Re:CREATORS

Re:CREATORS

TVアニメ『Re:CREATORS』のコミカライズ作品で、作画を漫画家の加瀬大輝が担当している。アニメとマンガが好きな少年、水篠颯太と、アニメやマンガの世界から現れたキャラクター達による騒動の日々が描かれる。デザインの一部をアニメでは採用されなかったキャラクターデザイン原案から採用するなど、コミカライズならではの表現がされている。「月刊サンデーGX」2017年5月号から連載の作品。

正式名称
Re:CREATORS
ふりがな
れくりえいたーず
原作者
広江 礼威
作画
ジャンル
作家・漫画家
 
バトル
レーベル
サンデーGXコミックス(小学館)
巻数
既刊1巻
関連商品
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世界観

本作『Re:CREATORS』は「クリエイター」と「作品」をテーマとしており、創造主であるクリエイターが生み出した作品の世界から、凄惨な運命に振り回された被造物であるキャラクターが現れて、創造主に相対。創造主達はクリエイターとして、自分が生み出したキャラクター達に対する責任や、物語世界を生み出すに至った姿勢に不実はなかったのかを問われる事となる。また被造物たるキャラクター達は、その性質が作品のファンの「印象」に強く影響されるという設定となっており、読者が「どのように作品に接しているか」を遠回しに問いかけている。

あらすじ

第1巻

アニメやマンガが好きで将来はクリエイターを志す少年、水篠颯太はある日、自室でアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」を見ていたところ、物語世界へ吸い込まれてしまう。アニメのヒロインであるセレジア・ユピティリアと見覚えのない軍服の少女、アルタイルの戦闘に巻き込まれた颯太は攻撃にさらされてしまうが、間一髪のところをセレジアに助けられる。気がつくと現実世界へ戻っていた颯太だったが、戻って来た自室には、自分だけでなくアニメのキャラクターであるセレジアの姿もあった。状況が把握できず混乱するセレジアに、颯太はセレジアが自分の見ていたアニメの、キャラクターである事を告げる。当初はウソだと一蹴するセレジアだったが、颯太が持ち出したアニメの本に自分以外に知り得ない内容が描かれていた事から態度を一変させる。しかし、落ち着いたのも束の間、セレジアが戦っていた軍服の少女が再び二人の前に現れる。彼女はセレジアに対して自分に協力しないかと誘いを持ちかけるが、セレジアはそれをにべもなく拒否する。交渉が決裂した事により再び始まった戦闘に、颯太は再び巻き込まれてしまうのだった。

第2巻

ふつうの高校生である水篠颯太は、現実世界に次々と現れる物語世界のキャラクター、被造物達の起こす騒動に巻き込まれていく。セレジア・ユピティリアメテオラ・エスターライヒの二人と行動を共にする事となった颯太は、自分を生み出した存在、「創造主」に会いたいという二人の要望を受け、セレジアの生みの親である松原崇と待ち合わせをする。ところが待ち合わせ先に新たに現れた被造物の煌樹まみかと戦闘になってしまう。本来は巨大ロボットのフォーゲルシュバリエのパイロットであるセレジアが本領を発揮できないまま追い詰められるが、絶体絶命の窮地を救ったのは突如として現れた被造物の弥勒寺優夜だった。まみかが退散したのに合わせ、弥勒寺と共にその場を離れた一行は立ち寄ったファミレスで話合いの場を設ける。そこでセレジア達は弥勒地から、被造物は多くのファンの印象に残ったキャラクターが優先的に現界するのではないか、という仮説を聞かされる。そして、創造主による設定の改変も可能なのではないかという推測を聞かされた一行は、松原と作品のイラストレーターを務めるまりねの協力のもと、セレジアの設定の改変を試みるのだった。

第3巻

松原崇は、50メートルを超える巨大ロボットのギガスマキナと共に現れた被造物鹿屋瑠偉に困惑する創造主中乃鐘昌明から相談を受け、水篠颯太や被造物であるメテオラ・エスターライヒを伴って彼の家へ赴く。しかし状況を説明していたところ、一行は陸上自衛隊中央即応集団特殊作戦群による襲撃を受け、政府の機関である「特別事態対策会議」へと連行されてしまう。会議室へと通された一行は、会議を取りまとめる統括調整官の菊地原亜希との話の中でアルタイルの目的が世界がリセットされてしまう現象、「大崩潰」にある事を告げる。事態の深刻化を受けた「特別事態対策会議」はメテオラや颯太達を会議の保護下に置き、事態の解決へ向けた協力を要請する。メテオラ達は協力を受諾し、政府機関と協力して動き出す事となる。協力体制を築いてから最初の任務として、新たに現れた被造物の行方を追うメテオラ達だったが、一方その頃、颯太はその詳細がいっさい不明とされていたアルタイルの正体について行き当たる。それはアルタイルが颯太の事をなぜ知っていたのかという疑問に対する答えであると同時に、颯太がひた隠しにして来た過去に触れるものだった。

第4巻

新たに弥勒寺優夜をメンバーに加えた一行は、引き続き新たに現れた被造物築城院真鍳の行方を追いかける事となる。一方、アルタイルと自分の過去の関係に悩んでいた水篠颯太は、誰にも相談できずに懊悩する日々を送っていた。そんなある日、颯太はアルタイル陣営に属する被造物の煌樹まみかに声をかけられる。彼女は自分が「マジカルスレイヤー・まみか」に登場する魔法少女のマジカルスレイヤーである事に誇りを持っていた。そんな自分に恥じないために、世界の真実を知りたいと語る彼女に対して颯太は自分の過去も含め、アルタイルについて知るすべてを語ると決心する。颯太がまみかと接触している最中、中乃鐘昌明もまたアルタイルの正体に行き当たっていた。メテオラ・エスターライヒ達にもアルタイルの正体が周知される中、颯太はメテオラに対して遠回しに相談を持ちかける。しかし、メテオラの的確な助言によって罪悪感に苛まれた颯太は、結局自分の過去について打ち明けられないまま、その場をあとにするのだった。

