Mr.Clice

Mr.Clice

1960年代にブームとなったスパイ映画やスパイ漫画を見た作者の秋本治が、「自分もスパイ漫画を描きたい」という思いを実現した作品。繰巣陣が世界各地で特殊任務に就いて犯人との激しいアクションシーンがあったり、上司や同僚とのやりとりをギャグシーンにしたりと、さまざまな作風を楽しめるのが特徴。コミックスの巻数は「PART1」、「PART2」と数える。最初の回は「月刊少年ジャンプ」S60年12月号に掲載され、以降は途中で何度かの長期休載があるものの、約1年に1回のペースで連載された。

正式名称
Mr.Clice
ふりがな
みすたー くりす
作者
ジャンル
その他サスペンス・ミステリー・ギャンブル
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊13巻
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概要・あらすじ

日本の国家特別工作員である繰巣陣は、ある任務を成功させた直後にトラックと衝突して脳以外の部位が機能しなくなるほどの大怪我を負い、病院に運ばれるものの死亡してしまう。その知らせを聞いた繰巣の上司の雨氷氷笑太は、繰巣の能力や国家特別工作員にするためにかかった費用を惜しみ、無事だった脳を別の遺体へ移植するよう指示した。

手術後、目を覚ました繰巣は、鏡に映った自分の姿を見て驚愕するのだった。

登場人物・キャラクター

繰巣 陣 (くりす じん)

国家特別工作機関の営業本部中央工作局諜報課に所属する敏腕エージェントの男性。任務完了直後にトラックと正面衝突して脳以外の部分に甚大な損傷を受けて死亡する。しかし、直後に雨氷氷笑太の指示によって、亡くなった女子テニスプレイヤーの体に脳を移植されて生き返る。その後は、「ジン・クリス」と名乗って生前と同じく国家特別工作機関の一員として世界中を駆け回る。

雨氷氷 笑太 (うひょひょ わらった)

国家特別工作機関の営業本部中央工作局局長で、繰巣陣の上司。繰巣の事故の一報を聞いて、脳の移植を指示した人物でもある。「男性の体への脳の再移植」を取引材料にして、矢継ぎ早に繰巣へ任務を出している。普段は不真面目な態度を取ることが多いが、敵に拉致された時に居場所を隠語で伝えたり、靴に仕込んだ催涙ガスで逃げ出すなど現場でも一通りの対応は取れる。

アレキサンダー・ベラマッチャ (あれきさんだーべらまっちゃ)

国家特別工作機関の海外諜報管理部ヨーロッパ課のイタリア諜報員。繰巣陣が男性だった頃からのパートナーで、繰巣が女性になった後もコンビを組み、繰巣の無茶苦茶な行動に振り回されることが多い。実家のシエナには妻と10人の息子がいて、妻は11人目を妊娠中。夢は息子だけでサッカーチームを作り、そのチームの監督になること。

ナポレオン

犯罪組織「スラッシュ」が雇った殺し屋。一度銃をぬいたら200発すべて撃ちつくすまで止まらない恐ろしい男性で、繰巣陣とは何度も対峙する。殺し屋としての顔を持つ一方で、幼児の体調を気遣ったり遊び相手になるなど子煩悩な一面もある。

バイソン

世界一の規模を誇る航空会社「バイソンエアーワールド」の社長。裏世界の人間とも関係が噂され、さらに私設軍隊のような組織まで持つ。また複数の医学博士の行方不明事件や変死事件にも関わっていると目され、さまざまな国の特殊機関に危険視されている。

(しゃー)

バイソンに雇われた元情報工作員の傭兵。冷静沈着な性格で状況把握や先を読む能力に優れており、琳美稟の正体にもいち早く気づく。

琳 美稟 (りん めいりん)

繰巣陣が航空会社「バイソンエアーワールド」に潜入調査した時に出会ったフライトアテンダント見習いの女性。正体は中国の特殊情報部に所属する超Aクラスの精鋭諜報兵士で、バイソンと「バイソンエアーワールド」を調査するために潜入していた。50メートル近く距離があっても、小銃で的確に当てられる腕を持つ。本名は「ミウ美姫」。

ハロルド・バーンズ (はろるどばーんず)

