沖田×華の代表作の一つ。元看護師で発達障害当事者でもある×華の実体験をもとに制作された。産婦人科医院を舞台に、見習い看護師として働く准看護学科の高校3年生、×華が体験する、さまざまな命の現場を描いた物語。産婦人科医院で働く中で、中絶の現場を経験した×華は辞めようかと考えるものの、出産の現場に立ち会うことで命の重さと大切さを実感していく。作中では、中絶胎児という「存在していたのに認識されることなく"ないことにされた"命」を特に重要なテーマとして扱っているが、ほかにもDV、性虐待といった事例にも焦点を当て、さまざまな家族のかたちや親子関係が描かれている。本作は、産婦人科を舞台とした命の現場での体験をテーマにした医療漫画であり、「産婦人科は命が生まれるだけの場所じゃない」という視点から、幸せな出産の裏側でひっそりと日常的に進行する現実にも目を向けている。作者の沖田×華自身が准看護学生だった、1997年当時の立場から見た産婦人科の光と影が、母性や残酷な実情に基づき描写されている。講談社「Kiss PLUS」2014年1月号から3月号まで連載後、同社「ハツキス」2014年7月号から電子雑誌となった「ハツキス」32号(2021年2月25日)まで不定期連載。2018年に第42回「講談社漫画賞」少女部門を受賞。テレビドラマが2018年7月から放送された。