概要・あらすじ
中学2年生の河合ありさは、気弱ないじめられっ子だった。しかし、子供の頃のありさは河合アリサという超ド級のいじめっ子だった。ある日、かつてアリサにいじめられたことを恨んでいる八代暁名が、ありさのクラスに転入してくる。暁名は「アリサが近藤学園にいる」という謎の手紙が届いたことで、復讐のためにやって来たのだった。
ところがありさには過去の記憶がまったくなく、復讐と言われても戸惑うばかり。しかし暁名の出現をきっかけに、ありさがピンチになると人格がアリサにチェンジするようになってしまう。ありさとアリサの二重人格を目の当たりにした暁名はありさの状況を理解し、彼女の力になることを決意する。しかし、全国各地にいるアリサの元下僕(しもべ)たちは、次々に近藤学園へ転入してきてはありさに勝負を挑むのだった。
登場人物・キャラクター
河合 ありさ (かわい ありさ)
とても気の弱いいじめらっ子の少女。年齢は14歳で身長は158センチ。両親の仕事の都合で日本全国津々浦々、転校を繰り返しており、どこへ行ってもいじめっ子の標的となっていた。小学校3年生の頃には島根にいたが、それより前の記憶は薄い。実は子供の頃は超ド級のいじめっ子で、何人もの下僕(しもべ)がいた。しかし、島根にいた時に石段から転げ落ち、そのまま3日間熱を出して寝込んだ末に、今の気の弱い泣き虫なありさになってしまう。 現在はC県M市の近藤学園に通っており、クラスは2年C組。ありさが危険な目に遭ったり、ショックを受けたり、精神的に追い込まれると以前の人格である河合アリサにチェンジする。普段はウェーブのかかった長い髪を2つに結んでいるが、アリサにチェンジすると髪を下ろすことが多い。 アリサにチェンジした後、八代暁名の飼い犬であるトト丸と接触するとありさの人格に戻る。ちなみに、ありさにはアリサにチェンジしている間の記憶がない。同じクラスの猪神由貴に片想いをしている。なお、カエルが苦手。
河合 アリサ (かわい ありさ)
河合ありさのもともとの人格。強気な性格で、ヘビだろうがクラゲだろうが、平気でわしづかみしていた。バケツの水を浴びせられようものなら、地の果てまでも相手を追い回し、重りを付けてプールに沈めるくらいのお返しをする。常に自信満々で自己中心的かつ傍若無人な性格で、見る者が鳥肌立つようないじめっ子オーラを放っている。転校する先々で下僕(しもべ)を作り、それぞれの下僕に番号をつけていた。 河合アリサにチェンジすると、髪をほどくクセがある。ちなみに、ありさでいる時の記憶は残っている。トト丸に触られるとありさに戻る。なお、ありさは猪神由貴に片想い中だが、アリサは猪神のことを何とも思っていない。
河合 亜理沙 (かわい ありさ)
河合ありさの3番目の人格。眼鏡をかけた三つ編みの知的で地味な女の子。きっちりとした性格で、常に敬語で話す。ありさが島根へ散策旅行へ行った時、石段から落ちた後に出てきた人格で、八代暁名のことだけが記憶から抜け落ちている。ありさの時はカエルに触れられただけで、河合アリサにチェンジしていたが、河合亜理沙はカエルに触れてもチェンジはしない。
八代 暁名 (やしろ あきな)
河合アリサに復讐するため、近藤学園の2年C組に転入してきた少年。身長は172センチ。以前通っていた学校の制服である学ランを着用している。河合ありさのもう1つの人格であるアリサのことを知る男性で、かつてのアリサの「My下僕(しもべ)764号」。イモ堀り遠足の時、ミミズを怖がって大泣きして逃げ回ったあげく肥えだめに落ちたり、飼育当番でウサギに噛まれて大泣きしたりと、子供の頃は泣き虫だった。 現在はアパートでトト丸という犬と一緒に暮らしている。転校早々テストで満点を取るなど頭が良く、スポーツも得意。アリサに復讐すると言っているがその方法はいたって平和的で、あらゆるものでアリサを上回り、自分のことを凄い男だと認めさせたうえで、アリサに過去の仕打ちを土下座してわびさせる、というもの。 ありさと関わり、世話を焼いているうちに次第にありさに惹かれていく。
