世界観
古代中国の歴史小説「三国志演義」と、アニメ「機動戦士ガンダム」の系列作品を折衷した世界観が展開されている。舞台となるのは三璃沙と呼ばれる異世界。これは「∀ガンダム」に登場する組織「ミリシャ」と呼び方が一致しているが、関連性はなく、それ以外は基本的に、「三国志」関連の地名が採用されている。
あらすじ
三璃沙の民は、董卓ザクの残虐非道な振る舞いによって苦しめられていた。桜桑村に住む劉備ガンダムもまた、その悪政に憤っていたが、師である盧植ジムキャノンの教えのもと、耐える日々を過ごしていた。しかしあるとき、董卓ザクの部下である馬元義ザクの手により、盧植ジムキャノンが誅殺されてしまい、劉備ガンダムは我慢の限界を超えてしまう。龍帝剣の力で馬元義ザクを打ち果たした劉備ガンダムは、これ以上、董卓ザクの手により苦しむ人が出ないよう、単身桜桑村を旅立つ。その先では、のちに桃園の誓いを交わすことになる盟友の関羽ガンダム、および張飛ガンダム。そして、宿命のライバルとなる曹操ガンダム、呂布トールギスとの出会いが待っていた。
メディアミックス
2010年から2011年にかけて、「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors」のタイトルで、TVアニメ版が放送された。監督は森邦宏と鈴木健一、シリーズ構成は浦畑達彦が手掛ける。主人公の劉備ガンダム役は梶裕貴、関羽ガンダム役は安元洋貴、張飛ガンダム役は加藤将之が、それぞれ演じた。また、アニメと同タイトルでニンテンドーDS対応ゲームが発売されているほか、2013年に発売されたニンテンドー3DS対応のゲームソフト「スーパーロボット大戦UX」に参戦している。
作家情報
ときた洸一は、1961年4月11日生まれ。千葉県出身の漫画家。かつてTVゲームソフトのパッケージなどを手掛けていた。「機動武闘伝Gガンダム」など、「コミックボンボン」および「ガンダムエース」などで、ガンダムシリーズのコミカライズ作品を多く執筆している。
登場人物・キャラクター
劉備ガンダム (りゅうびがんだむ)
桜桑村で生まれ育った少年。盧植ジムキャノンのもとで教えを受けていた。公孫賛イージーエイトとは、兄弟弟子の関係にあたる。強い正義感の持ち主。董卓ザクの暴虐や、それに伴う世界の乱れを放っておくことができず、盧植ジムキャノンの死をきっかけに単身旅立つこととなる。上に立つ者としての教育こそ受けていないが、持ち前の人柄が多くの英雄たちを魅了。 やがて1つの軍勢を率いるほどの人材へと成長していく。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「劉備玄徳」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ「ガンダム」。
関羽ガンダム (かんうがんだむ)
豪傑の青年。単身で董卓軍と戦い続けているという。鬼のような面を身に着けており、顎に髭を蓄えているため「鬼ヒゲ」と呼ばれている。黄巾隊の罠により、張飛ガンダムと一戦を交えることになってしまう。それを見抜いた劉備ガンダムの機転によって罠を破り、頭目の張角パラスアテネを撃破。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「関羽雲長」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するモビルスーツ「ΖΖガンダム」。
張飛ガンダム (ちょうひがんだむ)
彿土の村に住む青年。勘違いから劉備ガンダムを襲撃するなど、そそっかしい性格。しかし、誤解が解けると食料を快く渡すなど、心優しい面も見せる。雷を操る能力を持ち、その力は必殺技である爆裂大雷蛇に応用されている。黄巾隊の罠によって窮地に陥るが、劉備ガンダム、関羽ガンダムと協力して彼らを撃退。のちに義兄弟としての契りを交わすこととなる。 モデルとなったのは、「三国志」に登場する「張飛翼徳」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「Ζガンダム」。
孔明リ・ガズィ (こうめいりがずぃ)
あらゆる兵法に通じる、稀代の天才軍師。その能力と人柄から、「伏龍」と呼ばれ敬われている男性。戦争を終わらせるため、その力を振るおうと考える。しかし、被害が広がるばかりなので、現在は戦場から遠ざかり、仕えるべき主を待ち続けている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「諸葛亮孔明」、および劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するモビルスーツ「リ・ガズィ」。
曹操ガンダム (そうそうがんだむ)
