ボールパークへようこそ

ボールパークへようこそ

球団職員の門前弘之と、メジャーリーグ帰りのスタープレーヤーの矢畑晴美。かつて同じチームに所属した2人の男を中心に、日本のプロ野球界を描いた作品。

正式名称
ボールパークへようこそ
ふりがな
ぼーるぱーくへようこそ
作者
ジャンル
野球
 
ヒューマンドラマ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

アメリカメジャーリーグのアナハイム・ヘイローズの内野手、矢畑晴美は、「ミスター三塁打(トリプル)」と呼ばれる屈指の好打者。しかし日本のマスコミの前では横柄な態度でまともな話をしない。かつて彼は日本のプロ野球東京グレイツにピッチャーとして入団したが、肩を壊した末に海を渡った過去を持つ。

一方、スポーツショップで働く門前弘之は、元甲子園優勝投手の実績を引っ提げて、矢畑晴美と共に東京グレイツに入団したが、芽が出ないまま引退した。日の出ビールの会長、鳥塚敏江は、弱小球団と化した仙台ファルコンズを買収しオーナーとなる。彼女は矢畑晴美に入団オファーを出すが、彼から条件として提示されたのは門前弘之の入団だった。

突然、鳥塚敏江に呼び出された門前弘之は、現役復帰を固辞。その代わりに球団職員としての就職を希望する。鳥塚敏江門前弘之に、「ボールパーク」と呼ばれるアメリカの野球場をしっかり見るよう伝え、矢畑晴美説得のために海を渡らせた。

登場人物・キャラクター

矢畑 晴美 (やばた はるみ)

『ボールパークへようこそ』の主人公の1人。肩まで髪を伸ばした男性。初登場時27歳。メジャーリーグのアナハイム・ヘイローズの内野手。千葉県出身。右投げ右打ち。横柄で気ままな振る舞いが目立つ。日本のプロ野球東京グレイツにピッチャーとして入団したが、肩を壊した末に海を渡った過去を持つ。メジャーリーグ6年目。 日本人野手初のメジャーリーガーとしてベンチ入りを果たす。「ミスター三塁打(トリプル)」の異名を持ち、2度の首位打者を獲得。仙台ファルコンズのオーナーとなった鳥塚敏江から入団の誘いを受けた際、かつてのライバルで、東京グレイツの同期生でもある門前弘之の復帰を条件にする。その後、メジャー制覇を経て仙台ファルコンズに入団。 抜群の打棒で活躍するが、自らの専属広報となった門前弘之には冷たい態度を取り続ける。

門前 弘之 (もんぜん ひろゆき)

『ボールパークへようこそ』の主人公の1人。短髪の男性。スポーツショップのエントリーの従業員。初登場時27歳。元甲子園優勝投手の実績を引っ提げて、矢畑晴美と共に東京グレイツに入団したが、6年間で1勝もできず、芽が出ないまま引退した。表面上は穏やかな性格だが、過去の栄光を重荷に感じている。仙台ファルコンズのオーナーとなった鳥塚敏江から現役復帰を打診されるが拒否し、矢畑晴美の交渉役となることを申し出る。 その後、仙台ファルコンズの職員となり、FAで入団した矢畑晴美の専属広報となる。

鳥塚 敏江 (とりづか としえ)

眼鏡をかけたショートヘアーの老年の女性。大手ビールメーカーの日の出ビール会長。父の跡を継いで、傾きかけた同社の経営を立て直した。プロ野球仙台ファルコンズを買収し、オーナーとなる。目玉として矢畑晴美の獲得に動き、スカウトの橋場洋介を通じて門前弘之を矢畑晴美の交渉役に抜擢する。 「ボールパーク」と呼ばれるアメリカの野球場を理想として、仙台野球園を建設した。押し出しの強い性格で、野球への愛情は強い。

橋場 洋介 (はしば ようすけ)

プロ野球仙台ファルコンズのスカウト。門前弘之とは、彼が中学3年生の頃からの付き合い。ドラフトでは縁がなかったが、事あるごとに門前弘之に気を遣っている。新しくオーナーとなった鳥塚敏江に門前弘之を引き合わせる。

