SSSS.GRIDMAN

SSSS.GRIDMAN

TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』のコミカライズ作品。怪獣の脅威と戦う使命を背負った記憶喪失の少年、響裕太の活躍を描くSFアクション。「少年ジャンプ+」で2019年11月30日から配信の作品。

正式名称
SSSS.GRIDMAN
ふりがな
ぐりっどまん
原作者
『SSSS.GRIDMAN』
漫画
ジャンル
アクション
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊1巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

ツツジ台に住む高校生の響裕太は、クラスメートの宝多六花の家で目覚めるが、裕太は自分のこともクラスメートのことも思い出せなくなっていた。鏡で自分の顔を見ても何者なのかすらわからず、混乱する裕太は六花の説明を受けるが、そこへ裕太を呼ぶ謎の声が部屋に響く。導かれるまま、声の方向へ進んだ裕太の目の前では、年季の入った古いパソコンから声がしていた。画面には「ハイパーエージェント」を名乗る謎の男性、グリッドマンの姿があり、彼はハイパーワールドから使命を果たすためにやってきたと語る。グリッドマンから「使命思い出せ」と諭された裕太は、自分のことを思い出せず困惑するが、彼は六花やクラスメートたちの力を借りて、平穏な日常生活を取り戻していく。だが、通学中に霧に隠れた巨大怪獣が街中を歩いているのを目にしたことで、裕太の日常はもろくも崩れ去る。六花たちには怪獣が見えておらず、裕太はグリッドマンに導かれるまま、彼と共に怪獣と戦うことになる。グリッドマンと一つになって怪獣を撃破した裕太は、六花や内海将と共にグリッドマン同盟を結成し、怪獣の脅威に立ち向かっていく。後日、怪獣の襲撃や戦いはニュースにもなっておらず、裕太たち以外は記憶がリセットされたようになっていた。放課後、裕太たちは怪獣の謎を探るべくグリッドマンのもとへ訪れ、昨夜の出来事で何が変わったのかを調べ始める。

第2巻

再び出現した怪獣を鎮めるべく、響裕太グリッドマンと一体化して再び戦いに挑む。しかし、以前より強化された怪獣の装甲に対抗できず、裕太たちは苦戦を強いられてしまう。ピンチに陥った裕太を心配した宝多六花は、サムライ・キャリバーに助けを求め、キャリバーは裕太たちをサポートすべくパソコンの中に吸い込まれていく。パソコンを通して裕太のもとへ向かったキャリバーは、巨大な長剣「グリッドマンキャリバー」に変身。裕太は手に取ったグリッドマンキャリバーで新たな必殺技を放ち、厚い装甲を破って怪獣の撃破に成功する。安心した六花は裕太たちに礼を告げ、友人の無事を確認するために学校へ急ぐ。友人は無事だったが以前と同様、街に怪獣が出現した事実を覚えている者はいなかった。一方、怪獣を倒されてしまった新条アカネは、アンチという謎の少年をグリッドマンに送り込もうと目論む。グリッドマンに異様な執着を見せるアンチは、アカネの指示を受けて一人で街に繰り出すのだった。憂鬱な雨の中、授業をサボった六花は公園でアンチと出会うが、いくつか言葉を交わしたあとに彼はどこかに消えてしまう。その頃、今まで出現した怪獣について語る内海将は、戦いの中で悟った一つの可能性を裕太に指摘する。そこへ再び怪獣が現れ、グリッドマンに変身し戦う裕太だったが、今までとは異なり言葉を話す怪獣への攻撃をためらい、動きを止めてしまう。

