史上最強の弟子ケンイチ

作者の初連載作品、『戦え!梁山泊 史上最強の弟子』の次回作で、そのリメイク的作品。細部の設定は異なるが、前作をベースとして規模を拡張させた世界観になっている。武術の達人の「弟子」となった主人公の格闘だけでなく、その「師匠」たちのハイレベルなバトルを両立させている点が特徴で、実在の武術の流派を多く登場させつつ、荒唐無稽さの異なる格闘技を描き分けている。本編の他に、『史上最強のガイデン!』および『史上最強の弟子ケンイチ プラス』に外伝を6編収録。

正式名称
史上最強の弟子ケンイチ
作者
ジャンル
バトル
 
格闘技・武道
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
全61巻
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あらすじ

空手部編(第1巻)

荒涼高校に進学したいじめられっ子の少年・白浜兼一は、自分を変えようと空手部に入部した。入部から一か月が経った頃、転入生の少女・風林寺美羽から武術の初歩を教え込まれた兼一は、空手部の不良生徒と互いの退部を賭けた決闘で勝利を収める。しかしその勝負で空手では反則となる投げ技を使ってしまったことで、兼一は自らの負けを認め、空手部を退部する。 

梁山泊入門編(第1巻~第2巻)

強くなりたいと願う白浜兼一は、風林寺美羽に紹介された梁山泊に入門する。そこで、岬越寺秋雨からは柔術、逆鬼至緒からは空手、馬剣星からは中国拳法、アパチャイ・ホパチャイからはムエタイを習い始める。そんな中、兼一は不良グループ・ラグナレクの下っ端である不良生徒とタイマンのケンカをし、多彩な技を駆使して勝利を収める。しかし兼一は、このケンカによりラグナレクと長きにわたる戦いを強いられる。

技の三人衆編(第2巻~第4巻)

ラグナレクには、「技の三人衆」と呼ばれる使い手たちがいた。そのうちの二人、ボクサーの武田一基と柔道家の宇喜田孝造は、白浜兼一のクラスメイトを人質に取り、兼一に荒涼高校の屋上で勝負を挑む。兼一はまず、ムエタイの飛び膝蹴りで孝造を倒すことに成功し、続けざまに一基に勝負を挑まれる。そのルールは、一基はボクシングのルールのみで戦うが、兼一はなにをしても自由というものであった。ケガで左手が不自由な一基は、右手一本で兼一と対等に渡り合うが、兼一は辛くもその死闘を制する。その後、ラグナレクの隊長を務める辻新之助と戦った兼一は、武術を習い始めてから初めての敗北を喫してしまう。だがそこに、岬越寺秋雨の治療を受けて左手が使えるようになった一基が現れ、兼一を救出する。

新白連合結成編(第5巻~第6巻)

内弟子として梁山泊に住み込むことになった白浜兼一は、基礎修行に続いて技の修行に入ることになった。武田一基はラグナレクから離反したことで、幹部の一人・南條キサラが率いる集団からリンチを受けそうになっていたが、同じく離反を表明した宇喜田孝造が一基を助け、兼一もその場に駆けつける。さらに、兼一の友人・新島春男も部下を従えて、新白連合の旗を掲げて救援に現れる。不利な状況に追い込まれたラグナレクの面々は、その場から撤退を余儀なくされる。

ハーミット編(第7巻~第10巻)

次に兼一に目をつけたのはラグナレクの第六拳豪ハーミットで、実は白浜兼一と同じ学校の「谷本夏」という生徒であった。二人は走るバスの上で決闘となるが、結局勝負はつかずに終わってしまう。その後、新白連合とラグナレクの抗争の中で、兼一は第五拳豪ジークフリートと拳を交えることとなる。兼一は防御とカウンターに特化した戦い方のジークフリートに追い詰められるが、新たに開花させた技・無拍子を用いてジークフリートを撃破する。その後、兼一はハーミットと再戦の機会を得る。しかしその決闘に、ロキが卑劣な手段を使って横やりを入れる。怒ったハーミットはラグナレクからの脱退を宣言し、そのうえでなおライバルと認めた兼一に対し、死力を尽くした戦いを挑む。 

トール編(第11巻~第12巻)

新白連合は今回は自分たちからラグナレクを襲撃することにし、第七拳豪トールが主催しているケンカ賭博のサークルの場に赴く。そこで白浜兼一は、敗北したらトールと共に実戦相撲を学ぶという条件で、タイマン勝負を挑む。激戦の末、兼一に投げられ土俵を割ってしまったことで自ら負けを認めたトールは、ラグナレクからの脱退を決意する。

ラグナレク決戦編(第13巻~第16巻)