登場人物

本作『Re:CREATORS』にはアニメやマンガといった物語世界から現実世界へと現界した存在である「被造物」と、その物語やキャラクターの産みの親にあたる「創造主」が登場する。創造主達は今回の騒動を主導しているアルタイルによって、世界を生み出した「神」であると「被造物」達へ伝えられており、神々の世界へ被造物達が反抗するために飛び込む、という構造がアルタイルによって煽られている。被造物達は物語世界で与えられていた設定をほぼそのまま現実世界へ持ち込んでおり、現実の法則を逸脱した力を有している。一方の創造主達は被造物の設定を改変する能力を有しているものの、それは現実の法則に従った創作活動の延長線上に過ぎず、設定を改変するためにはファンの「印象」に残るという手順が必要となっている。

劇中劇

Re:CREATORS』のストーリーは、アニメやマンガといった物語世界のキャラクター達が現実世界へ現界するという構造になっているため、多くの劇中劇が登場している。セレジア・ユピティリアの登場するアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」や、メテオラ・エスターライヒの登場するオープンワールドRPG「追憶のアヴァルケン」など、アニメやライトノベル、ゲームなどその媒体は多岐にわたる。

メディアミックス

TVアニメ

本作『Re:CREATORS』の直接の原作となるTVアニメ『Re:CREATORS』が、2017年4月よりTOKYO MX、BS11ほかで放送された。監督はあおきえい。メカニックデザインはI-Ⅳ。音楽は澤野弘之が担当し、水篠颯太役を山下大輝、セレジア・ユピティリア役を小松未可子、メテオラ・エスターライヒ役を水瀬いのりがそれぞれ務めている。広江礼威が執筆した字コンテ『Re:CREATORS NAKED』を原作としているが、アルタイルのスカートに描かれる鱗模様が削除されるなど、原案の字コンテからは差異が見られる。

登場人物・キャラクター

水篠 颯太 (みずしの そうた)

都立亀水高等学校に通う高校2年生の少年。年齢は16歳。アニメやゲーム、ライトノベルが好きで、漫然とクリエイターになる事を夢見ている。しかし、上達しない現状に悩みを抱えており、現在は創作活動が滞っている。内向的で自己主張に乏しい性格をしているが、一方で心優しく人好きのする性質の持ち主。自宅でファンタジーロボットアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」を鑑賞していたところ、セレジア・ユピティリアとアルタイルの戦闘に巻き込まれ、なし崩し的に騒動の中心としてアルタイルとの戦いにかかわっていく事となる。現在流行している作品についてジャンルを問わず通じており、新たに現れた被造物達の正体と原作について毎回、誰よりも早く気がついている。その知識はキャラクターのみならず作者の名前も的確に挙げる事ができるほどで、政府が立ち上げた機関である特別事態対策会議の保護下に置かれてからも、その知識を頼りにされている。過去にアルタイルにかかわるトラウマを抱えており、メテオラ・エスターライヒに相談していたが、罪悪感から詳細について言い出せずにいたところ、築城院真鍳に目をつけられてしまう。

メテオラ・エスターライヒ

物語世界から現実に現界した被造物の一人である少女。オープンワールドRPG「追憶のアヴァルケン」において、ラストエリア手前に存在する「万理の図書館(クンスト・ヴンダーカンマー)」の司書として登場するキャラクター。また、ゲーム内ではプレイヤーである勇者にザルカザンの秘宝を授ける賢者でもあり、「万理の探求者」の異名を持つ。落ち着いた色調のローブに身を包んでおり、ショートヘアの白い髪に特徴的な髪飾りを付けた外見をしている。冷静沈着な性格で、感情を顔に出す事はない。人里離れた土地で過ごしていたために人の機微に疎い事を自覚しており、特に笑いや洒落に関しては天然な部分が垣間見える。その一方で、明晰な頭脳によって人の悩みや考えを読み解く事には長けており、思い悩む水篠颯太に対して度々的確な助言を与えている。創造主は「追憶のアヴァルケン」を制作したタイタン・デジタルソフトにあたるが、制作の中心人物であるゲームプランナーはメテオラが会いに行く前に不慮の事故死を遂げている。当初は現実世界へどのように接するべきか、立ち位置に悩んでいたが、「追憶のアヴァルケン」を通して創造主の熱意によって世界が作られていたという確信を得た事で、アルタイルと対立する事を決意した。共に颯太の家に身を寄せていたセレジア・ユピティリアとは、その後もまりねの家でいっしょに居候するなどの交流を通し、友人としての信頼関係を築いている。一方、メテオラ・エスターライヒ自身をなれなれしく「めっちん」と呼ぶ弥勒寺優夜には苦々しい反応を見せている。戦闘時は魔導書と魔法によって戦うが、攻撃魔法は使用できないため防御魔法による支援が基本となる。

