あらすじ
SHONANセブンとは、湘南の高校から選別された各校の不良たち7人がトーナメント形式で戦い、湘南最強の高校を決める戦いだった。昔、湘南地区の高校間に頻発する暴力沙汰に歯止めをかけるべく始まったバトルだと言う。勝ち残った高校には、今年最強の称号が与えられる。そして最強の称号として7着の白ランの特攻服と7台のZ1-R(川崎重工業・総排気量1000ccのオートバイ)が与えられる。さらに一年間、湘南最強の名誉を得ることが出来るのだった。その常勝高が辻堂高校だった。
SHONANセブンにエントリーするためには、まず、各校で選抜代表を決める。その選び方は各校まちまち。二、三年生からだけしか選ばない高校もあれば、一年生から選抜にエントリーできる高校もある。辻堂高校は一年からエントリーできる高校だった。 学内トーナメントにエントリーを希望する者は、名前とクラス、メルアドを書いたエントリーシートを箱に投函。すると、のちに対戦相手がメールで送られてくる。対戦ルールは素手によるタイマン、やる場所はどこでもいい。決められた相手とならば、場所は学校外でも良かった。いつまでも対戦が行われない場合は、二人とも棄権となる。対戦相手はまずは同学年同士。勝ち残った一年が次は二年と対戦する。力あるものだけが勝ち残る、それがSHONANセブンだった。
黒神 一揮はSHONANセブンの学校代表の座を狙うべく、辻堂高校に入学する。そこに待ち構えていたのは、一揮同様代表を勝ち取ることを狙う個性的な不良の面々だった。一揮たちはまず校内の猛者たちによる「校内選抜トーナメント」に挑む。一年生による一回戦が始まった。上條 白は、堂本と対戦。しかし白は人質を取られ、最大の武器の左足のハイキックも封じられていた。堂本はさらに全身をプロテクターで防備。苦しむ白だが、唯一無防備な頭にフランケンシュタイナーを決め勝利した。双子の 羅門兄弟の兄・羅門 金閣と対戦するのは、剛力 はじめ。はじめの重いパンチに金閣はよろめく。しかし、巨体な弟・羅門 銀閣のパンチに馴れていた。金閣は、ゴリラに似たはじめの容貌を、宇宙猿人と揶揄し、怒らせる。大振りになり、隙のできたはじめの顎へ強烈なアッパー一閃。銀閣に対する攻略法をのそまま使った金閣が勝ち上がる。残るは、一揮対銀閣。巨体の銀閣には普通の攻撃は効かない。じりじり一揮は追い詰められる。首を締めあげられ、意識が飛ぶ寸前の一揮。なんとか首締めから逃れると、サッカーのオーバーヘッドシュートのような技で、大逆転勝ちする。
一年生選抜トーナメントを勝ち進む一揮。辻堂高校のSHONANセブン選抜戦は24人がエントリーして一回戦を勝ち残ったのは12人。そのうち金閣と白は2回戦を突破し、3回戦にコマを進めた。一揮の2回戦も始まろうとしていたが、その相手を結城 翔が倒してしまう。結城 翔はメキシコ人と日本人のハーフで父親はメキシコ出身の元覆面プロレスラーだった。翔の異名は、空中の魔術師。空間を三次元的に使い相手を瞬殺するとことからついたあだ名だった。結局、一揮は、結城 翔と戦うことになり、それが決勝戦の一つとなった。父親譲りの強靭な肉体を持つ結城を、激戦の末に倒し、一揮は「一年代表」に一番乗りする。