オーディーンが白浜兼一と旧交を温めるといってやって来たが、兼一はオーディーンのことをまったく覚えていなかった。しかしお菓子の食べ方を見て、彼が幼なじみの「朝宮龍斗」であることにようやく気づく。そんな中、考え方の違いからいざこざが起こるが、オーディーンの「制空圏」の前に兼一はまったく手も足も出ずに敗れる。負けた兼一に対し、梁山泊の長老である風林寺隼人が、直々に修行をつけると申し出る。こうして二人は山籠もりに向かうが、修行のあまりの過酷さに兼一は隼人のもとから逃げ出してしまう。そして逃げ出す途中で遭難しかけた兼一であったが、緒方一神斎と名乗る謎の人物に助けられ、新たに修行をつけてもらうことになる。そこで兼一は、静の者として一段階の覚醒を得る。街へと帰還した兼一を待っていたのは、ラグナレクと新白連合の最後の決戦であった。敵味方入り混じる乱戦の末に、最後は第二拳豪バーサーカーとハーミット、第一拳豪・オーディーンと兼一がそれぞれタイマンで勝負を決することになる。ハーミットは苦戦しながらもバーサーカーを倒し、兼一もまた、「静動轟一」と呼ばれる危険な技を用いるオーディーンを、激闘の末に下す。結果ラグナレクは、リーダーの敗北により消滅することになる。

李雷薙編(第17巻~第19巻)

ラグナレクの解散後、新白連合の前に新たなる敵としてYOMIが現れる。YOMIはラグナレクと同じただの不良集団だと思われていたが、それは下っ端だけで、その実態は「闇」と呼ばれる秘密結社のために、武術家を養成する機関であった。一番手として新白連合の前に現れた李雷薙は、地躺拳と呼ばれる中国拳法の使い手であった。白浜兼一は相手が女性であるために攻撃することができなかったが、兼一に関節を極められた雷薙は潔く負けを認める。直後、李雷薙の師である闇の達人が新白連合本部に姿を現すが、同じくその場に現れた馬剣星のとりなしにより、その場を退く。

ボリス・イワノフ編(第20巻)

YOMIの一員で、一影九拳の直弟子の一人でもあるボリス・イワノフが、独断で梁山泊に道場破りにやって来た。梁山泊の達人がボリスを倒してしまうと、闇に対する宣戦布告となってしまうため、梁山泊の面々は対応に窮する。だが、そこに学校から白浜兼一が帰って来る。やむなくボリスの相手をすることになった兼一は、彼と互角の勝負を繰り広げる。 

ジェイハン編(第21巻)

白浜兼一たちは林間学校でスキーに行くことになった。しかし兼一はスキー場で遭難してしまい、迷い込んだホテルでYOMIの一員である、ラデン・ティダード・ジェイハンに戦いを挑まれる。新白連合の救援もあって戦いは兼一が有利に進めるが、ジェイハンのふがいない姿に、彼の師であるシルクァッド・ジュナザードは、ジェイハンを見限ってその命を絶とうとする。 

DオブD開幕編(第22巻~第23巻)

闇から梁山泊のもとへ、DオブDと呼ばれる20歳未満限定の格闘大会の招待状が届く。梁山泊の面々はこれが罠であると知りつつ、白浜兼一を連れて会場となるデスパー島へと向かう。それを聞きつけた新島春男も、新白連合の名を高からしめるべく、メンバーを率いてデスパー島へ向かった。新白連合はDオブDに招待されてはいなかったが、司会進行を務めるディエゴ・カーロはこれを面白がり、エンターテイメントであると称してその飛び入り参加を認める。DオブDの試合は団体戦方式で、緒戦はブラックフォースと呼ばれる軍人チームと対戦した新白連合は武田一基、トール、フレイヤらの活躍で勝利を収めた。  

我流X編(第24巻~第26巻)

DオブDの参加者の中に、「我流X」と名乗る者がいた。その正体は風林寺隼人で、その目的は大会の中に紛れ込んだ達人級を排除することと、実戦を通じて白浜兼一に修行をつけることであった。大会は順調に進み、ついに我流Xは、兼一と風林寺美羽のコンビとの対戦に臨む。この戦いで隼人は、一度に二人に稽古をつけつつ、兼一に静の者の奥義の一つ「流水制空圏」を伝授するのだった。 

叶翔編(第26巻~第29巻)