第3巻

男子大学生グループ「アーカディア」と合コンの約束を交わしたなみこはっすの軽はずみな行動がきっかけで、宝多六花新条アカネは強引に合コンに参加させられることになる。久しぶりにアカネと遊ぶことになって上機嫌な六花から、その話を聞いた響裕太内海将は、なんともいえない焦燥に駆り立てられ、合コン当日に六花たちを尾行する。大学生たちを無視して六花に近づこうとするアカネの目的は、グリッドマンと裕太の関係について、六花から情報を探ることだった。そうとは知らずに尾行を続ける裕太は、年上の男性たちに向けられる六花の楽しそうな笑顔を見て、複雑な感情を抱く。その一方で、グリッドマンにも感知できない謎の怪獣が暗躍を始めていた。次の日、先日会ったアーカディアのうち、複数人の存在が怪獣によって消されたことに気づいた六花は、唯一残ったやまとのもとへ急ぎ事情を説明しようとするが、そこに触手を持った新しい怪獣が出現。その騒動に巻き込まれた六花はサムライ・キャリバーに助けられ、怪獣の出現を知った裕太はグリッドマンに変身し、六花を守るために戦いに挑む。しかし、横からアンチが割り込んだことで、2対1の戦いを強いられた裕太はピンチに陥る。サポートが必要と判断したキャリバーたちは一斉に駆けつけるが、同時にパソコンの映像が乱れるトラブルが発生し、六花と将は戦いを見守ることができなくなってしまう。

メディアミックス

TVアニメ

本作『SSSS.GRIDMAN』は、2018年10月より放送されたTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』を原作としている。TVアニメ版は、特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』を原作とするSFアクションで、響裕太の怪獣との戦いや活躍を描いている。監督は雨宮哲が、キャラクターデザインは坂本勝が務めている。キャストは響裕太を広瀬裕也が、グリッドマンを緑川光が演じている。

登場人物・キャラクター

響 裕太 (ひびき ゆうた)

ツツジ台高校1年E組に在籍する男子高校生。明るい赤毛の短髪で、年齢の割に童顔で小柄な体型をしている。おとなしい性格で少々天然気味なところがあるが、友人思いで正義感が強い。ある日突然、自分の名前を含めてすべての記憶をなくした状態で、宝多六花の家で目を覚ます。この際にグリッドマンと出会い、使命を思い出すよう諭されるもまったく思い出せずにいたが、六花をはじめとするクラスメートの協力を得て、少しずつふつうの生活を取り戻していく。しかし、ツツジ台に怪獣が出現し、グリッドマンと共に怪獣に立ち向かう使命を背負ったことで、平穏な日々が崩れ去る。怪獣が出現した際は、JUNKSHOP絢にあるパソコンにアクセスし、グリッドマンと一体化して巨大化することで戦う。グリッドマンに変身するためのアイテムであるプライマルアクセプターを腕に着用し、ふだんは大きめのリストバンドでそれを隠している。当初は困惑していたものの戦いに身を投じるうちに、怪獣を食い止められるのは響裕太自身しかいないと強く認識するようになる。両親が出張中なため、マンションの一室で一人暮らしをしている。目を覚ましてからは、世話になっている六花に好意を抱いているが、告白する勇気を出せず、一度はデートに誘うも断られている。また、記憶喪失になる前に六花に何か言ったことを彼女から指摘されているが、その内容をまったく思い出せずにいる。怪獣と戦うようになってからも学校に通っており、クラスの女子からの評判を気にしたり、新条アカネにからかわれて照れたりするなど、年頃な男子らしい一面を見せる。素直さ故に、六花への好意についてマックスから尋ねられた際に、彼女に抱く気持ちが恋心であると自覚する。

グリッドマン

記憶喪失になった響裕太を呼び出した謎の存在。全身がヒーロースーツやメカに包まれたロボットのような姿で、生真面目で正義感の強い性格をしている。未知の空間「ハイパーワールド」からやってきた「ハイパーエージェント」を自称するエネルギー体で、なぜかJUNKSHOP絢にある古いパソコンと一体化しており、ふだんはこの中にしか存在できない。裕太に対して「使命を思い出せ」と呼びかけ、怪獣の出現後は彼と一体化して巨大化し、街に出て戦うことになる。これ以降も、怪獣の出現時は裕太がプライマルアクセプターを使ってパソコンにアクセスし、彼と一体化して一定時間だけ実体化するという形で、怪獣の脅威に立ち向かっている。戦闘時に巨大化した際の大きさは最大で70メートルまで調整可能だが、サイズに比例して実体化可能な時間が短くなる。当初は裕太にしか視認できずに彼としか会話ができなかったが、サムライ・キャリバーがハードを最適化したことで能力が向上し、「Primal Fighter」へと進化。これ以降は、宝多六花や内海将にも視認・会話ができるようになった。のちに、裕太と同様にグリッドマン自身が何者なのかわからない記憶喪失であることを、裕太に打ち明ける。それでも街に迫っている危機から人々を守るという使命だけははっきり覚えており、この使命を果たすために裕太に協力を求め続けている。必殺技は腕から閃光を放ち敵を貫く「グリッドビーム」で、これ以外にも新世紀中学生の力を借りてさまざまなアシストウェポンを駆使し、強力な必殺技を放てる。

