炎を操る力を持った少年の活躍を描いた忍術スペクタクル漫画。主人公の花菱烈火(はなびしれっか)は「忍者」に憧れる男子高校生。彼は炎を生み出す不思議な能力の持ち主だった。ある日、烈火は治癒の能力を持つ少女・佐古下柳(さこしたやなぎ)と出逢う。優しい心を持つ柳に心打たれた烈火は、柳の忍者となって彼女を守ることを決意。烈火と柳の出逢いをきっかけに、400年の時を超えた因縁を巡る戦いが現代で繰り広げられることになる。1997年7月にテレビアニメ化。
烈火は戦国時代に生まれ、時空流離の術によって平成の世に流れ着いた火影(ほかげ)忍軍の末裔だ。火影忍軍の当主である炎術師の血を引いており、そのため生まれつき炎を生み出す力を持っている。炎を生み出すには、指先を強く擦るだけでいい。烈火はこの炎を武器に敵と戦うのだ。力は物語が進むごとに強くなっていき、やがて彼は自身に宿る「八竜」の力を使えるようになる。八竜とは、烈火の中に宿る8匹の火竜のことであり、烈火の炎の源。この世に未練を残して死んだ炎術師の魂が炎の竜になったもので、物語が進むにつれて烈火を宿主と認め、その力を貸してくれる火竜が増えていく。強くなった烈火は、柳を守るという使命を果たすことができるのか。迫力ある炎のバトルシーンが人気の作品だ。
ヒーローを目指す少年の成長を描いたヒーローアクション漫画。世界総人口の約8割が「個性」と呼ばれる超常能力を持つに至った超人社会。世界には個性を悪用する敵(ヴィラン)と、個性を使って敵と戦うヒーローが存在していた。主人公の緑谷出久(みどりやいずく)は、ヒーローに憧れを抱く少年。彼はこの世界では珍しい「無個性」の人間だったがヒーローになる夢を諦められず、多くの偉大なヒーローを輩出してきた国立雄英高校ヒーロー科への進学を目指す。2016年4月にテレビアニメ化。
ここで紹介したいのは、主人公・緑谷出久と同じ雄英高校に通うヒーロー志望の少年・轟焦凍(とどろきしょうと)だ。彼の個性は「半冷半燃」と言い、右半身で氷を操り、左半身で炎を操ることができるというもの。個性の中でも珍しいこの能力は、母の氷の能力と父の炎の能力を受け継いだために生まれた。焦凍の父親はエンデヴァーという名で活動しているヒーローなのだが、焦凍とエンデヴァーの間には確執がある。焦凍はエンデヴァーを嫌っており、そのため父から受け継いだ炎の能力は当初使っていなかった。本作では、家族間の問題を乗り越えて人間的に成長し、ヒーローとして人を助けるために父と母どちらの力も使えるようになる焦凍を見ることができる。炎と氷を操る焦凍の美しい戦い方は必見だ。
悪魔の血を引く少年の活躍を描いたダーク・ファンタジー漫画。世界には人間の住む物質界(アッシャー)と、悪魔の住む虚無界(ゲヘナ)が存在する。本来は干渉不可である2つの世界だが、悪魔は物質に憑依することで物質界に干渉しており、そんな悪魔たちを祓う人間を祓魔師(エクソシスト)と呼んだ。主人公の少年・奥村燐(おくむらりん)の育ての親である藤本獅郎(ふじもとしろう)も祓魔師であったが、悪魔との戦いで死亡。燐は祓魔師となり、悪魔と戦うことを決意する。2011年4月テレビアニメ化。
主人公の奥村燐は、悪魔サタンと人間との間に生まれた少年である。彼は双子の弟・雪男(ゆきお)と共に、神父であった藤本獅郎に育てられた。ある日、燐はサタンに虚無界へと連れ去られそうになるのだが、サタンの力である青い炎を解き放つことで撃退に成功。しかし獅郎がサタンに体を乗っ取られて、死亡してしまう。育ての父親を殺された燐は祓魔師になり、獅郎の仇を討つことを決めた。燐は祓魔師になるために数々の戦いに身を投じていくことになるのだが、そんな彼の武器となるのが降魔剣・倶利伽羅(クリカラ)と、サタンから受け継いだ力である青い炎だ。青い炎は燐の身体から放たれ、雑魚悪魔程度ならそれだけで消滅させることができる。悪魔の力を持ちながら祓魔師を目指す燐の行く末を見守ろう。
海賊王を目指す少年が仲間たちと大海原に繰り出し冒険を繰り広げる、海洋冒険ロマン。主人公のモンキー・D・ルフィは、悪魔の実の1つ「ゴムゴムの実」を食べてゴム人間になった少年。彼の夢は、海賊王ゴールド・ロジャーが遺した伝説の秘宝「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を見つけ、海賊王になることだ。ルフィは海に出て仲間たちを集め、彼らと共に数々の冒険を繰り広げながら海賊王への道を歩んでいく。1999年10月にテレビアニメ化。
本作で炎を操るキャラクターと言えば、多くの人がルフィの義兄「火拳のエース」を思い浮かべるだろう。エースは悪魔の実の1つである「メラメラの実」の能力者だった。メラメラの実の能力は全身が炎になり、火炎を自在に操ることができるというもの。覇気を纏った攻撃以外の物理攻撃は効かず、簡単に建物を焼き尽くしてしまうほどの火力を誇る、強力な能力だった。しかしエースは、メラメラの実より強力なマグマグの実を食べたマグマ人間、海軍大将・赤犬の攻撃を受け倒されてしまう。エースの死後、復活したメラメラの実はルフィとエースの義兄弟であるサボの手に渡った。エースの能力をサボが受け継いだことに歓喜したファンは多い。受け継がれた炎の威力を、ぜひ作品を見て確認しよう。
消えない炎を纏う青年の復讐を描いたダーク・ファンタジー漫画。生まれながらに異能力が使える人間を「祝福者」と呼ぶ。あるとき、世界は氷の魔女と呼ばれる祝福者の力で、雪と飢餓に覆われた。主人公の少年・アグニは、肉体の再生能力に優れた祝福者。彼は同じ再生能力を持つ妹のルナと2人きりで、雪に覆われた過酷な世界を生き抜いてきた。そんな兄妹の生活は、1人の兵士との出会いがきっかけで、悲しい終わりを迎えることになる。
雪に覆われた大地では、食料もろくに手に入らない。そのためアグニは自身の再生能力を利用し、自分の腕を妹に斬り落とさせては、村の人々に分け与えていた。ある日、兄妹が暮らす村にとある王国の兵士たちが現れて、食料や燃料を奪おうとする。しかし彼らは村人たちが人肉を喰っていると悟るや、何も奪わずに撤退。そのとき、人喰い村を野放しにはしておけないと、村に異能力の炎を放った。その炎は焼け朽ちるまで決して消えず、再生能力を持つアグニは延々と炎に焼かれ続けることになる。アグニより再生能力が劣るルナは死に、アグニが炎に焼かれ続けること8年。ついにアグニは再生能力の使い方を覚えた。アグニは消えない炎を纏った身体で全てを焼き、殺し、妹の仇の元へ向かっていく。