軍の介入によってデスパー島が炎上する中、YOMIのリーダーを務める叶翔と白浜兼一による決勝戦が行われることになった。そんな中、島の所有者であり、DオブDの主催者であるフォルトナが暴れ出し、大会は収拾のつかない状態になるが、それでも翔と兼一の戦いは続いていた。フォルトナが、新白連合の面々との戦いで敗れる中、兼一は風林寺隼人との戦いにおいて習得した流水制空圏で翔を追い詰め、最後は無拍子によって勝利を収める。その後、翔は銃撃戦に巻き込まれて深手を負い、自身が愛する風林寺美羽の未来を兼一に託して死亡する。こうして、DオブDは兼一の優勝によって幕を閉じるのだった。 

転入生編(第29巻~第30巻)

叶翔を失った一影九拳は、鍛冶摩里己をYOMIの新たなリーダーに任命し、数名のYOMIのメンバーに荒涼高校へ潜入することを命じる。こうして、白浜兼一は2年生に進級し、ボリス・イワノフ、ティーラウィット・コーキン、イーサン・スタンレイ、レイチェル・スタンレイらが転入生としてやって来た。その目的は殺人拳の啓蒙ということだったが、里己はただ学園生活を楽しむようにとだけみんなに告げる。そんな中、一影九拳の一人でボリスの師匠でもあるアレクサンドル・ガイダルが、日本のとある政治家を暗殺する目的で来日。警察の依頼を受けた梁山泊は、迎撃のために岬越寺秋雨逆鬼至緒の派遣を決定し、兼一もそれに同行することとなった。そして護衛中、襲撃して来たアレクサンドルに対し、秋雨は互角の戦いを展開する。

恐怖の克服編(第31巻~第32巻)

校内でティーラウィット・コーキンとの戦いに臨んだ白浜兼一は、敗北したうえに心臓が止まってしまう。心肺蘇生に成功して一命はかろうじて取り留めた兼一だったが、完膚なきまでの敗北に心を壊され、戦いに恐怖を感じるようになってしまう。その恐怖心を克服するために師として選ばれたのは、武器術の使い手である香坂しぐれだった。しぐれと共に闇の武器組との戦いに臨んだ兼一は、武器を持った敵との命がけの戦いの中で恐怖心を克服することに成功する。一方しぐれは、闇の武器組の達人の一人である紀伊陽炎を倒し、父親の形見である刀を手に入れる。 

臨海学校編(第32巻~第33巻)

荒涼高校に潜入しているボリス・イワノフのもとに、その師であるアレクサンドル・ガイダルから、白浜兼一とその関係者を始末するように命令が下る。折しも荒涼高校は臨海学校の最中であったが、兼一、風林寺美羽新白連合の面々をアレクサンドルの部下の軍隊が襲う。ボリスは荒涼高校で築いて来た友情や信頼関係と、アレクサンドルの命令とのあいだで苦悩するが、結局、自らの手で荒涼高校の教師をアレクサンドルの部下の手から守り、そのうえで兼一に対して決着を申し出る。また同じ頃、岬越寺秋雨との再戦に敗北したアレクサンドルは、ボリスに対して師弟関係の解消を告げる。  

櫛灘千影編(第33巻~第35巻)

新島春男の部下であるロキから、荒涼高校に潜入したYOMIは五人いるという情報がもたらされる。しかし転校生は四人しかおらず、ほかに該当しそうな者も見受けられなかったために一同は困惑する。実は五人目のYOMIは、飛び級で新入生としてやって来た少女・櫛灘千影であった。彼女が武人としての気配をまとっていることから白浜兼一はすぐに気づくが、兼一は武術でぶつかり合うのではなく、友人として付き合うことで和解する道を模索し始める。

名もなき豪華客船編(第35巻~第36巻)

ディエゴ・カーロから梁山泊に招待状が届く。その内容は、それぞれの弟子と師匠でタッグマッチで戦うというものだった。その招待状には白浜兼一を連れて来いとは書いていなかったため、馬剣星はもう一人の弟子である自分の娘を連れて、会場となる「名もなき豪華客船」に乗り込む。最終的にこの船は爆破される計画であったが、兼一と風林寺美羽、そしてフリーの傭兵である李雷薙らの活躍によって、爆破は阻止される。そしてディエゴは剣星に敗れ、捕えられるのだった。

イーサン・スタンレイ編(第36巻~第38巻)

師であるディエゴ・カーロが敗北し捕えられたため、その弟子であるレイチェル・スタンレイはYOMIの中にあって軟禁状態に置かれていた。そのため、レイチェルの弟であるイーサン・スタンレイにも命令が下り、白浜兼一との決戦に臨む。しかし勝負は、新技「孤塁抜き」によって兼一が勝利を収める。また同時に、梁山泊の師匠たちは独自に闇の拠点を襲撃していたが、イーサンの師であるセロ・ラフマンとシルクァッド・ジュナザードという二人の一影九拳を前に、戦いは引き分けに終わる。一方、その頃馬槍月は一影九拳に復帰し、弟子のハーミットをYOMIに加入させた。 