内海 将 (うつみ しょう)

ツツジ台高校1年E組に在籍する男子で、響裕太のクラスメート。眼鏡をかけてクールそうに見えるが、意外と熱血漢で友人思いな性格をしている。裕太が記憶喪失になる前は、入学時に知り合ったばかりであまり会話したことがなかったが、自分のことを思い出せないままの彼のことを受け入れ、友人となった。裕太とグリッドマンが合体して怪獣と戦う場面を目撃し、彼らの戦いをサポートするグリッドマン同盟の結成を提案。それからは、JUNKSHOP絢に頻繁に出入りするようになり、宝多六花と共に裕太たちの戦いをさまざまな形でサポートしている。当初はグリッドマンが見えずに会話もできなかったが、グリッドマンの能力が向上したことで視認・会話が可能になった。ふだんは周囲に隠しているが特撮雑誌を愛読する生粋の特撮オタクで、戦闘時などに「ウルトラシリーズ」のことを何かと口にする。また、これらの特撮知識をもとに、怪獣に対抗するための作戦を考案することで勝利に貢献している。細身に見えるが着やせするタイプで、服を脱いだ時は腹が少々弛んでいる。クラスメートの新条アカネにあこがれと好意を抱いているが、人気者の彼女のことは高嶺(たかね)の花のように思っており、アカネの前ではなかなか素直に好意を示せずにいる。その一方で、アカネが大学生と合コンをすると知った時は、焦燥感からじっとしていられずに裕太といっしょに尾行していた。

宝多 六花 (たからだ りっか)

ツツジ台高校1年E組に在籍する女子。響裕太のクラスメート。紺色のロングヘアで右手首にシュシュを付けている。いつもクールで気だるげに見えるが、心根は明るく優しい。家族は六花ママと父親、予備校に通う兄がいる。実家であるJUNKSHOP絢の前で倒れた裕太を介抱し、目覚めた彼が記憶喪失になったことを知る。多少の不満を言いながらも、裕太が日常生活に戻るのをサポートしていたが、裕太とグリッドマンが合体して戦う姿を目撃したことで、内海将と共にグリッドマン同盟の一員として彼らを手助けすることとなる。学校では同じクラスのなみこやはっすと仲がよく、自宅が近い新条アカネとも親しい間柄。JUNKSHOP絢のパソコンにグリッドマンが宿っていることから、実家をグリッドマン同盟の拠点にされたことに不満を言いつつも、拒否することなく受け入れるなど、面倒見がよくお人好しな一面を見せる。一人でいる時はイヤホンで音楽を聞いたり、スマートフォンをいじっていることが多く、機嫌がいい時は鼻歌を歌う癖がある。初めて裕太が怪獣に立ち向かった際は、将が考えた作戦をパソコンのキーボードを介して裕太たちに伝達し、将と共に勝利に大きく貢献している。ふだんから店の帳簿作成などを手伝っているため、タイピングのスピードは非常に速い。裕太には何かと世話を焼き好意的に接するが、彼からの好意には気づいていない。裕太が記憶喪失になる直前に彼とはあるやり取りがあったが、その内容を裕太がまったく覚えていないことには、少々不満を漏らしている。

新条 アカネ (しんじょう あかね)

