バクマン。

バクマン。

高い画力を持つ真城最高が作画を担当し、文才のある優等生高木秋人が原作を担当するコンビでプロの漫画家を目指す物語。実在の漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」を舞台に、実際に行われているアンケート主義や専属契約などのシステムをストーリーに取り入れている。原作は大場つぐみ、作画は小畑健。

正式名称
バクマン。
ふりがな
ばくまん
原作者
大場 つぐみ
漫画
ジャンル
作家・漫画家
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊20巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

連載開始時と同じ2008年の現実の日本が舞台となっている。連載が進むにつれて物語内の時間が現実を追い越し、最終回では2018年が舞台となっている。主人公2人が漫画を持ち込みに行く先は本作が連載されていた集英社の週刊少年ジャンプ編集部である。編集部の仕組みを徹底的にリアルに描いている点が、他の漫画家漫画と異なる本作の特徴である。

あらすじ

埼玉県谷草市に住む中学3年生の真城最高は、将来の夢もなく無気力な日々を送っていた。ある日、最高の画力の高さに目を付けた成績優秀な同級生・高木秋人から、一緒に漫画家を目指さないかと誘われる。最高の叔父は川口たろうというペンネームの漫画家だったが、過労で死去していた。そのため一度は断る最高だったが、片想いしている同級生・亜豆美保が声優を目指していることを知り、「自分が描いた漫画がアニメ化されたら結婚しよう」という約束を彼女と交わす。家族からの了解も得た最高は、現存する叔父の仕事場で秋人と2人、漫画家を目指し猛烈な努力を始める。亜豆も声優になる夢に向かって努力を続ける。最高と亜豆は夢が叶うまでは会わないと決め、メールや電話で折に触れお互いを励まし合ってゆくことになる。秋人は亜豆の親友の見吉香耶と付き合うようになる。見吉は協力者として2人をサポートしてゆく存在になる。

夏休みを費やし初の合作「ふたつの地球」を完成させた2人はさっそく集英社の「週刊少年ジャンプ」編集部に持ち込み、編集者の服部哲と出会う。2人の才能と将来性を見込んだ服部が担当となり、賞を取るために研鑽を続ける。中学を卒業し高校進学した春に「週刊少年ジャンプ」の増刊・「赤マルジャンプ」に異色SF『この世は金と知恵』が掲載され、2人は「亜城木夢叶」のペンネームでデビューを飾った。

ジャンプ新人賞を多数受賞し「天才高校生」として話題を呼んでいた新人新妻エイジは、最高秋人にとってたった1歳年上なだけだが、漫画家としては遥かに先を行く、常に意識せざるを得ない存在だった。編集部で3人は初めて出会い、以後お互いをライバルとして意識し、作品に刺激を受けながら成長してゆくこととなる。新妻エイジは一足先に「週刊少年ジャンプ」で『CROW』の連載を開始する。高1の夏休みに新妻エイジのアシスタントに行った最高は、その仕事場で同年代の福田真太や30歳を超えて芽の出ていない中井巧朗など、連載を目指すライバルたちと出会う。出しゃばりでリーダーシップを取りたがる福田がつけた福田組と呼ばれるこの世代の新人たちは、この後、ジャンプ誌上で互いに競い合ってゆくこととなる。

最高秋人は、ジャンプ連載には珍しい推理モノの探偵漫画『疑探偵TRAP』を時間をかけて練り込んで描き、高校2年生の夏に、新人の読み切り競争企画「金未来杯」を受賞。そして翌年の2月から『疑探偵TRAP』の週刊連載を開始した。担当編集者は今まで面倒をみてくれた服部哲から 新人の港浦吾郎へと替わった。「高校生のうちに連載デビューを決める」という夢が実現したのである。その後、福田真太『KIYOSHI騎士』、原作・蒼樹紅/作画・中井巧朗『hideout door』と、ライバルたちも続々と連載を勝ち取り、互いにしのぎをけずってゆく。

『疑探偵TRAP』は読者アンケートの結果も上々で、新妻エイジ『CROW』と同票で並ぶまでになる。コミックス第1巻の発売も迫り好調に思われたが、過労のため最高が倒れ、入院する羽目になってしまう。3か月の入院中の休載を経て連載は再開されるが、他誌で同じジャンルの推理漫画が連載されるなどの不運が重なり、『疑探偵TRAP』の人気は次第に落ちてゆき、打ち切りとなった。番外編の1冊を含めコミックス全5巻で亜城木夢叶の初連載は終焉を迎えた。