セレジア・ユピティリア

物語世界から現実に現界した被造物の一人である女性。ファンタジー系ロボットアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」に登場するヒロイン。腰丈の長い髪をハーフアップの形に結い上げており、アップ部分はシニヨンにしている。物語世界に突如として現れたアルタイルと戦闘となったところ、偶然、その様子をアニメとして視聴していた水篠颯太も巻き込まれた事により、そのまま颯太の家に現界する事となった。勝ち気で正義感の強い心根の持ち主でありながら、セレジア・ユピティリア自身の世界が娯楽として作られた架空の世界だと告げられても、柔軟に受け止めていく頭の柔らかさを持つ女性。颯太に対しては年上の女性として優しく接し、アルタイルとは初見で敵対した。同じ被造物の少女であるメテオラ・エスターライヒから、アルタイルの目的が世界をリセットする「大崩潰」の誘発にあると知らされてからは、明確に世界を守るために奔走していく事となった。戦闘時は柄だけの状態から、一瞬で刀身の生える特殊な剣と飛行魔法を駆使して戦闘を繰り広げる。本来は巨大ロボット「フォーゲルシュバリエ」に乗って戦うパイロットなのだが、物語世界での戦闘によって愛機をアルタイルによって消滅させられたために全力を出せない状態にある。創造主はアニメの原作である同名作品を執筆するライトノベル作家の松原崇。初対面の時はお互いに複雑な感情からいがみ合っていたが、徐々に信頼関係を築いていく。

弥勒寺 優夜 (みろくじ ゆうや)

物語世界から現実に現界した被造物の一人である男性。異能バトル漫画「閉鎖区アンダーグラウンド・ダークナイト」に登場する、主人公のライバルキャラクター。サングラスをかけ、ストリートファッションに身を包んでおり、武器である木刀、神木黒那岐丸(しんぼくくろなぎまる)をつねに携えている。自他共に物語世界におけるラスボスだと認識される存在で、ほかの多くの被造物とは異なり空を飛ぶ事はできないが、ほかを圧倒する強さと精神性を持ち合わせている。自己中心的な言動や行動を取り、他人に対してなれなれしい不遜な態度を取る。そんな性格ながら、他人に対しての心配りを見せる気のよさもあり、同じく被造物である鹿屋瑠偉からは格好いいと慕われている。また、水篠颯太に対してもなにかしらの悩みを抱えている事を看破して気にかけていたなど、面倒見がいい兄貴分でもある。当初は単独行動を取っていたが、のちに特別事態対策会議の保護下に入り、メテオラ・エスターライヒ達と共に、アルタイルの目的を阻止するために協力している。現実世界に現界したタイミングが同じだったブリッツ・トーカーとは相性が悪く、出会って即戦闘になったり、その後もなにかと因縁をつけては追いかけ回している。戦闘時は神木黒那岐丸のほかに「星幽複体(アストラ・ダブル)」のと呼ばれる守護霊のような存在、「坂額」を呼び出し、連携を取って戦う。

鹿屋 瑠偉 (かのや るい)

物語世界から現実に現界した被造物の一人である少年。巨大ロボットSFアニメ「無限神機モノマギア」の主人公。鹿屋瑠偉が現実世界に現界した場所が脚本家である中乃鐘昌明の住まいにあるTVだったため、中乃鐘が「無限神機モノマギア」と鹿屋の創造主という立ち位置を取る事が多い。ただ、厳密には中乃鐘一人だけではなく、アニメを制作している会社やスタッフ達が創造主という事になる。物語を面白い方向へ展開させやすいという理由から、「無限神機モノマギア」のスタッフ達により逆ギレしやすいという性格が設定されている。全長約55メートルの巨大ロボット「ギガスマキナ」を駆るパイロットで、物語世界では世界を脅かす電子寄生体「アイオーン」と人類の存亡を懸けた戦いを繰り広げていた。しかし、本人が望んでパイロットとなった訳ではなく、度々理不尽な境遇や状況に追い込まれて来た事から、現実世界に現界した当初は相当のストレスをため込んでいた。パイロットながら自身も高い格闘能力を有しており、中乃鐘の家が襲撃された際には、銃火器で武装した陸上自衛隊の隊員を素手であしらって見せた。

アルタイル

物語世界から現実に現界した最初の被造物の女性。政府から「特別災害105号事案」と呼ばれている異変の黒幕と目されている存在。名前のわからなかった当初は「軍服の姫君」と呼ばれていたが、のちにソーシャルゲーム「悠久大戦メガロスフィア」に登場する人気キャラクターのシロツメクサをもとにした二次創作キャラクター、アルタイルである事が判明する。一番初めに二次創作を投稿した「シマザキセツナ」が直接の創造主ではあるが、その能力については二次創作を行っている多数のクリエイター達の作品による影響がある。架空の存在である被造物達をその能力により現実世界へ現界させては、この世界に存在する創造主の力で悲惨な世界を改変させるよう教唆し、自身に協力するように誘っている。しかし、アルタイルの真の目的は「大崩潰」という世界の滅びであり、協力する被造物にはその事実を告げていない。武器は空中を舞う無数のサーベルとドラム式のマシンガン。また「森羅万象(ホロプシコン)」という万有をあやつる強力な能力の持ち主で、時に因果さえあやつる事でほかの被造物達を圧倒している。水篠颯太とは直接の面識はないはずだが、初対面の時から「奇縁」と称するなど特別な反応を示している。

アリステリア・フェブラリィ

物語世界から現実に現界した被造物の一人である女性。ファンタジー伝奇漫画「緋色のアリステリア」の主人公で、創造主は高良田概。金髪碧眼で、腰丈の長い髪をポニーテールにしている。「ウンターヴェルト」という魔物の軍勢に襲われる王国の姫であり、物語においては軍を率いて率先して魔物と戦っている。直情的で非常に強い使命感を持った性格をしているが、反面、融通が利かず頑固な部分がある。また時代がかった言葉遣いをする人物で、相手の事を「其処許(そこもと)」と呼ぶなど大仰なところがある。現実世界に現界した際、アルタイルの提案を受け入れたため、彼女の陣営に組みし、創造主による物語世界の書き換えで世界に平和を取り戻そうと画策している。そのために作者である高良田を拉致監禁し、自分の望むとおりの物語を強制的に執筆させている。融通の利かない性格からブリッツ・トーカーや築城院真鍳とは相性が悪い。その一方で目的を共有する煌樹まみかとは非常に親しく、親友ともいえる関係を築いている。戦闘時は右手に持ったランスと、左手に装備した籠手に宿る力で戦う。特に籠手の力は強力で、「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」という呼びかけによって雷をはじめとするさまざまな力を呼び出す事が可能で、その力は巨大なドラゴンをも一撃で葬り去るほどである。武器のほかに、空中を翔る事のできる愛馬を呼び出す事が可能で、空中戦闘から戦場からの離脱までさまざまな形で使用される。