ツツジ台高校1年E組に在籍する女子。響裕太のクラスメート。薄紫色のセミロングヘアで、赤紫色のパーカーを制服の上から羽織っている。学校では裸眼で過ごしているが、自宅ではヒビが入った眼鏡をかけている。明るい性格で男女問わず人気があり、才色兼備な好人物として好感を持たれており、内海将からは「奇跡の寄せ集めのような美少女」などと絶賛されている。あまり表には出さないが、『ウルトラシリーズ』に登場するウルトラ怪獣が大好きで、カッターナイフで精巧な怪獣フィギュアを制作している。家が近い宝多六花とは昔から仲がよく、となりの席の裕太にも好意的に接するが、その裏では怪獣を街に送り出して襲わせることで、アレクシスと共に暗躍している。気に食わない人間がいればすぐに怪獣を使って殺害し、その様子を無邪気に喜ぶ残虐性を持つ。自作した怪獣フィギュアをアレクシスの力で実体化することができ、怪獣を倒すグリッドマンの出現後は、より強力な怪獣を作り出すことでグリッドマンを倒すことに執着している。しかし、裕太やグリッドマンの活躍により敗北が続き、自分の思いどおりにならない状況に追い詰められていく。次第に裕太とグリッドマンの関係を疑うようになり、六花に近づいて裕太を探ろうと目論むようになる。イライラすると周囲にある物を蹴ったり、投げたりして八つ当たりする悪癖があり、眼鏡やスマートフォンにはヒビが入っている。JUNKSHOP絢のとなりにある豪華な一軒家で暮らしているが両親はおらず、一人で暮らしている。自室は大量のごみ袋やフィギュアなどで埋め尽くされており、不摂生な私生活を送っている。好物はトマトジュースで、ところかまわずに飲んでいる。

サムライ・キャリバー

響裕太たちの前に現れた謎の人物。なぜかグリッドマンのことを知っている様子で、裕太たちに協力している。目元に濃いクマがあり、無精ヒゲを生やして黒いスーツをまとった男性の姿をしている。姿勢はいつも猫背気味で、腰には4本の長剣「サムライキャリバーブレード」を携えている。つねに寡黙で、少々どもり気味な口調で話す。その怪しい風貌も相まって、当初は裕太たちから不審者扱いされていたが、根は優しく仲間思いな性格の持ち主で、天然気味なところもある。実は新世紀中学生の一員であり、長剣型のアシストウェポン「グリッドマンキャリバー」に変身することでグリッドマンの武器となる。ほかの新世紀中学生と合流後は、JUNKSHOP絢を拠点に宝多六花のボディーガードを務め、怪獣が出現した際は裕太とグリッドマンをサポートする。

マックス

新世紀中学生の一員。大型トレーラー型のアシストウェポン「バトルトラクトマックス」に変身できる。ふだんはグローブや黒いスーツをまとい、鋼鉄のマスクをした巨漢の姿をしている。外見は厳ついが、個性的な新世紀中学生の中ではもっとも常識人で、ほかの三人のまとめ役を担うことも多い。つねに冷静沈着で、物腰も丁寧でまじめな性格をしている。仲間と合流後は響裕太の身辺警護をしながら、有事の際に出動して裕太とグリッドマンのサポートをしている。裕太と行動するうちに、彼が宝多六花に思いを寄せていることに気づき、裕太の相談に乗ったこともある。奥手な裕太の恋路をまどろっこしいと評する一方で、「嫌いじゃない」と励ましながら応援している。バトルトラクトマックスに変身し、グリッドマンと合体することで「剛力合体超人マックスグリッドマン」となる。

ボラー

新世紀中学生の一員。ドリル戦車型のアシストウェポン「バスターボラー」に変身できる。ふだんは黒いスーツをまとった、金髪のツインテールの少女のような姿をしている。しかし、性別はほかのメンバーと同様に男性。かわいらしい外見に反して口調が荒く、口より先に手が出る粗暴な一面もある。仲間と合流後は内海将の身辺警護をしながら、有事の際に出動して裕太とグリッドマンのサポートをしている。護衛対象である将に対しては、ツッコミをしながら脛(すね)に蹴りを入れるなど、荒っぽい接し方をすることが多い。生意気な子供のようにしか見えないが、兄貴風を吹かせながら、将たちのことを見守っている。

