名物店員さんが濃すぎます! オススメ漫画５選154 Pt.

怪獣酒場で働いているのは、ダダやゼットンなどウルトラマンではお馴染みのウルトラ怪獣たちだ。彼らは怪獣でありながら意外と常識的で、「分け隔てのない対応」をモットーに日々丁寧な接客を心がけている。その一方で、おもてなしのために客の故郷の惑星の水を取りに行った結果、惑星の一部を壊滅させるなど怪獣らしいエピソードも見られ、丁寧な接客態度と行動の大胆さとのギャップに、読者はクスリとさせられるだろう。愛嬌のある怪獣店員はもちろん魅力的だが、怪獣酒場の地球人店員・うるま寅次郎の存在も忘れてはいけない。登場キャラのほとんどが個性の強い怪獣たちである本作において、うるまの普通さはある意味異質だ。怪獣と地球人の感覚のズレによる笑いを、ぜひ堪能してほしい。

結が一目惚れした男性を探し求めて向かった先は、とある弁当屋だった。そこで結はお目当ての男性を見つけることに成功するが、彼の結に対する反応は年上のおじ様というよりも、思春期の少年のようだった。不審に思った結が探りを入れてみると、驚くべき事実が発覚する。どこからどう見ても年上だろうと思われた彼、滝沢天頂（てんちょう）は16歳の高校生だったのだ。そんな天頂は、弁当屋常連のおば様たちの間で、筋骨隆々で不器用そうなのに弁当詰めの箸さばきが高速で繊細だ、と話題の名物店員だった。最初は好みの「おじさん」ではないと知り落ち込んでいた結だったが、交流を深めるうちに天頂の不器用な優しさ、年下ならではの可愛さを知り、惹かれていくようになる。

洋食のねこやの名物店員といえば、客のどんなリクエストにも応えてくれる店主ともう1人、可愛らしい給仕がいる。それが魔族の少女・アレッタだ。アレッタは両親を亡くしており、働き口を探して1人王都へとやってきた。そこで偶然、ねこやへ繋がる扉を見つけて迷い込んだのである。空腹だったアレッタは厨房にあったスープを飲んで眠ってしまい、店主に見つかった。その出会いがきっかけで、彼女は毎週土曜日にねこやの給仕として働くことになる。アレッタは魔族として異世界では忌み嫌われてきたが、笑顔が可愛らしく素直な良い子で、また出された料理を幸せそうにたいらげることから、店主に気に入られている。アレッタの食事シーンを見れば、読者は食欲を刺激されることだろう。

田中がふらりと立ち寄ったラーメン屋の大将は、猫だった。インパクトがありすぎて、思わず引き返した彼の気持ちがよく理解できるだろう。猫にはウィリアム・トーマス・ジェファーソン3世という大仰な名前があるのだが、周囲からは大将と呼ばれていた。大将は人間と同じ言葉を話し、人間と同じように二足歩行をして手を器用に動かしラーメンを作る。しかし店内のトイレが猫専用だったり、犬が苦手であったりと、所々の考え方や言動は猫らしい。人間の田中は、そんな大将が気になって仕方がないため、ラーメン屋に足繁く通ってしまう。マイペースでズレているが憎めない大将の様子を、田中とともに見守っている気分になる作品だ。猫好きの人には特におすすめしたい。

しばたベーカリーは、犬顔という一風変わった特徴を持つ店主の太郎と、同じく犬顔である息子の小太郎が力を合わせて切り盛りしているパン屋だ。自分は会社員に向いていないと思った太郎が脱サラして立ち上げた店で、オープンして間もないためまだ軌道には乗っていない。だが、太郎の面白さや作るパンの美味しさに気づいた女子高生など、少しずつファンは増えていっているようだ。しばたベーカリーの魅力は、うっかり者の太郎としっかり者の小太郎の軽快なやり取りにある。特に4歳ながら大人びている小太郎のツッコミは冴え渡っており、思わず噴き出してしまうこともしばしばだ。柔らかなタッチの絵で綴られるハートフルな物語とコミカルなキャラクターたちに、読者は癒やされることだろう。