香川県を舞台に、久しぶりに帰郷した男とタヌキの少年が繰り広げるハートフルファンタジー。主人公の宗太は、父の訃報をきっかけに実家である製麺所に帰ってきたが、そこで奇妙な子供が眠っているのを発見する。ポコと名付けられたその少年の正体は、人間に化けたタヌキだった。2016年にアニメ化。
本作の舞台となるのは「讃岐うどん」で知られるうどんの名産地、香川県。主人公の宗太は有名なうどん屋の息子で、幼い頃友人にからかわれたのをきっかけに、店を継ぐことを拒み上京した。香川から長く離れ、東京でウェブデザイナーとして働いていた宗太だが、父の死をきっかけに帰省をする。実家はすでに閉店した後だったが、そこで少年の姿に化けた狸のポコと出会う。うどん屋を継ぐつもりはない宗太だが、料理の腕はかなりのもの。ポコの面倒を見ることをきっかけに、うどんを始めとした美味しい料理を作り、ポコになつかれていく。宗太は香川にとどまり、故郷の人たちと改めて交流することになる。
大学の学食で働くバツイチの女性と、そこに通う大学生との恋愛を描いたラブコメディ。35歳の村田チカは、毎日うどんだけ注文する油絵科のキノが気になる。キノもまたチカのことが気になる。そんな二人の妄想混じりの不器用な関係に、チカの元夫が絡んでの恋愛模様が始まる。
舞台となる学食では、94円の素うどんが売られている。量も多く、貧乏な学生にはありがたい存在だ。それを毎日給仕するのが、学食で働く主人公のチカ。21歳の大学生キノは、そのうどんを毎日注文している。安いとはいえ、毎日素うどんだけを頼むキノを心配するチカと、そんなチカの様子がだんだんと気になってくるキノ。やがてふたりは互いのことを意識しだし、やがて恋愛感情を抱くようになる。年の離れた男女がゆっくりと距離を縮めるふたりの恋愛模様が丁寧に描かれるが、2人とも少し妄想癖がある。キノの「チカのうどんを毎日食べていたせいで、うどんに興奮を覚えるようになった」という独白など、互いが抱く妄想が読者の笑いを誘う作品だ。
不思議な生き物「うどんちゃん」の日常を描いた、ちょっとフシギなファンタジー日常漫画。うどん打ちの名人が打ったうどんから、突然生まれた謎の生き物「うどんちゃん」と「うどんこちゃん」。自由を求めて外の世界に旅立ったふたりは、たぬきの「たぬたぬ」やオペロン山の主「オペロン」、そして他の生きたうどんたち様々な仲間と出会い、のんびりとした日々を過ごす。
本作に登場するのは、なんと命を持った動くうどんだ。うどん打ちの名人「おじさん」が打ったうどんの生地から、生まれた生きたうどん「うどんちゃん」とその妹「うどんこちゃん」。見た目はそっくりだが、区別するために、うどんこちゃんはしっぽにリボンが付いている。ふたりとも小麦粉100%で出来ているのだが、生き物のように自由に動き、TVで覚えた言葉で人間と会話もできる。さらに話が進むにつれ、おじさんが作り出した生きたうどんは、他にもいることが判明する。山菜うどんやきつねうどん、力うどんなど、様々なうどんがかわいいキャラクターとして登場する。
人気漫画家が実際に作った夜食を紹介する実録レシピ漫画。「ワンパンマン」の作画や「アイシールド21」で知られる村田雄介氏が、仕事の合間に夜食として作った料理をレシピや感想、過去のエピソードとともに紹介していく。作るうえでのチョイ足しメモや、材料費がいくらかかるか計算したもの、健康のための栄養分析なども掲載している。
本作の作者である村田雄介と言えば、代表作「アイシールド21」でブレイクし、近年ではその高い画力を活かして「ワンパンマン」の作画で活躍する人気漫画家だ。そんな村田氏の意外な一面が、料理が得意というもの。本作はそんな村田氏が、「深夜にさっと作れて適度に腹が膨れる料理」を紹介する実用性満点の実録漫画だ。うどんが登場するのは2話目で、メニューは村田氏が多忙な時にしょっちゅう食べているという「肉うどん」だ。冷凍うどんと豚こま肉、薬味を合わせたお手軽な一品で、シンプルだが分かりやすい村田氏の描写も相まって、深夜に読むと食べたくなること間違いなしの美味しそうなうどんが紹介されている。
同名のオリジナルアニメーション作品のコミカライズ作品。ごく普通の少女たちが勇者に選ばれ、過酷な戦いに身を投じるアクションファンタジー。「勇者部」という部活でさまざまな人助けをしていた女子高生の結城友奈(ゆうきゆうな)は、ある日自分や勇者部の仲間が「神樹」に選ばれて本物の勇者となったことを知る。謎の生命体「バーテックス」との戦いの末、友奈たちは勇者にまつわるある真実を知る。
本作の舞台はうどんの名産地香川県。そのため、主人公である友奈はもちろん、登場人物たちはうどんをよく食べる。特に、勇者部の部長であり皆のまとめ役の犬吠埼風(いぬぼうざきふう)は、行きつけのうどん屋で何杯もお代わりするほどの健啖家だ。皆で食べたり、あるいは作ったりと、日常シーンではかなりの頻度でうどんが出てくるため、うどんは日常の象徴の一つとして読者の印象に強く残る。本作ではストーリーが進むにつれ、友奈たちをある悲劇が襲う。そうしたシリアスな展開と丁寧に描写される和やかな日常とのギャップは、本作に大きなドラマを作り出している。