ヴィット

新世紀中学生の一員。戦闘機型のアシストウェポン「スカイヴィッター」に変身できる。ふだんは黒いスーツをまとった、青髪の青年の姿をしている。清潔感あふれるまじめそうな好青年に見えるが、やる気のない態度が目立ち、呑気な性格をしている。女性には紳士的に接する一方で、男性にはそっけない態度を取ることが多い。仲間と合流後は特に誰の護衛もしていないが、有事の際に出動して裕太とグリッドマンのサポートをしている。平時に監視や護衛をしない代わりに、グリッドマンが宿ったパソコンの護衛を兼ねてJUNKSHOP絢で待機したり、スマートフォンをいじったりしている。このため、六花ママに店番を任されることもあるが、接客が適当でまったくやる気がない。

六花ママ (りっかまま)

宝多六花の母親。JUNKSHOP絢を経営している。赤茶色のショートヘアで、黄色い耳飾りを付けている。明るい性格でノリが軽く、面倒見もよく誰のことも温かく受け入れる。娘の六花との仲も良好で、響裕太たちにもフレンドリーに接している。店に入り浸るようになった新世紀中学生の正体を知ってからも動じることなく迎え入れ、時には店番を任せている。好物はチーズフォンデュ。

なみこ

ツツジ台高校1年E組に在籍する女子。宝多六花の友人。茶道部に所属している。ショートヘアのスレンダーな体型の持ち主。スポーティーな服を着用し、猫目で猫口が特徴。はっすと仲がよく、彼女といっしょになって六花と響裕太の仲をからかっている。

はっす

ツツジ台高校1年E組に在籍する女子。宝多六花の友人。いつも口元に大きなマスクをしており、新条アカネほど目立ってはいないがスタイル抜群。なみこと仲がよく、彼女といっしょになって六花と響裕太の仲をからかっている。なみこよりは穏やかな性格に見えるが、見た目よりもノリがよく今時の女子高校生らしい言動を見せる。

問川 さきる (とんかわ さきる)

ツツジ台高校1年E組に在籍する女子。宝多六花の友人。明るく活発な性格で、バレーボール部に所属している。前髪を頭頂部で縛り、おでこを出している。制服を着崩しており、ブレザーではなくトレーナーやスパッツを身につけている。怪獣が出現した際に、火球の直撃を受けて死亡した。次の日には周囲の人々の記憶が書き換えられたようになり、怪獣の襲撃をはっきりと覚えているグリッドマン同盟以外からは、中学生の時に事故で亡くなったと認識されていた。

アンチ

新条アカネが、対グリッドマン用として作り上げた怪獣。それまでに作られた怪獣とは異なり、意思を持つオートインテリジェンス怪獣で、人間体・怪獣の姿を問わず、会話することもできる。ふだんはロングマフラーを巻いた白髪で三白眼の少年の姿をしているが、グリッドマンが現れると怪獣の姿に変身する。正式名称は「臥薪嘗胆怪獣アンチ」。怪獣の時は全身の器官から光弾や光線を放ち、超高速の移動能力も有する。さらには敵の能力をコピーすることも可能で、グリッドマンのアシストウェポンの力をコピーして戦うこともできる。強力な戦闘力を持つ一方で、エネルギーが切れると強制的に人間体に戻る。初めての戦いではグリッドマンを敗退させており、アカネから「アンチ君」と呼ばれてかわいがられていたが、再戦時はグリッドマンに敗北。これ以降は、不利になっていったアカネに物を投げられるなど、八つ当たりの被害に遭っている。もともとはグリッドマン撃破のために作られたため、何よりもグリッドマンを倒すという使命を自覚しており、強い執着を見せる。一方で、それ以外の目的や物事にはあまり興味がなく、グリッドマンがいない時はアカネの命令に逆らうことすらある。人間体の時は食事もできるが、アカネが一般常識の教育をしていないため、弁当なども箸は使わず手や犬食い状態で食べる。人間体で行動している時に公園で一度だけ宝多六花と会っており、彼女の弁当を分けてもらったことがある。