金閣の次の相手は、幼馴染の片山篤史だった。篤史は、自分が少年刑務所に収監されたのは、警察へ、金閣が密告したせいだと誤解。街のギャング、クスリのバイヤーたちとつるみ、ヤク中になっていた。バイヤーたちの狙いは篤史をSHONANセブン代表にし、辻堂高校生たちにもクスリを売ることだった。バイヤーたちの車に轢かれボロボロになった金閣だが、病院を抜け出し、篤史との決戦の場に。バイヤーとの三つ巴となった篤志との激戦に勝ち、金閣もまた、「一年代表」となった。「一年代表」の残りの枠はあと一つ。散歩していた白は腹が減った。究極のスタミナ王国の店の王様盛り完食にチャレンジすることに。そこには一揮の幼馴染・柿沢 優香もいた。一揮への片思いのストレス解消に来ていたのだった。チャレンジに失敗した白は、優香と水族館デートへ。その二人に絡んできたのは白の次の対戦相手、久遠寺にだった。因縁をつけてきた久遠寺に優香の空手が炸裂。久遠寺が倒れたため、自動的に白の一年代表の座獲得が決まった。
「三年代表」は、辻高のダイナマイトこと瀧澤 翔、辻高の頭脳と呼ばれる戦略家の近藤 龍馬、最後に不動の帝王である桐生院 龍也に決まる。「二年代表」は、伝説の巨人こと飯塚 義生、そしてブッチャーの再来、ブチオこと小渕みのる。そして昨年、当時一年でありながら選抜入りした二年最強の男、笑顔の殺人天使こと東郷 誠勝に決まった。こうして辻堂高校のSHONANセブン代表候補が勢ぞろいした。
ついに辻高内のSHONANセブン決勝戦の日がやって来た。SHONANセブンの辻高の代表は七人に絞られる。三年の代表三人はそのまま、代表に決定。残る四人の枠を一年生、二年生の六人で争うことになる。その決定方法は、「一年代表」と「二年代表」が三対三で戦い、その後、ギャラリーたちがその戦い方を見て投票。順位を決めその上位四人が代表となる方法だった。最終決戦が始まった。白は昨年の代表メンバー東郷誠勝に完敗。しかし、一揮は大巨人と呼ばれる飯塚義生を倒し、金閣がプロレス技を繰り出す小渕みのるに辛勝する。一揮と金閣の二人は一年生ながら、見事に代表入りを果たす。
代表入りのご褒美として辻高二年の現役アイドル桐生院 マドカと横浜デートをする一揮。そこへ突然現れ、強烈な眼をくれたのは、辻堂高校最強の男、桐生院 龍也その人だった。マドカとは似ても似つかない容貌の桐生院龍也だが、実はマドカの実の兄だったのだ。
辻堂高内の最終順位を決める各学年同士のバトルロイヤルが開催される。一揮は瀧澤 翔たち三年生と対決し、とうとう絶対王者である龍也へ挑む。しかし龍也の左の拳が一揮の顔面にクリーンヒット。一揮は意識を失う。その後、兄の死因を兄の親友だった樹から聞かされた一揮は兄の遺志を継ぐことを決意する。
第9巻 江の商の乱~湘南激闘注意報~喧嘩vs格闘技~覇者の意地
SHONANセブンの本戦トーナメントの組み合わせが決定した。辻堂高のライバルである江ノ商は強豪校・大磯國士と対決。辻堂高はスポーツの名門校・平塚十輪学園と対決することとなった。 江ノ商と戦う優勝候補・大磯國士のてっぺん成田公也の家は空手の名門道場だった。かなり喧嘩慣れしており、チンピラたちさえ喧嘩を売らなかった。対する江ノ商のてっぺんは3年の池内では無かった。今年の江ノ商のてっぺんはなんと、一年生。その中の二人は大鵬と雷電という真島兄弟、二人は中学時代は相撲大会で常勝していた巨漢だった。強烈な張り手を繰り出され、さすがの國士のてっぺん成田もなすすべがない。江ノ商の前に敗れ去っていく。
平塚西校対西鎌倉商業の対決は、小細工を弄する西鎌倉商業に手こずるものの平塚西校が勝利。鎌倉高徳学園対湘南極東高校の戦いは、高徳百裂拳を見切り、逆に百裂拳返しをした湘南極東高校が勝った。聖ローゼン学園付属対鎌倉緑陵高校は、ギャラリーに女子を呼んでいたチャラい聖ローゼン学園がバルクールを応用した空中戦で勝利。海南高校対潮騒学園は海南高校が勝利。逗子山商業対湘風学園の戦いは強烈な足技を持つ湘風学園の勝利となった。そして白波高校対藤沢中央高校は、昔ながらのヤンキー殺法で戦う藤沢中央高校を、カポエラを駆使する白波高校が撃破した。