最高秋人は適当な大学を受験し大学生となり、再び連載を獲得するため努力を続ける。笑える漫画を好む担当の港浦吾郎と作品の方向性を巡って対立したりしながらも、低年齢層をターゲットにしたギャグ漫画『走れ!大発タント』を作り上げた。この読み切りは漫画誌「赤マルジャンプ」に掲載され、読者アンケート1位を獲得する。この作品は連載会議を通過し、連載が決定した。

中学時代に秋人と成績で張り合っていた岩瀬愛子は大学生にして秋名愛子のペンネームで小説家デビューを果たしていた。自分の才能を秋人に見せつけたい岩瀬は漫画原作者を目指す。岩瀬と秋人の確執を知った担当の服部哲は、亜城木夢叶を発奮させるため、原作・秋名愛子/作画・新妻エイジ『+NATURAL』の企画を立てる。前代未聞の新妻エイジ2作同時連載が実行され、『走れ!大発タント』と『+NATURAL』は同時期に新連載を開始した。秋人はこの連載を獲得したら結婚すると見吉香耶に約束しており、晴れて2人は結婚した。亜豆も事務所に所属しプロ声優の道を歩み出し、困難に直面しながらも仕事を重ねてゆき、次第に人気が出て、様々な役柄をこなし、ラジオ番組のレギュラーを持つようにもなる。

亜城木夢叶2回目の連載『走れ!大発タント』は期待通りに低年齢層の支持を受けるが、連載当初から人気・話題ともに『+NATURAL』が上を行き、『走れ!大発タント』もそれなりに人気を博すが、新妻エイジの2作品を追い抜くことはできないでいた。もともと秋人の素質はギャグではなく意外性のあるストーリー展開なので、無理やりギャグをひねりだす作業に追われ秋人は疲弊してゆく。このままでは新妻エイジを追い抜くことはできないと悟った最高秋人は、自分たちから「連載を終わらせてほしい」という異例の願いを編集長に申し出る。その代わり半年以内に新妻エイジに勝てる新作を提出すると約束する。

デビュー作『この世は金と知恵』を発展させたSF『この世はKTM』、王道ファンタジー『STOPPER OF MAGMA』と試行錯誤を続け、ついに決定打となる、邪道でありながらシリアスな笑いも取り入れた『PCP -完全犯罪党-』を最高秋人は思いついた。この作品ならば新妻エイジに勝てると判断され、連載が決まった。担当は服部哲に戻った。 最高 が描く際に自由に想像力をふくらませて作品のクオリティを上げるため、この作品から秋人の書く原作は文章のみとなった。亜城木夢叶3回目の連載『PCP』の第1話は圧倒的得票数で1位を獲得した。最高はそのアンケート結果を叔父・川口たろうの墓前に捧げた。生前の叔父が果たせなかった「アンケート1位」を実現させたことを見せたかったのだ。

だが編集長からは「25話の時点で新妻エイジ作品を抜いていなければ打ち切り」と宣告されており、連載初回で1位を取ったぐらいで気を抜くわけにはいかない。最高は自分の絵柄をより少年漫画らしくブラッシュアップさせ改良を重ね、秋人も思考の限りを尽くした。そして読者の人気をつかみ、『PCP』は連載25話めにして新妻エイジ作品を抜くことに成功する。ドラマCD化も決まり、ヒロイン役の声優に亜豆が決まる。このままアニメ化してヒロイン役を引き続き亜豆に担当してもらえば、中学時代に誓った「最高の漫画をアニメ化した作品に亜豆が声優として参加し、結婚する」という夢が叶うかと思われた。しかし服部哲から、『PCP』は子供が完全犯罪を実行する内容なのでスポンサーがつかず、アニメにはならないと断言されてしまう。