董卓ザクを倒すため、兵をあげた英雄の1人。戦場においては「絶影」という名前の愛馬に跨り、炎の力をもって近づく者を圧倒する。非凡な統率力とカリスマ性に優れた男性で、その絶対的な力に心酔して従う武将は非常に多い。のちに一国を築きあげて、天下統一のために名乗りを上げる。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「曹操孟徳」、およびTVアニメ『機動新世紀ガンダムX』に登場するモビルスーツ「ガンダムダブルエックス」。
孫権ガンダム (そんけんがんだむ)
孫堅ゼフィランサスの息子で、孫策サイサリスの弟。情けを重んじているが、正義という言葉には懐疑的。また、戦争によって兵や民が傷つくことを嫌っている。しかし武勇には優れており、秘められた力によって父や兄を超える能力を発揮。のちに劉備ガンダム、曹操ガンダムと並び立つほどの英雄として知られる名将となる。 モデルとなったのは、「三国志」に登場する「孫権仲謀」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ「ガンダム試作3号機ステイメン」。
呂布トールギス (りょふとーるぎす)
天下に名を轟かせる一騎当千の武将。自らが強者であることを目指す一方で、より強い相手と戦うことを望んでいる男性。世界の行く末にはまったく興味を持っておらず、より強い敵と戦うためなら、弱者が傷つくことも厭わない。そのため、正義を重んじる劉備ガンダムらには敵視されている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「呂布奉先」、およびTVアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツ「トールギス」。
盧植ジムキャノン (ろしょくじむきゃのん)
かつて宮廷軍師を務めていた優秀な儒学者。曹操ガンダムや、司馬懿サザビーとも面識がある男性。軍を引退したのち、桜桑村で劉備ガンダム、および公孫賛イージーエイトに兵法を教えていたが、董卓軍の手により命を散らせてしまう。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「盧植」、およびプラモデル企画「機動戦士ガンダム MSV」にて公開されたモビルスーツ「ジム・キャノン」。
公孫賛イージーエイト (こうそんさんいーじーえいと)
劉備ガンダムの兄弟子。桜桑村で盧植ジムキャノンに師事していた。真面目かつ実直な性格。正義感の強い劉備ガンダムを、危うさを感じながらも、英雄の器と認めている。のちに父親の跡を継いで幽州の将軍となった。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「公孫賛伯圭」、およびOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場するモビルスーツ「Ez-8」。
趙雲ガンダム (ちょううんがんだむ)
北方に位置する小国出身の武将。槍の名手で、いかなるときも決してあきらめずに戦い続ける不屈の勇者。義を強く重んじる男性で、正義と平和のために兵を挙げた劉備ガンダムと共に戦うことを望む。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「趙雲子龍」、およびTVアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場するモビルスーツ「V2ガンダム」。
司馬懿サザビー (しばいさざびー)
曹操軍の筆頭軍師。類稀なる知力を持つ一方で、武勇にも秀でた男性。その才能はに曹操も一目置いている。常にG記を携帯しており、そこに記載されている内容に沿って、世界が動くことを望んでいる節がある。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「司馬懿仲達」、および劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するモビルスーツ「サザビー」。
夏候惇ギロス (かこうとんぎろす)
曹操軍の豪傑。「鋼の猛将」と称される男性。曹操ガンダムが最も信頼する男の1人で、正々堂々とした戦いを好む。董卓軍との戦いにおいては、高順ヴァイエイト、および陳宮メリクリウスと激突する。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「夏候惇元譲」、および劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場するモビルスーツ「ベルガ・ギロス」。
夏候淵ダラス (かこうえんだらす)
曹操軍の一員で、夏候惇ギロスの弟。射撃の名手。さらに、優れた瞬発力を持つため、「隼の闘将」と呼ばれている。夏候惇ギロスと共に戦い、高順ヴァイエイトを射撃戦で下した。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「夏候淵妙才」、および劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場するモビルスーツ「ベルガ・ダラス」。
