概要・あらすじ
舞台は第二次世界大戦最中の昭和17年。ニューギニヤ戦線で64機撃墜の功績を残した少年航空兵東隼人は、日本海軍の精鋭航空隊・爆風隊の一員に選ばれた。爆風隊は隼人が思いつく奇抜な作戦により、数々の戦績を挙げていく。隼人は、さらに腕を磨き、父親の東大佐の命を奪った宿敵キングサタン中佐に戦いを挑むのだった。
登場人物・キャラクター
東 隼人 (あずま はやと)
日本海軍一等飛行兵曹の少年。ニューギニヤ戦線で64機撃墜の実績を買われ、航空兵の精鋭が集まる爆風隊の一員となる。0戦の機体マークは「黒鷲」。指笛が得意。高度な飛行テクニックと柔軟な発想力で、臨機応変に勇敢に戦う。正義感が強くまっすぐな性格で、隊の中でも信頼の厚い一番の人気者。 父親の東大佐を殺した敵のエースパイロット・キングサタン中佐に復讐を誓う。
東大佐 (あずまたいさ)
航空隊・黄桜隊(きざくらたい)隊長の日本海軍大佐。少年航空兵東隼人の父親。公私混同を許さない清廉な人柄だが、息子のことは常に気にかけている。日本一の撃墜王と言われるほどの腕前だったが、敵のエースパイロット・キングサタン中佐に銃撃され、命を落とす。隼人には形見として軍刀と愛機の0戦を遺した。 この愛機は東大佐が独自に改良を加え、従来の0戦よりも高性能となっている。
キングサタン中佐 (きんぐさたんちゅうさ)
敵であるアメリカ軍のパイロット。機体に悪魔のマークを付けたP51戦闘機を操り、「アフリカの悪魔」との異名を持つ。少年航空兵東隼人の前にたびたび姿を現わし、強敵として彼らを苦しめる。東大佐とは戦前からの親友だったが、戦争により敵同士となってしまい、東大佐を空中戦において撃墜した。 作中では「スカイキング」とも「キングサタン」とも呼ばれ、どちらが本名かは不明。
一色 強吾 (いっしき きょうご)
日本海軍の一等飛行兵曹。マレー戦線の少年撃墜王として名を馳せている。精鋭航空隊・爆風隊に選抜された。目つきがきつく、性格もきつい。実は甲賀忍者の子孫。優秀な航空技術を持つ東隼人を伊賀忍者の子孫だと思い(真偽は不明)、ライバル心を燃やす。0戦の機体マークは「十字手裏剣」。 敵のエースパイロット・キングサタン中佐に右目をつぶされ、報復に怒りを燃やす。
宮本大尉 (みやもとたいい)
日本海軍の大尉。撃墜数240機を誇る名パイロット。鬼大尉と呼ばれながらも、最強の航空隊実現のため、召集された東隼人たちを厳しく特訓する。訓練を乗り越えた隼人ら35名の精鋭たちを爆風隊と名付け、南方戦線へと向かう。0戦の機体マークは「刀の鍔」。隊員たちの命を大事に考え、無謀な特攻作戦には反対の立場をとっている。
石川 八衛門 (いしかわ はちえもん)
日本海軍の上等飛行兵曹。精鋭航空隊・爆風隊に選抜された。ひげまみれの顔に、剛毛でいかつい体格の男。性格も血気盛ん。盗賊・石川五右衛門が先祖らしい。0戦の機体マークは五右衛門が釜ゆでにされた故事にちなんで「お釜」。
大山・細川 (おおやま・ほそかわ)
二人とも日本海軍の一等飛行兵曹。精鋭航空隊・爆風隊に選抜され、少年航空兵東隼人とともに戦う。大山は太っていて、細川はやせ型。空飛ぶカモメを見て隼人が思いついた0戦3機の同時攻撃「みじんくずし三角攻め」を、息の合ったチームプレイで行なう。
団中佐 (だんちゅうさ)
日本海軍の中佐。南方・モロタイ島の基地に隊長として駐屯している。自分の指揮する航空隊・紫雲隊(しうんたい)のほとんどを失い、宮本大尉率いる爆風隊に援助を求めた。有能な爆風隊に嫉妬し、彼らに厳しくあたる。自分の命令に従わない東隼人や一色強吾は特に目のかたきにしている。 少尉である息子を戦場で亡くした過去を持つ。
橘中尉 (たちばなちゅうい)
日本海軍の中尉。東大佐が指揮する航空隊・黄桜隊に所属している。東大佐の片腕として、厚い信頼を得ている。東大佐の息子である少年航空兵隼人のことを気にかけ、兄貴のように仲良くしていたが、帰還の遅れた隼人を助けに向かい、敵機に狙撃され命を落とした。
一色 ユカリ (いっしき ゆかり)
日本海軍一等飛行兵曹・一色強吾の妹。戦地の兵隊の役に立とうと考え、看護婦となった。南方に赴任し、三年ぶりに兄と再会を果たす。目を負傷してしまった兄を熱心に看病する。親切な東隼人とはすぐにうちとけ、お互いに惹かれ合ってゆく。
おちよ・おはな・おとみ
南方・モロタイ島の基地に赴任してきた看護婦たち。おちよは細川と、おはなは大山と、おとみは石川と、それぞれ仲睦まじくカップルとなる。
木実 (このみ)
少年航空兵東隼人の幼なじみの少女。小学校では試験の際に答えをこっそり隼人に教えてあげるなど、仲が良かった。日本から隼人に宛てて手紙をよこす。隼人の活躍と安全を常に祈っている。