あらすじ
佐条利人は進学を機に、遠距離恋愛をしている恋人・草壁光のもとを訪ねることにした。佐条は東京からバイクを走らせ、京都で暮らす草壁との再会を心待ちにしていたものの、彼の反応は今一つ。授業の準備で多忙な草壁は、佐条が自宅を訪れる日を1週間カンちがいしていたのだ。草壁が引き留めたこともあり、佐条はそのまま滞在することになるが、想像していた感激の再会とは違っていたことに若干の寂しさを覚える。(エピソード#1「草壁と佐条」)
ある日の昼休み、フジノは気になる女子社員がメンズ雑誌を見ている姿を目にする。彼氏のために雑誌をチェックしているのかと焦ったフジノはさりげなく彼女に接し、ただメンズファッションを眺めるのが好きだと知ってひそかに安堵する。そして雑誌に目をやると掲載されていたモデルの男性が、中学時代に親しくしていた青砥空乃だと気づく。彼女のために青砥のサインをもらおうと、フジノは久しぶりに青砥に連絡を取り、さっそく会うことになる。再会した青砥はフジノに対して、中学時代の思い出をいきなり語り出す。(エピソード#5「空乃とフジノ」)
登場人物・キャラクター
佐条 利人 (さじょう りひと)
男子校時代の同級生である草壁光と遠距離恋愛中の大学生。京都の古めかしい日本家屋で一人暮らしをしている。内向的だが、新歓コンパで新しい友人を作るくらいの社交性は持っている。恋人である草壁が遊びに来ていても大学の発表準備を進めるなど、真面目な性格。料理は苦手。
草壁 光 (くさかべ ひかる)
男子校時代の同級生である佐条利人と遠距離恋愛中の青年。高校を卒業後、東京でバンド活動を続けながらバイクで京都にいる佐条を定期的に訪ねている。「元々、草壁光は男性が好きだったわけではないのかもしれない」、と佐条に分析されるものの、今では彼一筋。料理が得意。
原 学 (はら まなぶ)
男子校で音楽教師を務める男性。教え子であった青砥空乃と付き合っているが、肉体関係はまだない。以前はネコであったが、現在はタチであることから空乃と関係の上下を争っている。若くして母親を亡くしており、70歳になる父親には自身がゲイであることを伝えられずにいる。
青砥 空乃 (あおと そらの)
アルバイトをしながらファッションモデルとして活躍中の青年。タチである原学と付き合っているものの、自分が関係においては上であるという姿勢を崩さない。中学生の時に、同級生の野球少年「フジノ」に片思いをしていた。自身がゲイであるということを親に告白するつもりはない。