配信の作品。

正式名称
Hop Step Sing! ~VRアイドルストーリー~
ふりがな
ほっぷ すてっぷ しんぐ ぶいあーるあいどるすとーりー
原作者
講談社
漫画
ジャンル
アイドル
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

屋上から羽ばたく日

大きな声で歌うことが大好きだが、過去の出来事から人前で歌うことが苦手になってしまった女子高校生の虹川仁衣菜は、ある日、学校の屋上でイヤホンを付けて音楽を聴きながら、ついつい自分も歌い出してしまう。歌声が学校中に響き渡り、生徒たちが何事かと顔を見合わせる中、屋上で歌う仁衣菜の姿にいち早く気づいた椎柴識理は、早く教えてあげようと彼女のもとへと急ぐ。ふだんはおとなしい仁衣菜の意外な姿に興味を覚えた識理は、歌が大好きだと屈託なく笑う仁衣菜に合唱部や軽音部に入ってみたらどうかと勧めるが、仁衣菜は意外なことに、人前で歌うことが苦手だという。それを聞いた識理は、仁衣菜を自分のアルバイト先であるカラオケ店「FUN SOUND」に誘い、VRカラオケを紹介する。

VRとお嬢様

誰もいない広い場所で思う存分歌うことができるVRカラオケにハマってしまった虹川仁衣菜は、再びカラオケ店「FUN SOUND」を訪れるが、そこで店員たちから「お姫様」と呼ばれる箕輪みかさに捕まり、拘束されてしまう。そしてみかさは、引きこもりながら敏腕プロデューサーになるため、仁衣菜にトップアイドル、来海玲空の妹分を決める、芸能事務所「FUN music」主催の新人アイドルオーディションに参加するよう要請する。困惑する仁衣菜はその場に現れた椎柴識理に助けられるものの、仁衣菜から一連の話を聞いた識理は、仁衣菜にはアイドルが向いていると思うと口にし、思いがけずみかさに同調。これにより仁衣菜はオーディションを受ける決意を固めるものの、どうしても人前に出て歌うことはできない。そこでみかさは一計を案じ、仁衣菜をVRアイドルとして売り込もうと考える。

前座がピンチ!

オーディションでトップアイドル、来海玲空に気に入られ、手ごたえを感じた虹川仁衣菜だったが、合格は果たせなかった。敏腕プロデューサーとしてチヤホヤされる計画が頓挫した箕輪みかさは肩を落とすが、そこへ玲空と、芸能事務所「FUN music」のゼネラルプロデューサー、大道寺ゼシカが姿を現す。そして玲空たちは、事情により出ることができなくなった前回のオーディションの合格者の代わりに、2週間後に控えた玲空のライブのオープニングアクトを務めて欲しいと仁衣菜に打診。仁衣菜は快諾するが、そこにみかさが「VRアイドル・虹川仁衣菜」の権利の一端を主張し、自分もいっしょにライブに出演させて欲しいと要求する。椎柴識理は無茶苦茶な論理に呆れるが、みかさにアイドル性を見出したゼシカはこれを許可。こうして二人は、2週間後の本番に向けてレッスンを開始する。しかし迎えた当日、それまでのレッスンの無理がたたってみかさが高熱でダウン。仁衣菜は不安を覚えながらも一人でステージに立つが、思いどおりのパフォーマンスができずに動揺してしまう。すると突如ステージであるVR空間に、倒れていたはずのみかさが姿を現す。

大人はわかってくれない!?

箕輪みかさを演じた椎柴識理のフォローにより、来海玲空のライブのオープニングアクトは大成功を収めた。これを受けて、虹川仁衣菜、識理、みかさは、三人でグループを組んでVRアイドル活動をすることを誓い合う。だがそんな矢先、学校では許可されていないアイドル活動を行ったということで、仁衣菜は教師に呼び出されることとなった。系列大学で父親が教授を務めている識理もかかわっているということで、アイドル活動を辞めることを条件に反省文の提出のみで事を収めようとする学校側だったが、呼び出された仁衣菜の母親は、当初の予定どおり停学処分を課したうえで、学校の指導のもと、アイドル活動を続けさせてやって欲しいと願い出る。一方、識理の保護者として呼び出された椎柴博人は、停学処分を受け入れたうえでアイドル活動も辞めさせると教師に告げ、識理を連れ帰ってしまう。その後、識理を案じた仁衣菜はみかさと相談したうえで、識理と協力して博人を説得しようと、彼女の家へと向かう。

