銀の匙 Silver Spoon

農作業に一切かかわりのなかった一般家庭の次男・ 八軒勇吾が、入学した先の農業高校で苦悶し成長する青春ドラマ。「食べること」の本質に迫り、農畜産物を消費者と生産者の視点から描いている。過去のトラウマや家族とのわだかまり、漠然とした将来への不安を、農家出身で厳しい現実と向き合う同級生たちと共に乗り越えていく。

正式名称
銀の匙 Silver Spoon
作者
ジャンル
青春
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊14巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

現代日本の北海道を舞台にしており、 八軒勇吾が入学した大蝦夷農業高等学校は作者である荒川弘の母校がモデル。八軒勇吾の所属する酪農科学科をはじめとする学科、授業形態、設備、生徒の生活といった学校環境はもちろん、作者が語る「農家の常識は社会の非常識」という、一般社会人とは異なる農業従事者独特の感性がリアルに描写されている。マンガ家としてデビューする以前、実家の農畜産業に従事していた作者の経験や実体験が作品の骨子となっているのだろう。また、農畜産業のみならず、北海道遺産であるばんえい競馬についても取り上げられている。

同作者によるエッセイマンガ『百姓貴族』との関連性が高く、類似した題材がよく取り上げられている。『銀の匙 Silver Spoon』が八軒勇吾の成長を主軸に描いているのに対し、『百姓貴族』は日本の一次産業に対する作者の意見が、農家としての視点から描かれている。

作品が描かれた背景

掲載誌である「週刊少年サンデー」編集者よりの、前作『鋼の錬金術師』連載中からのラブコールに応える形で連載がスタート。荒川弘にとって初めての週刊連載となった。農業高校というテーマについては、「単純にネタがあり、すぐに描けるものだった」と作者本人が語っているが、青春ものというオーダー、掲載誌の読者層である中高生が抱える「将来に対する不安」という背景を汲んだ結果のようだ。また、エッセイマンガ『百姓貴族』では2006年の牛乳生産過剰問題とそれに関連した後年のバター不足に対して「日本の政策に失望した」と語っており、こうした「日本における一次産業」について思うところがあったように見える。

作品構成

前作『鋼の錬金術師』が精神力至上主義であったのに対し、今作は「肉最強」として、食べること、肉体を使うこと、ひいては「生きるということ」をベースに主人公・八軒勇吾の成長を物語の主軸に据えている。作品を描くにあたっては「なじみのあるありふれた食べ物を題材にする」「ありのままを伝える」「必要以上に感動させない」という点を重視しているという。日本における農畜産業の問題や将来についての話題が根底にあるものの、あくまで八軒勇吾の成長が本作のテーマになっているため、クラスメイトとのバカ騒ぎや恋愛、将来の夢についてなど学園青春ものとしての面がメインになっている。

一般家庭から農業高校という未知の世界に飛び込み、実習や「理不尽」にまみれた寮生活を行った高校1年生の1年間については、「春の巻」にはじまり、学校行事や実習内容について季節ごとに丁寧に描かれている。2年生からは各話タイトルが「四季の巻」となる。八軒勇吾が目標へ向けて奮闘する様子を主軸に、話数内でさらに各人名の小見出しが入り、それぞれの将来について小エピソードが挿入されている。

あらすじ

第1巻

競争社会に疲れ、札幌の進学校ではなく大蝦夷農業高等学校に進学した八軒勇吾は、将来の夢や目標をしっかり持った農家の跡継ぎ達に囲まれて、やりたい事を模索する日々を送っていた。大蝦夷農業高等学校は、自給自足できるだけの広大な敷地と豊富な作物、多種の家畜を保有し、生徒の自主性に任せて色々な研究をさせてくれるため、将来を考えるにはもってこいの高校だった。クラスメイトの御影アキの影響で入部した馬術部で、生き物と共存し雄大な景色に触れ、勇吾は受験勉強で疲れた精神が癒えていくのを感じていた。同時に、農家に生まれたクラスメイト達の選択肢のない将来への苦悩を目の当たりにしながら、勇吾は、あと3か月で食肉になる子豚に豚丼と名前を付けてかわいがるなど、農家出身者ではない感覚で、視野を広げていく。さまざまな事を感じながら将来を探る中で、何事も先入観を持たずに色々な事に挑戦していた勇吾は、ある日学校敷地内のごみ拾い中に、不思議なものを見つける。それは、ずいぶん前に造られて放置されたままの石窯だった。

