SWEET三国志

SWEET三国志

漢の時代の中国、黄巾の乱によって乱れた天下を収めるため、豪傑関羽と張飛らを従えた玄徳、幾人もの優秀な部下を持つ野心家曹操、江南の名家孫堅たちが立ち上がる。明代に成立した中国の四大奇書のひとつ『三国志演義』をベースにしたギャグ漫画作品。キャラクターの言動はギャグで構成されているが、基本的なキャラクター解釈やストーリーの流れは『三国志演義』に忠実なものとなっている。

あらすじ

第1巻

時は後漢末の中国、世は黄巾の乱によって乱れていた。漢の帝室の血を引く劉備は、ガールフレンドのの仲介によって関羽張飛と義兄弟の契りを結び、黄巾賊と戦いを始める。その黄巾賊の首魁は、曹操によって討ち果たされたが、皇帝の死によって宮中には政争が勃発し、再び天下は乱れ始める。この時、天下の実権を握ったのは董卓であった。董卓は、政敵であった丁原を彼の養子の呂布を寝返らせる事で抹殺し、わが世の春を謳歌する。曹操はそんな董卓を暗殺しようと謀ったが果たせず、各地に檄文を撒いて蜂起を募った。劉備ら三兄弟もそれに参加する事になる。集まった軍勢は30万人、総大将に選ばれたのは袁紹であった。董卓軍の中には華雄という武人があり、華々しく活躍していたが、これを関羽が一騎打ちで討ち取る事に成功。これをきっかけに董卓は都を捨て、長安へ向けて落ち延びる。一方の曹操は、董卓軍の罠にかかって危機的状況に陥るが、仲間の助けがあって九死に一生を得る。そのあいだ、内輪もめによる内部分裂などもあり、董卓討伐軍は事実上崩壊する事となった。董卓の暴政に心を痛めた王允は、養女の貂蝉を用いて董卓と呂布の仲を割こうと図る。この手はまんまと当たり、董卓は仲たがいの末に呂布によって殺害されるのだった。だが、群雄割拠の動乱の時代は続く。曹操は父親の仇を討つために徐州の陶謙を攻め、陶謙はこれを恐れて劉備に助けを求めた。その後、劉備は陶謙に代わって徐州の太守となる。その頃、曹操は自らの国を空けたスキを呂布の軍勢に衝かれていた。徐州から兵を引き上げた曹操の反撃によって敗れた呂布は、助けを求めて劉備のもとに逃げ込み、ここに劉備と呂布の危うい同盟関係が成立する。しかしあっけなく呂布に裏切られて城を奪われた劉備は、今度は曹操を頼って落ち延びるのであった。

第2巻

曹操は一軍を率いて張繍の城を攻めたが、張繍に仕える軍師の存在を知らなかったため、手痛い敗北を喫する事になった。さらに曹操は、劉備に命じて呂布を攻めさせる。呂布は城を水攻めにされ、敗北を喫し処刑された。劉備はさらに曹操から5万人の兵を預けられるが、それを我が物として曹操のもとから離反。しかし曹操に攻められて大敗し、袁紹を頼ってまたも落ちていくのだった。その途中、関羽は劉備とはぐれ、一時的に単独で曹操の配下に収まる事になる。それからしばらく経ち、袁紹と曹操のあいだに戦争が開始された。関羽は袁紹軍の勇将、顔良を討ち取って、これで義理は果たしたと劉備と張飛のもとへ戻っていく。その後、官渡の戦いに大敗した袁紹は逃走の途上で死亡。これによりまたも流浪の身となった劉備は、荊州の新野という小城に身を寄せる事となった。曹操は部下の曹仁に2万5000人の兵を率いて新野を攻めさせたが、徐庶という有能な軍師を得ていた劉備はこれを撃退する。その後、徐庶は曹操の罠にはまって劉備のもとを去ったが、去り際に孔明あての紹介状を残していった。孔明は、曹操と孫権によって大陸が二分されている現状を踏まえ、今いる荊州と益州を取って天下を三つに分ける「天下三分の計」を説き、劉備の腹心となった。夏侯惇もまた孔明の計略によって劉備に破れ、曹操は50万人の兵を率いて自ら劉備を攻める事を決意する。劉備は逃げるしかなく、孔明は援軍を求めて呉の孫権のもとへ向かう。魯粛の仲介で呉に入った孔明は、孫権を説き伏せ、呉を反曹操でまとめ上げる事に成功する。だが、呉の武将、周瑜は孔明をよく思わず、殺すための計略を練り始める。

