恋愛漫画の王道「初恋」を堪能すべし！ オススメ漫画５選66 Pt.

爽子のあだ名は「貞子」で、雰囲気が暗い為に「3秒以上目を合わせると呪われる」などという噂をされ、孤立した高校生活を送っていた。だが爽子の座右の銘は“一日一善”。そのため周囲を怖がらせる自分を申し訳なく思っており、友達作りのための努力を欠かさない前向きで純真な女の子。その素顔を知った級友の風早や吉田千鶴や矢野あやねはどんどん彼女に惹かれていき、爽子は少しずつクラスに馴染んでいく。初めは恋愛感情すら理解していなかった爽子だが、次第に風早への恋心を自覚していく。爽子や風早は勿論のこと、それぞれの初恋の結末など、主要キャラクターの高校卒業後の進路までを全30巻のボリュームで丁寧に描いている。

32歳と28歳という、アラサーながら交際経験が皆無の2人。特に主人公の叶多は、過去にそこそこモテたこともあったが、「女子って面倒臭そう、男友達といる方が楽しい」などと考えているうちにどんどん恋愛の機会を逃し、初恋すら経験しないまま大人になってしまった。32歳なのに恋愛経験ゼロの男だとバレたら、優海に引かれてしまうのではないかと危惧し、余裕ある対応をしようと心掛けるも、ことごとく失敗。優海も優海で恋愛経験ゼロのため、そんな叶多の焦りに気付くどころではない。いい大人なのに初々しすぎる可愛い2人を、いつまでも見守り続けたくなる作品だ。

実は洸も双葉に好意を寄せており、中学1年の1学期の2人は両想いだった。しかし、洸は両親が離婚して突如長崎へ引っ越すことになり、夏祭りに行くことができないまま夏休み中に転校してしまったのだった。双葉の初恋は潰えたかのようにみえたが、それから3年後、高校生になった洸は田中から馬渕へと苗字を変え、双葉の前に再び現れる。ところが洸の表情や性格は、母の死を機にまるで別人のようになってしまっていた。共に時間を過ごすうちに双葉の恋心は再燃するが、友人の槙田悠里も彼に惚れていたり、長崎での洸を知る成海唯（なるみゆい）が登場したりと、寸前のところですれ違いを繰り返し、想いはなかなか実を結ばない。恋や友情など、青春を謳歌する主人公たちが眩しい1作だ。

ヒロインの1人・由奈は夢見がちで、実在する人物に恋愛感情を抱いたことがなかった。そんな彼女の初恋の相手・理央は、親が再婚してしまった為に義理の姉弟関係になってしまった同級生・朱里に恋をしていた。家族になることで、変な噂を立てられたくないと気を揉む朱里を気遣い、告白できなくなったという経緯を知った由奈は、自分の恋はさて置き、理央を応援することにする。理央は次第に、自分を一途に思ってくれる健気な由奈を可愛いと思い始める。

美奈子の初恋相手の逞真と、同い年で甥の柊は、中学時代は揃ってバスケットボール部に所属。そんなイケメン2人の活躍を常に応援してきた美奈子は中学2年生の時に、逞真に告白するも「柊の身内には手を出したくない」という理由でフラれてしまっていた。2人は高校で再会するものの、逞真は美奈子に対して気まずそうな態度をとっていた。だが同じクラスで時間を共有していく中で、美奈子は再び逞真を意識していき、逞真も徐々に心を寄せるように。そんな2人の様子を見ていた柊の言動にも、変化が現れる。読者は美奈子の初恋の行方から目を離せないだろう。