祈りながら回し続けろ！「ガチャ」が登場する漫画オススメ５選31 Pt.

ソシャゲアプリ「ガールズコーズ」はファンタジー世界を舞台にしたゲームである。登場するのは可愛らしい女の子ばかり。ソシャゲでは基本的にガチャから新規キャラクターを獲得するものだが、これが大変な鬼門である。一度ソシャゲのガチャを回したことのある読者の方ならお分かりだろう。お目当てのキャラほど来ず、欲望の強さに比例するかのようにガチャのための資金として万札が消えていく。無自覚にとんでもない金額を使い込んでしまう人もいるのだが、平八の場合は自覚している分手遅れだ。ソシャゲ廃人を自称しており、つぎ込んだ額は三桁万円、今月は苦しいと言いつつも課金してまで回してしまう。恐ろしい。そんな平八が異世界転移してしまったわけだが、ゲームのシステム通り仲間はガチャによって獲得し、具現化することができる。可愛い女の子だらけのゲームだけに末はハーレムだ。確率が気になるところだが、これほど回し甲斐のあるガチャもないだろう。しかし、私財投入はほどほどにしたい。

「彼女ガチャ」は、文字通り彼女になってくれる女性が出てくるガチャガチャのことである。外観はカプセルトイを販売するガチャガチャのボックスと同じだが、見上げるほど巨大だ。中には半透明のカプセルが詰め込まれており、その中には女性が入っている。アンドロイドなどではない。皆リアルな女性だ。ガチャは1回5万円、真剣交際を望む女性たちしかガチャの景品にはなれないシステムなので、顔を合わせた時点での好感度はかなり高い。いろいろな段階を踏むことなく彼氏彼女の関係が始まるが、本番はその後だ。どんなカップルでも自分勝手に振る舞い、相手をないがしろにすればその先に待っているのは破局である。作中には様々な男女が登場するが、それぞれに事情や性格的な問題を抱えている。きっかけは非現実的なのに別れ方がリアルなのは興味深い。1回5万円はリアル女性が排出されるとしてもけして安い金額ではない。運命に懸けるか否かはあなた次第だ。

四代目魔王は地球を侵略しに来た魔界の住人である。彼は魔界ゲートを使用して魔界から仲間を呼び寄せることができるのだが、このゲートのシステムがソシャゲのガチャとほぼ同じである。ゲームにおいて初期キャラクター選びほど慎重になる場面はない。この先ゲーム内で楽できるか否かがかかっているのだ。好き嫌いは二の次である。レア度はそのキャラクターの強さを表すバロメーター。無償で引き直せるなら、なるべくレア度の高いキャラクターを狙ってしまうのは仕方がないことだろう。魔王のめげずにリセマラを続ける姿に、同情を禁じ得ない。とはいえ、最高レア度でも使いどころが難しかったり、初期向けではないキャラクターもいる。バニー怪人は網タイツにうさ耳風リボンの美少女だ。他の魔界の住人に比べて作画がしっかりしているので、いかにもレア感が漂う。やる気がなくてもバニーな恰好だけで世界征服できそうだ。

こちらはリアルお兄ちゃんが出てくるガチャである。彼氏彼女は頑張ればどうにかなるものだが、兄弟姉妹構成は努力次第でどうにかなるものではない。それぞれの立場で、自分が欲しいポジションを妄想したことがあるのではないだろうか。だが、雫石家の惨状を見ると、ミコの兄が欲しいという感情は切実なものだと分かる。何せ小学生にして家事を一手に引き受けているのだ。ミコの日々の献身は労われてしかるべきである。姉がそういった役割を果たせないとなれば、やはり兄の出番だ。そこで登場するのが「お兄ちゃん、ガチャ」である。巨大なボックスの中には無数の兄たち。タイプが違うため、最終的に自分好みの兄を選ぶことができるという良システムのガチャだ。小学生女子の間でひそかに流行しているのも頷ける。最初に引き当てたトイには兄になるのを拒否されてしまったが、早く頼れる兄が見つかればと願う。

課金までしてガチャを回すとき、大抵の人は最高レアリティのキャラクターを欲しているものである。出れば歓喜、出なければ涙の海に沈むが、そのときに出会ってしまうのが排出率の高い低レアキャラクターだ。「親の顔より見たキャラクター」などと揶揄されることもあるが、物欲が高まっているときほど見たくない顔である。というのはガチャを回す側の意見で、低レアキャラクターとしては「理不尽」の一言に尽きるだろう。ウルスはがっしりとした体型で顔にも傷がある、どこからどう見ても歴戦の戦士風の男だ。しかし、ガチャ方式を採用しているケルグの酒場でのレアリティは最低ランクのR。つまりはあまり強くない。見掛け倒しともいえる。魔族への復讐心は誰よりも強いが、いかんせん実力が伴わない。ウルスビジョンと周囲ビジョンの戦いの迫力があまりに違いすぎて、正直泣けてくる。不遇と言えるが世の中には低レア攻略という概念もある。気が長く知略に長けた勇者と出会えることを願うのみだ。