ジュール・ヴェルヌ原作の冒険小説のコミカライズ作品。時は1863年、ドイツのハンブルグに住む平凡な青年・アクセルは若き学者だ。ある日、地質学と鉱物学の権威である伯父・リーデンブロック教授からとある古書を見せられる。そこには1枚の紙片が挟まれており、16世紀の錬金術師・サクヌッセンムによる古代文字の暗号が記されていた。「地球の中心へたどり着く方法」が示されていることを知ったリーデンブロックは、アクセルを連れ壮大な冒険の旅に出る。
地球の中心へ向かう入口がアイスランドにあると解読した二人は、さっそく現地へ向かい、案内人・ハンスを雇い地底へと向かう。さっそく地下深くで飲み水がなくなり三人は命の危機を迎えるが、ハンスの機転で温泉水を確保することに成功し九死に一生を得る。三人は地底が大海原に繋がっていることを突き止め、筏に乗って更に先へ進もうとするが、彼らを待ち受けていたのはとっくに絶滅したと思われた「古代生物」であった。「地底」という未知なる空間への冒険譚が、骨太な絵柄とマッチしており最後まで目が離せない。また、偏屈なリーデンブロック、屈強で頼りになるハンス、当初は頼りないが冒険を通じて大いなる成長を遂げるアクセルの各キャラクターも魅力たっぷりだ。
地底世界を舞台に、地底人とドラえもんたちの交流を描いたハートフル冒険活劇。ある日、野比のび太は、恐竜が今でも存在していると言い張り、骨川スネ夫にバカにされてしまう。しかし、スネ夫はラジコンで遊んでいる際、偶然多奈川で謎の巨大生物を目撃する。一方のび太は、0点のテストの答案用紙を隠そうと「どこでもホール」を使い偶然に地下空洞を発見。ドラえもんをはじめいつもの仲間を誘い、遊び場をつくろうとするがスネ夫がひょんなことからはぐれてしまう。
スネ夫が先に帰ったと思ったドラえもん一行は地上に戻るが、彼が戻っていないことを知り、おまけにどこでもホールが壊れ呆然とする。しかし、手がかりを頼りに地底に繋がる穴を見つけ、スネ夫の救出へと向かう。さっそく謎の野蛮人に襲われ命の危機を迎えるが、すんでのところで助けられる。彼らを救ったのは、恐竜を馬のように操る「恐竜人」の騎士・バンホーだった。バンホーのおかげでスネ夫と再会し安心したのも束の間、のび太は恐竜人のとある計画を耳にする。絶滅したはずの恐竜が地下で生き残り、独自の進化を遂げた民族という恐竜人の設定がミステリアスだ。ボタンの掛け違いからドラえもん一行と恐竜人は対立するが、誤解が解けそれぞれ手を取り合う未来は感動的だ。
地底世界を舞台に少年たちと謎の美少女兵器の戦いを描いたバトルアクション。主人公・久瀬飛鳥(くぜあすか)は高校入学直後に事故で両親を亡くし、叔母の久瀬沙霧(さぎり)と二人暮らしだ。飛鳥は墓参りの最中、突如現れた防衛省外務機関「トライブノア」の少尉・五月雨麻耶(さみだれまや)から隊員としてスカウトを受ける。沙霧の助言もあり飛鳥は隊員になることを決意し、沙霧と共に沖縄へ向かう。そこで彼を待ち受けていたのは巨大な地下空間だった。
麻耶のナビゲートで飛鳥は地底深くに造られた都市「クラウドヘブン」にたどり着く。「第二の日本」になるこの都市を守ることと、開発を手伝うことがトライブノアのミッションだ。飛鳥は華山葉月(かざんはづき)をはじめとした仲間たちに囲まれ、隊員としての訓練に励んでいたところ敵の襲撃を受ける。それは美少女の姿をした謎の装甲兵器「グローニア」であった。沙霧がグローニアの攻撃で瀕死の重傷を負い、飛鳥は死神が残したと言われる大剣を使い敵を破壊する。大剣を使いこなす能力が覚醒した飛鳥は、葉月たちと共に戦いの渦に巻き込まれる。巨大な地下要塞であるクラウドヘブンの描写が近未来的であり興味深い。グローニアと死神の謎など、ミステリアスな要素も満載だ。
吉浦康裕監督の人気アニメーション映画「サカサマのパテマ」のアナザーストーリーのコミカライズ作品。主人公・ミッコは明るいだけが取り柄の14歳の少女だ。幼い頃に両親を亡くし、面倒を見てくれていた祖父も5年前に他界したことから隣の家で裸踊りを生業にしている「姐ちゃん」の世話になっている。そんなミッコの家には先祖代々伝わる不思議な指輪があった。その指輪にまつわる亡き祖父の言い伝えを「ホラ吹き」と姐ちゃんは揶揄するが、ミッコはそれを信じ、とある希望を抱く。
空中に浮くその指輪は二つのパーツでできており、分離すると片方のパーツが天井へ向かって勢いよく浮き上がってゆくのであった。祖父曰く、指輪は別の世界に離れ離れになった人との、再会の約束を誓った貴石とのこと。大きくなった今も「別の世界」の存在が忘れられず、ミッコは姐ちゃんの目を盗んでは探検に出かけるのであった。縦横無尽に絡み合う「抗(こう)」で入り組んだ世界を進むうちに、ミッコは巨大な地下空間にたどり着く。そこは地上とは異なり、すべてが「サカサマ」の重力で成り立つ世界であった。本作は、上下がわからなくなるほど地下世界の描写が緻密に描かれており、不思議な気分にさせてくれる。「サカサマのパテマ」を知らなくとも十分楽しめる。
地底で暮らす少年が、仲間たちと共に地上の平和を守るべく戦うロボットアクション漫画。主人公・シモンは地底深くにあるジーハ村で暮らすごく普通の少年だ。ある日、村の面積を広げるべく穴を掘る仕事をしていたところ、指先ほどの小さなドリルを発見する。すると、突如村の天井が崩れ、ライフルを持った地上の少女・ヨーコが現れる。シモンは、地上に憧れている彼の兄貴分・カミナとヨーコと共に地上へと向かい運命の扉を切り開くのであった。
憧れの地上は「獣人」が支配する世界であり、人々が虐げられていた。シモンは、顔の形をしたロボット「ガンメン」にドリルを差し込むことで起動させ、獣人たちと戦うことに。カミナたちは「ラガン」と名付けた自らのガンメンを、獣人から奪ったガンメン「グレン」と合体させ、最強ロボット「グレンラガン」を誕生させる。彼らは仲間たちと共に「大グレン団」を名乗り、リーダーのカミナを中心に戦いに身を投じてゆく。しかし、カミナとヨーコが思いを寄せ合っていることに気づいたシモンの動揺から、思わぬ悲劇が彼らに訪れる。本作は、平凡な地底の少年だったシモンが些細なきっかけで地上へと飛び出し、戦いを通して成長するさまが微笑ましい。バトルシーンも迫力たっぷりだ。