第2巻

八軒勇吾はクラスメイト達の要望を受け、ごみ捨て場に埋まっていた石窯でピザを作る事になり、ピザ作りに必要な食材調達に奔走する。クラスメイトや先輩、寮友らの助けもあり新鮮な食材が集まり、無事に石窯を使ったピザ焼き会を成功させる。内申点にも影響しない事に労力を費やした事に後悔する勇吾だったが、ピザを喜んで食べている友人らの顔を見ているうちに、点数では測れない充足感を覚えるのだった。大蝦夷農業高等学校は夏休みに入り、閉寮のため寮から出る事になった勇吾は、家に帰りたくない事から、御影アキの家に泊まり込んで酪農の手伝いをする事にした。初めてのアルバイトに奮闘する勇吾は、年中無休で働く畜産家の、労力の割りに実入りの少ない現状の過酷さに触れ、自分の置かれた環境の不遇にばかり悩んでいられないと複雑な気持ちになる。そして勇吾は、寝食を共にするうちに、アキが実家の酪農家を継ぐ事を望んでいない事を知る。勇吾は、跡継ぎとして期待されているアキを心配するが、アキに選択肢がない事は明らかだった。

第3巻

八軒勇吾は、御影アキに本当は実家の酪農を継がずに馬関係の仕事に就きたいと吐露され、勇気を出して家族に自分の希望を伝えるべきだと助言する。しかし勇吾に背中を押されても、自分が跡を継がなければ家業を潰す事になると理解しているアキは、なかなか一歩を踏み出せずにいた。夏休みが終わり、大蝦夷農業高等学校の寮に戻って来た勇吾は、夏休みのあいだに子豚の面影がないほどまるまると太ってしまった豚丼に動揺する。出荷間近になった豚丼を前に、勇吾は悩んでいる時間はなかった。勇吾はアキの家の酪農を手伝って稼いだ初めてのアルバイト代で、食肉となった豚丼を買い取る事を決意。生き物の生死に真摯に向き合う勇吾の決断は、家畜を殺して食する事が当たり前の環境に育った農家出身のクラスメイト達に、新しい価値観を持たせる事となった。そして生き物を扱う生業に就く事に関して、活発なディスカッションを繰り広げる勇吾のもとに、肉となり加工された豚丼が戻って来たと連絡が入る。

第4巻

屠殺された豚丼は、50キロの肉の塊になって八軒勇吾のもとに戻って来た。豚丼との別れを悲しむ勇吾だが、肉となった豚丼は悔しいほどに美味しかった。そして、まだ大量に残っている豚肉をどのように保管しようかと悩んだ勇吾は、食品科学科の稲田真一郎に助言を受け、豚丼の肉をベーコンに加工する事にした。慣れない重労働を一人で成し遂げた勇吾は、夏休み中に世話になった御影アキ駒場一郎にベーコンを送り、兄の八軒慎吾に背中を押されて、実家にもベーコンを送る。母親から、父親も美味しくベーコンを食べていたとのメールをもらい、勇吾は両親に自分の進もうとしている道を少しは認めてもらえた事に喜ぶのだった。その後、季節は巡って秋。勇吾のクラスは、甲子園予選大会で一郎がピッチャーを務めるという話題で賑わっていた。そんな中、一郎と話していたアキが突然泣き出して勇吾は困惑する。アキも一郎も、勇吾には関係のない事だからと悩みを打ち明けないが、どうやら実家でなにかトラブルがあったらしい。農家に生まれたばかりに将来を選べない二人の身を案じる勇吾は、頼りがいのある男になろうと奮起する。

