戦いだけじゃない! 『犬夜叉』の魅力とは?336 Pt.

戦闘シーンが多く、ハードでシリアスな展開が少年マンガファンに魅力の『犬夜叉』だが、本作は、他のいろいろな面でも魅力的な作品である。ここでは、それらの魅力を深く探ってみよう。

作成日時:2016-10-20 16:00 執筆者:マンガペディア公式

戦いだけじゃない! 『犬夜叉』の魅力とは?

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概要

高橋留美子作の『犬夜叉』は1996年から2008年まで、小学館「週刊少年サンデー」に連載されていた。単行本は全56巻にも及ぶ。平成13年度には、第47回小学館漫画賞を受賞した。連載期間は単行本の巻数からもわかる通り11年7か月と長期に渡る。また、『週刊少年サンデー』2013年10号では、東日本大震災復興支援企画『ヒーローズ・カムバック』の一環として、最終回の半年後を描いた読切(特別編)が5年ぶりに掲載された。内容は、戦いありシリアスな展開ありの戦国時代を舞台とした、半妖・犬夜叉と女子中学生・かごめが四魂の玉のかけらを探す旅に出るという冒険活劇だ。攻撃的な描写も多いがギャグシーンも多く含まれ、見る者を飽きさせない魅力がある。

あらすじ

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戦国時代の日本、あらゆる願いを叶えるという宝玉「四魂の玉」を巡り人間と妖怪の争いが続いていた。四魂の玉を守る巫女「桔梗は」、半妖「犬夜叉」と心を通わし愛し合っていたが、罠にはまりお互いを裏切ることとなる。「桔梗」は玉を奪った犬夜叉を最後の力で封印し、自らもまた力尽きる。遺言により、四魂の玉は桔梗の亡骸と共に燃やされ、四魂の玉はこの世から消え去った。そして500年後の現代、神社の娘「日暮かごめ」は、15歳の誕生日に、神社の祠にある古びた井戸から戦国時代へとタイムスリップする。行き着いた先は、犬夜叉と桔梗の争いから50年が経過した時代。桔梗の生まれ変わりであるかごめの体内から再び四魂の玉が現れ、桔梗がかけた封印をかごめが解いたために、犬夜叉は復活する。玉を狙う妖怪たちがかごめを襲う。戦いの中で四魂の玉は、かごめの放った矢を受けて無数のかけらとなり方々に飛び散った。四魂のかけらを集めるために旅することになった犬夜叉とかごめ。最初は喧嘩ばかりしていたが、旅をする中で次第に惹かれ合っていく。そしてその旅の中で、50年前に犬夜叉と桔梗を罠にかけた張本人「奈落」の存在が明らかになる。二人は奈落を追う旅の中で、子狐妖怪の「七宝」や、奈落に呪いをかけられた法師「弥勒」、妖怪退治屋の「珊瑚」らと出会い旅を共にする。宿敵奈落を倒すため、玉の因縁を断ち切るために、いくつもの出会いと別れを繰り返しながら、四魂の玉の力を狙う妖怪たちと戦っていくのであった。

主要キャラクター紹介

犬夜叉(いぬやしゃ)

人間換算にすると、およそ16歳。人間の母と大妖怪の父の間に生まれた半妖で「殺生丸」という名の妖怪の兄がいる。一人称は「俺」。口調はきつく暴れん坊な反面、根は優しい。半妖の証として犬耳と銀髪が特徴的。犬らしい仕草もするが、犬扱いされると怒る。鼻がよく利き、地面の臭いを嗅いで物を探す事が得意。臭いの強いものは苦手。「桔梗」の妹である「楓」によって言霊の念珠を首に掛けられており、「かごめ」が「おすわり」と言うと地面に叩きつけられる。かごめと同様に骨喰いの井戸を通り抜けることができ、戦国時代と現代を自由に行き来できる。非常に好奇心旺盛で、かごめの荷物である数学の教科書に興味を示したり、一人のときにかごめの自転車に乗る練習をしていたり、いつの間にか懐中電灯を使いこなしたりしている。