武器組編(第38巻~第41巻)

闇の武器組と梁山泊が、赤羽刀と呼ばれる名刀の奪い合いで激突することになった。紀伊陽炎と再会した白浜兼一は、陽炎が以前奪われた刀を返してくれと、土下座を始めたことで困惑する。そんな陽炎に対して香坂しぐれは、もう人を斬らないと誓うことを条件に、業物を一つ贈ると約束する。陽炎はこれを境に闇の武器組を裏切り、しぐれの協力者となる。その後、陽炎と梁山泊によって闇の武器組は撃退される。しかし、闇の武器組との戦いはこれでは終わらず、兼一はその中で友人をかばい、武器組の達人級とタイマンで勝負することになってしまう。兼一はこの戦いをからくも切り抜けるが、この一件はあとで風林寺隼人直々による厳しい叱責を受けることになる。だが、兼一には伝えられなかったが、梁山泊の師匠たちは死地に身を投じた兼一の成長を喜んでいた。

沖縄編(第41巻~第43巻)

新白連合のもとに、闇の拠点の一つが沖縄にあり、そこに一影九拳の一人であるアーガード・ジャム・サイがいるという情報がもたらされた。時を同じくして、梁山泊の面々も白浜兼一を連れて沖縄に向かうことになる。梁山泊の得た情報では、闇の拠点は沖縄の米軍基地の中にあるらしい。攻めるには非常に厳しい場所ながら、結局風林寺隼人は仮面をかぶって我流Xを名乗り、真正面から基地に攻め込む。基地にはアーガードとティーラウィット・コーキンのほかにも闇の武器組が大勢待機しており、死闘が繰り広げられる。そしてアーガードの相手はアパチャイ・ホパチャイ、ティーラウィットとの再戦に臨むのは兼一であった。アーガードは激戦の末、拳でアパチャイの胴体を貫き、勝利を収めたかに見えたが、アパチャイもまた不殺の拳でアーガードの戦闘能力を完膚なきまでに奪っており、アーガードは自ら引き分けを宣言する。一方、兼一はアパチャイから習った技を用いてティーラウィットに勝利を収める。また死んだかに思われたアパチャイも、岬越寺秋雨の荒療治によって一命を取り留めるのであった。  

小頃音リミ編(第44巻~第45巻)

しばらく寝込んでいた白浜兼一が目を覚ますと、そこは梁山泊だった。しかし、梁山泊は警察によって非常線が敷かれ、師匠たちは警察と戦うわけにもいかずに散り散りになっていた。一方、新島春男が密かに入手していた闇に関する重要データを奪い返すために、国家権力の中にも巣食っている闇の勢力が暗躍していた。データを収めたディスクを新白連合の面々が守ることになったが、それを奪うために現れたのは闇の武器組の下っ端たちと、緒方一神斎の弟子の一人・小頃音リミであった。リミの襲撃によりデータのディスクは失われたかに見えたが、それは春男の偽装によるダミーだった。しかし、これが本物として春男が渡したUSBメモリを、味方であるはずの政治家が破壊。彼もまた闇の達人の一人だったのである。こうして新白連合と闇の達人とのあいだに戦いが起こりそうになるが、そこに逆鬼至緒が割って入り、闇の達人をあっけなく倒す。そして春男は倒れた闇の達人に対し、先ほどのUSBメモリもまたダミーであり、本当のデータはネット上に分散アップロードしていると告げるのだった。  

人越拳神編(第45巻~第47巻)

白浜兼一の前に、一影九拳の一人・本郷晶が突如として現れる。そして、自分の弟子だった叶翔が死亡した真相を兼一から聞いた晶は、逆鬼至緒に対する挑戦状を兼一に託す。こうして対決することになった至緒と晶は、お互いが意識を失いながらもなお戦い続けるという凄まじい気迫を見せた。しかし、両者の戦いが引き分けで終わったその時、戦いを観戦していた風林寺美羽は、突如として現れたシルクァッド・ジュナザードに拉致されてしまう。  

ティダード王国編(第48巻~第51巻)