 第3巻

周瑜孔明に対し、10万本の矢を作るよう無理難題を持ちかける。孔明は船で曹操の軍勢に近づき、敵に矢を射かけさせる事でその難題をクリア。さらに周瑜と孔明の火計によって曹操の水軍は炎上し、大敗を悟った曹操は逃走する。その途上、関羽が追っ手として現れたが、関羽は以前の恩を忘れる事ができず、曹操をあえて逃がすのだった。そして、曹操軍の大敗のスキを突くようにして、劉備は荊州に勢力を固める。その頃益州、蜀の地は劉璋の支配下にあり、その部下には張松がいた。劉備の人望を知った張松は、彼を蜀に引き入れるべく、劉璋への裏切りを画策する。結果、張松は裏切りが露見して処刑されるが、劉備はそれを好機として劉璋とのあいだに戦端を開いた。戦いは長引いたが、馬超の援軍を得た事もあり、劉備が勝利を収める。ここに劉備は蜀の地を得、初めて一国の主となったのである。そんな中、荊州で留守を預かっていた関羽が呉の軍勢に破れ、自害に追い込まれる事となった。張飛は関羽の弔い合戦に向かう直前、部下の裏切りに遭って死亡する。劉備は呉との決戦を決意するが、その劉備の布陣図を見た孔明は、簡単に蜀の滅亡を予言した。果たして劉備は陸遜に大敗し、帰国後まもなく病で息を引き取る。この時、魏において曹操の跡を継ぎ、皇帝となった曹丕に対し、司馬懿は蜀を攻めるよう進言。こうして、蜀の孔明と魏の司馬懿の宿敵としての関係が始まる事となる。 

登場人物・キャラクター

劉備 (りゅうび)

160cm48kgの小柄な青年。母の遺言と華佗の血液検査によって、中山靖王劉勝の血を引いていることが判明。幼馴染の蓉に関羽と張飛を引き合わされ、彼らの長兄として義兄弟の契りを結び、黄巾の乱平定のための義勇軍を結成した。その後長い不遇と敗北、放浪の果てに名軍師孔明の助けで、蜀の地を手に入れ、初代蜀漢皇帝となる。 性格はお人よしだが、それゆえに多くの人々に慕われている。逃げることだけは異様に上手いが、軍事的センスは「ゼロ」と孔明に評される。実在の人物劉備と『三国志演義』に登場するキャラクター劉備をモデルにしている。

関羽 (かんう)

玄徳の義弟。髭の長い大柄な青年。文武両道を心がけている。張飛と共に、乱世で成り上がるべく仕える主君を探していたところ、蓉に玄徳を引き合わせられる。最初は玄徳の貧相な様子を見て取るに足らないと考えていたが、中山靖王劉勝の血を引く人物だと知って気を変え、義兄弟の契りを結んだ。 天下でも並ぶものの無い強さの武将であり、その才は敵である曹操にも大いに買われている。一度曹操に仕えた際、父シンボリルドルフ、母メジロラモーヌという血統を持つ名馬赤兎馬を与えられた。実在の人物関羽と『三国志演義』に登場するキャラクター関羽をモデルにしている。

張飛 (ちょうひ)