第5巻

大蝦夷農業高等学校野球部は甲子園を懸けての予選大会を勝ち進み、ついに全道大会まで駒を進めた。試合を応援に行った八軒勇吾は、広いグラウンドで堂々と球を投げる駒場一郎を見て、自分もなにかを成し遂げなければならないと、焦りを感じ始める。そんな中、勇吾は馬術部で新人戦に向けて初めての障害馬術に挑むが、新人の中で一人だけ障害を飛ぶ事ができずに終わってしまう。これにより、受験戦争時代の惨めさを思い出した勇吾は、障害物を飛べなかったマロン号を責めるが、そんな彼に対して御影アキは、馬への感謝と信頼が足りないと叱責するのだった。勇吾は落ち込むが、その後の寮生活の中で、自分が知らず知らずのうちに誰かにフォローされている事実に気づく。自分一人だけでどれだけ躍起になっても仕方がないと悟った勇吾は、マロン号に全面的に身を預けるので、フォローしてほしいと懇願。するとマロン号はそんな勇吾の意を汲み、障害物を見事に飛ぶのだった。この事で、馬の素晴らしさを改めて知った勇吾は、近づくエゾノー祭での馬術部の出し物として、ばんえい競馬を行う事を提案する。

第6巻

エゾノー祭の出し物でばんえい競馬をする事になり、八軒勇吾は馬術部員達を引き連れて、広大な学校の敷地の一部を借り、レースをできる状態に土をならす重労働を通し、馬との一体感を高めようとしていた。そんなある日、勇吾は秋季大会で障害馬術のデビュー戦に挑む事になった。結果、自身の力量を悟り、マロン号にすべてを委ねる事で4位の成績を収めた勇吾は、もう一つ上の高みを目指す意欲に燃える。それは勉強で一番を取れなかった時の悔しさとは別の、あふれる感情だった。自身の成長と努力を認める事ができるようになった勇吾は、好意を抱き続けて来た御影アキに、エゾノー祭が終わったら二人きりで遊びに行かないかと提案。その申し出を快諾するアキだったが、勇吾を異性として意識するようになり、困惑してしまう。一方の勇吾はこれまで以上にエゾノー祭の準備に張り切るが、さまざまな係を兼任して、忙しい日々を送っていたために過労で倒れてしまう。エゾノー祭当日、勇吾は病院のベッドの上で意識を取り戻すが、そこに折り合いの悪い父親が見舞いに現れて動揺する。

第7巻

病院に現れた八軒勇吾の父親・八軒数正は、勉学以外の事が原因で過労で倒れるなど見苦しいと勇吾の担任の桜木義久に苦言を呈し、病院を去った。勇吾は数正がエゾノー祭さえ見ずに帰って行った事に悔しさを覚えて落ち込み、大蝦夷農業高等学校に入学した自身の選択が正しいものだったのか、再び悩み始めてしまう。鬱々としていた勇吾だが、同級生達に成功したエゾノー祭の写真を見せられ、自身の選択が間違っていなかったと改めて思い直す。エゾノー祭が無事に終わり、約束通り御影アキと二人で出かけた勇吾は、向かった先の大蝦夷神社でお互いの願い事が同じであった事に歓喜する。それは、全道大会に出場する駒場一郎が、試合で勝ち進むようにというものだった。その後、勇吾達はテレビを通して全力で応援するが、強豪校を前に大蝦夷農業高等学校野球部は敗退してしまう。

第8巻

全道大会での敗退後、駒場一郎は学校に顔を出さなくなってしまう。八軒勇吾らクラスメイトは、甲子園への夢が断たれて気落ちしているだろう一郎を心配していたが、実は、一郎の実家である駒場牧場が借金を返せなくなったために離農する事になり、一郎は退学準備を進めていたのだった。一郎が大蝦夷農業高等学校を退学する事を知った勇吾は、御影アキといっしょに一郎の離農準備を手伝う事にする。借金をしないと経営できない農家の不条理に触れた勇吾が困惑する中、アキは実家を継がずに馬関係の仕事に就きたいと家族に打ち明ける事を決意する。自らの夢を追うアキの熱意は父親の御影豪志に通じ、将来の夢を叶えるよう大学進学を後押しされる。そんなアキの大学進学を応援するため、日夜勉強を教えるようになった勇吾は、教える喜びを知る事になる。

