概要・あらすじ
田島久美はアイドルの藤緒理真に会いたいという思いだけで、興味のなかった芸能界に入りデビューを果たす。理真と同じ事務所に所属し、関わりを持つことに成功するが、事務所内の人間関係や久美の高い実力のために、理真からは恋愛感情を拒否され、ライバルであると言われてしまう。
登場人物・キャラクター
田島 久美 (たじま ひさよし)
16歳の男子高校生。左目の下に泣きぼくろがある。白王高校の定期試験では常に3位前後をキープしており成績優秀。加えて美形で明るい性格のため人気がある。ただ過去にトラウマを抱えており、女友達しかいない。藤緒理真のラジオ公開録音を見学に出かけた際、池柴圭吾にスカウトされる。理真に近づきたい一心で、芸能プロダクション「R・ミュージック」に所属し、アイドルを目指すようになる。 徳川の撮影したカセットテープのポスターでデビューする。しかし、父親や白王高校から芸能活動を反対されたため、実家を出て圭吾の自宅に居候し、青葉学園に編入する。ファンの気持ちを感じ取る、アイドルとしての天性の才能を持つとされ、理真を超えるアイドルになると目されている。 コミックス第3巻からは大学4年生になって登場する。
藤緒 理真 (ふじお りま)
16歳のトップアイドル。大きな瞳とゆるいウェーブヘアの美少女。かつて池柴圭吾にスカウトされ、芸能プロダクション「R・ミュージック」に所属した。努力家で、スタッフやカメラマンからも評判がいい。田島久美に苦手意識があり、久美のアイドルとしての才能を目の当たりにしてからは、ライバルと見なし、彼からの恋愛感情を拒否する。 圭吾の薦めと藤緒理真自身の希望から、久美に1年遅れて青葉学園に編入した。コミックス第3巻では成長した姿で登場する。
池柴 圭吾 (いけしば けいご)
芸能プロダクション「R・ミュージック」のマネージャーの男性。藤緒理真のラジオ公開録音を見学に来ていた田島久美をスカウトし、熱心な説得と策略でアイドルになることを了承させた。過去には理真をスカウトし、彼女のデビュー後はマネージャーを務めていたこともある。入院中の妻と2人の娘がおり、実家を飛び出した久美を、自宅の空き部屋に下宿させている。
池柴 愛美 (いけしば まなみ)
池柴圭吾の長女で、6歳の小学校1年生。しっかりした性格をしたおさげの女の子で、妹の池柴和美の面倒をよく見ている。コミックス第3巻では白王高校1年生の15歳となり、同級生になった立花真吾とは、家の行き来をするなど親しい交友関係にある。
池柴 和美 (いけしば かずみ)
池柴圭吾の次女。人見知りをする性格で、姉の池柴愛美の背に隠れることがある。田島久美との初対面にでも、愛美の背に隠れて様子をうかがっていた。コミックス第3巻では成長した姿で登場する。
神林 理恵子 (かんばやし りえこ)
芸能プロダクション「R・ミュージック」の社長を務める女性。池柴圭吾の上司にあたる。圭吾の妻とも面識があり、入院先を見舞うこともある。一部で、神林理恵子は圭吾が好きだという噂が、まことしやかにささやかれている。
原 (はら)
芸能プロダクション「R・ミュージック」に所属する女性。藤緒理真のマネージャーを務めている。理真とは、池柴圭吾からマネージメントを引き継いですぐに打ち解け、良好な関係を築いている。理真が圭吾を慕っていることを知っており、圭吾にもっと頻繁に理真のところへ顔を出してくれるよう頼む。
徳川 (とくがわ)
16歳のカメラマンで、黒髪長髪の少年。ポスターで使用する田島久美の写真を撮影した際、久美を気に入り、久美だけを撮るという約束で、芸能プロダクション「R・ミュージック」と契約した。高校には通っていなかったため、のちに久美や藤緒理真と同じ青葉学園に編入する。
竹沢 ゆりえ (たけざわ ゆりえ)
白王高校2年生の、ロングヘアーに黒目がちな瞳をした美少女。かつて田島久美にラブレターを渡そうとしたが、受け取ってもらえなかった過去がある。久美の載った車内吊りのポスターを取ろうとして足を擦りむくなど、現在も久美に執着している。
竹沢 (たけざわ)
