近未来の東京を舞台に、作業機械「レイバー」に騎乗する警察官たちの奮闘を描いた青春群像劇。舞台は「バビロンプロジェクト」なる復興計画が推進され、あらゆる事業でレイバーが活躍している東京。警視庁の警部補・後藤喜一はとある工事現場にレイバーのパイロットのスカウトに訪れていた。そこに現れたのは、なんと小柄でボーイッシュな婦警のタマゴ・泉野明(いずみのあ)であった。1989年にテレビアニメ化されたのをはじめ、メディアミックス多数。
特機部隊に憧れていた野明は、急遽行われた適性試験に合格する。新たに結成された後藤率いる「特車2課第2小隊」に配属されるが、そこにいたメンバーは口は悪いが指揮は確かな頭脳派・篠原遊馬(あすま)や血気盛んで仲間思いの太田功など個性派揃いだ。野明は最新式のレイバー「イングラム」に搭乗するが、慣れない操作に苦労し彼らとの衝突も絶えなかった。しかし、イングラムを狙う敵との戦いを経て徐々に絆を深めチームとして、野明たちは成長してゆく。野明が操縦する篠原重工製98式AV「イングラム」は、空は飛べないが人体に似た個性的なフォルムでパワー抜群だ。イングラムを何よりも大切にし、同時に鍛え上げていく野明から底知れぬ愛を垣間見ることができる。
平凡な少年が「ハイパーヨーヨー」を通じてライバルと切磋琢磨し、成長してゆく青春バトル漫画。主人公・斗陸(とりく)キメルは「かっこよく生きる!」が信条の小学5年生だ。祖父が経営するラーメン屋の手伝いをしており、湯切りによる手首のスナップが何よりの自慢である。ある日キメルは出前の帰り道、親友・チョビ太こと超美太(ちょうびふとし)がヨーヨー狩りに遭っているところを目撃する。この出来事との出合いが、彼の才能を大きく開花させてゆくのであった。
チョビ太をいじめていたのはハイパーヨーヨーの集団「T(チーム)・カマイタチ」の鎌板チズルだ。鎌板にヨーヨー対決を挑まれるキメルだが、そこに現れたのが彼の同級生・糸川静であった。かねてから才能に目をつけていた静は、彼に自らのヨーヨーを託す。キメルはラーメン屋で培った技を活かし、ヨーヨーを「スピンフェニックス」に進化させバトルに勝利する。キメルは静に誘われヨーヨー部に入ることを決意し、仲間と共に全国大会で名をあげてゆく。本作ではかつて一世を風靡した、ハイパーヨーヨーの魅力的なトリックの数々が余すところなく描かれているのが特徴だ。彼の相棒となるスピンフェニックスはまさに不死鳥の活躍を見せるが、更に進化を遂げたキメルの愛機たちにも注目したい。
退廃した東京を舞台に、所狭しとエアバイクで駆け回る女性駐在員の日常を描いたお仕事コメディ。東京に隕石が落ちてから25年。街は復興の兆しを見せていたが、「東京クレーター」なる巨大な爪痕が残り、隕石がもたらした謎のウイルスによって汚染されていた。そんな封鎖された東京クレーターで、ひとり駐在の仕事をしているのが元空軍のエアバイ隊に所属していた山吹アカリである。ある日アカリの元に、地元の病院から急患の少年を助けてほしいと連絡が入る。
アカリが駆けつけると、少年はウイルスにより危篤状態であった。看護師曰く、水没した廃病院に古いワクチンがあるとのこと。アカリはワクチンを取りに行くことを決意し、愛車「クロム」に乗り込み廃病院へ向かう。しかしそこは生態系が崩れ、謎の巨大ガニの群れが占拠していた。カニの攻撃を掻い潜り、アカリはなんとかワクチンを持ち帰り少年の命は救われたのであった。その後も彼女はお祭り会場に突っ込む寸前の調査船の針路を反らそうとしたり、ワクチン強盗を追ったりと街の治安と平和を守るため奔走する。彼女が操る愛機・クロムはエアバイクの一種でパワフルかつ個性的なフォルムだ。退廃した東京の街並みを駆け巡るアカリの、駐在員としての奮闘ぶりも面白い。
Aランク宇宙ハンターを夢見る二人の少女のドタバタ劇を描いた、SF4コマギャグ漫画。主人公・ビッキーは、宇宙ハンターを目指す元気いっぱいの少女だ。ハンターギルドに申請してから数年が経ち、長い下積み生活を経てようやく念願叶いライセンスを取得する。中古ながら自分の宇宙船「ケッター号」を購入し、相棒のしっかり者・バッキーと共に意気揚々と宇宙へ飛び出そうとする。しかし、本部から届いた最初の指令は彼女の希望を大きく砕くものであった。
ハンター本部からの最初の指令は、ステーションの宅配や宇宙ゴミの清掃など簡単なものばかりだ。それも当然、ビッキーたちはまだ「Cランク」だからである。二人はAランクを目指すべく任務をこなし、ケッター号のローンの返済のためアルバイトにも精を出す。Aランクハンターでチャラいアフロのビッグ・バン・ジャックや怪獣退治が得意な美女のワッシュなどユニークな仲間に囲まれ、ハンター稼業に精を出すのであった。本作に登場するケッター号は中古ながら二人の愛機として宇宙を駆けめぐる。特筆すべきは、なぜかそのオマケとして付いてきたロボットのボビィだ。セクハラ大好きなボビィと、二人を交えたノリツッコミ劇はさながら漫才のようで最後まで楽しむことができるだろう。
南太平洋を舞台に、少年兵が父の復讐のため空中戦に挑む0戦バトル漫画。昭和17年、主人公・東隼人(あずまはやと)は0戦「黒ワシ号」のパイロットだ。ニューギニア戦線のマノクワリ基地を拠点に、64機もの撃墜数を誇る凄腕である。ある日隼人は、急な招集をかけられ日本の厚木基地へと向かうことに。けがのため思うように操縦できない隼人は、敵機に遭遇し攻撃を受ける。命からがら基地へたどり着いた彼を待ち受けていたのは、彼と同じく腕利きの34人の空軍パイロットたちと、熱血指導官の宮本大尉であった。1964年にテレビアニメ化。
隼人たちは宮本の熱血指導のもと、血の滲むような特訓を重ねる。精鋭の中には、「少年げきつい王」の異名を持つ一色強吾もいた。二人は激しいライバル意識のもと切磋琢磨し絆を深める。そして彼らは「爆風隊」と名付けられ、南太平洋のモロタイ島へ。隼人は父親で名うての撃墜王・東大佐とも再会しすべてが順風満帆に思えた矢先、悲劇が起こる。父はアメリカ軍の0戦パイロット・キングサタンに撃墜され命を落としてしまうのだ。失意の中隼人は父の「くろわし号」を譲り受け、復讐のために腕を磨いてゆく。彼の愛機の黒ワシ号は訓練で墜落してしまうが、父のくろわし号もまた改造を施された稀代の名機だ。超絶テクニックで機体を操る隼人の戦闘シーンは迫力たっぷりである。