シルクァッド・ジュナザードが風林寺美羽を拉致した目的は、特殊な薬物を用いて美羽を洗脳し、自らの弟子として育成するためであった。美羽を救出するため、白浜兼一たちはジュナザードの故郷ティダード王国へと向かう。洗脳された美羽は、兼一を見るや否や襲いかかって来るが、兼一はかろうじて美羽の洗脳を解くことに成功する。そして、梁山泊ではなく同じ一影九拳の一人である本郷晶が、ジュナザードとの最後の戦いに臨む。同じ殺人拳の使い手ながらも大きく考え方が違う二人は、激しい戦いを繰り広げる。ジュナザードの実力は自分よりも上であるとはっきり認めた晶だったが、そのうえで勝利を収めることに成功し、ジュナザードを殺害。そしてティダード王国に生きていたラデン・ティダード・ジェイハンが帰還して、平和は取り戻される。

拳聖編(第51巻~第55巻)

梁山泊に戻った白浜兼一のもとに、現在はYOMIに所属しているオーディーンから電話がかかって来た。二人は待ち合わせの約束をして夜の水族館で再会するが、そこに風林寺美羽と小頃音リミが現れて戦いを始めたため、兼一とオーディーンは話し合いの機会を逃してしまう。その頃、また一つ闇のアジトが発見され、梁山泊は全員で出陣。そこは、緒方一神斎が居城としている場所であった。同時に一神斎の弟子が、新白連合の前にさらに二人現れる。一人はかつてラグナレクにいたバーサーカー、もう一人はルグと名乗る盲目のサブミッション使いだった。武田一基とルグの戦いに割って入ったのは兼一であった。その後、場所を改めて一神斎の弟子たちと新白連合は、夜の遊園地で戦いを繰り広げることになる。そこに現れた一神斎はリミに静動轟一を覚醒させ、リミッターの外れたリミは強烈にパワーアップを遂げるものの、まもなく血を吐いて倒れる。それを見て怒った兼一は一神斎に殴り掛かかるが、一蹴されてしまう。ところがそこで、オーディーンが一神斎に向かって攻撃を仕掛ける。その戦いも邪魔が入って痛み分けに終わるが、これを機にオーディーンとリミはYOMIを脱退することを決意するのだった。  

久遠の落日編(第55巻~第61巻)

一影と櫛灘美雲、そして武器組のトップである八煌断罪刃らに率いられた闇は、「久遠の落日」と呼ばれる最後の計画に向けて動き出す。それは国際情勢を動かし、この世界に大戦争を引き起こすというものだった。その最大の障害となるのは梁山泊と、それを率いる風林寺隼人であった。そんな中、孤島におびき寄せられた隼人は、自身と互角の存在である八煌断罪刃の頭領・世戯煌臥之助によって足止めされてしまう。 

登場人物・キャラクター

白浜 兼一

10月12日生まれの日本人の少年。柔術・空手・中国拳法・ムエタイなどの武術の達人たちを師匠とする、「史上最強の弟子」である。物語開始時には荒涼高校に入学して1ヶ月後になる高校一年生で、中学時代からのいじめられっ子だった。しかし転校生である風林寺美羽の勇気と強さに憧れ、達人級の武術家たちが集う道場、梁山泊への入門を決意。 誰もが見て見ぬ振りをするような悪党どもをやっつけるヒーローになること、そして「いつか、美羽さんを守ってあげられるくらいに」強くなることを目指して武術修行に励むこととなる。梁山泊の師匠たちは口を揃えて「武術の才能はない」と断言するが、武術の達人ならば必ず持つという「信念」があると評されている。 趣味は読書と園芸で、学校では空手部への入部後、園芸部に転部した。性格は温和だが、案外しっかり者である。将来の夢は直木賞作家になること。白浜ほのかという妹がいる。

風林寺 美羽

白浜兼一のクラスに松竹林高校(しょうちくりんこうこう)から転校してきた美少女。1月14日生まれの15歳。背後に立った人間を条件反射で投げ飛ばすクセがあり、兼一と初対面の際も、後ろから走り抜けようとした彼を転ばせている。そのクセを当然のように言う美羽を「殺し屋気取りの女子高生」と兼一は内心評していた。 梁山泊の長老、風林寺隼人の孫娘で、祖父譲りの武術を修得している。梁山泊の家事全般は炊事から家計管理までを担い、本人の趣味も洗濯と掃除。将来の夢は素敵なお嫁さんになること。とても優しい性格だが、キレると怖い。前の学校では目立ちすぎたことに悩み、わざと度の入ってない地味な眼鏡を掛けているが、入部した新体操部では、その神々しいまでの美しさと技の切れ味から、「美羽様」と呼ばれて早くも注目を集めていた。 南條キサラから「牛乳娘」と呼ばれるほど、高1の少女としては非常に胸が大きく、スタイルは抜群。左目の下に泣きボクロがある。あんみつが好物で、大の猫好き。

