ゴールデン・エイジ

ゴールデン・エイジ

学生時代から漫画家を目指し、みごと少女漫画家としてデビューを果たした少女、東海林葉子の波乱万丈な漫画家人生を描く、作者、庄司陽子の半生をモデルにしたセミドキュメンタリー作品。「JOURすてきな主婦たち」2018年12月号から2020年1月号にかけて掲載の作品。

正式名称
ゴールデン・エイジ
ふりがな
ごーるでんえいじ
作者
ジャンル
作家・漫画家
関連商品
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あらすじ

1967年、授業中も隠れて漫画を書くほどの漫画バカだった女子高校生の東海林葉子は、母親の反対を押し切って漫画家になるという夢を叶え、10年の時を経て押しも押されぬ人気少女漫画家になっていた。葉子は講文社出版文化賞の授賞式に出席するため、都内のホテルへと移動していた。授賞式後の打ち上げで尊敬する大御所の少女漫画家、S先生と二人きりになった葉子は、そこで少女漫画の市民権を得るために活動するという二人の夢を再確認。帰宅した葉子は、右も左もわからなかったデビュー時の自分を回想するのだった。(第1話「黄金時代」。ほか、13エピソード)

登場人物・キャラクター

東海林 葉子 (しょうじ ようこ)

業界では名を知らない者がいないほどの大御所の少女漫画家の女性。四人姉妹の末娘として、ごくふつうの家庭に育った。学生の頃から授業中に隠れて漫画を描いていたほどの漫画バカで、高校卒業後に母親の反対を押し切って漫画家となり、さまざまな苦労を重ねて押しも押されぬ人気少女漫画家となった。我の強い性格で、言いたいことはごまかさずにはっきり言うタイプ。そのため他人と衝突しがちで、生意気と思われて嫌われることも多い。デビュー当時は漫画業界で流行っていたスポ根漫画ばかりを描かされていた。しかし、周囲からの不評を気にせずにコメディ作品を描き続けた結果、次第に才覚を発揮するようになる。多彩なジャンルの漫画を描き、学園を舞台にした少女漫画「学生諸君!」で大ヒットを飛ばしたことで、一躍人気漫画家の仲間入りを果たす。根性は人一倍あり、腱鞘炎(けんしょうえん)になっても激痛に堪えながら3か月漫画を必死で描き続けたほど。学生時代から漫画一筋で突っ走ってきたため、若干世間知らずなところがあり、デパートの店員のセールストークにまんまと乗せられて、怪しげな商品を購入して酷(ひど)い目に遭ったこともある。基本的にデジタル音痴で、PCは使わない。実在の人物、庄司陽子がモデル。

H①

講文社の漫画誌編集部に所属する男性編集者。講文社の新人賞を受賞した東海林葉子に最初についた担当者。非常に優秀な編集者でアドバイスも的確ながら、不愛想で口が悪く、態度もどこか高圧的。葉子が持ち込んだネームを計32本、8か月間没にし続けるなど、仕事に対しては妥協を許さない。空手の師範を務めており、葉子がネームを突き返したH①に意見しようとした際に無言で机を叩いて威嚇するなど、パワハラ体質でもある。そのため、葉子からは少々恐れられていた。

Z先生

業界では名の知れた大御所の少女漫画家の女性。新人だった東海林葉子が、一時期アシスタントとして彼女の作業場に出入りしていた。ライバルとなりうる存在は徹底して排除しようとする怖い人物と知られ、アシスタントに対する扱いも雑。また、自分が連載している漫画誌でアシスタントがデビューすることを嫌い、仕事中もつねに圧をかけ、デビューしたら潰すとまで明言していた。葉子とは長い付き合いだったが、爆発的な人気を獲得した葉子に嫉妬心を抱き、根も葉もない噂話を流して葉子を貶(おとし)めるようになった。そのため、「仕事があったら10年は口をきかない」と決心した葉子とは疎遠になる。

S先生

売れっ子で大御所の少女漫画家の女性。他人を気遣える人格者で、東海林葉子にとっては雲上の存在であり、あこがれの漫画家だった。高校を中退して漫画一筋に打ち込んで人気漫画家となった苦労人で、少女漫画の地位向上を目指してコツコツと漫画を描き続けてきた。のちに少女漫画家として初めて講文社漫画賞を受賞する。要領よく目端が利くタイプで、稼いだギャラで原宿にマンションを購入するなど、当時の漫画家としては先を見据えた堅実な生活を送っていた。

S

講文社の漫画誌編集部に所属する男性編集者。よれたセーターを着て似合わないジーンズを履き、頭がぼさぼさという冴えない容姿をしている。東海林葉子の担当となったが、既婚者であることから、当初は葉子からは男性としては見られていなかった。葉子と仕事をする中で彼女に惹かれて告白し、家庭を捨てて葉子といっしょに暮らすようになる。葉子がほかの人たちと話していると子供っぽい行動に出て、葉子の気を引こうとするなど、嫉妬深い性格をしている。葉子とは13年付き合ったが、結局籍を入れることなく別れることになった。

