星野真の代表作。19世紀末のロンドンを舞台に、物乞いをして生きる孤児の少女、ウィステリアと、「崩国の十三災」と呼ばれる大悪魔のマルバスが出会い、契約を結ぶ物語。貴族に売られることが決まったウィステリアは、視力と引き換えにマルバスと契約を交わして難を逃れ、マルバスとともに当てのない旅を開始する。一方、ウィステリアの兄、スノウは悪魔討伐組織「剣十字騎士団」に所属しながら妹を探し続けており、人間と悪魔の関係や家族の絆が重要なテーマとして浮かび上がってくる。本作は、孤独と絆、生と死といった重厚なテーマを扱うダークファンタジーである。19世紀末のロンドンを舞台に、悪魔が存在する世界観が設定されており、悪魔が契約者の願いを叶える際には相応の代価が必要という独自のルールや、剣十字騎士団という悪魔討伐組織が存在する。また、階級社会や孤児問題といった社会問題、アフガン戦争(第一次)といった歴史的な要素が背景に織り込まれている。小学館「週刊少年サンデー」2019年36・37合併号から2021年20号まで連載。テレビアニメ化され、2023年1月から4月まで放送された。