猪神 由貴 (いのがみ ゆうき)
河合ありさと同じ近藤学園の2年C組に所属する少年で、ありさの片想いの相手。女の子のように綺麗な顔立ちで女子からの人気が高く、学内にファンクラブがある。現在のクラスで、ありさに対し唯一親切に接している人物。ありさが河合アリサにチェンジしてもまったく動じず、アリサに対しても普通に対応している。八代暁名とは同郷で彼のことを知っているが、暁名は猪神由貴のことを覚えていない。 ちなみに、猪神は当時から暁名のことを嫌っていた。実は猪神自身も転校生で、1年生の2学期にありさより少し遅れて近藤学園に転校してきた。近藤学園では茶道部に所属している。子供の頃は身体が弱かった。
河合 伊予 (かわい いよ)
河合ありさの1つ年上の兄。年齢は15歳、身長は158センチ。両親の転勤が多いため子供の頃は何度も引っ越していたが、今は妹のありさと2人でマンション暮らしをしながら近藤学園に通っている。料理が上手く、ありさのお弁当も河合伊予が作っている。河合アリサがありさとなったきっかけを作った男性であり、アリサがかつて超ド級のいじめっ子だったことを知っている。 八代暁名の飼い犬であるトト丸を溺愛している。
トト丸 (ととまる)
八代暁名が飼っている犬。片耳が折れている小型犬で、通常は猫にも負けるほど弱い。しかし、河合伊予に眉毛を太く描かれてからは急に強くなり、「ドラゴン龍星拳」などの必殺技を繰り出せるようになった。河合ありさが菊地百太に倒されそうになった時には、百太の木刀を「肉球白刃どり」で受け止め、ありさを救っている。 なぜか河合アリサにトト丸が触れると、ありさに戻ってしまう。
菊地 百太 (きくち ももた)
河合アリサに復讐するため、近藤学園の2年C組に転入してきた少年。身長は174センチ。熊本出身で、かつてのアリサの「My下僕(しもべ)100号」。アリサからは「モモちゃん」と呼ばれている。小学2年生の時、通っていた熊本の剣道教室では一番強かったが、突如現れたアリサと大将争いをした末にコテンパンにのされしまった。 かなりの冷え性で、寒い季節は母親の手製のモモひきを着用しており、これを脱がされるとすぐに腹を下してしまう。「真空月ノ輪殺法」を得意とし、近藤学園でアリサではなく河合ありさに勝負を挑むも、彼女を助けに入ったトト丸に敗北。以後はトト丸に弟子入りし、修行し直して改めてアリサに挑もうとしている。八代暁名には嫌われていたが、いつの間にか親しくなる。
宮沢 エリカ (みやざわ えりか)
河合アリサに復讐するため、名門である白鳥女学館から近藤学園の2年C組に転入してきた美少女。身長は157センチ。リムジンで登校するようなお嬢様だが、かつてはアリサの「My下僕(しもべ)870号」だった。京都の小学校に通っていた2年生の時、その美貌で男子生徒を惑わして取り巻きにしており、多くの下僕を従えるアリサとは何かと対立していた。 怒ると関西弁になる。河合ありさの思い人が猪神由貴だと気づくと、茶道部に入って猪神に近づき誘惑しようとするなど腹黒い性格で、か弱い美少女を装って多くの男子生徒を味方につけている。その後は、エリカにまったくなびかないうえにエリカよりも美しい八代暁名に惹かれ、彼にまとわりつくようになる。
松田 (まつだ)
河合ありさと同じ近藤学園の2年C組に所属する、黒髪ストレートロングヘアの少女。ありさをいじめていたメンバーのボス的存在だったが、ありさが河合アリサにチェンジした後、壮絶な仕返しに遭う。後日、不良の男子に絡まれていたところをアリサに救われ、それをきっかけにありさとも次第に親しくなっていく。