典韋アッシマー (てんいあっしまー)
曹操軍の衛兵隊に所属する武将。身の丈ほどある大斧と、それを軽々と振り回す巨躯を持ち合わせるため、「不動の怪力」と呼ばれる男性。曹操ガンダムへの忠誠心は高く、その身を投げ打ってでも守り通す覚悟を持っている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「典韋典満」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「アッシマー」。
程昱ワイズワラビー (ていいくわいずわらびー)
曹操軍の軍師。人の心を読むことに秀でており、その隙をつく作戦を得意とする男性。司馬懿サザビーに強い敬意を抱いており、曹操軍に所属しているのも、司馬懿サザビーのためという面が強い。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「程昱仲徳」、およびTVアニメ『機動新世紀ガンダムX』に登場するモビルスーツ「DHMCワイズワラビー」。
姜維ガンダム (きょういがんだむ)
三璃沙の西の果てにあるという「涼州」出身の若武者。曹操軍に身を置いてはいるが、その出自には謎が多い。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「姜維伯約」、および劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場するモビルスーツ「ガンダムF91」。
孫尚香ガーベラ (そんしょうこうがーべら)
孫堅ゼフィランサスの娘で、孫策サイサリス、および孫権ガンダムの妹。男勝りのじゃじゃ馬で、家老たちも手を焼いている。しかし、その実力は父親や兄にも決して引けを取らず、「江東の弓腰姫」の異名を持つ。孫権ガンダムを強く慕っており、彼と共に戦うことを願っている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「孫尚香」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に設定のみ存在するモビルスーツ「ガンダム試作4号機」。
孫堅ゼフィランサス (そんけんぜふぃらんさす)
長沙軍の盟主で、孫策サイサリス、孫権ガンダム、孫尚香ガーベラの父親。偉大なる兵法家である「孫武」を祖に持つ。孫堅ゼフィランサス本人も、優れた戦術眼と強力な武力、そして世界を重んじる義を持ち合わせている。袁紹バウ、曹操ガンダム、劉備ガンダムと手を携え、董卓ザクを討つべく兵を挙げる。 モデルとなったのは、「三国志」に登場する「孫堅文台」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ「ガンダム試作1号機」。
孫策サイサリス (そんさくさいさりす)
孫堅ゼフィランサスの息子で、孫権ガンダム、および孫尚香ガーベラの兄。若い頃は気性が荒く、深く考えることを苦手としており、正義のために突き走る姿を、孫権ガンダムからよく思われていなかった。しかし、孫堅ゼフィランサス亡き後、遺志を継いだため大きな成長を見せ、「江東の小覇王」と呼ばれるようになる。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「孫策伯符」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ「ガンダム試作2号機」。
周瑜ヒャクシキ (しゅうゆひゃくしき)
孫策サイサリスの親友。美麗な見た目と類稀なる知力により、「白金の麗将」と呼ばれる男性。軍師として、孫策サイサリスらを長きにわたって支え続けた。また、水軍の強化を働きかけており、この行動は、後に曹操ガンダムを脅かすこととなる。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「周瑜公瑾」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「百式」。
陸遜ゼータプラス (りくそんぜーたぷらす)
孫尚香ガーベラに仕えている少年。周瑜ヒャクシキを強く慕っており、彼のような武将になることを夢見ている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「陸遜伯言」、および雑誌企画「ガンダムセンチネル」に登場するモビルスーツ「Ζプラス」。
黄蓋グフ (こうがいぐふ)
長沙四騎衆の筆頭の男性。孫堅ゼフィランサスが若い頃から仕えている老将でもある。鞭のようにしなる多節棍を武器としており、老いを感じさせない戦いぶりで知られる豪傑。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「黄蓋黄柄」、およびアニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツ「グフ」。
