翌年に連載を開始したスピンオフ『プレイボール』と双璧をなす、ちばあきおの代表作。墨谷二中野球部を舞台に、野球の名門、青葉学院から転校してきた谷口が、キャプテンとして奮闘する物語。谷口は、青葉学院では補欠だったが実力者と誤解され、次期キャプテンに指名される。自分の能力不足に悩む谷口だったが陰で努力を重ね、弱小チームだった墨谷二中を、名門、青葉学院と互角に戦えるまでに成長させる。その後、谷口が卒業した後も丸井、イガラシ、近藤という新キャプテンへとバトンが引き継がれていく。本作は中学野球を題材にしたスポーツ漫画である。特殊な能力や魔球といった非現実的な要素を排除し、地道な努力と人間ドラマを重視した現実的な野球描写が特徴である。また、登場人物の技術的な上達過程や心理描写が丁寧に描かれており、当時の少年野球漫画における新しいスタイルを確立した。集英社「別冊少年ジャンプ」(のちに「月刊少年ジャンプ」に改題)1972年2月号、3月号に『がんばらなくっちゃ』のタイトルで連載を開始。4月号より改題し、1979年3月号まで連載。1977年に第22回「小学館漫画賞」少年向け部門を『プレイボール』と共に受賞。1980年にテレビアニメスペシャルが放送された後、テレビアニメシリーズが1983年1月から7月まで放送された。その他、実写映画などにも展開されている。