風林寺 隼人

風林寺美羽の母方の祖父。武術の達人たちが集う梁山泊の長老にして、「無敵超人」の異名を持つ老爺。白髪の老人ながら身長は2m以上、体重は100kg超と屈強な体格をしている。豪放磊落な性格で、他の達人級の武術家たちからも一線を画した、まさしく人間離れをした強さを誇る。梁山泊の弟子一号である白浜兼一を、自分の若い頃にどこか似ていると言い、よい武術家になれると見込んでいる。 趣味は散歩、世直し、道場破り、鳥獣戯画の臨写収集。好物は甘物。梁山泊の敵となる「妖拳の女宿」こと櫛灘美雲(くしなだみくも)とは因縁が深く、かつて2人で第二次世界大戦に関与した過去がある。

岬越寺 秋雨

11月5日生まれ、38歳の日本人男性。白浜兼一が弟子入りした梁山泊の師匠の1人。「哲学する柔術家」の異名を持つ柔術の達人で、武力だけでなく知識や芸術にも秀で、医師資格も所持する完璧超人。梁山泊の裏で接骨院を開いており、馬剣星の鍼灸院と収益を競っている。 独自のトレーニング理論を持っており、弟子を取った経験のない者が多い梁山泊メンバーの中では、修業のおおまかな方針をまとめる役になっている。子どもの頃はいじめられっ子だったという兼一との共通点を持つ。兼一に武術の才能はないと断言するが、「努力する才能」があると認める。趣味は俳句に囲碁、将棋。 瞳の見えない目に、ジグザグの眉毛、口髭が特徴。

逆鬼 至緒

5月7日生まれ、29歳の日本人男性。白浜兼一が弟子入りした梁山泊の師匠の1人で、「ケンカ百段」の異名を持つ空手の達人。危険人物として日本の空手界から追放された経歴を持ち、現在は用心棒や、警察から依頼される裏の仕事などをしている。「弟子は取らない主義」と言いながらも、岬越寺秋雨や馬剣星による過酷な修行についていく兼一の姿を見ることで、少しずつ空手の技を教えていった。 元々面倒見のよい性格の人物である。趣味は酒とギャンブル。顔に横一文字の傷を持つのが特徴。

馬 剣星

3月21日生まれ、41歳の中国人男性。白浜兼一が弟子入りした梁山泊の師匠の1人で、「あらゆる中国拳法の達人」の異名を持つ中国拳法の達人。梁山泊の裏で鍼灸院を開いており、岬越寺秋雨の接骨院と収益を競っている。自分を「おいちゃん」、兼一を「ケンちゃん」と呼び、師弟というより友達感覚で付き合っている所がある。 女性の裸や下着姿には目がないエロ親父であり、普段はそんな素振りも見せないが、実は故郷の中国で10万人の門下生を統べる鳳凰武侠連盟の最高責任者。その全権を妻に譲って日本に移住してきており、連れ戻そうとする娘の馬連華(ばれんか)に追い回されている。 また、馬槍月(ばそうげつ)という、同じく中国拳法の達人である兄がいる。身長158cm、体重53kgという設定だが、同程度の身長である風林寺美羽や香坂しぐれよりも、かなり小柄に作画されている。

アパチャイ・ホパチャイ

28歳のタイ人男性。白浜兼一が弟子入りした梁山泊の師匠の1人で、「裏ムエタイ界の死神」の異名を持つムエタイの達人。弟子を取るのは兼一が初めてとなる。タイの貧しい村で孤児として生まれ、物心つく前から死ぬか殺すかの裏ムエタイ界で育つが、風林寺隼人と出会って梁山泊に加わった経歴を持つ。 純粋で優しい心根を持った青年で、動物や子どもを愛し、近所の子どもたちからも慕われている。片言の日本語に「アパ」が口癖。日本の常識や言葉遣いには疎く、電話を受け取った時に「はい、オマエのコドモはアズカッタよ」と言うなど、独特な日本語の勘違いをしていることが多い。好物はハンバーグ、カレー、スパゲッティ。 なお、職は持っておらず、風林寺美羽に管理されたお小遣い制でお金を得ている。

香坂 しぐれ

年齢不明の若い日本人女性。白浜兼一が弟子入りした梁山泊の師匠の1人。「武器と兵器の申し子」の異名を持つ武器術の達人で、己の身体と刀をひとつにする武器術の究極の境地、「心刃合錬斬」などを極める。日本刀の他に鎖鎌、手裏剣などあらゆる武器の扱いに精通し、ただのスプーンですらしぐれが持てば凶器と化す。 弟子を取るのは兼一が初めて。ただし素手の武術を学ぶ兼一にとってしぐれの指導は補助的なものに留まるため、ハードな修行から逃げ出そうとする彼を監視し、鎖鎌などで捕縛して連れ戻す役回りが多い。高い所が落ち着くらしく、普段から天井裏や天井の梁の上などで生活している。 闘忠丸という、高い知能と身体能力を持ったオスの鼠が友達。風林寺美羽と並んで胸が大きく、スタイル抜群の美女。いつも無口で無表情だが、弟子の兼一や仲間を大切に思う一面を持つ。一人称は「ボク」。