辻堂高校の対戦校である平塚十輪のメンバーは、代表の柔道部主将篠田を始め、空手や修斗の主将クラスで占められていることがわかる。一回戦最後の戦いは辻堂高校の喧嘩殺法対格闘技の強豪たちの戦いとなる。平塚十輪の主将篠田は辻堂高校の強さはニセモノだ、本物の強さって奴を教えてやる、といきなり乱戦が始まった。道場では最強の猛者たちに大苦戦するが、ストリートでは最強を自認する辻堂高校のメンバーたちに勝利の女神は輝いた。
第一回戦の勝利高が出揃った夜、大磯國士のメンバーたちはようやく敗退の現実を受け入れ始めていた。そこへ現れたのは湘南のてっぺんを狙うブラッドセブンたち。その圧倒的な武力の前に大磯國士や鎌倉緑陵高校はなすすべもなく軍門に下る。セブンで選ばれる者たちを潰すためにトーナメントに負けた高校をどんどん傘下に収めていくのが、ブラッドセブンたちの計画だった。
激戦の翌日、一揮の顔は平塚十輪の小谷に殴られ過ぎたせいで腫れあがっていた。マタンゴにそっくり。剛力と銀閣は、このチャンスに柿沢を一揮から奪い取ろうと目論む。しかし柿沢は腫れあがった顔の一揮を抱き締め、傷は男の勲章だとささやく。
第11巻 変態野郎に鉄槌を~あなたの鱚をかぞえましょう
2回戦が始まる。辻堂高校の相手は白波高校と決まった。白波高校はカポエラの使い手たちがいる難敵だった。カポエラは、元々、黒人奴隷が、看守に悟られないようダンスのふりをして修練した強烈な格闘技で、奇妙な動きを伴う足技だ。
SHONANセブン2回戦が始まった。最初の戦いは平塚西対極東高校。最後まで残った者同士のタイマンで勝者は平塚西の君島。次の戦いは海南学園対湘風学園。勝者、海南学園。そして江ノ商対聖ローゼン学園は戦いで顔に傷がつくのを恐れた聖ローゼン学園の辞退により、江ノ商の不戦勝となる。こうして2回戦の勝者は次々決まっていった。いよいよ辻堂高校対白波高校の2回戦が始まった。いよいよ辻堂高校対白波高校の2回戦が始まった。対決場所は、白波高校のメンバーたちがたむろする廃墟のボーリング場。そこへ最近下着泥棒にあっていたマドカもやってくる。下着泥棒の犯人が白波高校の頭の白骨とわかったのだった。白骨は骨の髄からの変態野郎だった。マドカは兄の龍也に下着を取り戻して欲しいと頼む。まずは白骨を一気に粉砕しようと向かう龍也だが、白波の他のメンバーのカポエラの一撃を食らい、意識を失う。カポエラの妙な動きと隙の無さに、攻撃のタイミングが判らない辻堂高校の面々は、一方的に押されてしまう。
スピードと言い重さと言い、クルクル回りながら蹴りを入れて来る白波のメンバーたちのカポエラの技は凄まじい。とても懐に入れない。白は高さで凌駕し後ろから攻めていく方法で相手を撃破。ブリオは逆に低さと重量でぶちかます。龍也と白骨の大将戦となったが、龍也は肩から当たりに行って白骨のカポエラの回転蹴りを受け止める。カポエラの動きを止められた白骨に、最早勝機は無かった。辻堂高校は2勝目が確定し準決勝を突破、マドカの下着も無事に取り戻された。しかし敗者となった白波の白骨には早速、ブラッドセブンの魔の手が伸びていく。
