ばれたら即終了!?性別カモフラージュ漫画オススメ５選165 Pt.

ユリウスが男として育てられたのには理由があった。アーレンスマイヤ家の当主の愛人であった実母が、当主に捨てられた腹いせに、男子のいないアーレンスマイヤ家の財産をユリウスに相続させようと企んだためである。父の正妻の死後、次期当主として母と共にアーレンスマイヤ家に招かれるユリウスであったが、腹違いの姉2人と軋轢を生む。しかしユリウスは嫌がらせにも屈せず、母を襲うよう姉が仕向けた犬を撃退するなど男勝りそのものだ。だがその裏では、本来女性であることへの葛藤も垣間見える。ユリウスはオルフェウスの窓で出会ったクラウスと意気投合し恋をするが、クラウスがロシアの革命家という素性を知り彼を追ってロシアへ向かうなど情熱的な一面がある。イザーク、クラウスとの三角関係と、悲劇的な結末が胸を打つ作品だ。

髪を逆立て学ランを纏ったジュウベイは一見すると少年のように見えるが、れっきとした女性である。喧嘩で全国制覇をすることを目標に、同じ虎穴高校の真田九郎（くろう）などのライバル達と腕を磨き「全国格闘選手権」への出場をかけた戦いに挑む。女だからと舐めてかかるライバルにも得意の雷鳴拳を駆使して戦い、参謀でもある紺碧の協力もあり巨体の男子生徒を撃破するなど、ジュウベイは高い戦闘能力を持ち合わせている。ジュウベイの真の目的は、実父を殺害した武闘派連合のトップ・獅子神吼を倒すことだった。女性でありながら戦うことの悲壮感を感じさせることなく、男達と対等に渡り合うジュウベイの明るさと強さに惹きつけられる。

当初は女装での登校に戸惑う千早だったが、持ち前の美貌と侍女の度會史（わたらいふみ）の助けにより徐々に学園に溶け込み人気者となる。特に薫子とは意気投合し友情を育んでいくが、ひょんなことから薫子に男であることがバレてしまう。怒りの感情をぶつけてくる薫子の家庭の秘密を千早は知ることとなり、お互い秘密を漏らさないという取引が成立し2人の仲は元の鞘に収まった。それまで友人と出かけたり遊んだりすることがなかった千早だったが、初めてできた友人の薫子達とプールで遊ぶなど、人とふれあう経験を経ることで人間としても、手本となる最上級生である「エルダー・シスター」としても成長していく。性別を超えて描かれる人間同士の温かい絆が微笑ましい。

鞠也の正体は、女装した男子生徒だ。鞠也の双子の妹である衹堂静珠（しどうしず）もまた男装をし、「御星（みほし）の森学園」に通学している。その理由は、天の妃と御星の森の両理事長だった亡き祖母の「それぞれが異性に扮し通学し、先に知られなかった方を理事長とする」という遺言によるものであった。しかし、あっさりとかなこに男であることがバレてしまった鞠也は、かなこに取引を持ちかける。実はかなこは女子生徒と恋に落ちることを目的としており、それを鞠也は見抜いていたのだ。お互い絶対に明かせない秘密を知り、監視をし合いつつも2人は学園生活を謳歌する。バレるかバレないかの瀬戸際で繰り広げられる駆け引きも面白い。

無事にオーディションを通過した寛子であったが、なぜか実もまたプロデューサー・秋元康の目に留まり合格してしまう。研究生のセンターに抜擢され、レッスンの厳しさとプレッシャーから逃げ出してしまう実であったが、前田敦子の助言や寛子の姿を見てアイドルとして腹を括る決意をする。将来のセンター候補であるライバル・岡部愛との切磋琢磨を経て、実は真のアイドルとして成長していく。しかし、とある写真がきっかけで、実が男であるということが周囲の知るところとなってしまう。衝撃の結末まで目が離せない。本作は、実の成長と共に実際にAKB48で行われている総選挙やユニット活動などがリンクして描かれているのが特徴だ。実名で登場するメンバーのリアルさにも注目したい。