『PCP』の連載は軌道に乗りアンケート上位のまま続いてゆくが、様々な問題もふりかかってくる。亜城木夢叶 に憧れ漫画家を目指す新人・七峰透が『有意義な学園生活に必要なソレ』の連載を開始した。七峰は亜城木夢叶に勝つことを目的としており、作品内容を『PCP』に寄せてくるなど対抗心を剥き出しにしてくる。インターネット上にネームをアップし注目を集めるなど新世代らしい型破りな方法で人気を集めてゆく七峰だったが、ストーリー作りの根幹すらもネット上で集めた50人からアイディアを募るというスタイルを取っていたことが明らかになる。その描き方は間違っていると感じた最高秋人は、「面白い漫画を描く」という正攻法で七峰を打ち負かした。『有意義な学園生活に必要なソレ』は次第にストーリーも迷走し、編集者たちからも「劣化PCP」と見切られ、短期で終了した。また、『PCP』に描かれた犯罪の模倣犯が現われ社会問題となるといった事件も起こる。作品への悪影響を案じて一時は秋人が満足な原作を書けなくなったが、自分たちの漫画と読者を信じようと思いを新たにし、模倣犯事件そのものを作中で取り扱い、本調子を取り戻すことに成功した。

新妻エイジ の『CROW』は人気漫画として7年間続き、ついに連載を終えた。最高秋人は『PCP』で必死に肉薄するも、最後まで『CROW』を抜くことはできなかった。

ある日を境に『週刊少年ジャンプ』に、ベテランだがヒット作のない中年漫画家たちがクオリティの高いネームを持ち込んでくるようになる。編集部としては面白ければ作者の年齢は問題ないと判断し、ベテラン作家の連載が続々と始まる。実はこの出来事は七峰透の策略だった。次こそは亜城木夢叶に勝つと宣言した七峰は、資本を投入して会社を設立し、複数の漫画家に徹底したリサーチと戦略に基づいたネームを描かせ、それを絵の上手いベテラン作家に作品化させていたのだ。この企みが明らかになると雑誌上で競争している福田組の作家たちも奮い立ち、結果として七峰の関わった作品が1位を取ることはできず、彼のシステマティックな作品作りは敗北を喫した。

最高秋人のデビュー時から彼らを厳しく見続けてきた佐々木編集長が別雑誌に異動することとなった。次こそはアニメ化もできる王道バトル漫画を描こうと考えていた2人は、編集長交代の前に新作『REVERSI』のネームを提出した。新妻エイジも新作『ZOMBIE☆GUN』を提出した。両作品ともお互いの作風を意識し影響し合ったもので、ダークヒーローの活躍する邪道を取り入れた王道バトル漫画である。両作品は同時期に連載が開始され、亜城木夢叶新妻エイジは再び真正面から闘うこととなった。それまで連載されていた『PCP』は月刊誌へと移籍した。両作品は『週刊少年ジャンプ』の看板連載作品としてアンケートで1位2位を争ってゆく。『REVERSI』のアニメ化が決定し、ヒロイン役の声優に亜豆が就任する。それまでの過程で最高と亜豆が付き合っている事実が世間に暴露され賛否両論を呼んだりもしたが、全てが好転し、『REVERSI』は人気を加速させてゆく。そして当初の目標通り『REVERSI』はクライマックスを迎え連載終了した。アニメ化直前に連載終了するなど前代未聞だが、無駄に引き延ばさず終了したことで、ジャンプ史に残る名作という評価を得た。コミックス全6巻の売り上げもついに新妻エイジの『ZOMBIE☆GUN』を抜き去った。

実力と人気を兼ね備えた漫画家に成長した亜城木夢叶は止まることなく、次回作に向けて走り出す。そして物語の最終回、最高は亜豆にプロポーズをし、2人の夢は10年越しに叶えられ、現実となった。

特殊設定

作品の性質上、本作には数多くの実在する漫画作品が登場する。連載第1話での最高秋人の会話で、自分のノートを手に取られてあせる最高に対して秋人が「そんな深刻な顔するなよ デスノートって訳じゃないだろ」と、作者コンビの前作『DEATH NOTE』の名前を出している。これにより本作は実際の漫画が登場するメタ構造を持つ作品であるということを読者に示している。

また、少年2人が漫画家を目指すという形式は藤子不二雄Aの自伝的作品にして漫画家漫画の古典『まんが道』を踏襲している。序盤の鍵となる作品として、原作・梶原一騎/作画・川崎のぼるの漫画家漫画『男の条件』が登場する。集英社の作品のみならず、『あしたのジョー』『火の鳥』など他社の漫画も実名で登場する。