日暮かごめ(ひぐらし かごめ)

現代の神社に住む中学3年生の少女。家族構成は祖父、父、母、弟の5人暮らし。一人称は「私」。15歳の誕生日に、神社内の祠にある骨喰いの井戸から「百足上臈」に引きずり込まれて戦国時代にやってきた。そして成り行きで「犬夜叉」の封印を解く。その後、妖怪を退治しようとした際に誤って四魂の玉を粉砕、そのかけらを日本中に散らしたことから、彼女の戦国時代での生活が始まる。戦国時代では基本的に学校のセーラー服を着用している。自転車や、勉強道具、救急セット、食料、レジャーシート等の荷物を詰め込んだ巨大なリュックサックを持ち込んでいる。四魂の玉の気配を感じることができ、弓矢で妖怪を打ち倒す。邪気を浄化するなど、桔梗譲りの様々な神通力を使える。当初は曲魂(まがつひ)によって、本来の霊力を封印されていたが、実は桔梗以上に霊力が強い。梓山の弓を手に入れて瞳子と戦った後は、盾となるものや障害物があっても、それをすり抜けて標的を撃ち抜く消える矢を放つことができるようになる。度胸があるのか場慣れしたのか、凶悪な妖怪に接しても怖気づかない。しかしミミズなどの虫系統は苦手。仮病を使って何日も学校を休んでいたり、高校受験を控えているためか、戦国にいても勉強を怠らないかごめだが、努力も空しく以前は学内試験において30番以下の順位をとった事がなかったが、戦国時代を行き来するようになってからは成績(特に数学)がどんどん低下していく。

弥勒(みろく)

美形で女たらしな不良法師。普段は紳士的で敬語口調だが、キレると言葉遣いが変わり暴力的になる。普段の一人称は「私」で、素は「俺」。幼少の頃、父が自らの風穴に吸われ消滅する様を目の当たりにしている。その呪いを打ち破るには、奈落を滅するほかない。美人を見かけると、条件反射のように手を取り口説く。知識も豊富で話術にも長けているため、犬夜叉一行では頭脳的存在でもある。

珊瑚(さんご)

妖怪退治を生業とする退治屋の頭の娘。退治屋の里では一番の手練れ。巨大ブーメランの「飛来骨」を用いて複数の妖怪を一度に薙ぎ払う大胆かつ豪快な戦闘スタイルが特徴。「奈落」の陰謀により父や弟を失い、更には犬夜叉を里を滅ぼした仇だと奈落に騙され、命を狙っていたが後に誤解が解けて和解、仲間に加わる。勝気で男勝りだが、本当は繊細かつ弟思いの優しい性格。普段は髪を降ろした状態で結い、着物を着ている。妖怪退治の際には、髪をポニーテールにまとめ、黒いボディスーツのような戦闘用衣装に着替える。飛来骨を用いた戦闘では敵に近づくことなく、遠方から仕留めることができる他、腰の刀や腕に仕込んだ刃など、近接戦闘においても優れた戦闘力を発揮する。邪気を感知できるが、邪気や妖術に対する耐性はほとんどない。

七宝(しっぽう)

子狐の妖怪。見た目年齢は7歳。父親の仇である「雷獣兄弟」を犬夜叉が討ったことで仲間になった。一人称は「オラ」。自身も妖怪なのに妖怪を恐れる程、かなり臆病な性格。語尾が「~じゃ」など、口調が少々年寄り気味。完全な妖怪であり、半妖を見分ける嗅覚がある。主な攻撃は狐火。戦力というよりは、おとり要員として戦いに参加することが多い。他にも様々なものに変身でき、狐妖術(幻術)を使うが、こけおどし程度。変身した球体には乗ることも可能。奈落との戦いが終了後は、立派な妖怪になるため、楓の村の外に出て修行している。