白王高校3年生の少年。周囲の生徒に「危ない人」と評されている。初対面の田島久美にわざとぶつかって階段で転ばせたり、藤緒理真に嫌がらせの電話や手紙を送るなど、陰湿にして粗暴な性格。ただし、竹沢のその行動には、彼なりの思いがあった。
近藤 芳美 (こんどう よしみ)
アイスのCMに出演している女性アイドル。田島久美や藤緒理真と同時に青葉学園の編入試験を受けた。試験の際、近くの席だった久美に話しかけ友達になる。理真をライバル視しており、新人賞を受賞してすぐに追いつくと公言する。
立花 真吾 (たちばな しんご)
ゆるいウェーブのかかった黒髪をした10歳の少年。実家は大阪にあり、東京にいる間は、ホテルニューオオクラのスイートルームを貸し切っている。東京駅周辺のほとんどの土地を購入した立花家本家の跡取りで、厳格な祖母と不仲な両親から逃れて東京に留まっている。藤緒理真の公開録音イベントで田島久美と出会い、親しく付き合うようになる。 コミックス第3巻登場時は白王高校1年生の15歳で、池柴愛美と同級生になっている。名前が「慎吾」と表記されることもある。
立花 水乃 (たちばな みずの)
立花真吾とは従姉弟の関係にあたる高校2年生の少女。ただし立花家分家の後妻の連れ子のため、正確には血縁関係がない。大阪で暮らしていたが、兄の立花健流とともに東京の白王高校に転入した。祖母とは不仲で、真吾に取り入ることで財産を相続しようとしている。
立花 健流 (たちばな たける)
立花真吾とは従兄弟の関係にあたる高校2年生の少年。ただし立花家分家の後妻の連れ子のため、正確には血縁関係がない。大阪で暮らしていたが、妹の立花水乃とともに東京の白王高校に転入した。祖母とは不仲で、本家跡取りの真吾に財産を分与させるため、策略を巡らせている。
風間 (かざま)
ホテルニューオオクラの支配人を務める男性。大阪の立花家本家と東京にいる立花真吾の間の連絡役を担っている。真吾が東京に滞在している間は、ホテルニューオオクラのスイートルームを提供し、身辺の世話も行っている。コミックス第3巻では田島久美とも既知の間柄になっている。
飯塚 利名 (いいづか りな)
白王高校の女性教師。立花真吾や池柴愛美が1年生の時に、クラスの担任を務めた。教師としては軽んじられている。21時頃に、街で友人と食事に出かける真吾と出会って帰宅するよう促すが、聞き入れられなかった。婚約者と別れてから教師を辞め、ドーナツ屋でバイトを始める。
ケイナ
白王高校の演劇科に通う男子生徒。バンド「MILLENNIUM」のボーカルを務めている。立花真吾と仲が良く、池柴愛美に恋愛感情を抱いているが、相手にされずにいる。
集団・組織
MILLENNIUM (みれにあむ)
インディーズ最高の業績を持つ人気バンド。1500人規模の有名なライブハウス「スターゲート」でのワンマンライブでは、チケットが即日完売、自主制作盤は2万枚が完売する。現在はメジャーデビューを直前に控えている。芸能事務所「R・ミュージック」に所属し、メンバーは全員が白王高校に通っている。デビューアルバムの宣伝に田島久美が関わった。
R・ミュージック (あーるみゅーじっく)
神林理恵子が社長を務める芸能プロダクション。マネージャーとして池柴圭吾や原、アイドルとして藤緒理真や田島久美が所属している。のちにバンド「MILLENNIUM」も「R・ミュージック」の所属となる。
場所
白王高校 (はくおうこうこう)
コミックス第1巻では、田島久美が青葉学園に編入する前に通学していた都立の高校。学生の芸能活動に否定的な考えを持つため、久美を呼び出して辞めるよう指導した。芸能人は1人も在籍していない。コミックス第3巻では、立花真吾と池柴愛美、ケイナが通う私立の高校となっている。秋の文化祭は、演劇科・声楽科に所属する数名の芸能人が公演を行うことで、名物と呼ばれるほど盛り上がる。
青葉学園 (あおばがくえん)
田島久美と藤緒理真、徳川が編入した高校。芸能科があるため、多くのアイドルや芸能人が在籍している。白王高校に比べ、学力では大幅に下回る。近藤芳美も編入試験を受けたが、彼女が合格したかどうかは不明。