祖茂パワードジム (そもぱわーどじむ)
長沙四騎衆の1人。孫策サイサリスら、孫堅ゼフィランサスの子供たちからは「じい」と呼ばれ敬われている。孫堅ゼフィランサスと共に虎牢城に攻め入るが、出会い頭に呂布トールギスの一撃を受けてしまう。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「祖茂」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ「パワードジム」。
韓当ジムキャノンⅡ (かんとうじむきゃのんつー)
長沙四騎衆の1人。礼節を重んじる古参の勇将。関羽ガンダム同様、偃月刀(えんげつとう)を武器として用いる男性。戦線に出るときは、深紅の襟巻を巻いて出陣する。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「韓当義公」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ「ジムキャノンⅡ」。
程普ジムカスタム (ていふじむかすたむ)
長沙四騎衆の1人。四騎衆の中では知将としてのポジションを担っている男性。神話や伝説に詳しく、その知識をもって孫堅ゼフィランサスを支えている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「程普徳謀」、およびOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ「ジム・カスタム」。
甘寧ケンプファー (かんねいけんぷふぁー)
孫権ガンダムの配下を務める武将。かつては江東一帯を荒らしていた水賊の頭領だった男性。孫権ガンダムの人柄に惚れこみ、彼に付き従うようになった。乱暴者だが情に厚く、仲間たちから多くの信頼を集めた良将。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「甘寧興覇」、およびOVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場するモビルスーツ「ケンプファー」。
貂蝉キュベレイ (ちょうせんきゅべれい)
呂布トールギスの傍らに控える女性戦士。幻惑を操る攻撃を得意としている。呂布トールギスを深く愛している。彼のために無断でサポートを行い、その結果、真剣勝負を邪魔されたため叱責を受けることもあった。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「貂蝉」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「キュベレイ」。
董卓ザク (とうたくざく)
三璃沙の帝を暗殺し、玉璽を奪って実権を得た悪党の男性。暴政を敷いて人々を苦しめたため、討伐隊が結成されてしまう。呂布トールギスとは一応のつながりがあるが、互いにまったく信用していない。董卓ザクは、隙があれば呂布トールギスを亡き者にしようと企んでいる。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「董卓仲穎」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ「ザクⅠ」。
張遼ゲルググ (ちょうりょうげるぐぐ)
貂蝉キュベレイと共に呂布トールギスの副官を務める武将。呂布トールギスが信頼する数少ない人材で、曹操ガンダムや関羽ガンダムからも一目置かれている男性。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「張遼文遠」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ「ゲルググ」。
華雄ザンネック (かゆうざんねっく)
董卓ザク配下の武将。「首斬りの戟刀」または「首斬り華雄」の異名を持つ男性。「斬馬戟」と呼ばれる長尺の戟刀を自在に操り、巨大な岩ですら真っ二つにするほどのパワーを持つ。加えて血気盛んな性格をしているため、敵から恐れられている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「華雄」、およびTVアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場するモビルスーツ「ザンネック」。
高順ヴァイエイト (こうじゅんゔぁいえいと)
呂布トールギスの配下の男性。彼の武勇に惚れこんでおり、陳宮メリクリウスと共に虎牢城の守りを任されている。攻め入ってきた夏候惇ギロスと対決した際には、敗れこそするものの、相手の右目を奪うことに成功している。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「高順」、およびTVアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツ「ヴァイエイト」。