数々の漫画キャラのモデルとなった、実在の有名編集者鳥嶋和彦が、最高秋人の参加した新年会に取締役として登場し、2人と会話を交わす場面もある。

メディアミックス

ヴォイスコミック

2009年6月「サキよみ ジャンBANG」にて放送、7月から2010年3月まで

VOMIC公式サイトで配信 。

テレビアニメ

2010年から2013年にかけて全3シリーズが断続的に放映された。

1期2010年10月2日から、2期2011年10月1日から、3期2012年10月6日から 。

実写映画

大根仁監督による実写映画。2015年公開。最高を佐藤健、秋人を神木隆之介が演じている。

そのほか染谷将太、小松菜奈、桐谷健太、新井浩文、山田孝之などが出演。

舞台

「バクマン。」THE STAGE

2021年10月東京、大阪にて上演

 出演:鈴木拡樹、荒牧慶彦、橋本祥平、オレノグラフィティ、福澤侑 ほか 

登場人物・キャラクター

真城 最高 (ましろ もりたか)

『バクマン。』の主人公。初登場時は中学3年生の14歳。高い画力を持つ。高木秋人との漫画家コンビ亜城木夢叶では作画を担当。想いを寄せる亜豆美保と交わした、描いた漫画がアニメ化されたら結婚するという約束を果たすため、週刊少年ジャンプにて次々に作品を発表していく。鋭い分析力と冷静な視点を持つ一方、過労で倒れても入院先で漫画を描き続けようとしたり、連載作品について担当編集と折り合いがつかないことがあれば直接編集部に乗り込んで意見したりと、漫画絡みでは熱血な一面を見せる。

高木 秋人 (たかぎ あきと)

『バクマン。』の主人公。初登場時は中学3年生の14歳。学校トップの成績を誇る秀才で、眼鏡とヘッドフォンがトレードマーク。漫画家に憧れているが画力が乏しいため、絵が上手い真城最高を誘ってコンビを組む。漫画家コンビ亜城木夢叶の原作担当。王道のバトルものよりもSFジャンルなどを得意とし、シリアスで緻密なストーリー設定の物語が編集部やライバルの新妻エイジから高く評価されている。 真城最高と亜豆美保を結ぶために接触した見吉香耶と付き合うことになる。

亜豆 美保 (あずき みほ)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は中学3年生。黒髪の美少女で、真城最高が想いを寄せる声優志望のクラスメイト。真城最高たちが描いた漫画がアニメ化したらヒロインを演じるという夢を持ち、叶ったときに真城最高と結婚する約束をした。夢を叶えるために一心不乱に突き進む芯の強さを持つ。

見吉 香耶 (みよし かや)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は中学3年生。真城最高たちとは中学からの同級生で亜豆美保の親友。活発な性格で、空手やボクシングの経験がある。高木秋人と中学3年生のときから付き合い始めた。真城最高たちの仕事部屋への出入りを認められていて、身の回りの世話を焼いて二人をサポートしている。

新妻 エイジ (にいづま えいじ)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は高校1年生。少年ジャンプ編集部では、10年に一人の逸材と評されるほどの新人天才漫画家。少年漫画において王道のバトルものを得意とし、『CROW』を大ヒットさせて一躍少年ジャンプの看板作家になる。自身とは違う作風の亜城木夢叶作品を高く評価し、互いにライバルと認め合う関係になった。

福田 真太 (ふくだ しんた)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は19歳。目つきが鋭く、長髪にニット帽を被っている。アルバイトを掛け持ちしながら漫画家を目指し、新妻エイジのアシスタントを経て少年ジャンプで連載デビュー。口が悪く短気な性格だが、自身が組長を名乗る福田組と称したチームでは、勝手に所属させた亜城木夢叶や新妻エイジらを統率するなど面倒見の良さを併せ持つ。

蒼樹 紅 (あおき こう)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は20歳。現役大学生の美人漫画家。得意ジャンルはファンタジー。編集部の勧めで少女コミック誌から少年ジャンプに転向してから、作画担当の中井巧朗と組んで連載をスタートさせた。同じく少年ジャンプ漫画家の平丸一也から猛烈なアプローチを受けてのちに交際へ発展。