新島 春男

荒涼高校の男子生徒。白浜兼一と同学年で、同じ中学校の出身。兼一を「ふぬけの兼一」こと「フヌケン」と呼んでバカにしていたが、空手部でのとある一件から「親友」「兄弟」と称するようになった。さらに自分を総督とした新白連合を(「新島」と「白浜」の頭文字を組み合わせて)勝手に結成し、兼一を「白浜切り込み隊長」と呼んで三将軍が1人とする。 学校の成績はよくないが知能は高く、策士としての才は抜群で、権謀術数と情報収集に長ける。谷本コンツェルンの探偵の管理も任されるようになり、その財力や人を使って様々な情報を集めている。「新島イヤー」「新島アイ」など人並み外れた特殊能力を持ち、危機を察知する感覚や逃げ足の速さだけは達人並。 尖った耳が特徴で、その異様な風貌から「宇宙人」「悪魔」と呼ばれることもある。しかし常に周囲に気を配り、情に篤い心も持った男である。

ジークフリート

身長177cm、体重69kg、4月2日生まれで16歳の少年。通称「ジーク」、本名は九弦院響。趣味は作曲で、チャイコフスキーの大序曲「1812年」を好む。メロディーは戦いの中から生まれるという信念を持ち、作曲のためなら命も惜しまないほど。「コン・トーウッタ・ラ・フォルツァ(全力を込めて)」「グランディオ-ソ(壮大な)」などの楽想記号を口ずさみながら戦闘に臨み、回転で攻撃をいなしつつ変則的なカウンターを返す独特な格闘スタイルを持つ。 新島春男に心酔し、遊撃隊長として新白連合に加入する。以来、彼に対して異常なまでの忠義を尽くし、彼の通う荒涼高校にも頻繁に出入りしているが、本来は音楽学校の生徒である。 バイオリンやピアノなど、ほとんどの楽器を使いこなすだけでなく、「オペラ座の怪人」の台本を諳んじているなどオペラの造詣も深い。裕福な家庭の生まれで、実家は豪邸。

集団・組織

新白連合

『史上最強の弟子ケンイチ』に登場する組織。新島春男と白浜兼一の姓から一字ずつを取って命名され、新島を総督、兼一をNo.2とする集団。天下を取るという新島の野望の足掛かりとするため、多方面に活動を広げながら構成員を増やし続けている。資産家の娘である南條キサラに提供された廃ビルが連合本部。なお、作中に登場する「新白連合ホームページ」は、現実のインターネット上にも開設されており、実際に閲覧することができる。

YOMI

『史上最強の弟子ケンイチ』に登場する組織。「殺人こそ真髄」とする武闘派秘密結社・「闇」による弟子育成機関。「闇」には無手組と武器組の二大派閥があるため、YOMIも無手組と武器組で分かれている。それぞれ無手組のトップである一影九拳の直弟子たちと、武器組のトップである八煌断罪刃の直弟子たちが幹部の地位についており、特に無手組のYOMI幹部らが、白浜兼一やその仲間たちと対戦することになる。 なお、表社会では単なる武闘派不良チームとしてYOMIの名が知られるに留まっている。

一影九拳

『史上最強の弟子ケンイチ』に登場する組織。人を活かす武術である「活人拳」を旨とする梁山泊に対し、「殺人こそ真髄」とする武闘派秘密結社が「闇」であり、その中で殺人拳を追求する派閥が無手組と呼ばれ、無手組で最強とされる達人10名を一影九拳と総称する。「一影」こと風林寺砕牙を筆頭とし、「妖拳の女宿」こと櫛灘美雲、「拳魔邪神」ことシルクァッド・ジュナザード、「拳を秘めたブラフマン」ことセロ・ラフマン、「殲滅の拳士」ことアレクサンドル・ガイダル、「笑う鋼拳」ことディエゴ・カーロ、「人越拳神」こと本郷晶、「拳豪鬼神」こと馬槍月、「拳帝肘皇」ことアーガード・ジャム・サイ、「拳聖」こと緒方一神斎が名を連ね、梁山泊の師匠たちとの因縁を持つ者も少なくない。 各人が己の流派の弟子を育てており、その弟子たちもまた、白浜兼一やその仲間との因縁を結ぶこととなる。 なお、「闇」の二大派閥として並ぶ「武器組」には、八煌断罪刃なる一影九拳に相当した達人グループが存在する。

