美女と野獣のロマンスがエモい！オススメ漫画５選40 Pt.

マルバスら悪魔は基本的には人の目には見えないが、3、4世紀前なら彼らへの恐怖心から存在に気づく人間もいたという。悪魔という存在が人間界に影響を及ぼさなくなったことを実感し、不死身の身体でこの先ずっと味気ない日々を生きていかねばならないことを憂えたマルバスが「実に退屈だ」と呟いた時、一人の少女が目に留まった。「もし、この私に同情してくださるのならお金を恵んでください」という少女の悲惨な姿を見ても誰も立ち止まる者はいない。「哀れだな」と、自分の声が聞こえるはずのない少女に言葉をかけたマルバスは、彼女の表情から自分の姿を認識していることに気づいて驚く。その時、少女を監禁しているヤクザ神父が現れ「おいガキ、お前にやる飯もタダじゃねえんだぞ」と彼女を無理やり連れ去る。マルバスと少女の逢瀬が始まったのはその夜から。決して結ばれることのない二人が光を求め合う禁断のダークラブストーリー。

ベルがこの森に入ったのは、自分たちの村では育たない赤い薔薇を摘むためだった。自分の髪の毛は特殊な色をしているので、真っ赤な薔薇なら髪飾りとして映えると考えたのだ。ところがその時、二人の前に「助けてっ、野獣が」と叫びながら一人の女性が逃げてきた。ただのお伽噺とベルが思っていた野獣の話は本当だったのだ。野獣は女性を殺すと、「その子供は美しいか」とベルの母親に問いかけ、咄嗟に母親は「この子は美しくない」と叫び、ベルの身代わりとなって野獣に捕らわれる。その後、変わり果てた母親の遺体が見つかり、父親は「全部お前のせいだ」とベルを責める。美しくも退廃的な独特の世界観でコアなファンを数多く持つ作者の最新作。

家族から捨てられ、親戚からも疎まれたチセは「ただ帰る場所が欲しい」という理由だけで自らの身を闇オークションに委ねたのだった。人間だけでなく、妖精、怪物たちも出席していたそのオークションでチセを500万ポンドの大金で競り落としたのは、狼の頭骨に山羊のような角を生やした異形の魔法使いエリアス・エインズワースだった。一目でチセの特殊な能力を見抜いたエリアスは「君のような能力を持つ者は珍しい。運がいい」と呟くが、周囲から変わり者として避けられていたチセは「良かったことなど一度もない」と叫ぶ。そんなチセにエリアスは「いつか君が良かったと思えるようにしよう」と約束する。しかし、エリアスの真の目的はチセを弟子として育て、さらには自分の嫁として迎えることだった。

「私にも食べるところはある。失礼だ」と反論するサリフィ。「王の前で勝手に口を開くな」と彼女を無礼者扱いしたアヌビスに王は「お前が下がれ」と一蹴する。その後「私にひれ伏し、命乞いするなら楽に死なせてやろう」という王にサリフィは「私はここから逃げても帰る場所も、待っている家族もいない」と答える。サリフィのいた家の夫婦は実の親ではなく、彼らは自分の実の娘が生贄になった時に、代わりに王に差し出すために彼女を拾って育ててきたのだ。供儀の夜、ドレスをまとい祭壇へと進むサリフィ。しかし、そこに現れたのは王を陥れようとしていた魔族だった。そして、サリフィを殺そうとした魔族の前に人間の姿をした王が。実は、王が生贄の娘たちを殺さず逃がしていたのだ。半分人間の血が入った王の真の姿を見たサリフィは「あなたの糧になりたい」と申し出るのだった。

「いや～ぁ、ついに飼っちゃってさぁ、もう可愛くて可愛くて。ペットショップ覗くだけにしようと思ったらよー」。リラを買った獣人の名前はジノヴィ。この世界では、リラが元居た世界ではヒトが飼っていた獣たちが、逆にヒトをペットとして飼っているのだ。ジノヴィの後輩ロルフは「あの超飽き性の先輩がヒトを飼うなんて」と絶句する。心配してジノヴィの家を訪れたロルフにジノヴィは「今まで泣いていたのに抱っこしたら泣き止んだぞ」とご満悦。しかしながら、リラは余りの恐怖に声が出ないだけだった。ヒトのことが全く分かっていないジノヴィはロルフから「ヒトを飼育するには必要なものをそろえないと」とのアドバイスを受け、リラを喜ばそうと奮闘する。ヒトと動物の立場が逆転した世界を描いた不可思議でハートウォーミングなストーリー。