煌樹 まみか (きらめき まみか)

物語世界から現実に現界した被造物の一人である少女。魔法少女アニメ「マジカルスレイヤー・まみか」の主人公。淡いピンク色をした髪を、ツインテールにしている。優しく真っすぐな心根の持ち主で、自分の物語世界が「アクマリン」という敵に脅かされている世界である事を許せず、アルタイルの言葉を信じ、創造主の力によって物語を改編しようと協力している。現実世界に現界した当初は自身のいた物語世界との違いを正しく認識していなかったが、セレジア・ユピティリアとの戦闘を通して自分の持つ魔法の力が、人や建物を激しく傷つけるものに変化している事に気がつき、戸惑いを隠せずにいた。しかし、同じく煌樹まみか自身の物語世界を平和な世界へ書き換えようとしている被造物のアリステリア・フェブラリィと交流を深める内に自身の在り方や、力を振るう覚悟を取り戻していく。また、アリステリアとは戦場で敵対する事もありながら友情を深め、親友と呼べる間柄となった。戦闘時は魔法少女の姿に変身し、ステッキと魔法を武器に戦いを繰り広げる。特に必殺技である「マジカル・スプラッシュ・フレアー」は被造物達の中でも群を抜いた破壊力を有している。

ブリッツ・トーカー

物語世界から現実に現界した被造物の一人である壮年の男性。SF漫画「Code・Babylon」の登場キャラクターで、創造主は駿河駿馬。両のこめかみの辺りに一筋の白髪を生やしている。また鼻の下と、もみあげから顎先を覆うように髭を生やしており、角張った厳つい顔つきをしている。サイバーパンクな物語世界から現界したキャラクターという事もあり、ほかのキャラクターと違ってハードボイルドなキャラ付けがされていて、酸いも甘いもかみ分けた、ある種の達観した言動が多い。とある目的からアルタイル達の陣営に属しているものの、直情的なアリステリア・フェブラリィに苦言を呈しながら一歩引いた立ち位置を取るなど、仲間という意識は薄い。現実世界に現界したタイミングが被造物である弥勒寺優夜と同時であったために面識がある。その際、弥勒寺との相性の悪さから戦闘に発展しており、それ以来、一方的に因縁をつけられている。武器はリボルバー式の大型拳銃を使用している。銃身が通常のものよりも下部に取り付けられた独特の構造をしており、装弾数は6発。通常の弾丸のほか、強力な重力を発生させる重力弾を装填できる。また、ブリッツ・トーカー自身は空を飛ぶ事ができないが、手首に取り付けている重力制御用腕時計を使用する事で一時的に飛行する事が可能となっている。

築城院 真鍳 (ちくじょういん まがね)

物語世界から現実に現界した被造物の一人である少女。ミステリー伝奇ライトノベル「夜窓鬼録」の第5巻に登場する敵キャラクターで、創造主は鞍隈天球(くらくまてんきゅう)。喪服のような色合いのセーラー服に身を包み、腰よりも長い黒髪の長髪をお下げに結い上げた髪型と、サメのようにギザギザした特徴的な歯をしている。つねに人を食ったような笑みを浮かべた自身の欲望に対して忠実で、自分が楽しむためならば人を騙す事も殺す事も厭わない享楽主義者。「言葉無限欺」という、自分の話した内容を相手が否定した場合、否定された内容を真実としてしまう特殊能力を有している。その反面、ほかの被造物のように戦闘能力を有していないため、戦闘時に置いても話術のみに頼らざるをえない脆弱さを持つ。現実世界に現界してからは単独行動を取っており、アルタイルの陣営にもメテオラ・エスターライヒ達の陣営にも与(くみ)する事なく、築城院真鍳自身の快楽のため、状況をかき乱す事に生きがいを見いだしている。また、アリステリア・フェブラリィとは初対面で殺し合いに発展したほど相性が悪い一方、水篠颯太に対して興味を抱いており、携帯電話の番号を交換するなど積極的に接触を図ってくる。

松原 崇 (まつばら たかし)

ファンタジーライトノベル「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」の作者である中年男性。セレジア・ユピティリアの創造主にあたる。メガネをかけており、前髪が大きく後退している。メテオラ・エスターライヒの分析によると、好奇心旺盛で無節操な性格をしており、事実に会った事もないセレジアからのメールに騙され、無警戒に呼び出される始末だった。松原崇自身の作品のキャラクターが物語世界から現実世界にやって来たという事で、当初は戸惑いを隠せなかったが、セレジア達と交流を深める内に自体を受け入れ始める。その後、特別事態対策会議に保護され、会議に参加させられた際には、セレジア達に対する「物」呼ばわりに怒りを見せるなど、被造物を人間の個人として認めていた。即興で短編を書いた際には「あじゃらかもくれんきゅうらいす」という古典落語「死神」の台詞を引用してみせるなど博識な一方、女児向け魔法少女アニメである「マジカルスレイヤー・まみか」を視聴しているオタクらしい部分もある。「松原崇」はペンネームで、本名は「大沢武志」。

