げんしけん二代目

げんしけん二代目

男性が多かった「現代視覚文化研究会」に所属するメンバーが一斉に卒業し、新たに女性部員が一斉に入部。すっかり代替わりしたオタクサークルの様子を描いた大学青春コメディ。単行本のナンバリングは『げんしけん』から引き続きの通し番号になっているが、二代目になる10巻以降には「二代目」のとしての巻数が記載されており、別作品扱いになっている。

正式名称
げんしけん二代目
ふりがな
げんしけんにだいめ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

現代視覚文化研究会の中心メンバーがどんどん卒業し、部長としての責務を任された荻上千佳。新入生を勧誘したところ、入ってきたのは3人の女性。ところがそのうち一人は女装少年だった。サークルは一気にBL趣味に染まっていく。今までは自分しか定期的に漫画を描いていなかったものの、後輩たちは「漫画を描きたい」という意欲を持っていた。

荻上千佳はサークルの活動を活性化させようと考え始めるようになる。一方OBである斑目晴信は、かつて好きだった春日部咲への未練が断ち切れず、またサークルとの縁も捨てきれず、仕事の合間に部室に入り浸っていた。そんな彼を見て後輩たちが背中を押し、春日部咲に玉砕の告白をさせ、気持ちを切り替えさせる。

あまりにも純粋な生き方に、何人かの女性が彼に淡い恋慕を寄せはじめる。

登場人物・キャラクター

荻上 千佳 (おぎうえ ちか)

二代目開始時の会長。かつて中学時代にBL好きだったことが原因で心に傷を負ってしまい、大学にはいってからも飛び降り事件を起こしている。その後は恋人になった笹原完士や仲間たちの支えで傷が癒えてきており、現在は落ち着いた様子でサークルを支えている。めげない姿勢で漫画を描き続けていき、現在では漫画家として活動している。 新入部員が入ってきてからは、年上の大野加奈子の押しでコスプレ部になりそうになり戸惑うものの、波戸賢二郎や矢島美怜が「漫画を描こう」としている姿勢を見て、積極的に指導にあたり、漫画の制作現場の様子を見せている。

斑目 晴信 (まだらめ はるのぶ)

アニメ・エロゲー・同人誌などを好む生粋の萌系二次元オタク。元現代視覚文化研究会の会長。ガリガリな容姿とメガネで、猫背。BLの趣味はないが、メンバーの好みには口出しは一切せず、寛容な姿勢を示す。大学卒業後は大学のすぐそばのアパートに住み、大学のすぐそばの会社に勤め始める。 会社の昼休みも部室に入り浸り、なかなか抜け出せない生活を送っていた。彼氏持ちの春日部咲が在学時から好きで、それを告白出来ないままお互い卒業してしまい、ずっとひきずっていた。しかし他のメンバーの押しで、告白。すっきりした彼は何もかも捨てていこうとするも、スザンナ、アンジェラ、笹原恵子、波戸賢二郎から思いを寄せられ、モテ期に戸惑う。

波戸 賢二郎 (はと けんじろう)

普段から女装をしている男性。BLが非常に好きで、大野加奈子の提案で女子会員扱いされることになる。ウィッグの下はショートカットで、男性の格好の時は男声、女装時は女声を使っているため、女装男子だと気づかれないことが多い。体型体毛の管理、肌のケア、化粧など、女性顔負けの完璧さを誇る。 高校時代は美術部におり、初見の画風を完璧に会得したり、荻上千佳のアシスタントとして背景を描きこなすなど、画力に長けている。着替えをする場所を探すうちに、大学近くに住む斑目晴信の家を借りるようになる。親切な彼に好意を持ち、最初は「架空の自分」と斑目晴信のカップリングで妄想していた。ところが、いつしか本当に好きになってしまい、困惑する。

スザンナ・ホプキンス

元々は大野加奈子がアメリカ留学していた時に出会った友人。金髪ロングヘアで幼児体型。日本に留学してきて、現代視覚文化研究会に入る。母国ではスキンシップは苦手な方だった。現在は荻上千佳を非常に慕っており、アシスタントとして活動している。また荻上千佳を信頼している藪崎久美子にも非常に懐いている。 基本無口でしゃべらない。しかしアニメ・マンガの含蓄が以上に深く、会話代わりにセリフを言うことが多い。大野加奈子のコスプレも喜んで着ている。小柄な体躯のためみんなのマスコット的存在として扱われている。斑目晴信に対して淡い恋心を抱き、動揺し続けている。

吉武 莉華 (よしたけ りか)

一浪しており、入学時には成人済み。アンダーリムのメガネをいつも掛けており、ポニーテールで長髪、比較的小柄で子供っぽく見えることがある。衣装のバリエーションは多くオシャレ。大の戦国歴史マニア。元気な性格で、新しくなったサークルメンバーのムードメーカーになることが多い。 BLが大好きで、新メンバーたちとは意気投合する。特に矢島美怜とは親友的な関係を築いている。全く物怖じしない性格と、比較的冷静に状況を見渡す、鋭い人間観察力の持ち主。悩みが多く恋に悩むサークルメンバーの背中を押す立場に回ることが多い。同時に面白ければやってしまえというスタンスで、トラブルを起こすことも多い。

矢島 美怜 (やじまみれい)

