「館シリーズ」など、多くの人気作を作り上げるミステリー作家「綾辻行人」の世界がアニメ化された作品『Another』。背筋のゾクッとするような和製ホラーの雰囲気と本格ミステリーが、アニメーションとなることで、背景やキャラクターたちの醸し出す空気と合わさり、より独特の魅力を生み出している。多くの人にぜひとも観ていただきたい作品だ。
原作は「綾辻行人」の小説である、アニメ『Another』。深みのあるストーリーと、ぐっと引き込まれる世界観が魅力だ。もともとアニメはそんなに観ないという人にもぜひオススメしたい!!
出典:Amazon.co.jp
「館シリーズ」など、多くの人気作を作り上げるミステリー作家「綾辻行人」の世界がアニメ化された作品『Another』。背筋のゾクッとするような和製ホラーの雰囲気と本格ミステリーが、アニメーションとなることで、背景やキャラクターたちの醸し出す空気と合わさり、より独特の魅力を生み出している。多くの人にぜひとも観ていただきたい作品だ。
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この作品は、全体を通して静と動のバランスが良い。
和製ホラーに見られる、静けさの中の”何か起こるんじゃないか”と思わせるシチュエーションにドキドキさせられたかと思えば、予期せぬ展開にキャラクターたちがどよめき、時に声を張り上げる。何とも言われぬ緊張感や、時折感じる焦燥感が観ている人間を作品の中引き込んでくれるのだ。
ミステリアスな雰囲気のキャラクターに、何か含みを感じる台詞、何気ないように見えてとんでもない伏線をはらんだシーンなど、見逃し厳禁なシーンばかりなので、決して目をそらさずに見てほしい。
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病気療養のため、母の実家に身を寄せることとなった主人公の「榊原恒一」。転入先は「夜見山北中学」の3年3組だ。
その「夜見山北中学」3年3組には、何年かに一度、怪現象が起こる。3年3組に在籍する生徒、教師、及びその二親等以内の血族はその土地にいる限り、否応なしにその現象に巻き込まれてしまう。主人公「榊原恒一」が3年3組に転入したその年はまさに、「ある年」と呼ばれる怪現象が起こる年だった。
その怪現象の内容は「死者がひとり、クラスの一員として紛れ込み、4月から翌年3月までの間、毎月3年3組の関係者が死亡する」というもの。幾度も繰り返されるその現象を食い止めるための策として見出されたあるシステムと、それを知らずに立ち回る「恒一」。そして起こる、凄惨な死。死を止めるためには、紛れ込んだ死者を見つけ出し殺すほかない。ただし死者本人にも”自らが死者である”という自覚はなく、探し出すのは非常に困難とされる。果たして「恒一」は死者を見つけ出すことが出来るのか――。
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作中には数多くの”違和感”が存在する。病院の霊安室へと向かう、肌がとても白く眼帯をしている不思議な少女。入院している「恒一」の病室に来ては、何か言いたげなクラスメイト達。「恒一」に見えている少女が、まるで見えていないかのような教室の雰囲気。「もしかして……。」と理由を組み立ててはまた新たな不思議に見舞われる、観ている側を決して飽きさせない展開に満ちているのだ。また、作中にはミスリードがあり、素直に観ていては死者の正体には気付けない。見えているものすべてを疑う気持ちで、ぜひ死者の正体を探してみてほしい。
作品のラストではついにこの年の死者が明らかになる。そこに至るまでの「恒一」の奔走、ヒロインとの関わり、クラスメイトの変化……。様々な要因の上に成り立つこのラストシーン。死への恐怖が終わるのだという安堵と、死者の正体が分かった瞬間の衝撃は何とも言えない。それまでに感じた違和感の正体も分かることだろう。もしラストシーンを見ても疑問が残るのであれば、ストーリーを見返して伏線の回収をしてみてほしい。たくさんの発見に出会えるはずだ。
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