T.R.Y.

T.R.Y.

舞台は20世紀初頭、革命前夜の上海。詐欺師・伊沢修が革命家グループに協力し、日本軍相手に詐欺を仕掛けていくさまを描いた作品。原作は井上尚登の小説『T.R.Y.』。

正式名称
T.R.Y.
ふりがな
とらい
原作者
井上 尚登
漫画
ジャンル
サスペンス
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概要・あらすじ

20世紀初頭、清国崩壊寸前のころの上海。裏社会に生きる謎の男・伊沢修はケチな詐欺で捕まり、刑務所に入れられていた。そこで伊沢は、革命を夢見る中国人・関飛虎と出会い、彼に命を助けられる。実は関はある計画のため、伊沢に接近していた。その計画とは、武装蜂起のため、日本陸軍中将・東正信から武器を騙し取ること。

伊沢は彼らの革命に手を貸すことを決め、無謀な作戦に乗り出していくのであった。

登場人物・キャラクター

伊沢 修 (いざわ しゅう)

上海に暮らし、詐欺を生業に生きる青年。名前の中国読みは「イーツー」。頭脳明晰で、強欲な金持ちを騙し金儲けを行っている。自分の命を第一に考える現実主義者だが、情に厚い面も持ち合わせている。15のときに日本を出て、ロシアからヨーロッパを回っていた。刑務所に入れられていたころ、かつて詐欺を働いた相手が雇った「赤眉」の暗殺者・肖丁から、革命家・関飛虎に助けられ、東正信から武器を騙し取るという関の作戦に手を貸すことになる。

東 正信 (あずま まさのぶ)

日本陸軍中将・参謀次長。陸軍大学を主席で卒業後、一分の隙も見せず出世し続けてきた完璧主義者。時期陸軍大臣とまでいわれている。中国進出を目論んでおり、資源獲得のため満州に傀儡政権を作ることを進言した。

関 飛虎 (がぁん ふぇぃふー)

打倒清朝を目的とする組織「中華黎明会」の幹部。「熱血漢」を自称する情熱家。伊沢修を仲間に加えるため刑務所に入り、「赤眉」の暗殺者・肖丁から彼を守った。広東で武装蜂起をするため、日本陸軍中将・東正信から武器を騙し取る作戦を企てる。

丁 愛鈴 (でぃん あいりーん)

打倒清朝を目的とする組織「中華黎明会」の一員。本職は歌手。可憐な容姿だが、気が短く手が早い。

陳 思平 (ちん じぴん)

伊沢修の弟分。中国が生まれ変わることを夢見て、革命に参加する。

パク・チャンイク (ぱくちゃんいく)

伊沢修の古くからの仲間。韓国人。反日抗争に参加していた兄を失い、日本軍への復讐のため、東正信への詐欺に参加する。

汪 沢田 (わん ずでぃえん)

伊沢修の馴染みの上海の便利屋・調達屋。伊沢のよき理解者でもある。

肖 丁 (しゃお でぃん)

暗殺集団「赤眉」の一員。黄の依頼を受け、伊沢修を襲うも失敗。その後、組織は暗殺を中止したが、自身の誇りのため、組織に背いて伊沢を狙うことになる。

(ほあん)

不良品の武器を革命軍に売りつける悪党。伊沢修に騙され機関銃を売りつけられた。その報復に、「赤眉」の暗殺者・肖丁を送り込んだ。

李警部 (りけいぶ)

裏社会を牛耳る秘密結社「青幇」の大幹部でありながら、上海警察に身を置いている。「中華黎明会」を支援しており、「赤眉」に伊沢修の暗殺命令を取り下げさせた。背が低いことを気にしている。

張 士清 (ちゃん しちん)

上海のチンピラだったが、勉強のため日本陸軍に入っていた。清国の皇族・愛清覚羅載寧に容姿がそっくりなため、伊沢修たちの計画に引き込まれる。

愛清覚羅 載寧 (あいしんかくら ざいにん)

清国の皇族。日本の士官学校に入っているが、自堕落な生活を送っており、おちこぼれ扱いされている。東正信から武器を騙し取る計画のキーマン。

神崎 (かんざき)

警視庁特高課に所属する警察官。4年前、伊沢修が日本で起こした事件がきっかけで左遷された。日本に舞い戻った伊沢を目にし、執念深く付けねらっている。

東 謙介 (あずま けんすけ)

東正信の弟。かつては上海で商売をして大金を稼いでいたが、風向きが変わり没落。日本に戻り曙光新聞の記者となっていた。伊沢修を疑った兄の命令で、伊沢の調査を行うことになる。

クレジット

原作

井上 尚登

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