まりね

イラストレーターの女性。ファンタジーライトノベル「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」のキャラクターデザインと、挿絵を担当する。肩口ほどの長さのふんわりとした癖毛で、メガネをかけている。優しい性格で、衣食住に困っていたメテオラ・エスターライヒとセレジア・ユピティリアに対して、初めて会ったその日に自分の部屋を提供している。クリエイターとしては即興で絵を出力するよりも、前後のある物語のワンシーンに想像を膨らませて描き出す事を得意としており、メテオラ達の前でその力量を見せた時にはスムーズなフロー状態への移行具合に周囲を驚かせていた。セレジアの外見の創造主ではあるが、作者である松原崇よりも一歩引いた友人といった距離感で接している。その一方で、一人の人間として辻褄合わせのされたセレジアの衣服などには興味が尽きず、縫製の仕方などを矯めつすがめつ確認していた。「まりね」はペンネームで、本名は「皇浦綾乃」。

中乃鐘 昌明 (なかのがね まさあき)

SFロボットアニメ「無限神機モノマギア」のシナリオを務める脚本家の男性。ふくよかな体型で、温厚な性格をしている。自宅でアニメのオンエアを確認していたところ、巨大ロボットであるギガスマキナと鹿屋瑠偉の現界に巻き込まれ、知り合いであるライトノベル作家の松原崇に助けを求めた。その後、実家に集まった松原や被造物のメテオラ・エスターライヒ達と共に相談をしていたところ、内閣の要請を受けた陸上自衛隊の武力行使によって確保され、特別事態対策会議の保護下に入った。その際、鹿屋のギガスマキナによって実家が破壊されたため、一時的に住むところを失っている。「無限神機モノマギア」の物語世界を造り出した創造主の一人ではあるが、松原や八頭司遼、駿河駿馬達とは違って原作がアニメであるため、中乃鐘個人が全体の創造主という訳ではない。厳密には、アニメ制作会社全体が「無限神機モノマギア」の創造主という扱いになっている。

八頭司 遼 (やとうじ りょう)

異能バトル漫画「閉鎖区アンダーグラウンド・ダークナイト」の作者である漫画家の男性。茶髪を肩ほどまで伸ばし、メガネをかけ無精髭を生やしている。無愛想で斜に構えた性格の皮肉屋。自身の漫画の登場人物である弥勒寺優夜が現実世界に現界したため、物語世界の創造主として特別事態対策会議の保護下に置かれる事となった。八頭司遼自身の被造物である弥勒寺と初めて相対した時は、不平や不満を微塵も隠さない様子や皮肉交じりの態度も含め逆鱗に触れてしまうなど、相性の悪いところがあった。また、過去に行われた出版社主催のパーティーでライトノベル作家の松原崇と一悶着あったらしく仲が悪い。

駿河 駿馬 (するが しゅんま)

SF漫画「Code・Babylon」の作者である漫画家の女性。作品の登場人物であるブリッツ・トーカーが現実世界に現界したために、物語世界の創造主として特別事態対策会議の保護下に置かれる事となった。ショートヘアで、ダメージジーンズと革ジャンを身につけている。性格は飄々としてつかみどころがない。作品の内容は面白さのためなら躊躇せずどのような物語でも描くという特徴があり、ペンネームとシャープな線と迫力のある画風で男性漫画家であると思われている。

高良田 概 (たからだ がい)

ファンタジー漫画「緋色のアリステリア」の作者である漫画家の男性。角刈りに近い短髪で、左目の下に泣きぼくろがある。アリステリア・フェブラリィの登場する物語世界の創造主で、アルタイルによって世界設定を書き換えられると教えられたアリステリアの手によって拉致された。その後は監視下に置かれながら「緋色のアリステリア」の悲惨な世界の有様を改変するよう迫られ、実際に作品を描かされていたが、現界したアリステリアを改変させる事はできなかった。「高良田概」はペンネームで、本名は「宝田直也」。

菊地原 亜希 (きくちはら あき)

内閣府政策統括課に勤務する事務官を務める女性。長い黒髪を後頭部でシニヨンにまとめており、スーツ姿にメガネをかけている。若年ながら統括調整官として特別事態対策会議を取りまとめており、会議や対外的な説明の際には主だって司会進行役を務めている。生真面目な性格で、微に入り細をうがつ論理的な話法は「万理の賢者」として称えられるメテオラ・エスターライヒを論破してしまうほどに理路整然としている。正義感も強く、「大崩潰」による世界の危機を告げられた際には、戸惑いながらも仕事に対する熱意を見せていた。一方で物語世界の登場人物達が現実世界に現れて騒動を引き起こすという「特別災害105号事案」に対しては、荒唐無稽な事件ながらも状況に応じて柔軟に対応しており、頭の回転の速さと果断で明晰な思考を持ち合わせる。

真垣 (まがき)

自衛隊員の男性。内閣から発せられた特別災害派遣命令に基づき、被造物と創造主の確保のために出動した陸上自衛隊中央即応集団特殊作戦群の特戦第一中隊に所属する。階級は三等陸佐。中乃鐘昌明の家に鹿屋瑠偉と共に巨大ロボットのギガスマキナが出現した事を受け、非常措置として武力行使によるメテオラ・エスターライヒ達の確保を決定した特別事態対策会議の指針によって行動している。抵抗を止めたメテオラとの交渉を行い、特別事態対策会議の場への同行を願い出た。

シロツメクサ

ソーシャルゲーム「悠久大戦メガロスフィア」に登場する人気キャラクター。ゲーム内で最初に登場するヒロインで、あらゆる人の心を癒やす歌声の持ち主。森の奥で人知れず暮らしていたが主人公との出会いを通して森の外の世界に興味を持ち、旅を共にする事となったという設定がある。アルタイルの元ネタとなったキャラクターだが、雰囲気や設定の内容など、アルタイルとは真逆に近い存在である。