SHONANセブンの2回戦が終了した。残った高校は、海南、平塚西、辻高に江ノ商の4校だけとなった。だが、準決勝の前に、別の場所で別の戦いが幕を上げようとしていた。ご当地アイドルであるSH14の公演に多くの男たちが群がっていた。彼らの一番人気はマドカだ。そんなマドカとのキスを熱望しマドカに面会した一輝は、鱚(キス)を大量に釣ったらキスさせてもらえるという約束を取り付けた。湘南の海の今の旬はキス、その釣ったキスでてんぷらを揚げてご馳走するつもりだった。
そこへ花束を抱えた平塚西の大将中西や海南の大将もやってくる。二人ともマドカのファンだったのだ。さらに江ノ商のトップの佐伯まで。とうとう4人はマドカのキスを賭けて釣りの勝負をすることに。一番大量にキスを釣った男がマドカとキスができると決めてしまった。4人は翌日早朝、防波堤の釣り場に集合。一輝は昔、片瀬の爆釣王と呼ばれたほどの腕前で、自信に満ちていた。釣果は一輝と佐伯が競る。他の二人は尻尾を巻いて退散した。キスを釣る数では決着がつかず、どちらがより大きな魚を釣るかで勝敗を決めることになる。カレイやシーバスやオバケあおりイカにウツボなど、続々と大物を釣り上げる二人。しかし最後に釣り上げたのは、決して見てはいけない大変なものだった。
12巻 腹いっぱい胸いっぱい~新生ブラッドセブン
白は地元・横須賀の商店街でハンバーガーショップのオープン記念企画を見つけた。モンスタータワーバーガーを20分間で完食できれば、タダになる。店に入ると柿沢がいた。しかも完食者として写真が掲載されている。柿沢の趣味は大食いチャレンジでスタミナ丼の王様盛りさえ30分で完食する。今日はネットで店を見つけてわざわざ横須賀にやって来た。白は、家庭に問題があり横須賀の児童養護施設に住んでいる、本当の出身地は川崎だと教える。柿沢は、上に3人兄がおり、いつもご飯の取り合いになるため、気付いたら大食いになっていた。食べても食べても太らないため、中学時代は辻堂のギャル曽根と呼ばれていたと。白と柿沢はこれから毎週、二人で神奈川中のデカ盛りを食べまくる、大食いチャレンジ行脚をすることに。翌日、ラーメン爆食亭の特製火山盛りラーメン3.5キロからチャレンジが始まった。翌週は一人前2キロのプライムステーキ、次にメガカレー、チャンピオンうな丼、スーパーナポリタン、ギガチャーハンと二人は時間制限以内に見事に完食し続けていく。いつしかデカ盛り荒らしカップルのハク&カッキーという通り名がついた。被害にご用心として、2人の手配書まで配られる始末。とうとう店がガラガラでも、予約で一杯だと入店拒否されるようになる。デカ盛り行脚の終わりを記念して、観覧車に乗る二人。柿沢に、なぜ施設に入っているのかを訊かれた白。父親が白や母親に暴力を振るい母親が失踪、その後、父親も死亡したためだと答える。柿沢に慰められた白は、柿沢に告白するが、一揮はまだ私のヒーローだからと断られる。
堂本進二の父親は風俗関係の会社の社長だった。その父親から多額の金を貰った堂本は湘南のテッペンを狙うためブラッドセブンのビクトリィと組む。そこへ刑務所から元ブラッドセブン総長でありビクトリィの兄・九頭龍 誠也が帰還。誠也はミッドナイトブラック仕様のZ1にまたがり湘南のテッペン取りを開始する。新生ブラッドセブンにはまだまだ人が足りない。誠也はまず、ブルーローズの湘南支部を潰し、傘下に入れると宣言。ルール無用で道具を使いボコボコにして潰し、どんどん傘下を雪だるま式に増やし、湘南のテッペンを取りキングとなるのが目標だった。
準決勝が始まる。辻高対平塚西、江ノ商対海南だ。平塚西の中西は顔面凶器と呼ばれ格好がレトロで未だにリーゼントにしていた。しかし中学時代の中西は桐龍院と互角に渡り合った数少ない男の一人だったのだ。