ぽっちゃり体型で、全くおしゃれに気を使わず、シャツとジーンズで過ごしている。生真面目で、常識人。暴走するメンバーのツッコミに回ることが多い。それほど声高には言わないもののBL好きで、新メンバーとは意気投合する。特に吉武莉華は親友関係にある。マンガを描きたいと常々考えており、画力のなさを補うためコツコツと全身デッサンを繰り返し、チャレンジしつづけている。 最初は苛立っていた波戸賢二郎にいつしか好意を寄せていることに気づき、動揺している。

笹原 恵子 (ささはら けいこ)

現代視覚文化研究会で会長を務めていた笹原完士の妹で、キャバ嬢をやっている。オタクが嫌いで蔑視していたが、春日部咲の彼氏である高坂真琴の影響で、同人誌即売会を体験しに行くほどになっている。特に春日部咲を慕っており、彼女を好きなのに煮え切らない斑目晴信を煽って告白させた。 サークルメンバーとは一緒に行動することが増えているものの、あわないメンツもおり、牽制しあっている。斑目晴信のへたれっぷりを追いかけているうちに、彼に女性としてのアプローチをかけはじめる。

アンジェラ・バートン

大野加奈子がアメリカで出会ったオタク仲間で、夏冬の同人誌即売会には必ず顔をだす。明るくはつらつとしており、オタク趣味も男性向けからBLまで幅広い。グラマーな体格で、いつも大野加奈子とともにコスプレをしている。斑目晴信が好きで、積極的にアプローチをかけている。

藪崎 久美子 (やぶさき くみこ)

荻上千佳と同期の元漫研会員。ぽっちゃり体型に三つ編みのおさげをしている。荻上千佳と一緒に同人誌サークル『やぶへび』を主催。元々は荻上千佳とは犬猿の仲だったが、実際のところ荻上千佳とは仲良くなりたいという思いが強く、また彼女が漫画に対して挫折しても這い上がってくるところに敬意を抱き、今はよき仲を築いている。 未だに中学時代の荻上千佳のいじめをしにくるメンツに対して、彼女を守るためにいなす度量の持ち主。今はスザンナに非常になつかれている。

春日部 咲

かつて、なかば脅されるような形で現代視覚文化研究会に入った。オタク趣味は全くない。付き合っている彼氏の高坂真琴が大の二次元オタクのため、巻き込まれていた。卒業後はほとんどサークルには訪れていない。在学中に斑目晴信に思いを寄せられていて、本人もそれに気づいていた。しかし気を持たせないようにとスルーをし続けていたところ、卒業後に斑目晴信がはっきりと告白したことで、二人の仲は一段落し、よき友人になる。 同時に斑目晴信に異常なモテ期が来ていることを見抜く。

笹原 完士 (ささはら かんじ)

元現代視覚文化研究会会長。隠れオタクでなかなか踏み切れなかったところを、このサークルに入ることで一線をこえ、一気に趣味を開花させた。かつて心に傷を負っていた荻上千佳を支え、恋人関係になる。卒業後は編集者として仕事をはじめる。恋人で漫画家の荻上千佳のネームを毎回チェックしている。 荻上千佳は会長として悩んでいる時、彼に相談することもある。

大野 加奈子 (おおの かなこ)

現代視覚文化研究会の元会長。黒髪ロングに巨乳、高身長という恵まれた体躯を生かして、コスプレに日々没頭する。帰国子女で、スザンナとアンジェラが海外のオタク仲間だった。元々BL好きだった彼女の元に、BL好き新入生がはいったことで同士が増え、やりたい放題を尽くしたため一時期はコスプレ部状態になった。 恋人の田中総市郎からプロポーズ発言を受けるも、「留年して待ってます」とみんなを困らせており、卒業の意志を見せようとしない。

久我山 光紀 (くがやま みつのり)

太った身体で、吃音持ち。斑目晴信と同じ代で、卒業してからは医療器具メーカーに就職し、営業にまわる。自動車免許を持っているので、引っ越しなどで駆り出されることが多い。斑目晴信とは卒業しても仲がよく、あまりにモテているのに煮え切らない彼にカッと来て、キャバクラに連れて行ったことがある。

朽木 学 (くちき まなぶ)

異常なテンションの高さと余計な言動が災いし、幾度もメンバーに迷惑をかけているトラブルメーカー。斑目、笹原の次の学年として卒業が決定し、親のコネで銀行への就職が決定している。

吉武 莉紗 (よしたけ りさ)

吉武莉華の妹。男装をさせると全くわからないほどのボーイッシュな容貌で、長身のスレンダーな体型の持ち主。バスケットを続けていたが、進学を機に堂々とオタク生活を送ることを決意。特にショタコン趣味をこじらせており、偶然見た波戸賢二郎の裸を見て、姉と同じ大学に進学することを決意した。

その他キーワード

コミフェス

『げんしけん二代目』の用語。年に二回東京ビッグサイトで開催されるオタクの祭典で、正式名は「コミック・フェスティバル」。先輩後輩問わず、現代視覚文化研究会のメンツはほとんど参加している。特に荻上千佳が会長になり、波戸賢二郎が入部してからは、大野加奈子が参加メンバーを集めてグループコスプレをしようと常に企んでいる。 荻上千佳は藪崎久美子とともにサークル「やぶへび」で参加。漫画家になってから壁サークル(壁際に並ぶ大手のサークル)になる。

アニメ

げんしけん二代目

笹原ら主要メンバーが卒業、就職した後の「現視研」。大野加奈子の後に新会長になった荻上千佳は新入部員不足に、新歓での即興作画パフォーマンスを敢行する。その画力に惹かれて吉武、矢島の2人の女新入生が入部す... 関連ページ:げんしけん二代目

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