集団・組織

特別事態対策会議

内閣府に設置された機関。目的は、政府が指定した「特別災害105号事案」と呼ばれる「現実に存在しないアニメ、漫画の登場人物(被造物)が能力をそのままに都内に姿を現した事による災害」に対応する事。警察庁や防衛省をはじめ各省庁から横断的に必要と思われる人員が参加している。また、内閣府職員であり、政策統括課に勤務する菊地原亜希が、事務官の階級を与えられると共に統括調整官に任命されている。被造物達が引き起こす災害の審議や対応が行われる場であり、非常措置として陸上自衛隊に確保されたメテオラ・エスターライヒや水篠颯太達は、この特別事態対策会議の保護下に置かれ、「特別災害105号事案」の対処に協力する事となった。当初は過去類を見ない事態に会議の着地点を判断できずにいたが、メテオラから「大崩潰」の話を聞いた事により、被造物による騒動を収束させ、世界の崩壊を回避する事を目的として動き始める事になる。

場所

物語世界 (ものがたりせかい)

セレジア・ユピティリアやメテオラ・エスターライヒといった被造物達の存在していた世界の総称。創造主と称される漫画家や小説家、アニメ脚本家達によって生み出された作品世界の事で、本来であれば現実世界とは交わる筈のない架空の世界。被造物であるアルタイルの能力によって現実世界と衝突させられたために強制的に交わる事となり、物語世界から創作キャラクターである被造物達が現実世界へ現界する事態となった。一方で、どのような物語世界であっても現実世界に影響を与えられるというわけではなく、アルタイルの創造主が知りうる範囲内で、一定以上のファンによって印象深く記憶された人気作品である事が条件となっている。物語世界から現実世界へと現界した被造物達は、そのことごとくが調和機構と呼ばれる法則の力によって、平面的なキャラクターが一個の人間として確立されるといった風に、現実世界に沿って辻褄が合わせられる。

その他キーワード

森羅万象 (ほろぷしこん)

被造物であるアルタイルが使用する特殊能力の総称。彼女が言うところによれば「万有」の力であり、「万物流転、真界転生」の力で、物質の有為や因果律をあやつる多彩な能力を秘めている。「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」の物語世界でセレジア・ユピティリアと相対した際には、この能力によってセレジアの搭乗する巨大ロボットであるフォーゲルシュバリエのみを一瞬で消失させている。アルタイルが能力を発動する際には、彼女が持つドラム式のマシンガンをヴァイオリンのように首に構え、サーベルを弓のように弾く動作を行う。

マジカル・スプラッシュ・フレアー

女児向け魔法少女アニメ「マジカルスレイヤー・まみか」の主人公、煌樹まみかの必殺技。まみか自身よりも大きな巨大なハート型をした魔法の力を相手に放ちぶつける技で、ビルをたやすく破壊してみせるなど、ファンシーな見た目に反する絶大な破壊力を有する。「マジカルスレイヤー・まみか」の物語世界では、必殺技を放ったとしても建物が必要以上に破壊されたり、攻撃を食らった相手が血を流したりするといった事はなかった。そのため、現実世界で必殺技を使用した当初は、使用したまみか自身が周囲へもたらした甚大な被害におびえる結果となった。

言葉無限欺 (ことのはむげんのあざむき)

築城院真鍳の持つ特殊能力。真鍳の言葉を相手に否定させる事で、どのような内容であれ真鍳の話した内容を真実としてしまう能力。神話事典に書かれた架空の猟犬を現実世界に呼び出してしまえるほどに強力な力で、適用できる範囲の幅が広い。能力を発動する際、真鍳は「ウソのウソ、それはくるりと裏返る」という呪文のような台詞を唱えているが、その際に行うしぐさも含めて能力とは無関係である。強力な反面、発動には「相手に言葉を否定させる」という手順が絶対に必要なために、相手の言動を自分の望む形に導く話術が必要となる。そのため、能力を発動しやすい相手としにくい相手が明確に別れる。

坂額 (はんがく)

「閉鎖区アンダーグラウンド・ダークナイト」の登場人物である被造物の弥勒寺優夜が持つ「星幽複体アストラ・ダブル」。日本の平安時代末から鎌倉時代にかけて活躍した女武将「坂額御前(はんがくごぜん)」がモチーフとなっている。弥勒寺の戦闘時における相棒的存在で、手に持った薙刀による直接攻撃を行う。瞳を覆うような仮面を着けているため、素顔は明らかとなっていない。

神木黒那岐丸 (しんぼくくろなぎまる)

被造物である弥勒寺優夜が所有する木刀。柄から刀身にかけて黒色をしており、赤色の線が走っている。木刀ながら、アリステリア・フェブラリィの槍やブリッツ・トーカーの銃弾を弾いてみせるなど、規格外の強度を持つ。また、衝撃波を放って離れた位置にいる敵を攻撃するといった芸当も可能となっている。

重力制御用腕時計

被造物であるブリッツ・トーカーが装着している腕時計。重力制御デバイスが埋め込まれており、持ち主に働いている重力を操作できる。魔法や特殊能力による飛行手段を持たないブリッツは、この腕時計を操作する事で飛行している。

被造物 (ひぞうぶつ)