一揮の姉、黒神麗子が一揮が忘れた弁当を届けに来る。桐龍院が中西とタイマンを張ったのは、今のマドカのような学園のアイドル的存在だった麗子が原因だった。中学時代の麗子はロンスカのバリバリだった。
そんな麗子に桐龍院は恋をしたのだ。海辺の駐車場でZ1-Rを乗りこなす麗子を見かけ、乗ってみないかと声をかけられて急接近。いい単車乗りになると麗子に言われ、いい気になっていた桐龍院に中西が因縁をつけたのだ。
中西は当時から喧嘩が強いと地元でも有名な男だった。麗子が喧嘩で勝った方と付き合うと言ったため、恋の行方を賭けた喧嘩が始まった。タイマンで二人はボロボロになり、麗子が引き分けを宣言。二人と同時に付き合うことになった。
それから桐龍院と中西と麗子の奇妙なデートが始まる。そんな関係は麗子が中学を卒業するまで続いたのだ。
第13巻
新生ブラッドセブンが湘南を血に染めていた。ブルーローズの辻堂支部が襲われ壊滅させられたのだ。主要メンバーの金閣までも大けがを負っていた。その凶報はSHONANセブンの立案者の一人・少年課の警察官である内野の元にも届く。その頃、ブルーローズ本部では頭の樹が夜会を招集、かつてブルーローズに潰されたブラッドセブンが少年刑務所から出た頭の九頭 竜によって再生したことを告げていた。湘南は、SHONANセブンが守る取り決めなので、本来ブルーローズは手出しができない。しかし、仲間がやられて血気にはやるブルーローズは警察と全面戦争を辞さず新生ブラッドセブンを叩く覚悟だった。そこへ割って入ったのは少年課の内野だ。その顔を立てて一週間だけブルーローズは我慢することになる。これ以上犠牲者が出ないようにSHONANセブンの7人はパトロールをしようということになる。なんとしても大量の逮捕者を出した血の一週間の再来だけは防ぎたかったのだ。湘南のテッペンであるSHONANセブンの面々が集結していた。東郷は怪我をしていて参加できなかったが、代わりに一揮と上條も加わった。
SHONANセブンたちは、ブラッドセブンたちを探す。ブラッドセブンたちは、かつて湘南でめちゃくちゃに暴れていた7人を中心とした武闘派チームだ。頭は大磯國士の暴れ牛と言われた男・九頭 竜。ブラッドセブンは相手が二度と逆らえなくなるまで、徹底的にぶちのめす。そうやって次々と傘下を増やしていったのだった。当時のブルーローズの支部も次々に餌食になり、とうとうブルーローズ横須賀本部とブラッドセブンの全面戦争にまで発展。それが湘南の血の一週間だった。毎晩のようにブルーローズとブラッドセブンの2つのグループ同士の喧嘩で血まみれになった男たちが町中に転がっていた。逮捕者も重症者も大量に出たのだ。それを止めたのが一輝の兄であり初代SHONANセブン代表である黒神蓮とその蓮が選んだSHONANセブンに出場していた6人の各校代表たちだった。その7人がブルーローズに加勢したのだ。最後は、黒神 蓮と九頭 竜との一対一のタイマンとなり、どちらが湘南のテッペンか決めることとなった。蓮が勝ち、窃盗、暴行、傷害、恐喝で九頭 竜は逮捕され、ブラッドセブンのメンバーたちも少年刑務所に入ることになった。しかしその後、蓮は事故死。少年刑務所に入ったブラッドセブンのメンバーが仕掛けた事故らしいとの噂が流れた。
