恋愛なんて興味がなかったのに恋してしまった漫画32 Pt.

嫌いだったはず、苦手だったはず、友だちだったはず…。最初は恋愛ではなかった関係から、いつしか恋へと変わっていく、そんな物語をピックアップ。2人の幸せな恋愛成就を期待せずにはいられない漫画を紹介しよう。

本作の“最初は恋愛ではなかった関係”は、本気で告白したのにそれを冗談だと思われてしまった、というものだ。恋愛嫌いな主人公・あめりは、女友達のみで固まり、趣味に没頭する「おひとりさま」な日々を楽しんでいた。あめりが恋愛嫌いになった原因は、幼なじみで学校一のイケメンである男子高校生・南里帝斗。彼はあめりに、クラスメイトの前で「好きだ」と告白したが、周囲はそれを「冗談」だと言ってからかった。帝斗は本気だったのだが、自分に自信のなかったあめりは、周りの言葉を信じてしまったのだ。だが、帝斗は再びあめりに告白する。あめりもまた、本当は昔から帝斗のことが大好きだったのだ。あめりと帝斗は、1ヶ月間の期間限定お付き合いをスタートする。恋愛を遠ざけ、趣味に生きる日々にすっかり慣れ切ってしまったあめりは、デートのひとつもまともにできない。あめりと帝斗の、複雑にこじれてしまった恋愛の行く末に注目だ。

本作の“最初は恋愛ではなかった関係”は、初恋の人に一途な主人公・瀬戸渚と芸能人・上条大和という、互いに全く意識していないところから始まったものだ。舞台は広島県尾道市。主人公の女子高校生・瀬戸渚は、小学6年生の時に引っ越してしまった幼なじみの「涼くん」を一途に思い続けていた。そのため、家の向かいに人気俳優・上条大和が引っ越してきても、まったく興味を示さない。だが、渚と涼くんが1年も音信不通なことを知った大和は、「それもう終わってる」と指摘する。大和は、監督を怒らせて芸能界を干されており、むしゃくしゃした気持ちから、渚に対して意地悪な態度を取ってしまったのだ。お人好しな渚は、大和が本当は寂しい想いをしているのではないかと気づかう。大和は、自分を芸能人だからと特別扱いせず、優しく接してくれる渚に、段々と惹かれていく。いずれ東京に戻り、芸能界に復帰するつもりの大和。しかし彼は尾道で心を癒され、お芝居ではない「恋愛」を知る。渚も大和に惹かれていき、2人の恋は尾道でゆっくりと進んでいく。

本作の“最初は恋愛ではなかった関係”は、お洒落にも恋愛にも一切目を向けなかった主人公・倉下月海が、ファッションとメイクで「変身」したことで巻き起こる複雑な人間模様だ。月海は、幼い頃の母との思い出からクラゲが異常に好きな「クラゲヲタク」。東京にある男子禁制のレトロなアパート「天水館」で、ヲタク仲間と楽しく暮らしている。住人たちは自らを「尼～ず（あま～ず）」と呼び、男もお洒落も不要として、自分の趣味に没頭していた。ある日、月海は、間違った方法でクラゲが飼育されている熱帯魚屋を発見。店員に訴えるも、不審者扱いされて追い出されたところを、お洒落な女子に助けられる。しかし、それは女装した大学生・鯉淵蔵之介。月海に興味を抱いた蔵之介は、女装で培ったテクニックで、彼女を別人のように美しく「変身」させる。そして、そんな月海に、蔵之介の兄で政治家の秘書を務めるエリート・鯉淵修が一目惚れ。また、蔵之介も、天水館で過ごす日々を楽しむうちに、月海に惹かれていく。

本作で“最初は恋愛ではなかった関係”は、10年間続く「ライバル」としての関係だ。柳尚人と九条美琴が出会ったのは、小学生の時だ。尚人は勉強も運動も1番で、家はお金持ち。イケメンで女子にモテモテのため、クラスの王様を気取っていた。しかし、クラスに美琴が転入してきてからというもの、勉強も運動も彼女に負け続け。尚人はたびたび美琴に勝負を挑むが、相手にされない。それどころか、実力の差を見せつけられるばかり。母子家庭の美琴は、母親に楽をさせたい一心で、勉学や家事に勤しんでいたのだった。時が流れて2人が大学生になった時、尚人は美琴に対して「ライバル心」ではなく「恋心」を抱いていることを自覚する。小学校から大学まで、1度も美琴に勝てないままの尚人は、美琴に勝ちたいあまり、「美琴を自分に惚れさせる」ことを決意。数々の恋愛勝負を仕掛けていくこととなる。

本作で“最初は恋愛ではなかった関係”は、共に仲間として歩んできたクラスメイトに対する、主人公の密かな恋が成就したものだ。主人公の男子高校生・八軒勇吾は、勉強一筋の学生だった。だが、大蝦夷農業高等学校（通称・エゾノー）に進学し、「農業エリート」たちに囲まれ、それまでの学生生活とのギャップに驚く。数学や英語といった一般的な教科は苦手な者が多いのに、農業や畜産に関わる知識は大学生レベル。八軒は疎外感を覚えるが、周囲はおおらかに彼を受け入れる。やがて、受験戦争からの逃げ場でしかなかったエゾノーは、八軒にとってかけがえのない場所となっていく。新しい環境に夢中で恋愛など考えてもいなかった八軒だが、同じ馬術部でクラスメイトの御影アキに恋心を抱くようになる。恋愛に興味がなく、農業と馬術一直線だったアキも、勉強を見てくれたり、馬術部の活動に一緒に打ち込む八軒に、だんだん惹かれていく。農業高校での活動を通じて、自然と絆を育んでいく2人の恋に注目してほしい。