中井 巧朗 (なかい たくろう)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は秋田県出身の33歳。高い画力はあるもののストーリー作りが苦手で連載を持てず、12年間に渡って漫画家のアシスタントを務めていた。原作担当の蒼樹紅と組んでようやく連載デビュー。しかし、惚れっぽい性格が災いして、蒼樹紅を始めとする同業の女性たちに熱を上げて度々トラブルを巻き起こす。

平丸 一也 (ひらまる かずや)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は26歳。脱サラして独学で漫画家デビューを果たした。少々ひねくれた性格で屁理屈めいた持論を度々展開する。初投稿のシュール系漫画ラッコ11号でいきなりデビューを飾り、連載化とアニメ化まで果たした。同業者の蒼樹紅に一目ぼれして、猛アタックの末に恋人同士になった。

高浜 昇陽 (たかはま しょうよう)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は19歳。担当編集は港浦吾郎。亜城木夢叶の初連載時のアシスタントに入る。最初は無口でとっつきにくい雰囲気だったが、志が低いと感じる他のアシスタントに心を開く気がなかっただけだと判明。現役高校生ながら連載作家でもある真城最高たちには敬意を表し、少しずつ打ち解けはじめる。

岩瀬 愛子 (いわせ あいこ)

『バクマン。』の登場人物。真城最高たちの同級生で、初登場時は中学3年生。自分の才能に強い自信を持っていてプライドが高い。高木秋人に好意を抱いていたが、彼は見吉香耶とつき合い始めたため失恋。高校時代に小説すばる新人賞を受賞し、新鋭の作家として期待されるが、高木秋人に認められたい一心で漫画原作者の道を選ぶ。

静河 流 (しずか りゅう)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は18歳。新人漫画家で引きこもりの青年。残酷な描写が際立つ『True Human』で少年ジャンプの連載デビューを狙うも、内容があまりに過激だったため落選。極度な人間嫌いだったが、担当編集の山久雅和の努力もあって徐々に改善した。また、山久雅和に連れられて行ったキャバクラ通いに目覚めてしまう。

白鳥 シュン (しらとり しゅん)

『バクマン。』の登場人物。新人漫画家。亜城木夢叶のPCP連載時にアシスタントを務めた。父が社長という裕福な家庭で何不自由なく育ち、画家を目指していたが美大受験に失敗。PCPのアシスタントを経て漫画家を目指すようになる。唯一心を開く愛犬ピースをモデルにして『恋太&ピース』を描き、少年ジャンプにて連載デビューを果たした。

七峰 透 (ななみね とおる)

『バクマン。』の登場人物。初登場時は18歳。亜城木夢叶に憧れて漫画家を目指す。インターネット上でストーリー制作の協力者を集めるという手段を取り、一部の作家や編集者から不興を買った。その方法で作り上げた『有意義な学園生活に必要なソレ』で少年ジャンプにて連載を持つが、協力者たちの意見に収拾がつかなくなりストーリーが破綻してしまう。

服部 哲 (はっとり あきら)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの編集者。亜城木夢叶の持ち込み原稿を見たことがきっかけで彼らの担当につく。亜城木夢叶は新妻エイジを超えられる存在だと高く評価し、熱心な指導を行う。適格なアドバイスと冷静な分析力で真城最高たちからの信頼も厚い。のちに岩瀬愛子も担当することになるが、高木秋人をあきらめた彼女からアプローチを受けて困惑することになった。

服部 雄二郎 (はっとり ゆうじろう)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの編集者。アフロヘアーが特徴で、新妻エイジと福田真太の担当。口が軽いところがあるが、時には福田真太の臨時アシスタントを務めるなど作家に寄り添う姿勢を見せている。天才肌で気まぐれな新妻エイジに振り回されつつも、彼のずば抜けた漫画の才能には全幅の信頼を寄せている。

相田 聡一 (あいだ そういち)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプ編集部の班長。班員に服部哲や港浦吾郎らがいる。中井巧朗と蒼樹紅コンビの初代担当編集者。辛口で作品や作家を批評することもあるが、亜城木夢叶のこの世は金と知恵を称賛するなど将来性のある新人を評価し、若手の編集部員の言い分にも耳を傾けるなど度量の大きさを併せ持つ。

