藤本タツキの初連載作品。「祝福」と呼ばれる超能力を持つ者が存在し、「氷の魔女」と呼ばれる存在の力によって永続的な氷河期に陥った世界を舞台に、消えない炎に全身を焼かれながらも生き続ける、強力な再生能力を持つ青年、アグニの復讐と救済を描いた物語。ベヘムドルグという国の英雄、ドマの襲撃により村が全焼し、アグニが愛する妹のルナを失い、自身もドマの能力である「対象を焼き尽くすまで消えない炎」に身を包まれるところから物語は始まる。8年の苦痛を経て、自身を覆う消えない炎をある程度制御できるようになったアグニは、復讐の旅に出る。サンという少年やドマの教え子たちと出会い、妹に瓜二つの顔を持つユダという支配者の存在を知ることで、アグニの旅は単純な復讐から自身の存在意義への問いへと変化していく。本作は、終末世界における救済と狂気、暴力と優しさといった二項対立的要素を併せ持つダークファンタジー。人肉食などタブーとされる要素を多用し、予測不能なストーリー展開が特徴となっている。世界設定として、「氷の魔女」による永続的な氷河期、「祝福者」と呼ばれる超能力者の存在による強固な階級社会、食糧危機による人肉食文化などが確立された、極限状態の世界が構築されている。集英社「少年ジャンプ+」2016年4月18日から2018年1月1日まで連載。「このマンガがすごい!2017」オトコ編で第3位、「マンガ大賞2017」で第8位に選出。