ナオミ
河合ありさと同じ近藤学園の2年C組に所属する少女で、松田の友達。顔がかなり大きい。松田とともにありさをいじめていたが、河合アリサにこてんぱんにやられてしまう。松田とともに不良男子に絡まれていたところをアリサに助けられてからは和解し、のちにありさが猪神ゆっきーファンクラブの会長に絡まれていたところを助け、借りを返す。 ジュリィの大ファンで、熱いファンレターを何通も送っている。
ジュリィ
「ジュリィ」の通称で人気沸騰中の実力派新人男性アイドル。本名も素性も謎とされている。実は河合アリサの「My下僕(しもべ)106号」で、アリサが埼玉の小学校にいた頃には彼女のパシリを専門としていた。ちなみに、アリサが転校してくるまではクラス全体のパシリで、かつて自分をバカにした奴らを見返してやろうと、努力してビッグスターの座に上り詰めた。 アリサに復讐するため、近藤学園の2年C組に転入してきた。河合ありさが音痴なのを承知で、「近藤学園フェスティバル」で自分のアシスタントとして一緒にライブに出て欲しいと誘う。実は背が低く、シークレットブーツを履いている。ちなみに本名は「駄沢金次」。
風祭 真吾 (かざまつり しんご)
河合ありさたちが遠足に行った日に、河合アリサに復讐するため近藤学園の2年C組に転入してきたロードバイク乗りの少年。ロードバイク用のウエアを身に着け、サングラスをかけ、ヘルメットをかぶっている。アリサの「My下僕(しもべ)40000号」。子供の頃、クラスで唯一補助輪つき自転車に乗っていたことをアリサに笑い者にされたことを根に持っている。
牧瀬 陵 (まきせ りょう)
河合ありさのクラスに新しく副担任としてやって来た男性教師で担当は理科。眼鏡に白衣という姿で、長髪を後ろで1つにくくっている。河合アリサの「My下僕(しもべ)101号」で、アリサが岡山の小学校に通っていた時に教育実習に来ており、当時、学校の実験室で何十匹も犬を飼って独自の研究を行っていた。その研究をアリサに台無しにされたと思い込んで恨みを募らせていた。 近藤学園へやって来たのはアリサに復讐するためで、授業の際に過去のことを何も覚えていないありさにきつくあたる。アリサがトト丸に触れられるとありさにチェンジすることを知っており、それを利用して復讐を果たそうと企む。
錦 琴若 (にしき ことわか)
青森から近藤学園の2年C組に転入してきた少年で、全日本中学相撲の横綱。かなり太った丸っこい少年で、相撲取りのように髷を結っている。河合アリサの「My下僕(しもべ)97号」だったが、下僕時代からアリサに好意を抱いていた。あまりにもしつこかったため、アリサがあきらめさせるために「自分にふさわしいくらい強い男になったら彼氏にしてやる」と約束していたため、その約束を果たすために近藤学園に現れた。 脂肪が厚いので、どれだけ蹴られても殴られてもダメージを受けず、アリサに猛烈なアタックを繰り返す。アリサからもらったドライフルーツケーキを食べた結果腹を壊し、痩せた後はイケメンになる。
赤兜 コウジ (あかかぶと こうじ)
河合ありさたちが島根に散策旅行に行っている時に、島根から近藤学園に転入してきた、戦隊ヒーローオタクの少年。河合アリサの「My下僕(しもべ)005号」で、子供の頃は影が薄かったが戦隊ヒーローごっこをする時だけははりきっていた。自分が敬愛している「天誅戦隊ニンジャー5」をアリサに侮辱されたうえ、超レアなフィギュアを壊されたことで恨みを募らせている。 近藤学園にいる八代暁名以外の下僕たちと結託し、アリサを倒そうと企む。暁名とは出身地が同じで、面識がある。
茶々丸 (ちゃちゃまる)
河合アリサが島根の小学校に通っていた頃、学校に住み着いていた野良犬。八代暁名がとても可愛がっていた犬で、よく小学生にいじめられていたが、そのたびに暁名がかばっていた。いじめっ子に海に落とされた時は、アリサに助けられた。のちに暁名が家で飼うようになったが、トト丸を産んですぐに死んでしまった。