陳宮メリクリウス (ちんきゅうめりくりうす)
虎牢城の守備を担う武将。高順ヴァイエイトと共に呂布トールギスを補佐する男性。「最強の盾」と呼ばれるほど守備力に秀でており、軍師としての働きも見せる。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「陳宮公台」、およびアニメ「新機動戦記ガンダムW」に登場するモビルスーツ「メリクリウス」。
李儒シャッコー (りじゅしゃっこー)
董卓ザクの懐刀を務める軍師。味方を平気で犠牲にする策略を好む非道な男性。董卓ザクからは信頼されているが、部下からは恐怖の対象とされてしまっている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「李儒文優」、およびTVアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場するモビルスーツ「シャッコー」。
徐晃サーペント (じょこうさーぺんと)
董卓ザクの護衛を務めていた武将。主君に似ず実直な性格の男性。董卓ザクの傍若無人な振る舞いや、李儒シャッコーの残虐なやり方に疑問を抱いていた。董卓ザクが破れた際には、徐晃サーペントの腕を惜しんだ曹操ガンダムによって取り立てられる。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「徐晃公明」、およびOVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場するモビルスーツ「サーペント」。
張角パラスアテネ (ちょうかくぱらすあてね)
黄巾隊の頭領で、張宝ボリノークサマーン、張梁メッサーラの兄。関羽ガンダムを目の敵にしており、彼を倒すための策略を張梁メッサーラに伝授する。なお、3兄弟は男性でありながら、いずれも女性のような口調で喋る。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「張角」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「パラス・アテネ」。
張宝ボリノークサマーン (ちょうほうぼりのーくさまーん)
黄巾隊の一員。張角パラスアテネの弟で、張梁メッサーラの兄。呂布トールギスを非常に恐れており、最近の失態によって処分されてしまうのではないか、と怯えている。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「張宝」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「ボリノーク・サマーン」。
張梁メッサーラ (ちょうりょうめっさーら)
黄巾隊の一員で、張角パラスアテネ、張宝ボリノークサマーンの弟。妖術を用いて敵を惑わせる作戦を得意としている。関羽ガンダムと張飛ガンダムを同士打ちさせようと企んだが、劉備ガンダムの介入によって失敗。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「張梁」、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「メッサーラ」。
黄天ジ・オ (こうてんじお)
張角パラスアテネ、張宝ボリノークサマーン、張梁メッサーラの3兄弟が、「太平妖術・木星合身」の術によって一体化した姿。合体後の姿だけあって、劉備ガンダムの3倍以上の全長を誇る。武力も大幅に向上しており、巨大な槍を軽々と振るい、劉備ガンダムたちに襲い掛かる。モデルとなったのは、TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ「ジ・O」。
馬元義ザク (ばげんぎざく)
董卓ザクの配下の男性。龍帝剣を強奪するために、桜桑村を襲撃。盧植ジムキャノンを捕らえて、その在処を聞き出そうとする。しかし、一向に答えなかったため、桜桑村で盧植ジムキャノンを公開処刑してしまう。この暴挙に怒った劉備ガンダムの呼び出した龍帝剣により、両断された。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「馬元義」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ「ザクⅠ」。
袁紹バウ (えんしょうばう)
三璃沙北部の冀州(きしゅう)の名家「袁家」の当主の男性。天下を狙う野心家で、董卓ザクを倒すための連合を組織、その盟主へと収まった。しかし、実際は盟主の器ではなく、曹操ガンダムからは終始侮られていた。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「袁紹本初」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するモビルスーツ「バウ」。