ライバル

椎柴博人椎柴識理の父親のとりなしにより、虹川仁衣菜たちは学校公認でアイドル活動を続けられることになった。グループ名を「Hop Step Sing!」と定めた仁衣菜たちは、今後の活動のアドバイスを受けるため、芸能事務所「FUN music」の来海玲空大道寺ゼシカのもとを訪れる。そこで仁衣菜たちは、以前のオーディションの合格者であり、玲空の妹分となった竜腹寺莉琳との対面を果たす。自業自得でありながら、玲空のオープニングアクトの座を奪われたと「Hop Step Sing!」を逆恨みする莉琳は、仁衣菜たちに宣戦布告。そして、アイドル活動を辞めることも含め、負けた方がなんでも言うことを一つ聞くという条件のもと勝負を持ち掛ける。これを見ていたゼシカは冷静に、1か月間に3回のフリーライブを行い、観客の動員数で勝負するというルールを提示する。

メディアミックス

VRアイドルプロジェクト

本作『Hop Step Sing!』は、VRアイドルプロジェクト「Hop Step Sing!」から派生したコミカライズ作品となっている。Hop Step Sing!は、三人のVRアイドル、虹川仁衣菜椎柴識理箕輪みかさで構成されたアイドルユニットで、音楽CDのリリースやVRライブのほか、Youtubeでの生配信チャンネル『ほぷなま!』が展開されている。キャストは、虹川仁衣菜を指出毬亜、椎柴識理を鳥部万里子、箕輪みかさを日岡なつみが演じている。

音楽CD

本作『Hop Step Sing!』のもととなったVRアイドルプロジェクト「Hop Step Sing!」から、2016年12月21日に1stシングル『キセキ的Shining! / kiss×kiss×kiss』、2017年8月23日に2ndシングル『気ままに☆サマーバケーション』、2018年8月29日に3rdシングル『覗かないでNAKEDハート』が発売された。キャストは、虹川仁衣菜を指出毬亜、椎柴識理を鳥部万里子、箕輪みかさを日岡なつみが演じている。

VRアプリ

本作『Hop Step Sing!』のVRアプリ『Hop Step Sing! ファンクラブ』がSTEAMで配信されている。HTC Vive、Oculus Riftで利用可能で、内容はHop Step Sing!の楽曲のMVとなっている。キャストは、虹川仁衣菜を指出毬亜、椎柴識理を鳥部万里子、箕輪みかさを日岡なつみが演じている。

登場人物・キャラクター

虹川 仁衣菜 (にじかわ にいな)

高校1年生の女子。椎柴識理のクラスメイト。セミロングヘアで眼鏡をかけた地味な容姿で、性格もおとなしく、若干人見知りなところがある。実家の1階で母親が小料理屋「にじかわ」を経営しており、放課後は毎日のように店を手伝っている。大きな声で歌うことが大好きだが、自分の歌を人に聞かれるのは苦手。これは、子供の頃に大きな声で歌って先生に褒められたのを周囲から疎まれ、いろいろと陰口を叩かれてきたことに起因している。また、実家が飲食店を経営している関係上、店にまで声が聞こえてしまうため、現在は家でも大きな声を出さないよう意識している。ある日、誰もいない学校の屋上でつい気分が乗ってしまい歌を歌っていたところ、思いがけずその歌声が学校中に響き渡ることとなり、それを聞いて興味を持った識理と親しくなった。その後、人前に出なくても広い舞台で歌えるVRカラオケを識理に勧められる。VRカラオケを楽しんだ際、識理に満面の笑みで「歌が上手」「聞いていると自然と笑顔になれる」と褒められたことが、虹川仁衣菜の大きな心の拠り所となっている。この時、そのカラオケ店「FUN SOUND」で箕輪みかさとも知り合い、引きこもりながら敏腕プロデューサーになるというみかさの野望に巻き込まれて、トップアイドル、来海玲空の妹分を決める、芸能事務所「FUN music」主催の新人アイドルオーディションに参加。オーディションにはVRを使って参加し、審査員たちからは賛否両論を受けることとなったが、ほかでもない玲空自身に気に入られ、のちに彼女のライブのオープニングアクトの代役に抜擢される。この話に横から乗ってきたみかさ、さらにアイドルになりたいという思いを密かに育てていた識理と三人で、のちにアイドルグループ「Hop Step Sing!」を結成し、VRアイドルとして芸能活動を開始する。「Hop Step Sing!」での自己紹介フレーズは「日本全国そして世界中に歌を届けたい! にぎやか担当 虹川仁衣菜です!」。

椎柴 識理 (しいしば しきり)