吉田 幸司 (よしだ こうじ)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの編集部班長で平丸一也を担当。漫画を見る目は確かで、平丸一也の才能をいち早く見抜いた。何かと執筆をサボろうとする平丸一也のモチベーションを上げさせるため、彼が好意を抱く蒼樹紅とのお茶会などを餌に原稿を描かせたりしていて、平丸一也の扱いに長けている。

港浦 吾郎 (みうら ごろう)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの若手編集者。亜城木夢叶の2代目担当かつ高浜昇陽の担当。作品をヒットに導こうと担当作家を熱くサポートはするものの、経験不足からか空回りすることも多い。自身がギャグ漫画を好むため、担当作家の作品にもギャグ要素を盛り込ませようとする傾向がある。

山久 雅和 (やまひさ まさかず)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの編集者。蒼樹紅の2代目担当かつ静河流の担当。茶髪でたれ目。美人漫画家の蒼樹紅に関してセクハラめいた発言をするなど軽はずみな言動が目立つが、引きこもりの静河流に漫画を描かせるため何度も通いつめて説得したこともあり、担当作家には粘り強く真摯に向き合う一面もある。

小杉 (こすぎ)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの新人編集者。相田聡一の班に所属。気弱な性格だが漫画に関して見る目はある。期待の新人・七峰透の担当になれて喜ぶが、ネット仲間と共同制作していた彼の作品に対して早い段階で違和感を抱いた。ストーリーが破たんして匙を投げようとした七峰透を叱咤激励するなど、熱血漢の一面もある。

佐々木 (ささき)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの編集長。一度発言したことは撤回しない主義。副編集長時代に真城最高の叔父である川口たろうを担当したが、彼に戦力外通告した過去がある。川口たろうと同じく、漫画は面白くさえあれば連載されるという信条を強く掲げていて、真城最高にもその意志を伝えたことがある。

瓶子 吉久 (へいし よしひさ)

『バクマン。』の登場人物。週刊少年ジャンプの副編集長。個人的にはどちらかといえば新妻エイジよりも亜城木夢叶の作品のほうが好みだが、亜城木夢叶が自身の連載である『走れ!大発タント』を中途半端な形でやめたがったときには編集部内で一喝した。一見クールだが、家では妻とラブラブというギャップがある。

真城 信弘 (ましろ のぶひろ)

『バクマン。』の登場人物。真城最高の叔父で少年ジャンプの漫画家。亜豆美保の母とは中学時代の同級生で相思相愛だった。彼女につりあう人物になるため漫画家を目指し、『超ヒーロー伝説』はアニメ化するほどの大ヒットとなる。だが、その後はヒット作に恵まれず、それでもなお漫画を書き続けたが過労のため命を落とす。享年39歳。

真城 二三男 (ましろ ふみお)

『バクマン。』の登場人物。真城最高の祖父。過労で若くして亡くなった漫画家の息子・真城信弘が使っていた仕事部屋をそのまま残していた。孫の真城最高が漫画家を目指すと家族に打ち明けたとき、仕事部屋の鍵を与えた。それと同時に真城信弘が残した日記も譲り渡している。

真城 加代子 (ましろ かよこ)

『バクマン。』の登場人物。真城最高の母。真城最高が漫画家を目指すことに強く反対していたが、夫と義父の真城二三男に諭されて渋々認めるようになった。真城最高が学生時代のうちは、真城二三男から譲り受けた叔父の仕事部屋にあまりに入り浸っていると電話で叱りつけた。

集団・組織

亜城木 夢叶 (あしろぎ むと)

『バクマン。』に登場する作家名。真城最高と高木秋人によるコンビのペンネーム。真城最高の漫画がアニメ化されてヒロインを亜豆美保が演じたら二人は結婚するという夢が叶うように、という願いを込めて付けられた。亜豆美保の「亜」、真城最高の「城」、 高木秋人の「木」が入っており、三人から一字ずつ取った形になっている。

場所

週刊少年ジャンプ編集部 (しゅうかんしょうねんじゃんぷへんしゅうぶ)

