概要・あらすじ
鬼王と恐れられた斉の烈公が、呪術師怨黒雲を腐刑(去勢する刑)に処したことから、怨黒雲に呪いをかけられる。烈公の息子、文竜は、父親を殺し追われる身となりながら、奴隷出身の大男、武虎などと共に諸国を旅し、大陸を我が物としようと目論む怨黒雲と戦っていく。
登場人物・キャラクター
文竜 (ぶんりゅう)
倭人の母と斉の鬼王として恐れられている烈公との間に生まれる。烈公の妻と姦通しているところを見つかり罪に問われるが、逆に列公を殺害。しかし、それは呪術師の怨黒雲に呪いをかけられ生気を失う烈公の名誉を守るためであった。文竜は追われる身となり、権謀術数が取り巻く古代中国を巡る旅に出発。 戦国時代の中国で暗躍する怨黒雲の討伐を目指す。
怨黒雲 (おんこくうん)
高名な呪術師であるが、文竜の父親烈公に去勢の刑である腐刑にされたことで、烈公に呪いをかけ生気を奪っていく。一族を根絶やしにするために魏に仕え、戦国時代の中国で暗躍。文竜の敵となる。
武虎 (ぶこ)
農奴頭出身の気が優しい力自慢の大男。恋人の令秋を奪おうとする主人の陰謀で殺されそうになるが、文竜に助けられる。文竜を兄と慕い、共に諸国遍歴の旅に出る。
烈公 (れっこう)
文竜の父親で、人々から斉の鬼王という異名で恐れられる。呪術師怨黒雲に呪いをかけられ生気を失いつつあったところで、文竜の手により殺害される。
崑崙 (こんろん)
『戦国獅子伝』に登場する獅子。文竜の手飼いの獅子で、よくなついている。文竜と共に旅をし、時折文竜を助ける。
令秋 (れいしゅう)
文竜と共に旅をする武虎のかつての恋人。村でも評判の美人。贅沢な暮らしに憧れ、武虎が主人の陰謀により捕えられている間に、武虎を裏切り主人の愛人となる。
老子 (ろうし)
哲学者の巨峰。孔子に礼を教え竜と讃えられた、200余才まで生きたと言われる伝説の神人。ピンチに陥った文竜の前に現れ、教えを説く。歴史上の人物とされる老子がモデル。
素春 (そしゅん)
百越から斉に人質として送られてきた女性。文竜が心を寄せていたが、烈公と関係を持っているところを文竜に見られてしまう。百越が斉を裏切ったため処刑される。子どもだった獅子の崑崙の飼い主でもあった。
威王 (いおう)
斉の王で、文竜の母親違いの兄にあたる。頭は切れるが、堅物で融通がきかない性格。文竜を快く思っていない。
朱豹 (しゅひょう)
拳士で酔拳の名手。本名は陽朱(ようしゅ)。呪術士の怨黒雲から酒をごちそうしてもらう代わりに文竜を倒すことを依頼され、刺客として文竜の前に現れる。しかし、山犬に襲われているところを文竜に助けられ、その恩に報いるまで命を狙うことをやめる。常に酒を飲んでいる。
玉燕 (ぎょくえん)
恋人の程徐の行方を追い、男装して旅をしていた女性。活発で、投げるつぶては空を飛ぶ燕も落とすことから玉燕との名が付く。水泳や乗馬も達者。朱豹と共に山犬に襲われているところを文竜に助けられた。後に文竜と恋仲になり、文竜の子をお腹に宿す。
程徐 (ていじょ)
文竜の恋人となる玉燕のかつての恋人。魏の兵士。戦場でひとり生き残ったところで文竜と出会うが、目を負傷して見えなかったために文竜たちを敵の兵士と勘違いし襲いかかる。文竜たちがそれを止めようとしたところ、思いがけない事故で命を落とす。
恵王 (けいおう)
魏の王。残酷極まりない性格で、罪もない人たちを殺すことに興じている。元は名君であったが、文竜が敵対する呪術師の怨黒雲が仕えはじめてから人が変わる。
孫臏 (そんぴん)
斉の軍師。魏から斉に走った裏切り者とされ、かつて刑に処されて両足を失う。怨黒雲の討伐旅をしている文竜に、宋の秘兵である黒馬隊に入るよう誘う。歴史上の人物である孫臏がモデル。
書誌情報
戦国獅子伝 4巻 小学館クリエイティブ〈その他〉
第1巻
(2011-02-07発行、 978-4778031695)
第2巻
(2011-02-28発行、 978-4778031701)
第3巻
(2011-03-14発行、 978-4778031718)
第4巻
(2011-04-14発行、 978-4778031725)