佐和田 宗昭 (さわだ むねあき)

大手ビールメーカーの日の出ビール社長。独断で仙台ファルコンズを買収した会長の鳥塚敏江の経営に反感を持ち、実権を握ろうとしている。東京グレイツオーナーの角谷丸吉に、鳥塚敏江が矢畑晴美獲得に動いていることをリークする。

林 昌彦 (はやし まさひこ)

スポーツショップのエントリーの社長。門前弘之を新店舗の店長に抜擢しようと考えていたが、仙台ファルコンズからの入団の打診があることを知り、快く送り出す。

角谷 丸吉 (すみや まるよし)

プロ野球東京グレイツのオーナー。大都日報会長。仙台ファルコンズを買収し矢畑晴美を獲得しようとしている、鳥塚敏江を快く思っていない。秘書の鎌刈亘を通じて、仙台ファルコンズの4番バッター白根和男の引抜きを図る。

カレン・ロジャース (かれんろじゃーす)

若い黒人女性。アナハイム・ヘイローズの矢畑晴美担当広報職員。仙台ファルコンズオーナーの鳥塚敏江の命を受けて訪れた門前弘之を案内する。日本に留学した経験がある。

石根 秀平 (いしね しゅうへい)

15年間球界を離れ監督経験も無かったが、鳥塚敏江の依頼によって仙台ファルコンズの監督に就任。茫洋としているが陰の名将ともいわれている。1年かけて戦力を見極めるという条件で監督になった。打撃不振の大和田馨を4番で使い続けたり、リーダー格の望月昌彦を2軍に落としたりと、一見不可解な采配をする。 結局就任1年目は最下位となり、矢畑晴美から2年で優勝しなければ選手契約を切ると宣告されるが、逆にあと1年で優勝しなければ自分が去ると宣言する。

須藤 以知子 (すどう いちこ)

宮城放送編成制作局制作部の女性ディレクター。30歳。矢畑晴美のドキュメンタリーを撮りたいと、仙台ファルコンズに通いつめ門前弘之に繰り返し交渉する。野球にはまったく興味は無いが、矢畑晴美が目指しているものに対して興味を覚えている。番組制作者としての腕は優れていて、ドキュメンタリー大賞を受賞している。

大田黒 久雄 (おおたぐろ ひさお)

阪通ジャガーズからトレードで仙台ファルコンズに入団する。門前弘之の高校の後輩で、在学時は1年生ながら守備力の高さで内野のレギュラーを獲得し、甲子園の優勝メンバーとなった。打撃はあまり好きではなく、トレードされたことも不服に思っている。

武智 宗介 (たけち そうすけ)

元プロ野球選手。現役時は仙台ファルコンズ史上で唯一の2000本安打を達成し、「ミスター・ファルコンズ」と呼ばれる大物OB。過去2回、仙台ファルコンズの監督も務めている。矢畑晴美は幼いころ、彼が監督だった頃の姿をテレビで観ている。石根秀平の采配に疑問を持ち、追い落としを図る。

望月 昌彦 (もちづき まさひこ)

初登場時31歳。仙台ファルコンズの内野手で、ポジションはショート。生え抜きのチームリーダー。矢畑晴美が怪我で離脱した際は、3番に座ってチームを引っ張っていた。しかし矢畑晴美が復帰すると、大田黒久雄にはじき出される形でレギュラーをはずれ、さらに監督の石根秀平からは「負けグセ」がしみついているとみなされ二軍行きを宣告される。 その後、事件を起こし、門前弘之と共に一時身を潜める。

郷 栄作 (ごう えいさく)

就任1年目で東京グレイツを優勝に導いた監督。現役時代はドラフト1位の重圧を撥ね退け、4番として一時代を築く。選手生活の終盤、怪我に泣かされ二軍生活を送っていたときに、門前弘之にも親しく声をかけていた。暖かい人柄で周囲から信頼されている。門前弘之に、東京グレイツのトレーニングコーチ就任を打診する。

SHARE
EC
Amazon
logo