玄徳の義弟。常にサングラスをかけ、上半身裸にパンツ1枚のプロレスラーのような格好をしている。名を売って諸侯に召抱えられるため、「全漢ボディビルコンテスト」に出場していたが、いつも1位は呂布に奪われ、2位に甘んじてしまっていた。関羽ともども、蓉によって玄徳に引き合わされ、義兄弟の契りを結ぶ。 武力は高いが、知力は低いため、計略の運用には向かないタイプの武将。実在の人物張飛と『三国志演義』に登場するキャラクター張飛をモデルにしている。

董卓 (とうたく)

西涼の刺史。十常侍討伐のため大将軍何進によって都に招き入れられると、十常侍討伐後も都に居座り、陳留王を即位させて実権を握り、暴虐の限りを尽くした。ダイエット体操とダイエットコークの力によってスマートになった精強な軍を率いている。荊州の刺史丁原の養子呂布を名馬赤兎馬と引き換えに味方に引き入れるが、王允の娘貂蝉を使った計略にかかり、呂布に裏切られて死亡。 死因は呂布のスモールパッケージホールドであると報道された。性格は暴虐で好色。また大変太っており、ダイエットのためエアロビクスを始めたりする。実在の人物董卓と『三国志演義』に登場するキャラクター董卓をモデルにしている。

呂布 (りょふ)

荊州の刺史丁原の養子であったが、名馬赤兎馬を与えようという董卓の誘い乗り、丁原を裏切った。しかしその後、王允の娘貂蝉を使った計略にかかり、董卓を殺害。玄徳たちのところへ逃げてくる。「全漢ボディビルコンテスト」5年連続1位。張飛同様、プロレスラーのような格好をしている。 裸同然ではあるが、鍛えられた筋肉で矢をはじくことができる。だが、貂蝉のことを考えるとふにゃふにゃになって矢が刺さるようになってしまう。実在の人物呂布と『三国志演義』に登場するキャラクター呂布をモデルにしている。

袁紹 (えんしょう)

名家の出の武将。袁紹猿軍団を率いている。曹操の推薦により反董卓連合軍のリーダーとなるが、足の引っ張り合いで瓦解させてしまう。その後冀州を手に入れ、さらなる勢力拡大を図り、曹操と対峙する。性格は大変優柔不断で喫茶店の注文も自分で決めることができない。実在の人物袁紹と『三国志演義』に登場するキャラクター袁紹をモデルにしている。

貂蝉 (ちょうせん)

王允の養女。中国人ばなれしたプロポーションと美貌の持ち主。その色香をもって董卓と呂布を仲たがいさせた上で滅ぼさんとする王允の策略に従い、董卓と呂布に接近する。見事目的を果たしたものの、王允が郭汜によって殺害されてしまったため、徐州に逃れ、そこで玄徳にナンパされる。 一時は呂布の元へ戻るが、最終的には玄徳の第二夫人に収まった。『三国志演義』に登場するキャラクター貂蝉をモデルにしている。

(よう)

玄徳の幼馴染の女性。好みの男性は「天下を取れる男」。玄徳が中山靖王劉勝の血筋を引く、漢王室に連なる人間であることを知り、玄徳に天下を取らせるべく、叱咤しつつ盛り立てていく。黄巾賊討伐のため仕えるべき主君を探していた関羽と張飛に、ふたりがつかえるべき「バッチグーな人物」がいると言って玄徳を紹介する。 小柄なため、玄徳の第二夫人となった貂蝉よりプロポーションが劣ることを気にしている。

孔明 (こうめい)

「臥竜」と呼ばれる天才軍師。新野から山道を西へ20km行ったところに隠棲していたが、徐庶からの紹介を受けた玄徳に三顧の礼をもって迎えられ、玄徳軍の軍師となった。三度も供をさせられ腹を立てていた張飛が、昼寝中の孔明の顔にらくがきをし、さらに鼻に吹き戻しを突っ込んだため、大変ふざけた格好になってしまったが、本人がそれを気に入ったため、最後までその格好で過ごすこととなった。 気象天使を呼び出して、未来の天候を知ったり、天候を操ったりすることができる。実在の人物孔明と『三国志演義』に登場するキャラクター孔明をモデルにしている。

曹操 (そうそう)