『バクマン。』の舞台。真城最高と高木秋人が漫画を持ち込む編集部。二人の初めての持ち込みに対応した編集者の服部哲は、彼らの作品には伸びしろがあると判断してそのまま担当を買って出る。後日、真城最高たちが編集部で服部哲と打ち合わせ中、新連載作品に関してトラブルを起こした新妻エイジが編集長の佐々木に呼び出され、両者は初体面を果たした。

その他キーワード

この世は金と知恵 (このよはかねとちえ)

『バクマン。』に登場する漫画作品。真城最高と高木秋人のデビュー作の読み切り。掲載誌は週刊少年ジャンプ。この作品以降、二人はペンネームとして亜城木夢叶を名乗るようになる。人間の脳内情報を金で売買できるようになった未来世界を舞台に描くSFストーリー。アンケート1位を狙っていたが、ライバルの新妻エイジに敗れて結果は3位だった。

PCP -完全犯罪党- (ぴーしーぴーあんぜんはんざいとう)

『バクマン。』に登場する漫画作品。亜城木夢叶の三度目の連載作。タイトルのPCPは「Perfect Crime Party」の略。「完全犯罪」と称して些細ないたずらから人助けまでを実行する小学生たちを描いている。掲載第1話は、新妻エイジの『CROW』第1話を上回るアンケート投票数を得た。小学生編を『週刊少年ジャンプ』で連載したのち、掲載誌を『必勝ジャンプ』に移して中学生編が連載されている。

REVERSI (りばーし)

『バクマン。』に登場する漫画作品。亜城木夢叶の四度目の連載作。掲載誌は週刊少年ジャンプ。コミックスは全6巻。黒悪魔のシュバルツと白悪魔のヴァイセが現れ、それぞれから力を得た2人の少年が織り成すダークヒーロー物語。新妻エイジの『ZOMBIE☆GUN』とトップ争いを繰り広げた末、アニメ化の権利を手に入れる。ヒロイン役の声優は公開オーディションが行われて亜豆美保に決定した。 (※正式タイトルは「R」が鏡文字)。

クレジット

アニメ

バクマン。(第2シリーズ)

中学生のときより漫画家となることを目指して努力してきた真城最高と高木秋人は、亜城木夢叶というペンネームでデビューを果たす。さらに高校在学中にも関わらず週刊少年ジャックで連載を勝ち取った。 だが、学業と... 関連ページ:バクマン。(第2シリーズ)

バクマン。(第3シリーズ)

中学生のときより漫画家となることを目指して努力してきた真城最高と高木秋人は、亜城木夢叶というペンネームでデビュー。高校在学中から週刊少年ジャックで連載を始め、ついに自身の持ち味を最大限に活かした作品「... 関連ページ:バクマン。(第3シリーズ)

バクマン。(第1シリーズ)

毎日をぼんやりと過ごしていた中学生の真城最高。ある日、同級生の高木秋人からコンビを組んで漫画家になろうと誘われる。最高が片思いしている同級生亜豆美保へ漫画家になる決意を伝え、さらにそのまま勢い余って、... 関連ページ:バクマン。(第1シリーズ)

書誌情報

バクマン。 20巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2009-01-05発行、 978-4088746227)

第2巻

(2009-03-04発行、 978-4088746449)

第3巻

(2009-06-04発行、 978-4088746777)

第4巻

(2009-08-04発行、 978-4088747194)

第5巻

(2009-11-04発行、 978-4088747538)

第6巻

(2010-01-04発行、 978-4088747880)

第7巻

(2010-03-04発行、 978-4088700151)

第8巻

(2010-04-30発行、 978-4088700373)

第9巻

(2010-08-04発行、 978-4088700885)

第10巻

(2010-10-04発行、 978-4088701141)

第11巻

(2010-12-29発行、 978-4088701646)

第12巻

(2011-03-04発行、 978-4088701912)

第13巻

(2011-06-03発行、 978-4088702360)

第14巻

(2011-08-04発行、 978-4088702735)

第15巻

(2011-10-04発行、 978-4088702940)

第16巻

(2012-01-04発行、 978-4088703169)

第17巻

(2012-03-02発行、 978-4088703893)

第18巻

(2012-05-02発行、 978-4088704203)

第19巻

(2012-06-04発行、 978-4088704616)

第20巻

(2012-07-04発行、 978-4088704661)

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