第9巻

八軒勇吾に勉強を教えてもらうようになってから、御影アキの成績は徐々に上がり始める。それなりの手ごたえを感じる勇吾だったが、それでもアキの学力では、志望校の大蝦夷畜産大学にはまだ遠く及ばない。悩んだ結果、東京大学に現役合格した兄の八軒慎吾に、より良い勉強法を教えてもらう事を決めた勇吾は、札幌の実家にある慎吾の虎の巻の勉強ノートを取りに行く事にする。父親・八軒数正と顔を合わせないように気を配る勇吾だったが、自宅で運悪く数正と鉢合わせになってしまう。数正からはアキの学力を伸ばす事で、高校受験から逃げ出した自分のプライドを立ち直らせようとしているのではないかと指摘され、勇吾はたじろいてしまう。しかし勇吾は数正の指摘に、一度受験に失敗したからといって、永遠に敗者でいるつもりはないと宣言。そんな勇吾の姿を見て、母親の八軒美沙子は、たくましく成長していく息子に大きな喜びを感じるのだった。

第10巻

冬休み。依然険悪な関係にある父親・八軒数正と顔を合わせたくない八軒勇吾は、帰省せず寮に残って家畜の世話をしていた。大晦日の夜に、大蝦夷農業高等学校近隣に住んでいる教師達の年越し宴会に招かれた勇吾は、入学してからの日々を振り返り、農業に携わる事の厳しさと楽しさを感じていた。年が明けて、豚丼の時と同様に大蝦夷農業高等学校で育った豚の肉を買った勇吾は、クラスメイト達と豚肉加工に挑戦する。勇吾は、美味くできあがったソーセージを校内の即売所で販売する事にするが、ほかの生産者の不利益にならないように、あえて高めの価格設定をする。それでもソーセージは完売し、勇吾は大蝦夷農業高等学校のブランド力と信頼性を改めて知る事となる。駒場一郎の実家の牧場のように、倒産する農家を出さないためには、ブランド力と信頼の構築を強く意識する必要があると説く勇吾の姿は、クラスメイト達に大きな影響を与えていく。そして勇吾は、今後もクラスメイト達を先導して豚肉加工や食品販売を続け、農業経営を身をもって学んでいこうと決意を固めるのだった。

第11巻

学生のうちに起業しようと考えた八軒勇吾は、2年生の時から会社立ち上げのために下宿に移り住む事を画策する。寮を出る許可を得るために父親の八軒数正に電話するが、肝心の起業内容が明確に定まっていなかったため、数正からは厳しく非難されてしまう。数正の言う事ももっともだと反省した勇吾は、将来的に経営者を目指しているクラスメイトの稲田多摩子に助言を受けながら、起業計画書を作成し始める。企業テーマは、寄せ集めのノーブランドである大蝦夷農業高等学校の生徒達が、互いの強みを持ち寄ってハイブランドを作り上げる事に決める。人との縁が大切なのだと改めて気づいた勇吾は、自分に賛同する生徒達に次々に声を掛けていく。一方、勇吾に勉強を教えてもらった事で、目標の大蝦夷畜産大学の推薦入試を受けられる可能性が出て来た御影アキは、ますます勉強に精を出すようになる。アキの学力が驚くほど伸びた事で気をよくしたアキの父親・御影豪志が下宿先を見つけてくれた事で、勇吾は2年生の時に学生寮を出て、起業の勉強をしながら学生生活を送る事が決定する。