「電子の要塞」と呼ばれる拘置所「メガシティー」の所長。丁寧な言葉で話し、メガシティーの警備に絶対の自信を持っている。

李 小花 (りー しゃおほあ)

「李長龍」の一人娘。ピアノの腕はプロ級、さらに鉄道マニアでポケモンマニアでもある。見た目は女性になった繰巣陣と瓜二つで、繰巣が長龍を捕まえるために潜入している間、あいまいな理由で中国情報局に拘束される。

李 長龍 (りー ちゃんろん)

中国の大富豪。自宅の城で麻薬を精製し、アメリカに大量に輸出している噂があり、中国情報局によってマークされている。一人娘の李小花を溺愛しており、彼女の学友まで把握している。

ノア・ジオテイル (のあじおている)

ノア・コーポレーションの社長で宇宙工学博士。NASAに勤めていたが独立して使用済みの衛星を回収することを主としたノア・コーポレーションを設立する。鳥が大好きで、巨大なハウスで何種類もの鳥を飼っている。

セシル・クリストファー (せしるくりすとふぁー)

グリーンベレー隊長の父親を持つ女性。自身もグリーンベレーに所属していたが軍に背いて退役し、今は傭兵として活動している。戦闘、統率力に優れており、個人・団体どちらでも必ず任務を成功させている。依頼を受けてノア・ジオテイルが開発した新兵器奪取を狙う。

クルル

タイの象園で働く6歳の女の子。父親を亡くしているため働かざるを得ない現状を受け入れている。偶然にも八竜たちが人を殺した場面を目撃し、母親と一緒に追っ手から逃げる。

八竜 (ぱーろん)

タイで活動する麻薬シンジゲートのボス。組織の麻薬を横流ししていた人間を制裁として殺したところをクルルとその母親に見られてしまい、捕獲の指令を出す。

ブルックス

カナダの都市バンクーバーの市長。旧来の組織体制を壊して、最新鋭の列車を作ったりテーマパークを誘致して近代化を図る革新派の人物。そのため旧体制の多くの人間から恨まれている。最新鋭列車に日本の製品が使われていることもあって繰巣陣とアレキサンダー・ベラマッチャなどが護衛として派遣された。

佐伯 マリィ (さえき まりぃ)

ヨーロッパにある国の王室パーティに招待されるほどの男爵の伯父を持つ貴族の女性。国家特別工作機関の一員でもある。危険な現場を担当する繰巣陣に対して、佐伯マリィは国の主要人物が出席するパーティに潜入して情報を聞き出す任務を担当している。ヨーロッパのある国の王室を警護する任務で繰巣とコンビを組む。

集団・組織

国家特別工作機関 (こっかとくべつこうさくきかん)

スパイ活動をおもに行う日本の特殊機関。オリンピックの予算が余ったことで1964年に設立された。従業員は1320名。特殊機関だが国の機関であるため従業員は全員公務員となる。繰巣陣や雨氷氷笑太が所属する営業本部中央工作局やアレキサンダー・ベラマッチャが所属する海外諜報管理部ヨーロッパ課などさまざまな部署があり、活動範囲は世界中に及ぶ。

スラッシュ

依頼されれば誘拐や絵画略奪など、あらゆる悪事を行う犯罪組織。世界中に支部があり、ほかの犯罪組織とも情報を交換している。

I.T.G (いんてりじぇんとてろぐるーぷ)

コンピュータに精通しているテロリスト集団。捕まえた人間を洗脳や催眠法などでパスワードを聞き出して、ハッキングしてデータを破壊したり、入手した情報で会社を乗っ取ったり、機密を売却したりしている。

書誌情報

Mr.Clice 13巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2017-11-02発行、 978-4088812717)

第2巻

(2017-11-02発行、 978-4088812724)

第3巻

(2017-11-02発行、 978-4088812731)

第4巻

(2017-11-02発行、 978-4088812748)

第5巻

(2017-11-02発行、 978-4088812755)

第6巻

(2017-11-02発行、 978-4088812762)

第7巻

(2018-09-04発行、 978-4088816111)

第11巻

(2022-07-04発行、 978-4088831862)

第12巻

(2023-07-04発行、 978-4088835723)

第13巻

(2024-07-04発行、 978-4088840901)

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