高校1年生の女子。虹川仁衣菜のクラスメイト。黒髪ロングヘアの優等生で、おとなしく心優しい性格ながら、父親が系列大学の教授を務めていることもあり、教師陣には腫れ物に触るような扱いを受けている。ある日、学校の屋上で歌っていた仁衣菜の楽しそうな歌声を聞き、気持ちいい広い場所で、さりとて人前には出ないで歌いたいという仁衣菜の願望を知って、彼女に自分がアルバイトしているカラオケ店「FUN SOUND」のVRカラオケを紹介した。以来、成り行きからアイドル活動をすることになった仁衣菜のことを陰に日向に支えながら、椎柴識理自身もまた、仁衣菜のようなアイドルになりたいという思いを抱くようになっていく。幼少期からさまざまな習い事で優秀な成績を残してきた才女だが、物事にあまり執着することなく、習い事もやれと言われれば素直に従い、辞めろと言われれば抵抗なく辞めて、周囲に言われるがままの人生を送ってきた。それは、期待に応えれば周囲が喜んでくれるからというだけの理由だったが、このことが兄の椎柴博人に歯がゆい思いを抱かせ続けてきた。だが、アイドルへの思いを募らせた識理は、仁衣菜の協力のもと、アイドルを辞めさせようとする博人に初めて反発。自らの強い決意のもと、仁衣菜や箕輪みかさと共に正式にアイドルグループ「Hop Step Sing!」を結成し、VRアイドルとして芸能活動を開始する。実はダンスを習っていたことがあり、仁衣菜やみかさのダンスコーチも買って出ている。「Hop Step Sing!」での自己紹介フレーズは「白いごはんよりプロテイン! しっかり者担当 椎柴識理です!」。

箕輪 みかさ (みのわ みかさ)

中学生の女子。椎柴識理がアルバイトしているカラオケ店「FUN SOUND」の店長の娘。金髪をツインテールにした美少女だが、傍若無人で口が悪く、店のアルバイト店員たちからは「お姫様」と呼ばれている。まったく外に出ない引きこもりで、つねにジャージ姿で、FUN SOUNDのロイヤルスイートルームを占拠し、ドアには「立ち入ったら死刑!!」の札を掲げている。学校にも通っておらず、店の経営者である父親からは溺愛される一方で、心配もされている。ちなみに箕輪みかさ自身も父親が大好きで、顔を合わせるとベタベタと甘えて、バカップルならぬ「バカ父娘」の様相を呈する。もともと動画配信者「大天使ミカミカ」としてその名を知られた存在で、外に一歩も出ることなく、いかにして自分の名を世に知らしめるかをつねに模索しており、その一環として、トップアイドル、来海玲空の妹分を決める、芸能事務所「FUN music」主催の新人アイドルオーディションに目を付け、自らがプロデューサーを務める形でVRアイドルとして虹川仁衣菜を送り込む。のちに仁衣菜が玲空のライブのオープニングアクトに抜擢された際には、自らも加えてコンビでの出演を打診。これが玲空とプロデューサーの大道寺ゼシカに受け入れられたことをきっかけに、みかさもまたVRアイドルとなり、のちに識理も加わって三人でアイドルグループ「Hop Step Sing!」を結成し、芸能活動を開始する。動画配信者ということもあってPCやネット関連の知識に明るく、グループにおいてはプロデューサー的役割を果たすこともある。「Hop Step Sing!」での自己紹介フレーズは「みてみてー! あたし可愛いかー? チヤホヤされる担当 箕輪みかさことミカミカだぞー!」。

来海 玲空 (きたかみ れあ)

芸能事務所「FUN music」所属の女性アイドル。金髪ロングヘアの美少女で、トップアイドルとしてその名を知られており、虹川仁衣菜も来海玲空の大ファン。トップアイドルとしての威厳を持ちながらも気取ったところはなく、余裕と包容力を併せ持つ好人物。来海玲空の妹分を決める、FUN music主催の新人アイドルオーディションに自らも審査員として参加し、VRアイドルとして応募してきた虹川仁衣菜に興味を抱いた。同時に彼女のパフォーマンスも気に入り、オーディションに合格した竜腹寺莉琳が事情により自らのライブのオープニングアクトを務められなくなった際には、その代役として仁衣菜を抜擢。そして、自分のファンに対して新たなアイドルの形としてVRアイドルを啓蒙するなど、仁衣菜を力強くバックアップする。その後、正式にアイドルグループ「Hop Step Sing!」を結成した仁衣菜たち三人に対しても、何かと相談に乗ってあげたりと温かく接する、心優しく頼れる先輩。

大道寺 ゼシカ (だいどうじ ぜしか)