第12巻

春が来て、大蝦夷農業高等学校の2年生に進級した八軒勇吾は、いよいよ起業へ向けて本格的に動き出す事にした。出資してもらうために、父親・八軒数正に企画書を送り続ける勇吾だったが、ことごとくダメ出しされてしまう。落ち込む勇吾は、ある日、大蝦夷農業高等学校卒業後もフリーターとして色々な農場で働いている元馬術部先輩の大川進英と再会する。アルバイト先で現物支給された黒豚の元ぶちょーを散歩させていた進英の、放牧豚をやりたいという一言に勇吾は食いつく。御影アキの実家に空いている農地を借りて元ぶちょーを放牧させる事にした勇吾は、いずれ豚を増やし、ブランド豚として売り出す事業を展開する事を決意。そして進英を代表取締役に据えて起業し、自身は副社長となって陰から会社を見守る事にする。また勇吾は、大蝦夷農業高等学校で大盛り上がりした石窯を使ったピザ会を一事業とすべく、奔走を始める。

第13巻

ついに株式会社GINSAJIを創立した八軒勇吾は、社長の大川進英と共に、石窯を使ったピザ会の開催準備を順調に進めていく。きちんとした企画を立てた結果、ばんえい競馬場の一角でピザ会を開催できる運びとなり、勇吾は歓喜する。季節は巡り、3年生になった勇吾達は、いよいよ受験シーズンを迎えた。目標としている大蝦夷畜産大学の推薦入試を受けられる事になった御影アキは大喜びし、小論文試験の対策に余念がない。そんな中、進英のもとに、ばんえい競馬場からピザ会開催日時決定の連絡が入る。アキの入試日とピザ会の日程が重なってしまう事を知り、落ち込む勇吾だが、企業人としての記念すべき第一歩を踏み出した事に胸を躍らせる。そんな中、勇吾あてに駒場一郎から電話がかかって来る。実家の離農後、自分の牧場を持ちたいという夢を捨てきれず、一念発起して東京へと出稼ぎに行った一郎は、深刻そうな声で勇吾に頼みたい事があると切り出すのだった。

第14巻

突然電話して来た駒場一郎からの頼み事は、八軒勇吾の予想していないものだった。東京の引っ越し業者で自慢の肉体を活かして金を稼いでいた一郎は、大蝦夷農業高等学校を中退して以降、あきらめていた勉学を再開しようと考えていたのだ。勇吾の兄・八軒慎吾がインターネットで家庭教師をしている事を聞きつけたと話す一郎に、勇吾は二つ返事で慎吾を紹介する。離農にめげずに将来を見据える一郎に元気をもらった勇吾は、ばんえい競馬場でのピザ会を成功させるために奔走する。そして運命のピザ会の日、試食と意見交換を重ねた株式会社GINSAJIのピザは、大好評のうちに完売。しかし身内からの辛口の意見は多く、勇吾は今後も改良を重ねていく事を大川進英と誓い合うのだった。ピザ会と同日に行われた御影アキの大蝦夷畜産大学への推薦入試の結果は、見事合格。一方、勇吾は進英の勧めで大蝦夷畜産大学の一般入試を受験する事になったため、大蝦夷農業高等学校卒業までの数か月間、勇吾は久しぶりの受験勉強に専念する事となる。

メディアミックス

TVアニメ

2013年7月と2014年1月から、フジテレビの深夜枠「ノイタミナ」などにて分割2クールで放送。制作はA-1 Pictures。ばんえい競馬の「ばんえい十勝」とのコラボレーションイベントなども行われた。

実写映画

2014年3月に全国ロードショウ。「最強に理不尽な青春!!」をキャッチコピーに、中島健人、広瀬アリスなどが出演。監督は吉田恵輔、本作の舞台である北海道にて撮影された。上映2日で9万8956人を動員、興業収入は1億2000万円余りを記録した。

