男の子だってお姫様になりたいの！女装男子漫画オススメ５選120 Pt.

本作では、瓜二つの顔をした高校3年生の平山圭太と里見あずさが登場する。幼なじみの2人だが、あずさがグラビアアイドルとして活躍するようになってからは、口を聞く機会もないほど疎遠な状態になっていた。そんなある日、あずさの父親の勇一があずさの替え玉になってくれるよう圭太に頼み込んでくる。勇一は麻見台高校の弱小野球部の監督。彼が自分の夢である甲子園出場を果たすためには、女子でありながら野球の才能に恵まれたあずさの力がどうしても必要だったのだ。あずさは「圭太」になりすまして夏の地方大会に出場し、そのあいだ圭太は「あずさ」の代わりにグラビアアイドルとしてお姫様キャラを演じることになる。あずさに好意を抱き振り回される圭太と、エネルギッシュに突き進むあずさの男女逆転した関係が笑いを誘うラブコメディだ。

本作に登場する女装男子は、ミルクハウスのオーナー菊川涼音だ。一見、黒髪ストレートが似合う可憐な乙女の姿をした涼音だが、実は女装を趣味とするノーマルな男性。芹香と初めて出会った時、日本人形のような和服姿で登場するが、そのあまりの口の悪さで芹香を驚かる。だが、男性や女性といった性別にとらわれず、堂々と女装を楽しむ涼音の生き方こそ本作の大きな魅力だ。好きなファッションを身にまとい、好きなように生きることができる。そんな力強いメッセージを、「女装男子」の先駆けである涼音を通して発見してほしい。

本作に登場する女装男子は、ミッション系女学院に通う高校一年生の衹堂鞠也。可憐なブロンドのツインテールがトレードマークの鞠也だが、性別は男性だ。男子校に通う双子の妹・衹堂静珠と入れ替わり、正体がバレなかった方が次期理事長になるという祖母との約束のため、女装をしている。ただし、鞠也の可憐なふるまいはすべて演技で、その本性は腹黒い。鞠也の秘密をたまたま知ってしまった宮前かなこを、反対に脅迫し散々に弄り倒すドＳキャラ。だが、そうした自らの可愛さに絶対的自信を持って、我が道をゆく鞠也のキャラクターはとても魅力的。鞠也と一緒に、スピーディーなテンポで展開するハチャメチャな学園生活を楽しんでほしい。

前作『げんしけん』で、男オタクのたまり場として描かれた「現代視覚文化研究会」だが、「二代目」では腐女子の吉武莉華や矢島美怜が新入部員として加わり、すっかり「腐女子サークル」と化していた。そのなかに、1人紛れ込んだ「男の娘」の女装男子が波戸賢二郎だ。彼は、高校時代にボーイズラブ（BL）の同人誌にはまってしまい、それ以来「腐男子」として孤独な日々を送っていたが、女性とBLについて気兼ねなく話をするため女装をするようになる。そんな波戸が、先輩の斑目晴信に恋をし、本格的なお姫様キャラと化していく。男女の性別を超えたドキドキの恋愛模様に注目してほしい。

主人公の浦川実が、AKB48のなかでも神8と呼ばれる選抜メンバーに挑戦し、押しも押されぬ人気アイドルへと成長していくユニークな展開が本作の魅力。彼が好意を寄せる吉永寛子のために入ったAKB48で、浦川は男の子から「アイドル」というお姫様キャラへと変貌を遂げていく。物語の後半で、週刊誌の記者によって浦川の女装がついにバレてしまう。だが、その事件を通じて、アイドルは男や女という性別を超えてファンを魅了する存在であることを、巧みに描かれている。男女性別関係なく、かわいく輝く瞬間こそ人を「お姫様」に変えるのだと思わせてくれる一作だ。