桔梗(ききょう)

弓矢の名手で、破魔矢を用いて敵を浄化することが出来る。作中の戦国時代にある村では巫女を務めていた。楓の姉であり、かごめの前世。普段は長い髪を元結で束ねており、常に毅然と振る舞っている。風貌はかごめと似ているが、かごめよりは少し凛々しい印象を受ける。魂は既にかごめに転生していて、一部しか戻らなかったため、魂が不足がちで常に死魂を補充しなければならない。巫女としてのしがらみから解放された後は、生前は抑えていた感情を露にするようになり、特に犬夜叉や奈落、そしてかごめに対しては激しい感情と憎悪をぶつけることもある。寡黙で、時に激しい感情を見せるが、慈愛に満ちたとても優しい性格で、蘇生後も、弱者を救い多くの人から慕われている。敵対者には容赦がない。巫女としての実力にもプライドを持っており、実力不足の僧侶が自分を浄化しようとした際には反対に殺害してしまうほど激高していた。一方で白霊山の白心上人に対しては、自らを「私ごとき」と表現し敬語を用いるなど、敵対者であっても格上の人物に対しては、敬意を忘れない真面目な一面も持つ。

奈落(ならく)

浅ましい心をもった「鬼蜘蛛」という名の野盗をつなぎに、無数の妖怪が寄り集まってできた半妖である妖怪の集合体。半妖でありながら妖怪をも凌ぐほどの邪気と妖力を持つ。瘴気が濃く、全身が毒の塊である。一人称は「わし」で壮年男性口調。50年前に犬夜叉と桔梗を憎み合わせ、死に追いやった張本人。自分の存在を危惧して滅そうとした「弥勒」の祖父「弥萢」と戦い、代々受け継がれる風穴の呪いをかけた。50年後は再び世に現れた四魂の玉のかけらを集め始め、50年前の事件の真相を知った犬夜叉たちと対立する。姿を変化させる能力があり、妖怪の姿になることもできるが人間の姿を好み、弥勒の祖父との最後の戦いでは美女の姿をしていた。姿を変えるのには時間がかかり、その間は妖力が格段に落ちる。初期は狒々の皮を被って姿を隠すことが多かった。鬼蜘蛛の感情を受け継いでおり、桔梗を愛しているが、同時に鬼蜘蛛に取りついた妖怪が持っていた桔梗への憎悪や殺意も併せ持っており、2つの相容れぬ感情に苦悩する。直接の戦闘よりも人の弱みに付け込む卑劣な策略を好み、性格は冷酷。人と人との絆を呪い、引き裂く、それが奈落の行動概念である。しかしそれは奈落が絆の大切さ、そしてそれを失う苦しみを知っているという証明でもあった。

見どころ

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本作の見どころは数多い。犬夜叉一行が敵と戦う迫力満点のシーンや、「犬夜叉」と「かごめ」、「桔梗」の三角関係の行方、個人的には「弥勒」と「珊瑚」の関係もとても興味をひかれた。そんな魅力あふれるシーンの多い犬夜叉だが、中でもオススメしたいのは、犬夜叉とかごめが新しい仲間と出会い、旅を共にするに至るまでのお話しだ。珊瑚や弥勒、七宝はそれぞれに犬夜叉たちとの出会いに至るストーリーがある。キャラクターたちに共感できるシーンもたくさんある。弟を思う珊瑚の気持ち、親を思う七宝の気持ち、自らの生き方を思う弥勒の気持ち……。どれも心にグッとくるものになっている。また、犬夜叉と兄「殺生丸」が対峙するシーンも見物だ。同じ妖怪を父に持ちながら、兄は妖怪、弟は半妖。力の差、思いのベクトルの差、様々な違いを越え、幾度も刃を交えながらお互いを認めるに至るその過程にも注目してほしい。

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