アレクシス

新条アカネの部屋にあるパソコンに宿る謎の存在。赤いバイザーと歯のような明滅が目立つ、全身黒ずくめの男性の姿をしている。頭部は鋭く尖り、後頭部からは青い炎が揺らいでいる。ふだんはアカネのパソコンのモニターに宿り、彼女が作った怪獣の原型を実体化させる役目を担う形で、彼女と共に暗躍している。いかなる時でもアカネを褒め称えて甘やかしているが、彼女を焚きつけるような言動で追い詰め、次の怪獣の制作をうながすこともある。協力関係にあるアカネとの関係や真の目的などは不明で、謎多き存在。

アノシラス

ツツジ台のあちこちを放浪している謎の少女。褐色肌に黒髪をおさげにしている。茶色と緑色のコートをまとい、寝袋がぶら下がったランドセルを背負って耳にはイヤホンを付けている。当初は怪獣が現れた場所に姿を現していたが、響裕太に自ら会いに行き、怪獣を名乗る。ふだんは自動販売機などの下に落ちている小銭を拾って、生活資金にしている。風呂に入っていないため、体臭がかなりキツい。

集団・組織

グリッドマン同盟 (ぐりっどまんどうめい)

グリッドマンの戦いをサポートするためのグループ。怪獣がツツジ台に出現した際に、内海将の提案により結成された。メンバーは発案者の将を中心に、グリッドマン、響裕太、宝多六花の四人。グリッドマンが宿っているパソコンのあるJUNKSHOP絢を拠点としている。

新世紀中学生 (しんせいきちゅうがくせい)

JUNKSHOP絢に現れた謎の黒スーツ集団。グリッドマンの支援者を務める。メンバーはサムライ・キャリバー、マックス、ボラー、ヴィットの四人。ふだんはコミュニケーションを取るために人間体で行動しているが、戦闘時はグリッドマンが宿るパソコンに入ることで、本来の姿である「アシストウェポン」に変身できる。変身後も人間体と同様の自意識が維持されるため、会話などにも支障はない。平時は響裕太たちの護衛や、JUNKSHOP絢の店番などを務めている。

アーカディア

男子大学生による人気ユーチューバーグループ。メンバーはやまと、タカト、今井、有井の四人。なみこ、はっすと共に企画された合コンには、彼女たちに強引に誘われた宝多六花と新条アカネも参加した。しかし合コンの最中に、アカネの不快感や怒りを無意識に買ったため、彼女が秘密裏に差し向けた怪獣によってやまと以外は殺害され、存在を消されてしまう。

場所

ツツジ台 (つつじだい)

響裕太たちが暮らしている街。東京都のネリマ市内にある。東京近郊によくあるベッドタウンに見えるが、街の周囲には裕太たちにしか見えない怪獣の幻影が何体も潜んでいる。特に前触れもなく怪獣が実体化して街を襲うこともあり、そのたびに裕太がグリッドマンに変身することで、街の平和を守っている。しかし怪獣の出現した出来事は、次の日になると裕太たち以外はまったく覚えておらず、犠牲となった者たちは存在自体が書き換えられ、事件の前にすでに死亡したことになっている。これ以外にも、ふつうなら人の多い場所や時間帯に誰一人いなかったり、秋になるはずなのに猛暑が続くなど、不可解な現象が続いている。また、電車などでツツジ台の外に出ようとすると周りが霧に包まれ、到着するまでに眠ってしまうという現象が起こり、このような異常な状況は裕太たちも例外なく体験している。

JUNKSHOP絢 (じゃんくしょっぷあや)

ツツジ台にあるジャンクショップ。宝多六花の実家でもある。店長は六花ママが務めている。主に中古家具や家電などを売買しているが、来客はほとんどなく、いつも閑古鳥が鳴いている。店内には喫茶スペースがあり、ドリンクや軽食を楽しめるようになっている。商品の一つである古いパソコン(通称「ジャンク」)にはグリッドマンが宿っていることから、グリッドマン同盟の活動拠点として活用されており、響裕太や内海将をはじめ、新世紀中学生も頻繁に出入りしている。

クレジット

原作

『SSSS.GRIDMAN』

書誌情報

SSSS.GRIDMAN 1巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2020-03-04発行、 978-4088822464)

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