芸能事務所「FUN music」のゼネラルプロデューサーを務める若い女性。金髪ロングヘアのクールな美人で、事務所所属のトップアイドル、来海玲空とつねに行動を共にしている。ぶっきらぼうな物言いをするため威圧感を与えがちだが、実際は優しい性格で、VRアイドルとしてグループを結成した「Hop Step Sing!」の相談に乗ってあげたりと、包容力にも富む。一方で、自分の立場上「いかに売れるか」を最優先に考えてしまうため、彼女たちに対しては自分が何をしたいのかを最優先すべきだと提案するなど、物事を客観視することを忘れず、分析力にも優れたやり手。

竜腹寺 莉琳 (りゅうふくじ りりん)

芸能事務所「FUN music」所属の新人女性アイドル。黒髪のロングヘアを右側で一つにまとめ、大きな縦ロールにした勝気な表情の美少女。もともと「リリー」の名で「歌ってみた」動画などを中心とした配信者として活動しており、「大天使ミカミカ」こと箕輪みかさとはライバル関係にある。トップアイドル、来海玲空の妹分を決める、FUN music主催の新人アイドルオーディションの合格者であり、玲空のライブのオープニングアクトでお披露目を果たす予定だった。だが、学業不振により追試を課されたためライブに出られなくなり、虹川仁衣菜とみかさが代理を務めることとなった。これにより、仁衣菜をはじめとするVRアイドルグループ「Hop Step Sing!」のことを逆恨みしている。「Hop Step Sing!」と初めての対面を果たした際、売り言葉に買い言葉でヒートアップした結果、負けた方がなんでも言うことを聞くことを条件に、仁衣菜たちに3日間のライブでどちらが多くの客を集められるか勝負を持ち掛ける。気が強くプライドが高い一方でおだてに弱く、勝負を通じて「Hop Step Sing!」のライブを見た際には、感動のあまり号泣しながら仁衣菜に抱きつき褒めたたえるなど、根は善人。またこれ以降、「Hop Step Sing!」とはよきライバル関係を築くこととなる。

横芝 夜明景 (よこしば よあけ)

中学2年生の女子。箕輪みかさの友人。黒髪ショートヘアの明るい性格だが、テンションが高く人の話を聞かないところがあり、椎柴識理にはみかさと似た者同士と評されているが、横芝夜明景自身は不服な様子を見せている。趣味はゲームとCG制作で、「デザイナー」を自称し、VRアバターの制作も手がけている。来海玲空の妹分を決める、FUN music主催の新人アイドルオーディションにおいて、虹川仁衣菜のアバターを制作したのも夜明景で、のちに続けて、みかさ、識理のアバターの制作も手がけ、VRアイドルグループ「Hop Step Sing!」のライブ配信のサポートなどもするようになる。

椎柴 博人 (しいしば はくと)

椎柴識理の兄。髪をきっちりと七三に整えて眼鏡をかけた堅物の青年で、識理には苦手意識を持たれている。もともと、さまざまな分野に才能を発揮する識理のことを認めていたが、一方で彼女が何事に対しても執着を見せないことには歯がゆい思いを抱いていた。識理がアイドル活動に足を突っ込んでいることを知った際には、当初は明確に反対の意思を見せるものの、識理のアイドルにかける強い気持ちに触れ、次第に彼女を応援するようになる。そして識理に気づかれないように、SNSなどを使ってVRアイドルグループ「Hop Step Sing!」の活動を裏からサポートしていく。ちなみにSNSのIDは、「@h_s_xxxx」。

集団・組織

Hop Step Sing! (ほっぷ すてっぷ しんぐ)

三人のVRアイドル、虹川仁衣菜、椎柴識理、箕輪みかさで構成されたアイドルユニット。みかさの父親が店長を務め、識理がアルバイトをしているカラオケ店「FUN SOUND」を活動拠点としている。VRを使っているため、人前に出ると歌えなくなってしまう仁衣菜、部屋から外に出られないみかさなど、各々の弱点を無視して活動できるところが強み。一方で、VRゴーグルなどそこそこ大掛かりな準備が必要となるため小回りが利かず、商店街のお祭りのゲストなど、内容によっては活動しづらいという欠点もある。「Hop Step Sing!」の名前は、メンバー各々がアイドルとして目指すことを話し合った際に、仁衣菜の「歌うこと」、識理の「踏み出すこと」という言葉を聞いた横芝夜明景が命名した。ちなみにこの時、みかさは「チヤホヤされること」という意見を出したが、夜明景には完全に無視されている。

クレジット

原作

講談社

ストーリー

小玉 励

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