あらすじ
第1巻
少女マンガ誌「月刊CANDY」の駆け出し編集者の星野まひるは、多忙ながらも充実した日々を過ごしていた。そんなある日、まひるは飲み会で深酒し、同じく帰宅途中に酔いつぶれていた女性に声を掛け、一人では危ないからと自宅へ誘う。その翌日、目を覚ましたまひるは、半裸の男性とベッドで抱き合っていた。そしてのちに、その男性がまひるが新しく担当する人気マンガ家の花咲里央だと知ることとなる。まひるはマイペースで毒舌家の里央に振り回されながらも、なんとか協力し合い、里央のマンガ制作のサポートをしていた。まひるは里央とかかわり合っていく中で、里央が前任者の門脇百合に片思いをしていることを知り、大いに動揺する。そんな中、まひるは里央の取材に同行することとなり、二人で水族館を訪れる。まひるはあくまで仕事だと認識しつつも、まるでデートのようだと胸を高鳴らせるのだった。
第2巻
星野まひるはストーリー作りは秀逸ながらも、アクの強い絵のためになかなか芽が出ない大塚陽を、花咲里央のアシスタントとして紹介する。不慣れな仕事に大塚は大きなミスを犯してしまうが、里央はそのミスをみごとなスピードで挽回。そんな里央のプロとしての姿勢を間近で見たまひるは、あらためてマンガ家としての里央をかっこよく感じるのだった。そんな中、まひるが野いちごと食事をしていると、運悪くチンピラに絡まれてしまう。偶然、その場に居合わせた里央が二人を助けるものの、里央はきき手である右手にケガを負ってしまう。不自由な生活を強いられる里央の姿にまひるは責任を感じ、彼の身の回りの世話をすることを決意。こうしてさらに距離が縮まっていく中で、まひるは里央のことをさらに異性として意識するようになる。一方の里央は門脇百合の妊娠を知り、ショックを受けて泥酔するまで飲んでしまう。
登場人物・キャラクター
星野 まひる (ほしの まひる)
出版社「心泉社(しんせんしゃ)」の少女マンガ誌「月刊CANDY」編集部で働く女性。まだ駆け出しの編集者で、年齢は24歳。仕事は多忙ながら、幼い頃から少女マンガ好きだったこともあり、やりがいを感じている。編集者になる前から花咲里央の大ファンだった。元気いっぱいの明るい性格の持ち主で、それ故にやる気が空回りすることも多い。つねに前向きな発言をするため、持ち込みにやって来るマンガ家志望者からは、モチベーションを上げてくれる編集者として人気が高い。ある日の飲み会で深酒し、帰宅途中に泥酔していた里央を女性だとカンちがいして声を掛け、一人では危ないからと自宅へ誘った。のちに偶然にも里央の担当編集者になったことで、再会を果たす。マイペースで毒舌家の里央に振り回されていく中で、次第に彼に思いを寄せるようになる。
花咲 里央 (はなさき りお)
プロの少女マンガ家を生業にしている男性。少女マンガ誌「月刊CANDY」で連載作品を持っており、看板マンガ家の一人でもある。女装姿で参加した飲み会で泥酔し、ベンチで寝ていたところを、同じく深酒した星野まひるから声を掛けられる。この出来事がきっかけで、偶然にもまひるが花咲里央自身の新しい担当編集者になったことで再会を果たす。以前自分の担当をしていた既婚者の門脇百合を異性として意識しており、どうにもならないと思いつつも、忘れられずにいる。百合から次の担当編集者としてまひるを紹介された際には、百合でなければ誰でもいいと思っていたものの、次第に彼女の人柄に興味を持つようになっていく。少女マンガ家であることから、自らの性別を隠しており、出版社「心泉社(しんせんしゃ)」でも、里央が男性だと知っている人はごく一部しかいない。非常に整ったルックスの持ち主で、心泉社が発行しているファッション誌でモデルをしてほしいという声も多い。マイペースな性格で、言いたいことははっきりと口にする毒舌家。まひるには強気に出るが、惚れている百合には頭が上がらない。
山口 (やまぐち)