社会に与えた影響

石川雅之の『もやしもん』で農業大学への関心が高まったところでの連載開始だったこともあり、農業高校への希望者が急増。2013年に行われたアンケート「農業に興味がある学生の実態調査2013」(パルシステム生活協同組合連合)によると、影響を受けたアニメ・漫画作品の第1位となっている。ちなみに第2位は石川雅之もやしもん』、第3位は作者・荒川弘のエッセイマンガ『百姓貴族』だった。

またTVアニメではばんえい競馬の「ばんえい十勝」とのコラボレーションが行われ、大幅な黒字を出した。

評価・受賞歴

「マンガ大賞2012」第1位

農林水産省主催「Contents Award of Japan Food Culture」大賞受賞(2013年)

作家情報

荒川弘(あらかわ ひろむ、1973年5月8日生まれ)、北海道出身。デビュー以前は実家の酪農・農作業に従事しながらイラストや4コママンガを執筆。1999年に投稿作『STRAY DOG』がエニックス新世紀マンガ大賞を受賞し「月刊少年ガンガン」に掲載される。後藤ヒロユキのアシスタントを経て、2001年よりダークファンタジー『鋼の錬金術師』を連載開始、大ヒットとなる。アシスタントに高枝景水、杜康潤など。

登場人物・キャラクター

主人公

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍している男子。実家は札幌にあり、家族構成は両親と兄。非常にまじめな性格で、何事にも真摯に取り組む。兄の八軒慎吾が東京大学に入学して以降、慎吾のひょうひょうとした人を... 関連ページ:八軒 勇吾

主人公

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍している女子。清水第一中学校出身。方言がコンプレックスで、ふだんは標準語を話すよう努力している。にんじんが苦手。小さい頃から馬が好きで、大蝦夷農業高等学校では馬術部... 関連ページ:御影 アキ

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍していた男子。清水第一中学校出身。家族構成は母親と双子の妹たち。高身長と、農作業で鍛えた腕力が自慢。野球部に所属しており、甲子園を目指して部活に明け暮れる日々を送っ... 関連ページ:駒場 一郎

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍している男子。中札内南中学校出身で、将来は実家の鶏農家を継ぐ予定である。大蝦夷農業高等学校には農家の長男であるという事で推薦入学したが、非常に勉強が苦手で、特に数学... 関連ページ:常盤 恵次

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍している男子。幕別東中学校出身で、将来の夢は獣医になる事。穏やかな性格で、男女問わず誰にでも優しく接する。授業以外でも家畜を見ていられる環境に身を置くべく、ホルスタ... 関連ページ:相川 進之介

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍している女子。帯広川西中央中学校出身。大蝦夷農業高等学校で農業経営を学び、世界に出ても負けない農業を展開する事が夢。実家が農家3軒と共同経営しているギガファームを、... 関連ページ:稲田 多摩子

大蝦夷農業高等学校の酪農科学科に在籍している女子。下浦幌中学校出身で、将来は実家の牛乳を使ってチーズ工房を立ち上げたいと思っている。チーズについて学ぶために、本場フランスに長期留学する事を検討していた... 関連ページ:吉野 まゆみ

大蝦夷農業高等学校の農業科学科に在籍している男子。新ひだか町第四中学校出身。実家の畑作農家を継ぐために大蝦夷農業高等学校に進学した。実家で作っているジャガイモとトマトとアスパラを自慢に思っている。オタ... 関連ページ:西川 一

大蝦夷農業高等学校の食品科学科に在籍している男子。帯広空港南町中学校出身。食べる事が大好きで、つねになにかしら食べている。美味いものを作りたいと希望して大蝦夷農業高等学校に進学しており、限られた食材を... 関連ページ:別府 太郎

大蝦夷農業高等学校の食品科学科に在籍していた男子。帯広川西中央中学校出身。稲田多摩子の兄で、多摩子より2歳年上である。八軒勇吾とは鶏小屋から逃げた鶏を捕まえてもらった縁で知り合い、その礼に作り立てのス... 関連ページ:稲田 真一郎