その他キーワード

達人級

『史上最強の弟子ケンイチ』の用語。武術家の世界における、最上級の位階を表す言葉。その道を極めた者が辿り着く境地であり、その下のクラスである「妙手」の戦闘能力を遥かに超越し、さらに下の「弟子級(ディサイプル)」からは遠く及ばない領域にある。なお、達人級の中でも分類があり、並の達人では敵わない「特A級の達人級」や、さらに特A級の上の「超人」に分類された達人が存在する。 梁山泊や一影九拳のメンバーを始めとして、「師匠」の位置にいるキャラクターの多くがこの達人級の武術家であり、その弟子が弟子級に該当する。多くの勝負において「弟子のケンカに師匠は出ない」という不文律が守られるため、達人は達人同士、弟子は弟子同士というように、同格の対戦が成立しやすい。

書誌情報

史上最強の弟子ケンイチ 全61巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉 完結

第1巻

(2002年9月発行、 978-4091265715)

第2巻

(2002年11月発行、 978-4091265722)

第3巻

(2003年2月発行、 978-4091265739)

第4巻

(2003年4月発行、 978-4091265746)

第5巻

(2003年7月発行、 978-4091265753)

第6巻

(2003年9月発行、 978-4091265760)

第7巻

(2003年12月発行、 978-4091265777)

第8巻

(2004年3月発行、 978-4091265784)

第9巻

(2004年4月発行、 978-4091265791)

第10巻

(2004年6月発行、 978-4091265807)

第11巻

(2004年8月発行、 978-4091271518)

第12巻

(2004年11月発行、 978-4091271525)

第13巻

(2005年1月発行、 978-4091271532)

第14巻

(2005年3月発行、 978-4091271549)

第15巻

(2005年5月発行、 978-4091271556)

第16巻

(2005年7月発行、 978-4091271563)

第17巻

(2005年9月発行、 978-4091271570)

第18巻

(2005年12月発行、 978-4091271587)

第19巻

(2006年2月発行、 978-4091200488)

第20巻

(2006年5月発行、 978-4091203489)

第21巻

(2006年8月発行、 978-4091204370)

第22巻

(2006年11月発行、 978-4091206251)

第23巻

(2007年1月発行、 978-4091206992)

第24巻

(2007年3月発行、 978-4091210227)

第25巻

(2007年6月発行、 978-4091210760)

第26巻

(2007年9月発行、 978-4091211866)

第27巻

(2007年12月発行、 978-4091212252)

第28巻

(2008年3月発行、 978-4091212979)

第29巻

(2008年5月発行、 978-4091213891)

第30巻

(2008年8月発行、 978-4091214508)

第31巻

(2008年11月発行、 978-4091215086)

第32巻

(2009年2月発行、 978-4091215895)

第33巻

(2009年4月発行、 978-4091218933)

第34巻

(2009年7月発行、 978-4091216939)

第35巻

(2009年9月発行、 978-4091217301)

第36巻

(2009年12月発行、 978-4091220264)

第37巻

(2010年2月発行、 978-4091221476)

第38巻

(2010年5月発行、 978-4091222954)

第39巻

(2010年7月発行、 978-4091224170)

第40巻

(2010年10月発行、 978-4091226204)

第41巻

(2011年1月発行、 978-4091227676)

第42巻

(2011年4月発行、 978-4091228505)

第43巻

(2011年5月発行、 978-4091228697)

第44巻

(2011年10月発行、 978-4091233349)

第45巻

(2011年11月発行、 978-4091233844)

第46巻

(2012年3月発行、 978-4091235640)

第47巻

(2012年6月発行、 978-4091236975)

第48巻

(2012年9月発行、 978-4091238054)

第49巻

(2012年11月発行、 978-4091240101)

第50巻

(2013年2月発行、 978-4091241825)

第51巻

(2013年5月発行、 978-4091243027)

第52巻

(2013年8月発行、 978-4091243485)

第53巻

(2013年9月発行、 978-4091244048)

第54巻

(2013年11月発行、 978-4091244932)

第55巻

(2014年2月発行、 978-4091245618)

第56巻

(2014年5月16日発行、 978-4091246424)

第57巻

(2014年8月18日発行、 978-4091250780)

第58巻

(2014年9月18日発行、 978-4091251107)

第59巻

(2014年10月17日発行、 978-4091253194)

第60巻

(2014年11月18日発行、 978-4091253682)

第61巻

(2015年2月18日発行、 978-4091256270)

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