ダンディな老紳士と天使の種族を超えた恋愛模様を描く、ユニークなラブコメディ漫画。主人公の「おじいちゃん」は、かつて圧倒的な力で国を救った英雄。しかし、その栄光も人々から忘れ去られ、年老いた彼は山小屋でひっそりと暮らしていた。そんなおじいちゃんを天国に誘うべく、美しい天使が舞い降りる。ところが、老いてなお衰えを知らないおじいちゃんは、天使も予想外の奇跡を見せる。
「英雄色を好む」という言葉があるが、主人公はまさにその言葉通りのプレイボーイ。彼の魅力は年老いても衰えるどころか、磨きがかかった状態だった。そんな彼は「貴方を天国にお連れします」という天使の言葉を勘違い。美しい女性の誘いに応えようと、フェロモン全開で天使に迫ってきたのだ。想定外の事態に戸惑う天使だが、おじいちゃんの魅力に抗うことが出来ず、朝を迎えてしまう。その日を境に、天使とおじいちゃんは共に暮らしていくこととなる。主人公は衰えたとは言え、未だに肉体派筋骨隆々。その上、渋い口髭と柔和な笑顔がチャーミングな老紳士。そんなカッコイイじいさまと、ウブでピュアな天使の織りなす恋愛模様は実にユーモラスだ。
悪の秘密結社と戦う老人サイボーグの活躍を描いた、ナンセンス・ギャグコメディ漫画。主人公の壊造時次郎(かいぞうときじろう)は、田舎で農業を営むおじいちゃん。天才科学者でもある時次郎は、世界一の農家となるべく自分自身を2000馬力のサイボーグに改造し、「サイボーグじいちゃんG」と名を変えた。しかし、農作業にはオーバースペック過ぎる時次郎のボディと科学技術は、さまざまな騒動を巻き起こしていくこととなる。
本作におけるカッコイイじいさまは、主人公の壊造時次郎。サイボーグとなった時次郎は、レーザー砲やミサイルなどの強力な兵器を備え、マッハ2での超高速移動も可能。本人は農作業用と言い張っているが、そのパワーは完全に軍事力レベル。そんな時次郎は村長とのいざこざによって自らの畑を放棄、彼が提唱する「サイバー農業」の力を試すため、家族を引き連れて東京にやってくる。そこで時次郎は、かつての研究仲間だった社礼頭毒郎(しゃれこうべどくろう)と再会。世界征服を企む悪の科学者となっていた毒郎の野望を挫くため、時次郎は全力を尽くして戦っていく。基本的に時次郎の行動ははた迷惑極まりないが、年老いて尚、己の信念に熱き血潮を滾らせる彼の姿は、文句なしにカッコイイといえるだろう。
政府公認の暗殺組織で働く少女と老人の活躍を描く、クライムアクション漫画。平賀雷蔵は定年退職した警視庁の元SP。雷蔵は難病を抱える孫の医療費を稼ぐため、高給を謳う怪しげな求人に応募する。その求人元「SS機構」は何と、法の手の届かない犯罪者を闇に葬る暗殺組織だった。背に腹は代えられない雷蔵は、この組織に再就職し、危険な仕事をこなしていく。
主人公のひとりである平賀雷蔵は、剣道と柔道の高段者にして、銃器の扱いにも長けた凄腕の元SP。鋭い眼光と額に残る刀傷からも、彼が歴戦の強者であることがうかがわれる。無造作にオールバックにした白髪と顎髭が似合う、渋い容貌のカッコイイじいさまだ。そんな雷蔵が再就職先である「SS機構」でコンビを組むのが、もうひとりの主人公である涼風美晴。何と美晴は僅か11歳、小学5年生の殺し屋だ。美晴は幼いながらも、暗殺の技術は超一流で、冷徹に仕事をこなす「純真無垢な殺戮兵器」である。元SPの老人と純粋培養の殺し屋少女、対照的な雷蔵と美晴だが、ふたりは仕事を重ねる内に心を通わせ、やがて掛け替えのない相棒となっていく。
頑固者の老人と不思議な少女の同居生活を描く、SFファンタジー漫画。樫村蔵六は、東京で花屋を営む老人。ある日蔵六は偶然立ち寄ったコンビニで、紗名という不思議な少女と出逢う。紗名は超常的な力を駆使する少女たちと大立ち回りを演じ、街中を大混乱に陥れる。その最中、蔵六は紗名たちを一喝。紆余曲折の末、蔵六は行く宛てのない紗名の一時的な保護者を引き受ける。第17回文化庁メディア芸術祭漫画部門新人賞受賞。2017年テレビアニメ化。
本作に登場するカッコイイじいさまは、樫村蔵六。蔵六は頑固一徹という言葉を絵に描いたような老人だ。曲がったことが大嫌いな蔵六は、強面のヤクザ相手にも一歩も引かずに筋を通す。それどころか蔵六は、空を飛び、巨大な鉄球を自在に操るなど、常識外れの力を駆使する少女を目の当たりにしても一切動じることなく、「人様に迷惑をかけるな」と説教する。蔵六の肝の据わり具合と、ブレない姿勢は見事と言う他ない。そんな蔵六は「研究所」から逃げてきたという謎の少女、紗名の保護者となる。強力無比な能力を持つが、幼く一般常識に疎い紗名は、心正しき頑固者の蔵六との暮らしを通じ、人間とはどうあるべきかを学んでいく。
江戸幕府末期の日本を舞台に年老いた忍者の活躍を描く、史実を元にしたアクション時代劇漫画。時は幕末、米国から浦賀沖に来港した4隻の軍船に、江戸幕府は大混乱。その対抗手段として幕府の老中筆頭たる阿部正弘が白羽の矢を立てた者こそ、本作の主人公である沢村甚三郎保祐だ。甚三郎は代々技を受け継いできた伊賀忍者の末裔。かくして彼は、日本の命運を左右する極秘任務に就くこととなる。
物語の開始当初、主人公である沢村甚三郎保祐は58歳。「じいさま」と呼ぶには少々若く感じられるが、平均寿命の短かった江戸時代においては立派な老人だ。徳川政権発足後、250年にも及ぶ太平の世が続いた江戸末期。忍者はもはや、お伽噺の存在のように思われていた。甚三郎は、その忍びの技を脈々と受け継いできた生ける伝説で、服部半蔵や猿飛佐助といった有名な忍者を二流と吐き捨てる。甚三郎曰く、忍びは名を残さず闇に消えてこそ一流なのだ。鍛え上げた技と独自の美学を併せ持つ甚三郎は、まさしくカッコイイじいさまだ。そんな甚三郎は「最後の忍び」として、黒船への潜入を皮切りに、数々の困難な任務に挑んでいく。