暑さをふっとばす！水着シーン漫画特集27 Pt.

今年も猛烈に暑い夏が来た。夏のレジャーとしえば海やプールだけれど、忙しいとなかなか出かけられないもの。そんなときは、水着キャラを見て気持ちだけでも涼を感じたいところ。水着姿の男女がまぶしい漫画を紹介だ。

『奥様は女子高生』で人気を博した作者が織りなす、魅力的なヒロイン千聖（ちさと）と数々の女の子の描写は職人芸の領域。おバカな男子高校生たちのドタバタも、かつての自分を省みて「そんなこと考えてたなあ」と思わされる読者もいるのではないだろうか。お色気一辺倒かと思いきや、主人公のハマジも水球部の選手として徐々に才能を開花させたりと活躍を見せる。ヒロインの描写に比べるといささか比率に偏りがあるのは致し方のないところか。最初はハマジを嫌っていた千聖も、努力するハマジの姿に徐々に恋心を抱いていくという王道ラブコメの側面も。何はともあれ水着とヒロインの描写は保証されている全編水着満載の一作だ。

設定からしてぶっ飛んでいるが、要は「ドンケツ対決」が公営の競技になった世界でのスポ根。主人公の神無のぞみは貧乏暮らしから抜け出すために「競女」で一攫千金を目指していくところも、ボクシング漫画などに通じる王道展開。そう、お気づきの人もいるかもしれないが、根幹の設定がトンデモなだけで、中身は王道のスポーツバトルなのだ。単に女の子が胸や尻から真空波や振動波を出すだけで。基本的に日常描写より試合の内容の比率が高く、登場人物はほぼ全編にわたって水着姿である。しかし展開されるバトルは、尻や胸を武器にしているというツッコミを抜きにすれば心理的な駆け引きもあり、手に汗握る熱血の連続だ。

水着と言えば女子ばかり思い浮かべがちだが、男子水泳もオリンピックのたびに盛り上がる人気種目だ。本作は2017年にはテレビドラマ化され、その後舞台化までされた人気作品。色物などでは断じてなく、描かれるのはひたむきな水泳への情熱と部員同士の友情。リアルな水泳部の練習や試合模様は非常に評価が高く、単純なスポーツ漫画としてもハイレベル。ストイックなまでに練習を重ね、ライバルと水中のデッドヒートを繰り広げる描写は必見。また水の描写が秀逸で、潜水のときの緊張感は思わず自分も呼吸を止めてしまっているほどだ。女性人気ももちろんだが、男性が読んでも十分に楽しめる漫画だ。「男の水着なんて」と言わずに手に取ってほしい。

ネオ・ヴェネツィアの光景を覚えている人たちには今更言葉は不要だが、同作者の最大の特徴は見開きで描かれる風景の美しさを最大限に描き出した筆力と、それを見つめる登場人物たちの瑞々しい感性にある。海中だけでなく日常にもちょっとした「素敵」を見つけ出す主人公の「ぴかり」こと光、彼女に影響されて外の風景に目を向けるようになった転校生の「てこ」こと双葉、姉ちゃん先輩や弟くん、まとちゃん先生らがそれぞれに持った視点からも、世界に隠されている綺麗な風景や優しい人々、少しだけ不思議な光景が描かれている。とにかく綺麗なもの、「素敵な世界」を堪能したい人にお勧めしたい作品。

超一流のライフセーバーだけど、やることなすことどこかダサい主人公・早乙女の、恋と友情を描いた青春ラブコメディ。安全を考えず好き勝手に遊ぶ海水浴客に憤り、規則で人命を守るべきだと主張する新人ライフセーバー、和久津とぶつかり合いながらも友情を深めていく。また、サーファーの凪子との関係も本作の見所。海を愛し人命を救う早乙女の生き様は、ピチピチのスイムパンツがどんなにかっこわるくても、やっぱりかっこいいのだ。これから海に行く予定の人も多いと思うが、本作を読んで改めて海の安全の心得とライフセーバーへの感謝を思い返してみてはいかがだろうか。

廃部の危機、ではなくいきなり廃部。主人公のイルカはそこからビーチバレーに出会う。砂浜でバレーをするコツに戸惑いつつも、成長していく再起の物語。イルカはバレーボールの選手としては150センチと低いが、驚異的な跳躍力を武器にビーチバレーでも頭角を現していく。ほぼ全編にわたって女性キャラクターは水着だが、そのことを忘れるほど白熱した試合が描き出されている。ライバルとの出会いやバレーボール時代の仲間が再び集まる王道的な展開は安定感がある。また、2004年のアテネオリンピックでビーチバレー日本代表として活躍した徳野涼子選手が名前もそのままに出場しているなど、ビーチバレーへの本気度がうかがえる。