概要・あらすじ
成績不振でメジャーをクビになったレジー・フォスターは、まだ活躍できることを証明するために、日本球界への移籍の道を選ぶ。かくして日本にやってきたレジーを待っていたのは、彼の知るベースボールとは異質の「野球」だった。戸惑いながらも、元メジャーリーガーとしてのプライドを胸に、常にフルスイングで挑んで行くレジー。
そしてレジーの活躍により、ペナントレースも大いに白熱していくのであった。
登場人物・キャラクター
レジー・フォスター
東京ジェントルメン所属。ポジションは右翼手。左打ち。メジャーリーグのフラッグスで4番を務めるも、成績不振などを理由に解雇される。現役続行を望むもメジャーでは契約する球団は現れず、唯一オファーのあった日本のプロ野球チーム・東京ジェントルメンに助っ人として入団。日本で活躍してメジャー復帰を目論んでいたが、不慣れな日本野球に手こずり、一時は2軍行きの屈辱も味わった。 しかし、メジャーリーガーとしてのプライドを糧に1軍復帰を果たすと、以後は4番としてチームを引っ張り、ペナントレース優勝に向けて邁進する。フルスイングが特徴で、ジャストミートすれば場外ホームランが当たり前。推定飛距離190mという超特大ホームランを放ったこともある。 モデルはメジャーリーグの名選手レジー・ジャクソンおよび巨人軍で活躍した外国人選手レジー・スミス。
平山 達司 (ひらやま たつじ)
東京ジェントルメン監督。就任後いきなりチームをリーグ優勝に導いた名将。まったく表情を変えず、淡々と采配を振るう。かなりの合理主義者で、無駄なことを嫌うが、試合中に選手に檄を飛ばしたり、レジーに打撃のコツを伝授したりするなど、熱い一面も持っている。東京郊外に一戸建てを持ち、妻と飼い犬のミーシャとともに暮らしている。 モデルは西武ライオンズなどの監督を務めた広岡達朗氏。
平山 陽子 (ひらやま ようこ)
平山達司の妻。のんびりとしたマイペースな人物で、いつもニコニコと笑みを絶やさないがかなりの天然。野球についてはほとんど知らず、突拍子もない言動で周囲を振り回すことも多い。
溝口 貴弘 (みぞぐち たかひろ)
東京ジェントルメン所属。ポジションは投手。左投げ。社会人を経てプロ入り3年目となる。金と女に目がないちゃらんぽらんな性格だが、自分の投球には絶対の自信を持つ。一時はレジーとともに2軍に落とされたが、1軍復帰してからはメキメキと頭角を現し、エース級の存在となる。途中、トレードにより他球団に放出されるが、紆余曲折を経て復帰。 ペナント優勝に向けて獅子奮迅の活躍を遂げる。レジーの悪友。
フレッド・スマイリー
東京ジェントルメン所属。ポジションは中堅手。レジーが入団する前から東京ジェントルメンで活躍していた。片言の日本語でコーチや監督に媚を売るなど、日本の野球に順応するための努力を欠かさないでいる。メジャー経験がないため、メジャー出身のレジーのことはあまり快く思っていない。 軟投派の投手に強く、レジーが苦手としたチャック・デイビスからは予告ホームランも含むサイクル安打を達成している。
豊田 常吉 (とよだ つねきち)
東京ジェントルメン打撃コーチ。俗に言う「教え魔」で、独自のバッティング理論や野球観を選手に押しつけるため、皆に煙たがられている。過去に幾多の若手の有望株を潰してきたとも言われている。次期監督の座をねらっており、オーナーや編成部長へのゴマすりに余念がない。外見的なモデルは元巨人軍の名手・柴田勲氏。
関谷 正司 (せきや しょうじ)
広島バーバリアンズ所属。ポジションは投手。右投げ。ドラフト1位でバーバリアンズに入団した契約金1億5千万円のゴールデンルーキー。日本人離れした重くて速い剛速球を武器とする。性格は幼稚で凶悪。レジーとの初対戦で特大の190m弾を喫した。その後、2度に渡って肉体及び投球フォームを改造。 より凄みを増したピッチングでレジーの前に立ちはだかる。
吉原 弘二 (よしわら こうじ)
広島バーバリアンズ所属。ポジションは中堅手。長年、バーバリアンズの4番を務め、「ミスター・バーバリアンズ」と呼ばれる名打者。得意なコースはインハイ。溝口の才能をいち早く見抜き、激闘を繰り広げている。モデルは「ミスター・カープ」と呼ばれた山本浩二氏。
立花 裕美 (たちばな ひろみ)
広島バーバリアンズ所属。ポジションは投手。左投げ。サイドスローから繰り出す角度のある球が武器。自らのピッチングを芸術と言い切っており、勝ち負けにはあまりこだわらない。レジーとの対決では、自分のピッチングとレジーのバッティングのどちらが芸術的であるかを争った。
小津 修二 (おづ しゅうじ)
川崎ブロワーズからシーズン後半に、1対4という大型トレードで東京ジェントルメンに移籍してきた。パ・リーグの3冠王。手首の柔らかさが特徴で、右に左に打ち分ける広角打法を得意とする。モデルは元中日ドラゴンズ監督などを務めた落合博満氏。
カーク・ウィリアムズ
広島バーバリアンズ所属。現役大リーガーで、優勝を狙うバーバリアンズが短期契約で入団させた。サイ・ヤング賞に2度輝いている名投手で、来日後いきなりノーヒットノーランを達成。さらに次の試合では完全試合をマークした。実はカークの獲得費用を捻出するためにフラッグスがレジーを放出することになったといういきさつがある。
小梶 文男 (こかじ ふみお)
東京ジェントルメンの編成部長。選手や監督には強気だが、オーナーや球団社長に対してはいつもペコペコしている小物。平山監督を目の仇にしている。レジーを獲得してきた張本人で、編成部長としては有能。
宮川 秀治 (みやがわ ひではる)
日本プロ野球界に強い影響力を持つ人物で、現場から身を退いていたが、シーズン半ばに強引に東京ジェントルメンの球団社長に就任する。平山監督を抜擢した人物。外国人選手に頼らない、日本人だけの最強チームを作りたいという野望があり、そのために強引にトレードの規約を改正してシーズン後半に小津を獲得した。 レジーら外国人選手の活躍を苦々しく思っている。
深川 絵理 (ふかがわ えり)
東京ジェントルメンによって、レジーの教育係として任命された女性。非常に気が強く、レジーのような荒くれ者に対しても一歩も退かない。平山監督のことをひそかに慕っている。