蓮が亡くなった事故を原チャリで蓮を追いかけていた妹の麗子が目撃していた。それによるとコーナーを曲がったところに連のバイクが倒れていて、その横に寄れを見下ろしている少年がいたという。麗子は救急車を呼ぶように少年に頼んだが、その少年はそのまま無言で立ち去った。その少年がつけていたのはドクロの面だったのだ。
第14巻
ドクロの面をつけていた少年は、ブラッドセブンの頭、九頭 竜の弟だったことが判る。道のど真ん中に金属バットを持って立ち、蓮を事故らせ、兄を少年刑務所に送った報復をしたのだ。SHONANセブンたちとブラッドセブンの頭、九頭 竜の弟が率いる謎の集団の間に戦闘が巻き起こる。ところがその集団には、白骨や成田、聖ローゼンの頭など、みんなSHONANセブンの大会に出場した強者たちが所属していた。彼らは、湘南で一番強いのは、SHONANセブンの覇者たちではなく、ブラッドセブンだと認めていたのだ。
その頃、辻高の生徒会室はブラッドセブンたちの襲撃により炎上していた。辻高と江ノ商のSHONANセブン決勝戦が間近になっていたが、最早、優勝争いをしている場合ではなかった。しかしブラッドセブンの傘下である江ノ商は、試合放棄をするならば優勝校の権利であるZ1と特攻服を渡せと迫る。
遂に決勝戦が始まった。辻高の一番の難敵は元相撲部で150キロを超えている真島ブラザーズだった。辻高の面々の強烈な攻撃にも2人はびくともしない。それでも連係プレーによってようやく、真島ブラザーズも撃沈寸前。そこへ突然、敵対者として現れたのは仲間のはずの東郷だった。
登場人物・キャラクター
黒神 一揮 (くろがみ いっき)
辻堂高校の生徒。バカでスケベ、かつ情に厚い一本筋の通った性格の持ち主。トーナメントバトルであるSHONANセブンに憧れており、常勝とうたわれる辻堂高校の代表の座を狙う。中学では総番を張っており、その影響で他の新入生から注目され、あるいは危険視されている。また、多くの不良から英雄視されている伝説の人物、黒神裕也を兄に持ち、自身も憧れていたが、仲間を救うためとはいえ家族を置いて世を去ってしまった彼のことを否定している。 最初のSHONANセブン一年代表に抜擢された。
上條 白 (かみじょう はく)
辻堂高校の生徒で、一揮のライバル的存在。白い悪魔の異名を持つ。現在は孤児院を住処としており、そこの子供たちからは優しい兄貴分として慕われている。日常的に家族に暴力を振るう父親のもとで育ち、その影響から、ケンカが強いという理由でいきがっている存在に憎悪を向ける。SHONANセブンへの参加も、力が何も生まないことを証明するために過ぎなかったが、次第に一揮や金閣らと友情を育んでいく。 後にSHONANセブン最後の一年代表となった。
柿沢 優香 (かきざわ ゆうか)
辻堂高校の生徒で、黒神 一揮の幼馴染。彼の姉である黒神麗子に依頼され、行動を逐一監視している。自分が貧乳であることにコンプレックスを抱いており、そのことを指摘されると手痛い制裁を与える。家が空手道場のため、子供のころから空手を学んでおり、コンクリートの壁を素手で叩き割る怪力を発揮しては、たびたび一揮や剛力 はじめを恐れさせている。空手の技を繰り出す時、下着が見えてしまうのを意に介さないが、実は小さい頃から一揮に想いを寄せている。たびたび、好きなことをアピールするが、鈍感な一揮は気づかない。そのストレスを解消するため、大食いチャレンジをしている。究極のスタミナ王国では、王様盛りを30分以内で完食した。同じくチャレンジした上條 白は半分食べきれなかった。けなげに一揮を想う姿に白が惚れてしまうが、ひたすら一揮のことだけを想い続けている。羅門 金閣も羅門 銀閣も優香に片思いで一揮を出し抜こうと画策している。
