明治、大正、昭和の時代を生きた俳人、種田山頭火の伝記漫画。「今度こそやり直そう」と幾度も決意するが、酒に溺れて失敗を繰り返す種田山頭火。周囲の人々の困惑、妻子らの思い、友人たちの励ましを描く。基本的に実話をもとにしているが、作者オリジナルのエピソードも織り込まれている。おりに触れ、山頭火の句が挿入されるが、そのシーンにあった句を選択しており、発表順ではない。句は、書家の諏佐玄麟が書いており、各巻末に解説とともに、その句が選ばれた理由も記載されている。また、なんの前触れもなく現代と山頭火の生きた時代を交差させる構成である。