設定・解釈の変更を経て、進化を遂げた物語! 『宇宙戦艦ヤマト2199』767 Pt.

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この『宇宙戦艦ヤマト2199』は第一作目『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品だ。基本的なあらすじは変わらない。西暦2199年、「ガミラス」との戦争で窮地に立った地球が宇宙戦艦「ヤマト」に救いを求めて「イスカンダル」に派遣、その道中で「ガミラス」艦隊と戦うストーリーである。ただ、全ての展開が同じというわけではなく、途中で内輪もめが発生したり、「ガミラス」の政争が起きたり、とより豊かなストーリーが繰り広げられる。

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宇宙戦艦「ヤマト」の設定も大きく変わっている。第一作目のヤマトの大きさは、300メートル前後であった。これは、「ヤマト」が超弩級戦艦「大和」を改装したという設定であるため、本来の「大和」のサイズである265メートルを元に設定されたのであろう。しかし、搭載している艦載機数や描写されている艦橋の様子から見ても、明らかに小さいという矛盾がよく指摘されている。『ヤマト2199』の「ヤマト」では、この矛盾点の解消のため、新造された戦艦を「大和」の残骸に「偽装」したものに設定変更し、333メートルにサイズアップ。主砲・副砲などの兵器の名称もリアルな雰囲気に改められている。その他、言い回しも描写もよりリアルな軍隊らしくなり、本格的なSFアニメとして楽しめる。

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「ガミラス」の名将として人気が高い「ドメル」は、「エルク・ドメル」とフルネームが設定され、より魅力的でかっこいいキャラになっている。階級は中将、作中で上級大将に昇格。艦隊を率いて、「ヤマト」と対峙し、大いに苦しめる。第一作目の『ヤマト』で垣間見えた傲慢さはなく、謙虚で高潔な軍人として描かれる。確かな戦術眼を持つその一方で、政治からは距離を置き、そのことが「ドメル」の運命に大きくかかわることとなる。「ドメル」に関わる一番オススメのシーンは、「七色星団の戦い」。老朽化した空母を含む艦隊を持って、あえて難所である「七色星団」に陣取り、「ヤマト」を迎撃する。物質転送機を用いた鮮やかな対艦攻撃や迫力ある砲撃戦、そして最後に見せる覚悟……。どれも息をのむ名シーンの宝庫だ。

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このアニメのBGMを担当したのは「宮川彬良」氏。旧作で音楽を担当した「宮川泰」氏のご子息で、今回は旧作の曲をリメイクして、オーケストラによる新たな録音が行われている。マスターテープも楽譜も使えなかったので、「宮川彬良」氏は耳コピで楽譜を完成させたという。約40年前の数々の名音楽が蘇り、新たな「ヤマト」の物語を彩る。その点にも注目して、視聴していただきたい。

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昔の名作を見る時に、「絵が古くて、苦手意識を持ってしまう」という人は少なくないはずだ。それが故に昔の名作を見ていないということもあるだろう。本作品では、キャラクターデザインも一新され、現代のアニメの画風に沿ったものとなっている。2009年当時の流行であった「アホ毛」を持つキャラが多く存在する。また、旧作で「一人が担う役割が多すぎる」と指摘された「森雪」が担っていた担当職はいくつかに分割され、交代要員のキャラクターも追加されるなど、設定の変更も加えられている。さらに、『宇宙戦艦ヤマトⅢ』で登場した「フラーケン」は、今作では「ヴォルフ・フラーケン」として登場、潜水艦を操り、「ヤマト」を翻弄する。そんな新たな登場人物、旧作とは違った登場人物にも注目だ。