剛力 はじめ (ごうりき はじめ)
辻堂高校の生徒。一揮とは中学時代からの腐れ縁の間柄で、彼を「ちりがみ」と呼んでいる。逆に一揮からはその強面から「ゴリ」と呼ばれており、コンプレックスとなっている。SHONANセブン選抜の一回戦で金閣と対戦するが、このコンプレックスを挑発されたことによって動きが鈍った隙を突かれ、敗北した。 後に銀閣とともに優香の勇姿に惚れて、モーションをかけたが、全く相手にされなかった。
桐生院 マドカ (きりゅういん まどか)
辻堂高校の生徒。最強の男と名高い桐生院龍也の妹。アイドルグループSF14のメンバーで、不良とは違う意味で憧れの的となっている。兄がかつて黒神裕也と懇意であったため、裕也の弟である一揮に興味を抱いている。アイドルらしく明るく人懐っこい性格で、SHONANセブンの応援にも積極的。 しかし時折、人が変わったように冷徹な面も見せる。
堂本 進二 (どうもと しんじ)
辻堂高校の生徒で、勝ち残るためなら手段を選ばない卑劣漢。手始めとして一揮と羅門兄弟を潰し合わせようとするが、上條の介入により失敗。これを恨み、対戦相手となった上條の住む孤児院の子供を人質に取り、手負いにしてSHONANセブンから手を引くように脅迫するが、今度は一揮によって目論見を潰され、やむなく上條と直接対決。 防具を着込むなど、最後まで姑息な手段を使い続けるが、無防備だった頭を狙われ、倒された。後にその卑劣なやり口を咎められ、学校を追い出された。
羅門 金閣 (らもん きんかく)
辻堂高校の生徒で、スパイクブラザーの異名で恐れられている羅門兄弟の兄。普段のケンカでは釘バットを武器としている。上條に対する人質とされた少女を助けるため、一揮と共闘した。その後、改めてゴリと対戦。コンプレックスとなっている容姿をネタに挑発し、頭に血が上ったことで生じた隙を看破。 顎に手痛い一撃を与え、勝利。その後も順当に勝ち進んでいく。中学時代の親友との確執も乗り越え、二人目となるSHONANセブン一年代表の座を勝ち取った。
羅門 銀閣 (らもん ぎんかく)
辻堂高校の生徒で、スパイクブラザーの異名で恐れられている羅門兄弟の弟。兄と異なり武器は使わないが、レスラーと見まごうほどの大柄な身体と、繰り出される圧倒的な力で、兄ともども恐れられている。兄と共に上條の窮地を救ったのち、一揮と対戦。圧倒的な体格差で戦いを優位に運ぶが、いちかばちかによる渾身のムーンサルトを脳天に食らい、敗北。 後にゴリとつるむようになり、コメディリリーフ的な役割を担うようになった。
場所
辻堂高校 (つじどうこうこう)
トーナメントバトルであるSHONANセブンの常勝校で、それに憧れて入学を希望する生徒が毎年多数現れる。そのため選抜に勝ち残るのが非常に困難で、代表に選ばれるだけで男子生徒の憧れの的になる。特に一揮の兄である裕也のカリスマ性は群を抜いており、伝説ともてはやされるほどである。
SHONANセブン (しょうなんせぶん)
ケンカの絶えない湘南の現状を見かねた、先代の不良たちが作り上げた武闘行事。ファイトスタイルは徒手空拳限定で、あらかじめ武器を用意することは禁じられている。予選として学年ごとによる学内選抜が行われ、勝ち残った生徒が代表として本戦へと出陣。トーナメント形式で学校ごとの対抗試合を行い、優勝した学校が湘南最強校として君臨する。 また、優勝校の代表には専用の白ランとバイクが贈呈される。そのため、腕に覚えのある少年たちの憧れの的となっている。