アミュー(桜アミュー)の初連載作品にして代表作。また、ペンネームをアミューに改めてからの初作品でもある。神奈川県の県立時瀬高校を舞台に、箏職人だった祖父を亡くした久遠愛が箏曲部に入部し、部長・倉田武蔵や箏の名家出身の鳳月さとわと共に全国大会出場を目指す物語。部員たちは、箏曲部の存続を賭けた演奏会や関東邦楽祭への出場、全国大会予選に挑戦する中で、それぞれが抱える家族との確執や過去のトラウマと向き合いながら成長していく。本作には箏に関する専門的な要素が多く、作者のアミュー自身が幼少期から箏を習得していた経験を基に、箏柱の配置や演奏姿勢、演奏技法が緻密かつ詳細に描写されている。県立時瀬高校箏曲部の、部員それぞれの技術レベルや性格の違い、練習方法や楽曲の選定、演奏会の準備など、部活動の実態が具体的に描かれる。また、古典曲から作品オリジナルの楽曲まで、多様な箏曲が登場する。集英社「ジャンプSQ.」2012年9月号から連載。作中楽曲を収録したCDが、2017年に第72回「文化庁芸術祭賞」レコード部門優秀賞を獲得。分割2クールでテレビアニメ化され、第1クールが2019年4月から、第2クールが2019年10月から放送された。