情熱のままに…禁じられた恋愛特集‼39 Pt.

誰かを想う心は自由。たとえ、その想い人にパートナーがいようとも想うだけなら──。そうはいっても、恋が燃え上がってしまったら誰も鎮火することはできません。美しい結末の描写は漫画ならでは⁉　そんな禁断な恋を集めました！

もうすぐ19歳という、子供と大人の境目で揺れ動く、二度と戻れないあの頃。なぜだか憎めないプレイボーイ・小原に憧れてしまう、主人公・ゆいこ。大人の世界に踏み出し、自分の気持ちにまっすぐに行動するゆいこの姿に影響をうけたのは、実は大人達のほうなのです。雑誌「りぼん　オリジナル」に掲載されたとは思えないほどの、ビターで大人っぽい恋物語は、バイト先オーナーの旦那と”不倫”というエキセントリックな内容だけど、人を愛するということ、思いを伝える大切さを思い出させてくれる作品です。

幸せの形は人それぞれ。夏の幸せは、夫や子供達の幸せ。だけど、自分の身なりなんてそっちのけで、家族のために奮闘する夏の姿は、夫や思春期の娘にはみっともなく映ってしまう。全く勝手な話ですが、夫は夏に女らしさを思い出させるため、自分の会社に派遣社員としてやってきた龍に、夏を誘惑するよう頼みます。夫が仕組んだとは知らず、龍に惹かれていく夏。そして、いつしか心がどんどん近づいていく夏と龍。こうなったらもう後戻りはできません。恋とともに、美しくなった夏が選ぶのは、家族か、龍か。切ない恋の結末は？

戦争の影が忍び寄る時代。自分の仕立てた白いドレスを纏い、運命の相手と舞踏会で円舞曲を踊るのがささやかな夢だった少女・湖都。しかし親が決めた婚約で、夢は叶わないものとなります。とはいえ、氷のような美貌の将臣との婚約に、湖都は反発はすれども、断り切れず。やがて２人は、時代に翻弄され、運命の歯車が狂っていくことになります。まるで将臣とは太陽と月のように対照的なサジットとの出会い。運命の男性が２人も現れてしまったら？　自分の心に従って自由に生きる湖都の姿に、胸が熱くなる作品です。

住み込みのお兄さんやお姉さんが身近にいた千絵にとって、大人の存在はずっと近かいところにあります。愛し合う恭司と郁子を目の前にして、恋愛への憧れはやがて、自分に振り向いて欲しいという恋に変化を遂げます。誰かを思う気持ちが強いゆえに、踏み外してしまうこともある。取り返しのつかないことだってしてしまうことも。純粋で未熟な中学生の千絵だからこそ許される物語だけれど、手を伸ばしても届かない恋の歯痒さは、誰しも遠い記憶の片隅にあるのでは。幼いころの恋への憧れと、甘酸っぱさを思い出す作品です。

1話完結で描かれる艶やかな女たちの”エロス”が綴られる物語。わずかな刺激で芽吹き、成長するとともに神経を伝い、脳の細胞さえ支配していくという”エロス”の種。時代を跨ぎ語られる男女達の秘められた欲望の数々は、恋か、愛か、それともただの戯れか。”性”の悦びに喘ぐ女の姿は、思わず爪先まで見入ってしまい、ページをめくるのが勿体無いほど。「もんでんあきこ」ならではの息を飲む美しいタッチで、甘美で情熱的な、時には切ないひと時を体験できる作品です。