I

講文社の漫画誌編集部に所属する男性編集者。東大出身という異色の経歴の持ち主。I自身も東大を出て漫画業界に身を置くことになるとは思っていなかったと、東海林葉子に語っていた。編集者として真摯に仕事に取り組んでいることから、葉子もその堅実な仕事ぶりに感心していた。

N

講文社の漫画誌編集部に所属する男性編集者。東海林葉子についた二人目の担当者。温和な性格で、葉子の提案を受け入れて検討したうえで、的確なアドバイスを送っている。前担当者のH①とは真逆な対応が、葉子を感動させていた。

I②

漫画家志望の女性。漫画家のアシスタントをして糊口(ここう)をしのいでいる。連載を持って多忙になった東海林葉子が初めて雇ったアシスタントでもある。無口で不愛想ながら、まじめな性格で仕事をきっちりこなしている。当初は彼女となかよくやっていけるか不安だったが、いっしょに仕事をするうちに打ち解け、非常にいい関係を築いていた。自分の才能に自信が持てず、夜中に不安で泣き出して葉子に慰められることもあった。のちに漫画家として独り立ちする。

おF

漫画家志望の女性。「学生諸君!」の大ヒットで売れっ子になった東海林葉子のアシスタントとして働いていた。葉子が建てた豪邸に住み込み、経理を一任されていた。また、みんなのご飯を作る「メシスタント」をしていたが、のちに8000万円もの大金を使い込んで解雇された。

K

少女漫画家の女性。面倒見がよく頼りがいのある性格で、いつもバッチリと化粧をしている。漫画家としての技量も高いが、少々自信家過ぎるところがあり、大御所の先輩の絵を下手だと言って怒らせ、干されてしまった過去がある。東海林葉子が新人だった頃に出会い、葉子が原稿を落としそうな時にはヘルプに入り、彼女の窮地を救ったことがある。葉子のかけがえのない仲間として長く付き合っていたが、葉子が売れてからは嫉妬心が抑えられなくなり、定期的に葉子の漫画家としての価値を否定する電話をかける続けるようになったため、それ以降付き合いが完全に途切れてしまう。

M

漫画家志望の女性。東海林葉子のアシスタントをしていた。ぽっちゃりした体型で、「昔はやせて男にモテていた」が口癖。のちに食事制限でダイエットに成功し、目当ての男性を落とすために葉子から服と靴をもらい受けた。その時になぜか葉子のパジャマを気に入り、それを着込んで外出するという奇行に及んでいた。

東海林葉子の父親

東海林葉子の実父。55歳の定年後に伯父の会社の経理を務めるため、栃木県から東京へと出て来た。仕事一筋の生真面目な性格をしている。伯父が亡くなったあとに会社を継いだ従兄弟が、会社の金を持ち逃げしたあとの処理を任されるなど、数々の苦労を重ねてきた。四人の娘を厳しくしつけつつもかわいがっていた。葉子に対して面と向かって褒めることはなかったが、「学生諸君!」が講文社出版文化賞を受賞した時は満面の笑みで葉子を祝福していた。

東海林葉子の母親

東海林葉子の実母。東海林葉子をはじめとする四人姉妹を厳しくも愛情を持って育て、三人の姉たちを独立させた。当初は葉子が漫画家を志望しているのを快く思っておらず、短大を出て結婚するようにと事あるごとに勧めていた。葉子が漫画家デビューしてからは協力的になり、仕事で苦しい思いを抱える葉子の心の支えとなった。もともとはお嬢様育ちで、若い頃は絵描き志望だった時期もある。

H

幼児誌「ともだち」の男性編集者。漫画家と編集者が参加したバスハイクに東海林葉子も参加した際、恒例のディスコタイムで葉子にセクハラをしたため、思い切り頰をはたかれてしまう。みんなの前で恥をかかされたことで激高して逆切れし、「土下座したってともだちには描かせてやらない」と葉子に暴言を吐く。

K子

漫画家志望の女性。東海林葉子のアシスタントをしていた。画力が高く、背景も描けるため葉子からチーフアシスタントを任され、重宝されていた。しかし、仕事中にくも膜下出血になって長期入院してしまう。後遺症もなく無事に退院を果たすも、治療中の輸血が原因で肝炎にかかり再入院する。退院後は何事もなくアシスタントを務めていたが、葉山が郊外に豪邸を建てて仕事場にしたため「田舎住まいは嫌」という理由で退職してしまう。

A太郎

漫画家のアシスタントで生計を立てている女性。東海林葉子のアシスタントとして雇われ、以後ずっと葉子を支え続けている。名前は「O川A子」だが、ふつう過ぎてつまらないと葉子が「A太郎」というあだ名を付けた。好奇心が旺盛な性格で、葉子が使いこなせないPCを使わせてもらっていた。

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