大蝦夷農業高等学校の農業土木工学科に在籍していた男子。八軒勇吾よりも2歳年上で、勇吾と御影アキにとって馬術部の先輩にあたる。帯広大空北中学校出身。3年生の時には、馬術部部長を務めていた。設計図があれば... 関連ページ:大川 進英

大蝦夷農業高等学校の食品科学科に在籍している女子。八軒勇吾よりも2歳年上で、勇吾と御影アキにとって馬術部の先輩にあたる。帯広大正中学校出身。馬術部在籍時は、部長の大川進英を叱咤激励しつつ支えた。なにか... 関連ページ:豊西 美香

大蝦夷農業高等学校の農業科学科に在籍している女子。幕別東中学校出身。馬術部に所属している。御影アキからは「栄ちゃん」と呼ばれ、親しまれている。秋季大会ではマロン号に乗って新人向け障害馬術に挑み、見事1... 関連ページ:栄 真奈美

大蝦夷農業高等学校の国語教師をしている男性で、八軒勇吾の担任を務めている。非農家でありながら、札幌の進学校の中学校からわざわざ大蝦夷農業高等学校に進学して来た勇吾を温かく見守り続ける。推薦入試を受ける... 関連ページ:桜木 義久

大蝦夷農業高等学校で鶏舎の管理をしている男性教師。風貌も鶏に非常によく似ており、特に口が鶏のくちばしと同じに見える。非常に家畜を愛しており、自分達のヒエラルキーは家畜よりも下なのかと疑問を口にした八軒... 関連ページ:白樺 樹

大蝦夷農業高等学校の男性教師で、馬術部顧問を務めている。担当科目は食品化学。非常に大らかな優しい性格で、気高く、仏と見間違うような穏やかな雰囲気を漂わせている。その反動として、怒ると非常に怖い。校内の... 関連ページ:中島 美雪

大蝦夷農業高等学校に勤めていた女性教師。主に豚舎を担当していた。ナイスバディでつねにサングラスをかけており、非常にさっぱりとした性格をしている。その風貌から、副ぶちょーには軍曹扱いされ、畏怖されている... 関連ページ:富士 一子

大蝦夷農業高等学校の校長を務めている男性。コロポックルのように小さな背丈をしている。非常に穏やかな性格をしており、馬術部に自身の馬の世話を任せるなど、多少職権乱用気味ながら、広大な学校敷地内を取り仕切... 関連ページ:校長

ブラックキング号

大蝦夷農業高等学校で飼われている馬。真っ黒で獰猛、大きな体躯で恐れられている。その巨体や鼻息の荒さから、八軒勇吾には対峙するたびに世紀末覇者と呼ばれ、恐れられている。取り扱いが難しく、御影アキ以外にうまく乗りこなせる馬術部員はほとんどいない。エゾノー祭での人間ばんばなどで大活躍した。

大蝦夷農業高等学校で飼われている馬。不細工な顔立ちで、眉毛がほとんどないため、八軒勇吾には「マロ眉」と呼ばれている。気難しい馬として、馬術部でも持て余されている。プライドが非常に高いため、特にからかっ... 関連ページ:マロン号

大蝦夷農業高等学校の豚舎で生まれた子豚。品種は三元交配豚である。食肉となる3か月のあいだ、八軒勇吾ら酪農科学科の生徒達に見守られ、世話された。いっしょに生まれた七匹の子豚に生存競争で負け、一番出の悪い... 関連ページ:豚丼

八軒勇吾が大蝦夷農業高等学校の校内のごみ拾い中に拾った子犬。人懐っこく、馬術部の生徒中心によく馴れている。番犬代わりに大蝦夷農業高等学校で飼育されるようになってからは、全校生徒達のアイドル的存在となっ... 関連ページ:副ぶちょー

八軒勇吾の兄。東京大学在学中に、ものすごく美味いラーメン屋に出会い、運命を感じてその店に弟子入りし、東京大学を退学した。味覚のセンスは抜群で、その店のラーメンのレシピをすべて当てたために弟子入りを許可... 関連ページ:八軒 慎吾

