異界から来た鬼ギャルが、ホームステイ先の息子の貞操を狙うお色気コメディ。異界と人間界の間で異文化交流が始まり、巷では妖怪や神の姿を見かけることも珍しくなくなった。そんな中、男子高校生・桜井綱の家に、鬼の娘・西大寺茜がホームステイすることに。茜は、綱と同じ高校1年生で、見かけもノリもギャル。綱は、「人を喰らう」という鬼の文化を守る名目の下、茜と性的関係を結ぶことを迫られる。
茜は、額から2本のツノこそ生えているものの、ギャル語を連発し、見た目も立ち振る舞いもギャルそのもの。父親の西大寺酒蔵もスーツ姿をビシッと決め、法律について世知辛そうに語るなど人間社会へすっかり溶け込んでいる。鬼たちには古来、人間を喰らう文化があったが、異文化交流が始まってからは人間に危害を加えることは禁止となった。とはいえ、文化を守りたいという気持ちは強い。そこで酒蔵は、「物理的に喰らうのがアウトでも性的に喰らうのはセーフ」と言い、茜に綱を「性的に」喰らわせようとする。茜も彼を喰らうことにノリノリだ。2人の同居生活や綱の貞操の行方から目が離せない。
女子高校生ギャルの岡崎みくが、家庭科教師の矢部真司から料理を学んでいくラブコメディ。みくは学校イチのギャルで、赤点続きで卒業が危ぶまれていた。校長先生から、先生方にへ手作りのお菓子でも渡しておけ、と言われたことから、真司にお菓子作りを教えてもらおうと家庭科室に押しかける。真司は、料理の腕は壊滅的なものの真摯にチャレンジする彼女の姿勢に心を打たれ、料理研究会なる部活を立ち上げ、彼女に料理を教えていく。
みくは、焼けた肌、ネイルなどギャルらしい見た目だが、魚の食べ方で恥を覚えるような純真さを併せ持っているところが魅力的な女の子だ。真司への好意を隠そうともせず事あるごとにアピールするが、まともに取り合ってもらえない。この2人の温度差は、読んでいてニヤニヤできるポイントの一つだ。米を洗剤で洗うなどの料理音痴ぶりや、真司とみくの性的に際どい掛け合いが前面に出ている作品ではあるが、肝心の料理も美味しそうに描かれているので、「飯テロ」作品としても楽しめる。ギャルだけどピュアというギャップ萌えのヒロインと教師のテンポの良い掛け合い、そして料理の描画クオリティと三拍子そろった完成度の高い作品なので、「ギャル」というワードを敬遠しがちな人でも気軽に読み進められる。
女子高校生ギャルのあゆと樹理亜が、個性的な人物と一悶着をおこすギャグコメディ。あゆと樹理亜は、盛り過ぎのまつ毛がトレードマークの女子高生ギャルコンビ。ファミレス「カスト」に入り浸り、最新ギャル用語のチェックに余念がない。そのファミレスにやって来る客はみな個性的。美少女イラストとデートしている男、自称「セクシー伝道師」などと、ぎやかなやりとりを繰り広げる。
本作は、あゆや樹理亜の盛りすぎ感が否めないまつ毛や、ギャル語が詰め込まれ過ぎた独特のセリフ回しが面白い。ファミレスの客も、ひ弱なDJや虫取り小僧、馬鹿力の先輩ギャルなど一風変わったキャラばかりだ。一話完結型で、何巻の何話からでも気軽に読むことができるだろう。イラスト&内容ともにギャグ方面に振り切っているので、色気や可愛さを前面に出しているような、いわゆる「ギャル萌え」作品ではない。だが、ギャルならではの気苦労や恋愛事情といった「あるあるネタ」も随所に盛り込まれている。ギャルのリアルに共感しつつ、思い切り笑いたい人におすすめだ。
女子高校生のギャル子が、親友たちとガールズトークを繰り広げる日常コメディ。ギャル子の友達は、メガネをかけボサボサヘアとゲジ眉が特徴的なオタクのオタ子だ。また、清楚な美少女で天然系お嬢様のお嬢とも仲が良い。3人は、時に金髪イケメンのチャラ男や、シャイで引っ込み思案なオタク男子のオタ男らを交えながら、料理談義やトイレ事情などさまざまな話題で盛り上がる。2016年にテレビアニメが放送された。
ギャル子は派手な髪型と抜群のスタイルが特徴的で、学校に遅刻しようものなら「男と夜遊びしてたのでは」とクラスメイトに勘ぐられている。しかし、実際はいたって常識人。下ネタやエッチな話題で顔を真っ赤にしたり、冗談を真に受けるなど純真そのものだ。話を追うほどに、ギャル子はもちろん、オタ子やお嬢にも見た目と実像にギャップがあることが感じられ、読後は人を見る目が変わること間違いなしだろう。それぞれ全く住む世界が違うように見える「ギャル」「オタク」「お嬢様」の3人。彼女たちが仲良くしている様子を見るに、本作は、日常コメディという枠を超え、ある種グローバルなメッセージを発信していると言えるのかもしれない。
女子高校生ギャルの安城が、クラスの瀬戸に日々エッチなちょっかいを出すラブコメディ。クラス委員の瀬戸は真面目な性格で、あまり目立たない存在だ。しかし最近、同じクラスの安城にやたらと絡まれ戸惑っている。朝、教室で勉強をしていると、安城に突然抱きつかれたり、映画のお色気シーンの話を聞かされたりと翻弄される。以降も、無駄にエロく絡まれ続ける。
安城は典型的ギャルで、時折、授業をサボるなど不真面目な面もある。しかし、瀬戸のような「真面目な人」への悪口に対し苛立ちを覚えたり、彼のガリ勉やオタクといった性格を全肯定するなど、彼を真摯に想っている様子が随所にうかがえる。対する瀬戸は、普段は、安城のエロいちょっかいにオロオロしているだけだが、彼女と関わり合ううちに心から尊敬するように。また、行動すべき時には尻込みしない芯の強さを持っている。人によっては抵抗を覚える「ギャルにイジられ続ける」というシチュエーションも、2人がお互いを大事にしていることがさまざまなシーンから伝わってくるため、安心して読み進められるだろう。