猪神ゆっきーファンクラブの会長 (いのがみゆっきーふぁんくらぶのかいちょう)
猪神由貴のファンクラブの会長をしている少女。河合ありさが猪神と親しくしているのが気に入らず、嫌がらせをしていた。他に、ジュリィのファンクラブの会長も兼任しており、ジュリィに目をかけられているありさが気に食わず、ゴリ男と牛松という体格のいい男性をけしかけてありさを呼び出す。
ゴリ男 (ごりお)
猪神ゆっきーファンクラブの会長が河合ありさをやっつけるために連れてきた体格のいい男性。ありさの襟首をつかんで池に落とそうとするも、直後チェンジした河合アリサに顔面を蹴られ池に沈められてしまう。
牛松 (うしまつ)
ガタイが良く髪を角刈りにしている色黒の男子。鼻に牛がしているような鼻輪をしている。猪神ゆっきーファンクラブの会長に頼まれて、河合ありさに襲いかかるも、助けに入ったナオミに拳を止められてしまう。その直後、ありさからチェンジした河合アリサに一瞬でのされてしまった。
シュワルツェーネ
宮沢エリカの部下。アーノルド・シュワルツェネッガーそっくりの体格のいい外国人だが、れっきとした女性。黒いサングラスをかけ、黒いスーツを着用している。エリカの命令で近藤学園に侵入して河合ありさを捕まえると、白鳥女学館中等部の茶室に連れて行った。
シルヴェスターナ
宮沢エリカの部下。ドレッドヘアで肌が黒く体格の良い女性。エリカの命令でシュワルツェーネとともに河合ありさをさらって、白鳥女学館中等部の茶室に連れてきた。エリカに命じられるまま、ありさの恥ずかしい写真を撮ろうとするも逃げられてしまう。黒いサングラスをかけ、黒いスーツを着用している。
集団・組織
猪神家 (いのがみけ)
島根県美保ノ崎町一帯の地主。茶道の家元でもあり、県内でも屈指の名家。高台にある屋敷には天守閣があり、城のようにも見える。古い風習で、本家の男児はふりかかる災いや病をかわすために、一定の年齢まで女の子として育てられる。茶道の家元ということもあり、女性特有の柔らかい物腰を身につけるためにも女の子として育てることが必要とされている。
場所
近藤学園 (こんどうがくえん)
河合ありさたちが通っている私立中学校。何故か転校生が2年C組にばかり転入してくる。修学旅行などの他に、自由参加の「学園長がダーツで決める日本あちこち散策旅行」などがあり、こちらは修学旅行とは違って自由行動の時間が多い。今回の散策旅行の目的地は島根県に決まった。
その他キーワード
アリサの下僕 (ありさのしもべ)
河合アリサが転校した先々で作った下僕(しもべ)。各下僕には番号が付いており、「My下僕764号」のように呼ばれる。ちなみに番号のつけ方は語呂合わせであり、出会った順番とは関係ない。八代暁名は泣き虫なので「764号」。菊地百太は「百太」という名前から「100号」。ジュリィは当時の身長が106センチだったことから「106号」。 宮沢エリカは「ヤな女」のゴロ合わせで「870号」。風祭真吾は補助輪を付けていたため、輪が4つという意味で「40000号」。牧瀬陵は犬をたくさん飼っていたので映画「101」から「101号」。錦琴若は当時の体重が97キロだったことから「97号」。 赤兜コウジはニンジャー5オタクなので「005号」と付けられた。
近藤学園フェスティバル (こんどうがくえんふぇすてぃばる)
近藤学園の創立記念日に2年生が中心となって企画するイベント。時々、有名人などを呼んで出演してもらっている。今年の近フェスのメインイベントは「ジュリィ・ON・STAGE~ミレニアム・イリュージョン~」に決定した。ジュリィは2年C組所属なので、2年C組の生徒が中心になって盛り上げることになった。