八軒勇吾と八軒慎吾の父親。目つきが非常に鋭く、強面のため、かつて勇吾の様子を見に大蝦夷農業高等学校を訪れた時には、生徒達にはヤクザではないかと噂されたほど。訪問時に真正面から撮影された写真が出回り、生... 関連ページ:八軒 数正

八軒勇吾の母親で、のんびりとした雰囲気を漂わせた専業主婦。実家を嫌い、大蝦夷農業高等学校で寮生活を始めた勇吾を心配し、頻繁にメールを送っている。勇吾を心配するあまり、大蝦夷農業高等学校に様子を見に行っ... 関連ページ:八軒 美沙子

御影アキの父親。牛と馬を保有する農家だが、ヘルニアのために入院しなければならず、ピンチヒッターとして八軒勇吾をアルバイトに雇った。一人娘のアキを大事に思っており、アキに好意を寄せる勇吾をことある事に敵... 関連ページ:御影 豪志

御影 政子

御影アキの母親。アキが夏休み中にアルバイトとして連れて来た八軒勇吾がサラリーマン家庭の次男だと知って以来、跡継ぎ候補としてアキとの仲を応援している。アキの気持ちが勇吾にある事は知っているが、ほかのクラスメイトでも非農家の家庭の子供だと見るや、目を輝かせてアキとくっつかないかと算段している。

新札幌中学校の教師を務める男性。八軒勇吾の中学3年生時の担任で、受験戦争に疲れた勇吾に大蝦夷農業高等学校の受験を勧めた張本人。勇吾に大蝦夷農業高等学校を勧めた理由は、勉学で一番になるという自尊心が満た... 関連ページ:白石 総

清水西高等学校に在籍している女子。清水第一中学校出身で、農協組合長の孫である。同じ中学校出身の御影アキといっしょに大蝦夷農業高等学校の推薦入試を受験したが、不合格だった。実家は居住地域に高速道路が通る... 関連ページ:南九条 あやめ

集団・組織

大蝦夷農業高等学校

北海道にある農業高校。酪農科学科は朝晩の実習があるため1年生の時は全寮制だが、2年生以降は下宿するなど、寮生活を送らなくてもいい。通称「エゾノー」と呼ばれており、近隣の大蝦夷工業高等学校とよく交流会を... 関連ページ:大蝦夷農業高等学校

アニメ

銀の匙 Silver Spoon(後期)

大蝦夷農業高等学校の夏休みが終わり、2学期になった。秋の大会に向け八軒勇吾達は乗馬の練習に精を出すが、馬との信頼関係が築けずなかなか上達しない。馬術部は高校祭でばん馬レースをやることになり、八軒勇吾は... 関連ページ:銀の匙 Silver Spoon(後期)

銀の匙 Silver Spoon

有名進学校での競争に疲れ、父親との確執を避けるため、全寮制というだけで大蝦夷農業高等学校に入学した八軒勇吾。生まれて初めて身体を酷使する生活に挫けそうになるが、先生、先輩、同級生、中でも想いを寄せる御... 関連ページ:銀の匙 Silver Spoon

書誌情報

銀の匙 =Silver Spoon 既刊14巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉 連載中

第1巻

(2011年7月発行、 978-4091231802)

第2巻

(2011年12月発行、 978-4091234278)

第3巻

(2012年4月発行、 978-4091236531)

第4巻

(2012年7月発行、 978-4091237729)

第5巻

(2012年10月18日発行、 978-4091238863)

第6巻

(2013年1月発行、 978-4091241696)

第7巻

(2013年4月発行、 978-4091242853)

第8巻

(2013年7月発行、 978-4091243461)

第9巻

(2013年10月18日発行、 978-4091244741)

第10巻

(2014年1月8日発行、 978-4091245489)

第11巻

(2014年3月発行、 978-4091245748)

第12巻

(2014年8月18日発行、 978-4091250889)

第13巻

(2015年6月18日発行、 978-4091260598)

第14巻

(2017年8月18日発行、 978-4091277206)

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo