前略・ミルクハウス

前略・ミルクハウス

東京にある一軒の洋館を舞台に、純朴素朴な松本芹香とそこに住む一癖もふた癖もある人々が繰り広げる賑やかな生活を描く。第31回小学館漫画賞少女部門を受賞。

正式名称
前略・ミルクハウス
ふりがな
ぜんりゃく みるくはうす
作者
ジャンル
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

大学に通うため北海道から上京した松本芹香は部屋を探している途中、素敵な洋館の前で和服姿の美しい人、菊川涼音に出会う。いい部屋がみつからず途方にくれていた芹香に涼音が、下宿館ミルクハウスを始めるから、御飯を作ってくれれば下宿代はタダでいいと誘いをかける。その誘いに飛びつく松本芹香だったが、ミルクハウスのもう一人の住人、涼音のいとこの安原藤から、涼音が男性だと衝撃の事実を伝えられる。

男性と同居する事に抵抗を感じて悩むが、街中で出会った橋本水城とお酒を飲んでよっぱらい、勢いで水城ともどもミルクハウスに下宿することになる。他にも下宿人の吉川親子が増えて、総勢6人のミルクハウスでのあわただしくも賑やかな生活がはじまる。

登場人物・キャラクター

松本 芹香 (まつもと せりか)

10月14日生まれの18歳。男性と付き合った事がない純朴な北海道出身の美術大生。大学生活のために上京した際出会った菊川涼音が所有する洋館、ミルクハウスに下宿することになる。料理上手で食事を作る代わりにミルクハウスにただで住む。菊川涼音にも安原藤にも好意を寄せられているが、それに気がつかないかなりの鈍感。

菊川 涼音 (きくかわ すずね)

主人公が下宿する洋館ミルクハウスの所有者。2月14日生まれ。松本芹香の一つ年上。長い黒髪を持ち一見女性に見えるが、れっきとした男性。芹香と同じ美術大学の4年生でたまに授業のモデルもしているが大学へはほとんど行っていない。5歳くらいの頃に病弱だった母親を亡くし、それがきっかけで女装を始め、着ている服はほとんどが母親の形見。 芹香に軽く冗談のように「愛してる」というが、本気で彼女の事が好き。

安原 藤 (やすはら ふじ)

洋館ミルクハウスの所有者、菊川涼音のいとこ。高校3年生、17歳、身長178cm。高校の先生を好きになり告白するが玉砕。その後松本芹香のことを当初は疎ましく思っていたが、次第に好意を抱くようになる。しかしその想いはまったく芹香には届いていないどころか、芹香は安原藤を好きなやよいを応援したりと男としてはまったく見られていない。

吉川教授 (よしかわきょうじゅ)

主人公松本芹香が通う美術大学の教授。松本芹香が暮らす洋館ミルクハウスに息子吉川勇と一緒に下宿することになる。眼鏡をかけた、物静かな紳士。いいたい事があっても、口に出せず飲み込んでしまい、その結果妻とも不仲になる。

吉川 勇 (よしかわ いさむ)

9歳。小学4年生。吉川教授の息子。スカートめくりをしたり、胸をさわったりといたずら好き。しかし仲の良くない両親の前では猫をかぶっていい子を演じていた。両親が離婚して母親に引き取られたが、ひとりでは何もできない父親と一緒に暮らしたくてミルクハウスにやってくる。

橋本 水城 (はしもと みずき)

歌手。28歳。買い物に出かけた松本芹香が持っていたお酒のビンを割ってしまい、松本芹香にひっついてミルクハウスまで来る。菊川涼音と意気投合し、一晩飲みあかしミルクハウスの住人となる。男の人をすぐ好きになり、振られるとお酒をのみ泣きまくる。

田代 貴之 (たしろ たかゆき)

安原藤の先輩。女の子に親切にするのが趣味で、あちこちに女性の知り合いがいる女たらし。しかし、女性の住所録で埋め尽くされた手帳を破り捨てるくらい、松本芹香に本気で好きになる。芹香に告白して付き合いだすが、彼女が自分と付き合うことに重荷を感じている事を知り、自分から身をひく。 たまたま同じ時に安原藤に振られたやよいと街中で出会いなんとなく付き合い始める。

