あらすじ
第1巻
女子大学生の七森結は、飲み会の帰りに財布や携帯電話を落としてしまい、さらに空腹で困っているところを謎の男性に助けられる。彼は結に弁当を差し出すと、そのまま姿を消してしまう。結は男性にお礼を言うために、その弁当の箸袋を頼りに彼を探し出すが、その男性・滝沢天頂は弁当屋でアルバイトをする16歳の高校生である事を知り愕然とする。そんな中、弁当屋の店長である高田じゅんじにスカウトされた結は、天頂と同じ弁当屋で働き始める。当初は年下という事もあり弟のような目線で天頂を見ていた結だったが、少しずつ天頂の優しさに惹かれていく。そんなある日、天頂の前に橋本空という女子高校生が現れる。天頂の事が好きだという彼女を前に動揺する結は、自分も天頂に恋している事を改めて自覚する。意を決した結は天頂に告白し、天頂もまた結の気持ちに応え、晴れて二人は付き合う事となる。
第2巻
滝沢天頂と付き合う事になった七森結だったが、純情で奥手な天頂との距離をなかなか縮める事ができない。そんなある日、結は天頂の父親と出会う。だが天頂の父親は結との仲を認めようとはせず、天頂とのあいだで諍いを起こしてしまう。天頂の父親は若い頃から勉強ばかりに明け暮れ、その結果現在は病院を経営するまでになっていた。それだけに息子の天頂にも同じ道を歩んでほしいと願っていたが、天頂はそんな父親に反発して家出をしてしまう。そんな天頂を自宅に迎え入れた結は、改めて父親と話し合うように提案する。結と共に改めて父親と向き合った天頂は、父親が「遊び方」というものをまったく知らなかった反動から、息子に厳しく接していた事に気づく。そして、結を通して「大人の楽しみ方」を学んだ天頂の父親は、結と天頂との仲を認めるのだった。
第3巻
七森結が滝沢天頂と付き合うようになって1年が経過し、結は就職活動をする時期になった。しかし、結は思うように就職活動が進められずに焦り始める。そんな中、天頂は全国高校模試で1位を取り、さらには標語コンクールで入賞するなど、結とは対照的に目立つ活躍をし始めていた。やがて結は、自分が天頂にふさわしくないのではないかと考え始める。相変わらず就職活動がうまくいかない結はその不安を天頂にぶつけるが、彼はそれを優しく受け止める。そんな天頂に対し、結は別れを切り出す。しかしそれは、自分が天頂にふさわしい女性になるまで待ってほしいという決意表明でもあった。それを受け入れた天頂もまた、結にふさわしい男性になるために、さらに努力を重ねる事を約束するのだった。そして月日が経ち、二人が再会する日がやって来る。
登場人物・キャラクター
七森 結 (ななもり ゆい)
女子大学生で、年齢は21歳。黒髪で清楚な雰囲気の佇まいである事から、大学の内外を問わず男性からの人気が高い。40代以上のダンディな中年男性が理想のタイプで、同年代の男性に対してはまったく興味がないため、21歳になるまで彼氏ができなかった。飲み会の帰りに困っているところを理想の容姿を持つ滝沢天頂に助けられ、彼と共に高田じゅんじの経営する弁当屋で働き始める。
滝沢 天頂 (たきざわ てんちょう)
男子高校生で、年齢は16歳。40代に見えるダンディな容姿をしているが、素朴にして純情で、困っている人を見ると放っておけない性格の持ち主。高田じゅんじの経営する弁当屋でアルバイトとして働いており、滝沢天頂の作る弁当は主婦層を中心に絶大な人気を誇っている。財布や携帯電話を落として困っている七森結を助け、それが縁で付き合う事になる。 その風貌に反して、料理や手芸といった家事全般を得意としており、スイーツ作りを趣味としている。執事にして教育係の佐々木からは、「てん様」と呼ばれている。
高田 じゅんじ (たかだ じゅんじ)
弁当屋を経営している男性で、年齢は30歳。アルバイトを採用する基準は、かわいい女性である事を最低条件としている。唯一の例外は滝沢天頂であり、散る桜を箸でつかめるという技術を持った天頂をスカウトした。爽やかな容姿の持ち主で多くの女性からモテるものの、それがアダとなって修羅場を迎える事も多い。天頂に対しては自身の弟のように考えており、七森結との恋愛についても相談に乗る等全面的に応援している。
橋本 空 (はしもと そら)
滝沢天頂とは違う高校に通っている女子で、年齢は16歳。七森結と同じく天頂に助けられた過去があり、それから天頂の事を探していた。高校生ながら昭和の文化が好きという古風な趣味を持っており、似た趣味の天頂や結とは話が合う。天頂の事を「理想の男性」と考えており、彼に惹かれている。
佐々木 (ささき)
滝沢天頂の家で執事として働く男性。幼少期より天頂の教育を行っており、彼の事を「てん様」と呼ぶ。炊事を始め恋愛相談に至るまでさまざまな事情に精通しており、天頂のよき理解者でもある。滝沢天頂の父親とも年齢が近いため、滝沢親子の仲を取り持つ事が多い。
滝沢天頂の父親 (たきざわてんちょうのちちおや)
滝沢天頂の父親で、年齢は49歳。天頂と同じく若い頃からダンディな容姿をしており、そのため学生時代は同年代の友人達と遊んだ事がなくひたすら勉強ばかりして過ごしていた。その結果現在は病院を経営するまでになっているが、それだけに若いカップル達に対しては憎悪にも似た感情を抱いている。息子と付き合う事になった七森結に対しては当初は嫌悪感を抱いていたが、結の提案で「大人の楽しみ方」を覚えてからは評価を改め、天頂との仲も認めるようになる。
七森 もりまさ (ななもり もりまさ)
七森結の父親で、年齢は52歳。身長はかなり低く、娘である結の半分程度のサイズしかない。52歳という年齢には見えない少年のような風貌をしており、自分と逆に16歳でありながらダンディな容姿の滝沢天頂に、ある意味同類のようなシンパシーを抱く。出会ってすぐに天頂と打ち解け、早い段階で結と天頂との関係を認めた。
風間 影文 (かざま かげふみ)
七森結と同じ大学に通う男子で、年齢は20歳。大学内外を問わず女子学生を中心に絶大な人気を誇り、彼と遊ぶためだけのサークルまで存在するほど。爽やかで純情な少年のような風貌をしているが、その実態はかなりの女好きで、これまでに多くの女性をその毒牙にかけて来た。結に目をつけ彼女も自分のものにしようと画策するが、滝沢天頂によって阻止される。