出版社「心泉社(しんせんしゃ)」の少女マンガ誌「月刊CANDY」編集部で働く男性。星野まひるの先輩にあたる。編集部内でも新人の発掘と育成に手腕を発揮しており、何人もの作家をプロとしてデビューさせている。そのため、まひるから相談を受けることも多い。甘いものが大好きで、作家への手土産もセンスがいいと評判になっている。
長熊 力斗 (ながくま りきと)
出版社「心泉社(しんせんしゃ)」の少女マンガ誌「月刊CANDY」編集部で働く男性。「月刊CANDY」の編集長を務め、星野まひるの上司にあたる。まひるの仕事ぶりに期待を寄せており、門脇百合から看板マンガ家の花咲里央の後任者としてまひるが推薦された時も、反対することなく受け入れた。はっきりと物申す性格で、編集部ではリーダーシップを遺憾なく発揮しているため、部下から慕われている。
奥村 健吾 (おくむら けんご)
出版社「心泉社(しんせんしゃ)」の営業部に所属している男性。星野まひるの同期にあたる。少女マンガ誌「月刊CANDY」編集部で働くまひるを何かと気に掛けており、相談を受けることが多い。まひるの飲み友達でもある。
門脇 百合 (かどわき ゆり)
出版社「心泉社(しんせんしゃ)」に勤務する既婚者の女性。少女マンガ誌「月刊CANDY」の編集者を務めていたが、のちに以前から希望を出していた絵本雑誌「AMO」編集部へ異動する。星野まひるの先輩にあたり、異動後も「百合先輩」と呼ばれて慕われている。「月刊CANDY」に投稿してきた花咲里央を発掘し、担当編集者として里央を看板作家まで育て上げた。門脇百合自身が異動する際には、里央の大ファンである後輩のまひるに担当を引き継いだ。まるで芸能人のような美しく整った顔立ちで、男性社員からは「マドンナリリー」と呼ばれ、高い人気を誇っている。しかし、性格は非常にサバサバとしており、大胆かつドSな言動が多い。
百合の夫 (ゆりのおっと)
出版社「心泉社(しんせんしゃ)」の近くの日本料理店「一心(いっしん)」を経営する男性。門脇百合の夫で、「一心」では自ら板前としても働いている。星野まひるが偶然ランチに立ち寄ったことで、顔見知りになる。のちにまひるが百合の後輩だと知り、以降親しくなっている。見た目は非常に整っており、物腰も柔らかい。さらに料理の腕も確かで、百合に思いを寄せている花咲里央からも、百合の夫ならば仕方がないと認められている。
大塚 陽 (おおつか はる)
マンガ家を目指している男子大学生。どこの出版社にも相手にしてもらえなかったが、星野まひるに才能を認められ、それからは少女マンガ誌「月刊CANDY」に持ち込みをするようになる。ストーリー作りは山口が認めるほどのセンスを持っているが、アクの強い絵柄が問題となり、なかなかデビューできない状況が続いている。独特のセンスのためにアシスタントにもなれないでいたが、まひるの計らいもあり、花咲里央のもとで働くことになる。それからは里央のファンとなり、同じくファンの野いちごと意気投合した。マンガ家としてのペンネームは「大塚ハル」。
野いちご (のいちご)
プロマンガ家志望の女性で、年齢は20歳。少女マンガ誌「月刊CANDY」に持ち込みをしており、星野まひるが担当となる。編集部内では、現在持ち込みをしている作家の中で、最もデビューに近い存在だと評されている。非常にかわいらしい容姿と控えめな性格で、すぐに顔が赤くなる。日々忙しく過ごしているまひるにとって、彼女との打ち合わせが癒しの時間になっている。花咲里央のファンで、同じくファンの大塚陽と意気投合している。
書誌情報
×××な関係 7巻 白泉社〈花とゆめコミックススペシャル〉
第5巻
(2022-09-05発行、 978-4592227694)
第6巻
(2023-09-20発行、 978-4592230038)
第7巻
(2023-09-20発行、 978-4592230045)