田豊ガルスJ (でんほうがるすじぇい)
袁紹バウに仕える参謀長の男性。優秀な軍師だが、他者を見下す物言いが目立つ。袁紹バウには絶対の忠誠を誓っており、彼を愚弄するような発言を行った曹操ガンダムに対しては怒りを露にした。モデルとなったのは、「三国志」に登場する「田豊元皓」、およびTVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するモビルスーツ「ガルスJ」。
集団・組織
黄巾隊 (こうきんたい)
董卓軍の一角を担う大部隊。隊員は全員、黄色い頭巾を被っている。中核を成すのは張角パラスアテネ、張宝ボリノークサマーン、張梁メッサーラの3兄弟。関羽ガンダムの活躍によって戦力が奪われつつあり、壊滅の危機に瀕している。
長沙四騎衆 (ちょうさよんきしゅう)
孫堅ゼフィランサスに仕えている家老衆。頭領を務める黄蓋グフを筆頭に、いずれも名の知れた勇将たちである。虎牢城の戦いでは、孫堅ゼフィランサスと共に前線に立つが、祖茂パワードジムが呂布トールギスの攻撃を受けて戦死。残ったメンバーたちも、貂蝉キュベレイの幻術によって行く手を阻まれてしまう。
場所
三璃沙 (みりしゃ)
古代の中国を彷彿とさせる異世界。遥か昔、「3侯」と呼ばれる英雄たちによって生み出され、長らく平和な時代が続いていた。しかし、統治者であった「霊帝」が、董卓ザクにより暗殺され、数多の国に分裂。多くの武将たちが覇権をめぐって争う、戦乱の時代に突入してしまう。
桜桑村 (ろうそんそん)
三璃沙の北方に位置する村。軍を抜けた盧植ジムキャノンや、その弟子である公孫賛イージーエイト、そして劉備ガンダムが暮らしていた。しかし、伝説の剣が存在するという噂を聞きつけた馬元義ザクによって、襲撃を受けてしまう。
彿土の村 (ぶっどのむら)
桜桑村から旅立った劉備ガンダムが訪れた村。かつて黄巾党の襲撃を受けており、現在は張飛ガンダムによって守られている。関羽ガンダムを亡き者にするための策略として、張梁メッサーラに再度の襲撃を受けてしまうが、劉備ガンダムの活躍によって阻止された。
虎牢城 (ころうじょう)
董卓ザクの拠点の1つ。高順ヴァイエイト、および陳宮メリクリウスが守備を任されており、呂布トールギスも客将として滞在している。また、城門に備えられている像には、「弩虎」と呼ばれる天玉鎧が封印されている。袁紹バウ率いる反董卓連合によって攻め入られ、戦闘状態に陥る。この戦いは、劉備ガンダムにとって初の合戦となった。
その他キーワード
三位一体星龍斬 (さんみいったいせいりゅうざん)
劉備ガンダムの必殺技。関羽ガンダムと張飛ガンダムの肩アーマーを装着。3人の力を龍帝剣に集中し、敵を切り裂くという大技。呂布トールギスとの戦いで窮地に陥った劉備ガンダムによって放たれ、相手に大きなダメージを与えた。
鬼牙百烈撃 (おーがひゃくれつげき)
関羽ガンダムの必殺技。装備している偃月刀「鬼牙龍月刀」を構え、1秒間に100発もの刺突を放つ。並の武将の鎧を、紙切れのように切り裂くほどの威力を持つ。張飛ガンダムとの戦いで披露され、彼の必殺技である爆裂大雷蛇と互角にぶつかり合った。
爆裂大雷蛇 (ばくれつだいらいじゃ)
張飛ガンダムの必殺技。頭上に愛用の長槍である「雷蛇」を掲げ、刃先に落雷を引き起こし、雷のエネルギーを束ねた斬撃を放つ。関羽ガンダムの鬼牙百烈撃とぶつかり合った結果、お互い大きなダメージを受けてしまう。
旋風大烈斬 (せんぷうだいれつざん)
呂布トールギスの必殺技。専用の武器である「破塵戟」を高速で振り回して竜巻を発生させ、周囲の敵を切り裂いて一掃する。黄天ジ・オを倒した劉備ガンダムたちに向けて放たれ、たった一撃で関羽ガンダム、および張飛ガンダムを戦闘不能に追いやった。
G記 (じき)
司馬懿サザビーが所有している巻物。三璃沙における神話が記載されている。神話によると、三璃沙が闇に包まれるとき、三侯の魂を受け継いだガンダムが立ち上がり、玉璽の導きを受けて新しい時代を切り開くという。
龍帝剣 (りゅうていけん)
盧植ジムキャノンが、軍を抜ける際に賜ったという宝剣。真の正義を持つ者のみが扱えるとされている。盧植ジムキャノンが馬元義ザクに殺害されてしまった際に、悔しさに震える劉備ガンダムの手に渡る。持ち主が呼び出せば、即座に手元に転送されるという特徴を持っている。
天玉鎧 (てんぎょくがい)
超古代の神器。神話の時代に、伝説の英雄である「三候」が天から授かったと言われる。「三侯」の魂を継ぐものによって呼び出され、一体化するとされる。その姿は小型の戦闘機に近く、一体化した際は一軍を薙ぎ払うほどの力を発揮する。なお、「蒼龍」「弩虎」「炎凰」「真武」の4つが存在し、虎牢城には、そのうちの1つである「弩虎」が封印されている。
玉璽 (ぎょくじ)
世界を統べる王の証である聖なる印。ただの象徴ではなく、「三侯」の魂を継ぐものが所持することにより、さらなる力を引き出すことが可能である。三璃沙の主とされていた「霊帝」によって長らく所有されていたが、董卓ザクの手により奪われてしまう。