現実世界に現界した物語世界のキャラクター達の総称。アニメや漫画、ライトノベル作品といった作品の登場人物であり、本来であれば架空に過ぎない存在だったが、アルタイルの能力によって現実世界に現界させられた。世界の持つ法則に矛盾した存在を、辻褄の合う存在へ修正する調和機構によって、本来であれば絵に描かれた平面的な存在である被造物達も一個の人間と変わりのない、人格と体を持った人物として存在している。その一方で、物語世界で設定されていた特殊能力や魔法、武器等をほとんどそのまま持ち出して来ており、世界の法則との整合性が取れていない部分も見受けられる。そのため、存在するだけで世界に負担を掛けていると考えられている。メテオラ・エスターライヒの仮説では、現実世界への影響を増しつづける事によって辻褄合わせが限界を迎えた時、「大崩潰」と呼ばれる世界がリセットされる現象に見舞われると推察されている。

創造主 (そうぞうしゅ)

被造物達が登場する物語世界を生み出した作者や脚本家、漫画家、ゲームクリエイターらに対する総称。アルタイルによって神に例えられており、物語世界や被造物達の辿った人生を改変する力を持っていると考えられている。そのため、アルタイルの考えに同調した物語世界の境遇に不満を持つ被造物によって狙われており、時には命を奪われる事態となっている。被造物が現実世界に現界するためには多くの人の印象に残る必要があるため、創造主の多くは現在放映中のアニメの脚本家や大人気漫画の作者といった業界のトップクリエイターとなっている。

大崩潰 (だいほうかい)

「万理の探求者」と称される賢者のメテオラ・エスターライヒによって提唱された、世界がリセットしてしまう現象。被造物であるアルタイルの力によって架空の世界である物語世界が現実世界と衝突させられ、物語のキャラクターである被造物がこの世界に現界する事になった事を起因としている。現実世界は本来の法則性を堅持するため、異なる法則の世界から被造物達を辻褄の合う形に変換する「調和機構」という作用を持っている。セレジア・ユピティリアをはじめとする被造物達は、この作用によって物語世界のキャラクターから一個の人間として辻褄が合わされているが、調和機構の力が間に合っていないため、被造物達は物語で設定された力をそのまま有してしまっている。現状でも変換が間に合っていない以上、物語世界の衝突や被造物達の力による戦闘、接触を行う事による影響が現実世界へ加え続けられると、調和機構によって保たれているこの世界の弾力はやがて限界を迎えてしまう。調和機構が破綻したその時、現実世界も含めたあらゆる世界は「リセット」する瞬間を迎えるのではないかというのが、メテオラの唱えた説の内容となっている。被造物であるアルタイルの真の目的であると考えられている。

調和機構

現実世界が持ちうると考えられる、本来の法則を保つために辻褄を合わせる作用。メテオラ・エスターライヒが世界がリセットしてしまう現象である「大崩潰」の仮説を提唱した際、同時にその存在が示された。本来は架空の存在である物語世界のキャラクターの被造物達が、この世界で一個の人間として辻褄が合わされているのを説明するため、逆説的に導き出された。セレジア・ユピティリア達は現実世界の持つこの作用によって平面的な存在ではなく、現実世界の人間の姿でこの世界に存在できている。しかし、矛盾の辻褄を合わせる作用には限界があり、被造物達の持つ物語世界における異能力については現実世界に法則に則した変換がされきっていない。メテオラは作用によって変換されていない力が現実世界に存在できる事を、世界の持ちうる弾力とたとえており、この弾力の持つ係数が破綻する事によって調和機構が崩壊した際、「大崩潰」が発生すると仮説を立てている。

特別災害105号事案

「被造物」の現界によって引き起こされた災害に対する、政府内での呼称。8月23日に気象庁によって観測された、原因不明の異常な電波干渉と磁場異常を災害の皮切りとしている。その後、爆発的に増加した「異様な風体の人物」や「空を飛んでいる」人物に関する報告や、11月18日に再び観測された電波干渉、11月20日に発生した荻窪警察署への被造物であるアリステリア・フェブラリィによる襲撃事件を受け、審議の結果現実に存在しない人物達がアニメ、漫画の能力を保持した状態で姿を現したために発生した特別災害だという認識となった。非常措置として自衛隊の派遣が行われるまでとなっており、これによってメテオラ・エスターライヒや水篠颯太と行った面々は特別事態対策会議の保護下に置かれ、特別災害105号事案の解決へ向けた協力を要請される事となった。

星幽複体 (あすとらだぶる)

閉鎖区アンダーグラウンド・ダークナイトに登場する設定。登場人物達が宿している幽霊のような存在で、過去に存在したとされる英雄の名を冠している。ふだんは目に見える形で存在していないが、持ち主が呼び出すと即座にその場に現れる。弥勒寺優夜の持つ星幽複体の坂額は手に持った薙刀による攻撃能力を有しており、弥勒寺の相棒的な存在となっている。

フォーゲルシュバリエ

機械と魔法が登場するファンタジー系ロボットアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」に登場する巨大ロボット。作品内では「重機鉄塊(アイゼンカヴァリエ)」と称される種類のロボットであり、「フォーゲルシュバリエ」とは、その中でもヒロインのセレジア・ユピティリアや主人公のカロンが登場する機体群の事を指す。全高は約17メートルで、同じく被造物の鹿屋瑠偉が駆る巨大ロボットのギガスマキナの半分ほどとなっている。「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」の作中ではセレジアの力の多くを担っているが、物語世界から水篠颯太らが存在する現実世界へ現界する際に行われたアルタイルとの戦闘の際、「森羅万象(ホロプシコン)」の力によって消滅させられている。