やよい

安原藤のクラスメイトで彼に好意を寄せる。安原藤が学校の先生に告白して振られ、その後松本芹香に思いを寄せるようになったと知っても、藤に一途な思いを持ち続けた。卵をちゃんと割る事もできなくらい家庭科オンチだが、藤が好きな芹香に近づけるように芹香に料理をならい始める。 努力のかいなく藤からきっぱりと振られ、偶然同じく振られた田代貴之と街中で出会い、付き合い始める。

松本 卓美 (まつもと たくみ)

松本芹香の一つ年下の弟。10月4日生まれ。親と大学に行く行かないでもめて、姉のいる東京まで家出してくる行動派。人見知りせず、野生児で、将棋もうまく、酒もいける口ですぐにミルクハウスの住人とうちとける。明るく軽い性格だが、姉のことは大事に思っている。

木本 尚美 (きもと ひさみ)

菊川涼音の高校の一つしたの後輩。11月19日生まれ。高校時代菊川涼音の事が好きだったが、菊川涼音は他の女性が好きで振られる。そんな時にちょっと不良っぽい女の子たちに誘われて気晴らしで遊び始めてしまう。気がついたらもう戻れないところまで来てしまい、借金のために夜の街で働くことになる。

菊川 香葉子 (きくかわ かよこ)

安原藤の母親で、安原藤の父親とは死別。菊川涼音の母親の妹。現在は菊川涼音の父親と再婚して海外で暮らしている。夫がドイツで、半年で三回も浮気をしたことで喧嘩になり日本に戻ってくる。

竹原 結衣 (たけはら ゆい)

大晦日に歩道橋の上から飛び降りようとしていたところを安原藤に邪魔される。その後も万引きしようとしていたところを邪魔されたり、男に絡まれているところを助けられたりするうちに藤のことが気になりだす。両親、兄とも優秀で竹原結衣だけが落ちこぼれで、それがコンプレックス。藤に毎日お弁当を作ってくるなどけっこうつくすタイプ。 16歳、身長150cm。

芳野 道治 (よしの みちはる)

高校2年生。雨の日に傘を差し出してくれた松本芹香に一目惚れする。しかし名前がわからず、勘違いして菊川涼音にラブレターを出してしまう。家族構成は両親に、姉2人、妹2人。女に囲まれ、姉も妹も強く、芳野道治はいつもおもちゃにされている。あの手この手で松本芹香にアタックしようとするがミルクハウスの住人に邪魔をされてなかなか松本芹香に近づけないが、めげない性格。

須賀 雄作 (すが ゆうさく)

松本芹香の北海道に住んでいた時の近所の幼なじみのお兄さん。6~7年ぶりに東京で松本芹香と出会う。舞台女優の唐沢笙子という女優とつきあっていてプロポーズもしている。しかし、田舎に戻って教師になり家を継ごうと思っている須賀雄作に、唐沢笙子は女優になる夢を選び別れ話をする。 幼い松本芹香とおままごとをして、粘土でできたハンバーグや、葉っぱや紙に描いたオムレツを食べさせられてお腹をよく壊していた。

槇原 さやか (まきはら さやか)

男と別れて突然ミルクハウスに押しかけてきた、菊川涼音が15歳の頃、毎晩遊び歩いていた時期を知る女性。菊川涼音が始めての男性で、今でも菊川涼音の事が好き。菊川涼音の事が好きかどうか、はっきりしない松本芹香にイライラして、喧嘩をふっかける。

場所

ミルクハウス

『前略・ミルクハウス』の登場人物たちが暮らす下宿館。菊川涼音が所有者。2階建てで屋根裏部屋もある洋館。赤い屋根に、白い窓、緑の芝部にバラなどが咲いている庭がある。菊川涼音と安原藤が二人で住んでいた所に、松本芹香、橋本水城、吉川教授、吉川勇の4人が下宿人として暮らし始める。

SHARE
EC
Amazon
logo