板垣巴留の代表作の一つで、本作の前に短期集中連載された『ビースト コンプレックス』を原型にしている。現代社会を模した世界で共存する草食動物と肉食動物の関係性を描いた物語。全寄宿制の名門校「チェリートン学園」を舞台に、大型肉食獣のオオカミ、レゴシを中心とした群像劇が展開される。演劇部所属のアルパカ、テムの「食殺事件」をきっかけに、レゴシは食肉への欲望と向き合い、小型草食動物のハルとの出会いにより、複雑な心境に陥る。一方、アカシカの優等生、ルイもこの事件に関与し、物語は進行していく。本作は、動物群像劇として、異種共存社会における差別や偏見、本能と理性の対立が描かれる。実際の動物の生態や習性を取り入れ、種族間の関係性が社会構造に反映されている。作中では「ビースター」という、種族間の架け橋となる優秀な動物に与えられる称号や、「食殺」と呼ばれる、肉食動物による草食動物の捕食行為の禁止、違法な肉取引が行われる「裏市」といった独自の世界設定が構築されている。秋田書店「週刊少年チャンピオン」2016年41号から2020年45号まで連載。「このマンガがすごい!2018」オトコ編第2位、「マンガ大賞2018」大賞、第21回「文化庁メディア芸術祭」漫画部門新人賞、第22回「手塚治虫文化賞」新生賞、第42回「講談社漫画賞」少年部門など多数の賞を受賞。テレビアニメ第1期が2019年10月から、第2期が2021年1月から放送され、第3期が2024年12月からNetflixにて配信。2024年9月には舞台化された。