ギガスマキナ

22世紀が舞台の近未来SFアニメ「無限神機モノマギア」に登場する巨大ロボット。電磁寄生体「アイオーン」と呼ばれる怪物と戦うために開発された存在で、パイロットは作品の主人公でもある被造物の鹿屋瑠偉が務めている。全長は約55メートルもあり、セレジア・ユピティリアの駆る巨大ロボットのフォーゲルシュバリエよりも大きい。またオートパイロット機能を持っており、鹿屋の指示によってコックピットから離れていても動かす事が可能。その巨体に見合った、民家を平然と持ち上げられるほどの馬力をも有している。コックピット内は座席などが存在しない全天周囲モニターが採用されており、操縦者は立ったまま中に表示されるコンソールを操作して操縦する。政府の特別事態対策会議が、緊急措置として自衛隊の武力によってセレジアら被造物と創造主を確保する判断を下す直接的な原因となっている。そのため、その後の被造物間の戦闘においても許可がない限りは使用が認められないほど特別視されている。

精霊機想曲フォーゲルシュバリエ

ファンタジー系ロボットアニメ。サーメディア社の幻想ノベライズ文庫から出版されている、作家の松原崇のライトノベルを原作とする。被造物であるセレジア・ユピティリアとその愛機である重機鉄塊(アイゼンカヴァリエ)、「フォーゲルシュバリエ」が登場する。機械と魔法の両方が存在するファンタジー世界「アースメリア」を舞台に、世界を脅かす組織「アヴァロン・ブリゲード」と、主人公であるカロンがいる「アズメリオン王国」との戦いが描かれる。剣と魔法による戦いのほかにも「重機鉄塊」と呼ばれる巨大ロボットによる戦闘も行われる。

追憶のアヴァルケン

タイタン・デジタルソフトが開発したPC向けオープンワールドRPG。勇者を操作し、世界の崩壊を止めるために秘宝を求めて旅をする物語となっている。被造物であるメテオラ・エスターライヒが、ゲーム中の最終エリア直前に存在する、ラスト・テーブルランドの最果てにある万理の図書館「クンスト・ヴンダーカンマー」の司書として登場し、勇者にザルカザンの秘法を授ける役割を担っている。その際に彼女が口にした「もう一度この空に蒼の色を」という台詞は、広告ポスターなどで採用された事により、広い認知度を誇っている。なお、このゲームのプランナーを担った坂本は、交通事故によって不慮の死を遂げている。パッケージや広告ポスターに描かれているロゴには、日本語表記と並列して欧文で「AVALKEN of Reminisce」と書かれている。

無限神機モノマギア

SFロボットアニメ作品。22世紀の近未来にある架空都市を舞台に電磁寄生体「アイオーン」と呼ばれる怪物と、巨大ロボット「ギガスマキナ」の戦いを描く。『Re:CREATORS』の作中では絶賛放映中で、脚本を中乃鐘昌明が担当している。被造物である鹿屋瑠偉が主人公として登場する。

閉鎖区アンダーグラウンド・ダークナイト

漫画家の八頭司遼が描く異能バトル漫画。メディアトークの「月刊サプライズ」で連載されている。アニメ化もされた人気作品で、大災害により無法地帯と化した架空の足立区を舞台に、若者達の抗争を描いた内容となっている。漫画単行本の表紙などでは「閉鎖区underground-dark night-」と欧文表記になっている。被造物である弥勒寺優夜が主人公の「翔」の因縁の相手として登場する。

マジカルスレイヤー・まみか

女児向けに放送されている人気魔法少女アニメ。永遠の国から現れた妖精「ミリミリ」によって力を授けられた「マジカルスレイヤー」達が、微笑みの力を奪う存在「アクマリン」と戦う姿が描かれる。本来のターゲットである女の子達のみならず多くの子供達や大人にまで広く視聴されている作品で、カレーやお菓子、プリンといった、まみかがパッケージングされた多くの商品が発売されており、認知度は非常に高い。被造物である煌樹まみかが主人公として登場する作品。

緋色のアリステリア

漫画家の高良田概が描く漫画。講学社刊行の雑誌「月刊チューズデー」に連載されている。数百万部の売り上げを誇る人気作品で、魔物の軍勢である「ウンターヴェルト」に征服された5大都市の奪還を目指す姫君のアリステリアの活躍が描かれている。ファンタジー伝記もので、魔物に蹂躙された過酷な世界観が特徴となっており、悲惨な戦争や魔物によって襲われて住民が全滅した村など、酸鼻極まる描写が多い。被造物であるアリステリア・フェブラリィが登場する。

夜窓鬼録 (やそうきろく)

作家の鞍隈天球によって執筆されたライトノベル。SAZANAMI書房の電光LN文庫から出版されている。アニメ化もされた人気作品で、内容は常識を超えた怪奇事件をめぐるミステリーもの。原作小説の第5巻に、被造物である築城院真鍳が敵キャラクターとして登場している。

Code・Babylon (こーどばびろん)

女性漫画家の駿河駿馬によるサイバーパンク世界を舞台にしたSF漫画。アニメ化もされている。被造物であるブリッツ・トーカーが登場する作品。シャープな線で描かれる迫力のある構図と、成り行きが気になる魅力的なストーリー展開が特徴で、多くのファンがいる。漫画単行本の表紙などでは「コード・バビロン」とカタカナ表記になっている事もある。

悠久大戦メガロスフィア

被造物であるアルタイルの元ネタとなったキャラクター、シロツメクサが登場するソーシャルゲーム。多くのファンを抱えた人気作品で、動画投稿サイトや画像投稿サイトには多数の二次創作作品が投稿されており、中には原作である「悠久大戦メガロスフィア」の設定枠を飛び出した作品も存在している。アルタイルはそれら二次創作作品群の中でも特に人気があり、認知度の高い二次創作キャラクターとなっている。

クレジット

原作

キャラクター原案

シリーズ構成

,

メカニックデザイン

Ⅰ-Ⅳ

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書誌情報

Re:CREATORS 1巻 小学館〈サンデーGXコミックス〉

第1巻

(2017-08-07発行、 978-4091574961)

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