『愛してるぜベイベ★★』『きらめきのライオンボーイ』槙ようこ特集！28 Pt.

「きらめきハート」の新刊を手にして浮足立っていたみわは階段を踏み外してしまい、危うく大怪我をするところだったが、運良く下にいた男子生徒に助けられる。彼の顔を見て驚くみわ。何と自分が夢中になっている「星」にそっくりだったのだ。実はみわには漫画の世界に没頭するようになった理由があった。みわが小学生の時、クラスのボスだった男の子から交際を迫られたが「あなたのこと好きじゃない」とあっさり退け、恥をかかされて激怒した男の子から酷い苛めを受けて登校拒否になったのだ。そんなみわに勇気をくれたのが「きらめきハート」。「星」にそっくりな中条桐敦（きりあつ）との出会いで現実の恋愛に目覚めていくみわ。しかも漫画の世界に理解を示すなど、彼女を大切に思う桐敦の優しさに心癒される。

スポーツ万能の杏花音だったが、勉強の方はからきしダメ。ところが、彼女は学年トップの辻莉（つじり）正に片思いしており、3日かけて書いたラブレターを彼に渡すも「僕は頭の良い子が好きだ」と返されてしまう。成績をどうにか上げたい杏花音は幼馴染の香鈴（かりん）から「蒼に勉強を教えてもらったら」とアドバイスを受けるが「アイツには絶対に頭を下げたくない」と拒む。「じゃあバカのままでいれば？」と香鈴から見放された杏花音は仕方なく蒼に勉強を教えてもらうことに。「また、学校に来れば」と杏花音に言葉を掛けられた蒼は再び学校に通うようになり、そのことがきっかけで、ずっと距離ができていた二人は少しずつ歩み寄り始める。兄妹としての時間を再び共有し始めた蒼と杏花音。同時に、二人を取り巻く人間関係も変化していく。

身寄りのなくなったゆずゆを引き取ることになった片倉家だが、長女の鈴子は日頃から自堕落極まりない弟の結平に「お前が今日から面倒を見ろ」と一方的に命じる。いきなりの無茶な命令に戸惑う結平だが、母親を信じて健気に待ち続けるゆずゆの姿に、今まで感じたことのなかった父性本能が目覚め、一緒の布団で寝かしつけたり、「おうちに帰りたい。ママのおにぎりが食べたい」と泣きながら結平にしがみついたゆずゆのために、幼稚園の送迎に加えてお弁当作りにも挑戦し始めたりと奮闘する。男子を主人公にした作品は当時の少女漫画としては珍しく、また、子供に対する虐待や苛め、親の蒸発、親子間の確執といったシリアスで多様な家庭問題を扱い、話題となった作品でもある。

ほたてには、幼い頃から霊が見えたり、人の身体に触れただけでその人の考えていることが分かったりするといった不思議な力が備わっていた。だから、ほたてには自分とは暮らしたくないという祖母の本心が分かっていた。善次朗と共に鹿児島の田舎に引っ越したほたては、「ここには何でもある。ほたてが好きなように生きればいい」と優しく諭される。ほたては善次朗に自分には人とは違った力があることを話し「最初から、あなたがお父さんだと分かっていた。迎えに来た時、あなたの横にお母さんがいたから」と泣きながら打ち明ける。ほたての言葉に感極まる善次朗。「ほたてはその力を人のために使えばいい。ほたてのことは父さんが守る」善次朗とほたて親子の新しい生活がスタートした。

野獣だらけのサバンナに一人残されたかのような気持ちの朝実。誰にも声を掛けることが出来ずにいた朝実の前に「ごめんね、迎えに来るのが遅くなっちゃった」と光が颯爽と姿を現す。光に「みんないいヤツばかりだから、こわがらなくていい」と言われた朝実だったが、やり放題荒れ放題の学校の雰囲気にやはり馴染めず、転入早々「私はあなた達とは話が合わない」と皆の前で公言してしまう。そんな朝実を追いかけ、「ようこそわが校へ」と優しく接してくれる光。自分の態度を謝り、親が借金を作って離婚したことを話す朝実に光は「そんなの過去のことじゃん。今を見なよ」と一蹴する。光の一言で救われた気持ちになった朝実。ところが、女子と思っていた光が実は男子で女装していることを知った朝実は人生最高の衝撃を受ける。