漢の丞相。後に魏を建国し、魏王となる。宦官の子であったが、黄巾賊討伐で手柄を立てた後、漢軍の中でのし上がっていった。非常な策略家で、炎天の行軍の際は、兵たちに「クラブ杏」のチーママが描かれた旗を見せ、エッチで楽しいクラブがあると偽って兵たちに生唾を飲み込ませ、渇きを忘れさせるという兵法を取った。 また並外れた人材コレクション癖があり、有能な人間が他所へ仕えていると身もだえして悔しがってしまう。玄徳をライバル視しており、またその義弟関羽の才に惚れ込んでいる。右目の下に小さな星があるのが特徴。実在の人物曹操と『三国志演義』に登場するキャラクター曹操をモデルにしている。

夏侯惇 (かこうとん)

曹操配下の将軍。一度曹操に降った関羽が、恩返しを終えて玄徳のところへ戻る際、関所の兵を倒しながら逃げたことに怒り、これを追撃。関羽を恩知らずと責めるが、関羽の射た矢が左目に刺さってしまうが、もったいないと言ってその場で焼いて食べてしまう。そしてなおも戦いを挑むが、決着はつかず。 そこへ曹操の命令で彼らを追って来た張遼が現れ、戦いを止めさせる。しかしは曹操の異様な関羽贔屓に、「何かがあった」のではないかと疑いを持つ。実在の人物夏侯惇と『三国志演義』に登場するキャラクター夏侯惇をモデルにしている。

司馬懿 (しばい)

魏の軍師。玄徳死後の蜀に大攻勢をかけるべく、曹丕に進言を行うが、呉と同盟を結んだ蜀に敗れてしまう。その後馬謖の流した謀反の噂を信じた曹彰にリストラされてしまうが、蜀軍の侵攻が始まると、再び軍師として都に召還された。左遷させられている間も「計略ドリル」を使っての勉強を欠かさない真面目な性格で、周囲の人間にも「ゴールドのチェーンネックレスをしている以外は案外いいヤツ」という評価をされている。 実在の人物司馬懿と『三国志演義』に登場するキャラクター司馬懿をモデルにしている。

孫権 (そんけん)

南方の呉を支配する武将。父孫堅、兄孫策と続いた孫呉の三代目。百万の兵を擁し、侵攻してきた曹操から最後通牒をもらい、降参すべきか開戦すべきか悩んでいた。本人は降参して二階が雀荘になっている中華料理店の店主にでもなろうかと考えていたが、魯粛から降参すれば再起は不可能、中華料理店の店主も無理であろうと説かれ、弁舌のたつ孔明を招いて臣下の降参派を説得しようとする。 呉の方言として、関西弁を話す。実在の人物孫権と『三国志演義』に登場するキャラクター孫権をモデルにしている。

周瑜 (しゅうゆ)

孫権に仕える呉の武将。策略家で、蒋幹のスパイ行為を逆手に取ったり、黄蓋とわざと仲たがいすることで黄蓋を曹操に怪しまれないようにした上で暗殺の使者とする「苦肉の策」などの計略をめぐらす。しかしそれらをすべて孔明が看破していることを魯粛から聞き、孔明を危険人物と考えるようになる。 呉の方言として、関西弁を話す。実在の人物周瑜と『三国志演義』に登場するキャラクター周瑜をモデルにしている。

魯粛 (ろしゅく)

孫権に仕える呉の武将。迫り来る曹操軍に対して、降伏論に傾きつつある情勢を覆すため、孔明に協力を要請、孫権に合引き合わせた。外見は着物を着て直立している魚。呉の方言として、関西弁を話す。実在の人物魯粛と『三国志演義』に登場するキャラクター魯粛をモデルにしている。

書誌情報

Sweet三国志 全3巻 メディアファクトリー〈MF文庫〉 完結

第1巻

(2004年9月発行、 978-4840111386)

第2巻

(2004年10月発行、 978-4840111539)

第3巻

(2004年11月発行、 978-4840111706)

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